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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TOPW (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 東京インキ株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、「顔料分散技術」、「材料配合技術」、「混練技術」、「成形加工技術」、「分析評価技術」を基盤技術とし、これまで永年にわたり印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携わってまいりました。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報通信伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、更に踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を継続しております。
生産・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報を一元管理するデーターベースによる審査・承認の仕組みの整備も積み重ね、安全・安心を提供する「ものづくり」に力を注いでおります。
次世代事業の製品創出にはサステナビリティ活動が必須となる中で、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努め、環境負荷低減を意識した新製品開発を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,200百万円であります。

セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりであります。

(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア®」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュア®UV OL」の製品性能向上に引き続き注力いたしました。具体的には印刷作業性を向上させる製品や幅広い用紙に適応できる製品を重点的に開発し、顧客満足度の向上を狙った製品開発を進めました。また、油性枚葉印刷がLED-UV印刷にシフトするトレンドが一段落する中、顧客の使い易さに磨きをかける事で製品の魅力を向上させた結果、「ジップキュア®UV OL」の販売は堅調に推移いたしました。更に業界の流れや環境に配慮した製品として高バイオマスオフ輪インキ「GAIA®VLC」、バイオマスマーク対応の高感度UVインキ「ジップキュア®UV OL BVM」、水なし印刷用製品「UV OLアルックス®」の開発・改良にも注力してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
また、大幅な原材料高に対して、生産効率化と安価原材料への置換の推進や上記既存製品群の改良を行い、収益改善に寄与しました。
新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマブラック」の性能向上を図りました。
その他、オフセット用印刷用補助剤につきましては、顧客の生産性を向上させるために印刷機の停止回数を極力減らす製品づくりや環境負荷低減対応を第一優先に考えた無処理版対応製品の拡充により、使い易さだけでなく安全で環境に貢献する製品の提供に努めてまいりました。今後も、環境に配慮した高収益メーカーとなるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境負荷低減製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境負荷低減製品につきましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。更に非食用米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、開発したライスインキの拡販を進めました。
機能性製品につきましては、自動蒸気抜け用インキ、遮光性インキ、バリアインキ、マットインキ、ヒートシール剤、モノマテリアル対応インキ、蒸着用コーティング剤等の開発を行ってまいりました。意匠性製品につきましては、電子レンジ用途での金インキや銀インキの採用が広がり、拡販が達成できました。更に輝度を上げた銀インキを開発し、パスター加工代替を狙った新たな製品提案を行い、徐々に販売を増加させております。
今後もさまざまな包装材料分野への展開を進めるとともに、環境負荷低減製品および機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。受託製品では、できるだけ多くの新規獲得を目指しております。
自社製品につきましては、建材塗料代替となる外壁用・内壁用UVインクジェットインク、マーキング用や加飾用等の機能性UVインクも順調に推移しております。今後も機能性UVインクを中心とした開発に取り組み、さまざまな分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は312百万円であります。

(化成品事業)
マスターバッチにつきましては、主力のポリオレフィン用カラー・添加剤マスターバッチに加え、汎用エンプラ用、バイオプラスチック用各種マスターバッチ製品の拡充、およびサステナブルな製品開発と環境規制への適合を重視し製品開発を進めてまいりました。これらの活動において、フッ素化合物PFAsの使用規制に対応するために非フッ素系加工助剤「プラヘルパー®」を上市しました。これにより、製品の持続可能性を高めることが期待できます。
また、製造プロセスの効率化とエネルギー消費の低減に貢献する、成型サイクル短縮に寄与するマスターバッチ「サイクルヘルパー」を上市しました。これにより環境負荷低減が期待できます。
さらに、既存のマスターバッチに加え、加工時の熱エネルギーを削減できる液体タイプのマスターバッチ「リキッドカラー HiFormer®」は、供給機に高度な制御技術を適用した専用の供給機システム開発により、成形品の品質安定性を向上させました。環境性能を求める顧客ニーズに沿ったシステムを開発することで、新規分野への拡販を継続して行ってまいります。
今後も環境負荷を低減する製品開発への取り組みを継続するとともに、更に外部環境変化に対応し、新規開発テーマの推進を掲げ事業領域の拡大により、目標利益獲得を目指します。脱プラスチックの動きにより縮小分野もありますが、引き続きシェアの拡大と戦略製品の開発を進めてまいります。
樹脂コンパウンドにつきましては、機能性製品の開発として、各種機能性フィラー等の分散検討に引き続き取り組み、分散・配合技術を駆使した生産技術を確立し、新たな製品開発を目指してまいります。
土岐クリーン工場のクリーン環境下における新製品立ち上げも継続して取り組んでおります。引き続き、差別化製品の確立に向けた量産試作を継続して行い、食品、医療、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、顧客との共同開発テーマを積極的に進めてまいります。
また、新たな生産プロセスとなる、自動化、省人力化に寄与できる生産技術の導入も進めてまいります。
東京インキ(タイ)㈱の工場につきましては、化成品事業の海外主力工場として、引き続き東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し、取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は508百万円であります。
(注)HiFormer®はAVIENT社の登録商標です。

(加工品事業)
ネトロン®につきましては、水処理用資材の製品改良・開発を実施し、内製化による収益拡大を図り、安全な水の提供に貢献してまいりました。市場の拡大に伴い、生産設備1系列の増設を計画し、また生産に必要な金型の一部を内製化することを目指し、当期に加工機を導入いたしました。このように製品設計、金型作製、ネット試作、性能評価を一貫して実施できる環境が整い、トップメーカーとしての責務を果たすべく設計開発活動を継続してまいります。
土木資材につきましては、民間、公共工事の大型案件の順調な受注、災害復旧案件などの継続、再生エネルギー事業(太陽光発電、風力発電など)における市場拡大の中、これまで海外で生産していた土木資材の基軸製品であるジオセルの国内生産に取り組んでまいりました。今後の営業生産開始に向け、1工程で製品化できる設備を設計し、導入を進めてまいります。
農業資材につきましては、市場からのニーズが高い農業用ハウスに用いる遮熱資材、保温資材の開発を継続してまいりました。昨今の生産者はサステナビリティ対応もあり、化石燃料に依存しない栽培への対応のため、燃油対策事業など補助金を活用したハウスの高機能化を目指しております。当社の「エナジーキーパー®」「エナジークロス®」は、生産者のニーズと合致し、各補助金活用によりイニシャルコスト削減で普及拡大しつつあり、「エナジーキーパー®」を用いたエネルギー削減の取り組みは、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」における基盤整備事業実施計画に認定され環境負荷低減に寄与してまいります。当期は農業用ハウスの内張カーテン資材としての遮熱シートと遮熱織物の開発を完了し、事業所内に設置してある小型ハウスや大学の試験農場で試験展張を実施してまいりました。得られた各種データを解析し製品改良を行い、来期からは農家の方々にも協力いただき製品評価を継続してまいります。これらの活動を通じて、環境負荷を低減し、食料の安定確保に貢献できる製品開発を継続してまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は142百万円であります。

(その他)
当社の研究開発は、新製品開発、新規事業探索を目的に活動を行っております。当社の事業展開と共に獲得してきた基盤技術を基に競争優位性のあるコア技術を確立し、差別化製品の開発を進めております。サステナブル対応製品をキーワードに、今後成長が期待されるモビリティ領域、ヘルスケア領域、デジタルデバイス領域へ展開し、機能性材料の設計へとその活動範囲を徐々に広げております。
このような中、近年の自動車のEV化や自動運転に伴う電子機器類の熱対策、モーター等の産業用電気機器における放熱性の要求の高まりに対して、放熱材ギャップフィラーの製品開発に注力し、事業化に向け組織的な活動を行っており、ノンシリコーンタイプの2液硬化型ギャップフィラーの製品ラインアップが完成しました。また、コア技術として濡れ制御技術、微細化技術を駆使した開発においては、研究機関との共同研究開発により、金属ナノ粒子充填プラスチックシンチレータの開発が完成しました。医療用X線診断装置や一般X線分析装置等に搭載している検出器内の部材としてサンプル提供の環境を整えました。配合設計技術をコア技術とした取り組みでは、燃料電池用導電性インキの開発を行っており、商品化に向けた活動を継続しております。今後も従来の基盤技術を応用し研究開発の中で確立したコア技術を融合し、サステナブル対応製品の拡充を軸に新製品の開発を進めてまいります。
一方、既存製品の生産プロセスにつきましても「省力化」、「自動化」、「安全性」を考慮したモデルラインを構築中であり、新規生産プロセスおよび新規混練機の開発を行い、合理化された将来の生産ラインを検討しております。今後も液系混合プロセスラインを含め、新規プロセスの検討にも注力してまいります。また、当社グループ事業に関わる合理化の検討および生産コスト削減に寄与できるよう努めてまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は236百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00904] S100TOPW)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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