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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W1PP (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 雪印メグミルク株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


(1)研究の目的
当社グループ(当社および連結子会社)の研究開発部門では、「食の持続性」の実現に向けて、既存の事業戦略上急務となっている課題に対する研究開発や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。
また、新規事業創出につながる新たな価値や技術を創造し、グループの持続的発展と事業の戦略的拡大を目指しております。中期経営計画2025においては、6つの戦略課題実現に向けて、基礎研究とそれによる商品への具現化を進めてまいりました。
引き続き、NextDesign 2030においては、機動的な研究・商品開発テーマの運用や知財の戦略的活用を通じて新たな価値や技術を創造し、グループの持続的発展と各事業部の戦略的拡大に貢献してまいります。

(2)研究開発体制
当社グループの研究開発部門は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱に設置されています。
そのうち、当社の研究開発体制は、おいしさ向上や健康寿命延伸などに繋がる乳の研究や環境負荷低減に関する研究を行う「ミルクサイエンス研究所」、乳食品や市乳の新商品開発や既存商品の改良を行う「商品開発部」、そして事業戦略に基づき研究開発・知財戦略を策定・推進する「研究開発部」が相互に連携することで、新たな需要の創出、高付加価値化、商品力の強化を実現させています。


(3)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,983百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
乳製品:当連結会計年度の研究開発費の総額は2,089百万円です。
飲料・デザート類:当連結会計年度の研究開発費の総額は1,946百万円です。
飼料・種苗:当連結会計年度の研究開発費の総額は947百万円です。

(4)研究開発成果
主な研究開発活動とセグメントおよび6つの戦略課題との関係性は以下の通りとなります。
●中期経営計画2025の6つの戦略課題における研究開発成果
セグメント
6つの戦略課題乳食品
・ニュートリション
飲料・デザート飼料
・種苗
プラントベースフードへの参入●当社
・これまで当社が「乳」で培ってきた知見を活かし、プラントベースフード市場の新たな領域への新商品として「Plant Label えんどう豆由来のおつまみ」、「米粉由来のもちもち食感シュレッド」を新発売しました。
●当社
・「ナチュレ恵 megumi 植物生まれ」では、おいしさを向上させ、リニューアル発売しました。
・飲料では、より手に取りやすいフレーバー品として「Plant Label えんどう豆生まれ コーヒー」を新発売しました。
●-
●当社
・これまで培ってきた「乳」の知見と機能を活かした商品開発を進めています。
●-


セグメント
6つの戦略課題乳食品
・ニュートリション
飲料・デザート飼料
・種苗
機能付加商品の育成●当社
・2023年度、「ガセリ菌SP株」の腸内環境改善効果を確認し、2024年度は従来の肥満気味の方の内臓脂肪を減らす機能に加えて、腸内環境を改善する機能を付加した機能性表示食品として「ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズ、「ガセリ菌SP株カプセル」を発売しました。
● ―
●当社
・2017年度より実施していた名古屋大学との産学共同研究講座の成果であるBifidobacterium adolescentisSBT2786が、ヒトにおいて睡眠改善効果を有することを確認しました。今後の商品化に向けて取り組んでいます。
● ―
● ―●当社
・野菜飲料に新たな価値を訴求するため「おなかの調子を整える」、「食事に含まれるカルシウム・鉄・マグネシウムの吸収を促進する」機能が報告されたマルトビオン酸を使用した商品を新たに発売しました。
● ―
●当社
・機能素材・乳酸菌等について、新たな価値訴求を目指した研究開発を実施中です。
● ―
海外展開の強化●当社
・グローバル戦略を加速するため、機能素材や乳酸菌等のヘルスクレームの取得等に継続して取り組んでいます。
● ―● ―
チーズの
徹底拡大
●当社
・2023年から展開している「torochi」シリーズに、原料や風味のバランスにこだわって開発した「torochi モスバーガー監修 チーズソース」を新たに発売しました。
● ―● ―
●当社
・北海道生乳を有効活用したチーズ展開を目指し、製造技術開発や商品開発を推進しています。
● ―● ―
白物拡大を前提とする市乳事業の成長● ―●当社
・弘前大学との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」による新たな価値創出を目指し、牛乳・乳製品の摂取と健康状態への影響を調査し、骨代謝や骨強度は日常的な牛乳・乳製品摂取と関連すること、乳製品を多く摂取する人は収縮期血圧が低いことを示しました。
・当社独自の情報発信サイト「骨太な未来プロジェクト」に学術データを掲載し、情報発信や新たな価値提案に繋げています。
● ―
● ―●当社
・牛乳の価値向上のため、UHT牛乳の風味特性の可視化や牛乳の香りによる脳機能の安定化に関する研究、学会発表を行いました。可視化した風味特性は、「雪印メグミルクおいしい牛乳」のパッケージに「おいしさカーブ」として掲載し、お客様に商品の魅力を伝えています。
● ―



セグメント
6つの戦略課題乳食品
・ニュートリション
飲料
・デザート
飼料・種苗
自給飼料需要
拡大の取組
● ―● ―●雪印種苗

・雪印種苗(株)と農業・食品産業技術総合研究機構とで共同開発した高栄養オーチャードグラス品種「わせじまん」「えさじまん」「きたじまん」に関し、「寒地・寒冷地向きオーチャードグラス高WSC(水溶性炭水化物)含量品種の育成」として日本草地学会賞を受賞しました。
・フェストロリウムは越冬性に優れる草種であるメドウフェスクと飼料品質に優れる草種であるペレニアルライグラスとの属間雑種ですが、雪印種苗(株)が農業・食品産業技術総合研究機構、北海道立総合研究機構と共同開発した品種「ノースフェスト」は双方の優れた特性を併せ持ち、さらに放牧適性も備えており、「北海道農作物優良品種」の認定も受けています。この種子販売を2024年4月に開始しました。


・持続可能な酪農を確立する上でウシの曖気(げっぷ)中のメタン発生を抑制することが求められています。雪印種苗(株)はソラマメ属のヘアリーベッチとコモンベッチの水溶性成分が牛のゲップからのメタン発生を抑制することを発見し、北海道畜産草地学会で発表しました。ただし、生草そのものには毒性があるため、今後は有効性を高めつつ毒性を低減した飼料添加物に加工する方法を開発していきます。


・ウシ第一胃中でのトウモロコシサイレージの消化性を調べた結果、雪印種苗(株)の品種「LG31295」が優れていることを明らかにしました。



セグメント
6つの
戦略課題
乳食品・ニュートリション飲料・デザート飼料・種苗
その他●当社
・オープンイノベーションを活用した研究開発の取り組みを行っております。
◇弘前大学との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」を通し、「岩
木健康増進プロジェクト健診」のビッグデータの活用や参画企業と
の共創により、乳製品の新たな価値創造を行っています。
◇バッカス・バイオイノベーションに出資し、腸内細菌叢モデル技術
や統合型バイオファウンドリ技術を活用し、バイオテクノロジー分
野における研究開発を加速し、当社が保有する乳酸菌等の価値の向
上とともに新たな価値の創造に取り組んでいます。
◇NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業において、食品
企業および団体と京都大学、九州大学と連携したコンソーシアムに
て「食のAIシステム」に関する取り組みを開始しています。
期待する食品の品質(物性・風味など)を得るための配合、加工条
件を予測AI技術により最適化することを目指して取り組んでまいり
ます。
●雪印種苗

農業・食品産業技術総合研究機構との共同開発品種「ひなあられ」がジャパンフラワーセレクション(ジャパンフラワーセレクション実行協議会)にて芳香がうるわしく、香りのデザインが優れた品種に授与される「フレグランス賞」を受賞しました。


近年の地球温暖化に伴う気候変動の中でも耐倒伏性・収量性が高く、加工適性にも優れた品種「SBS104」を発売しました。
●当社
・原子間力顕微鏡を用いてバターの組織構造を維持したまま直接観察できる方法を世界で初めて開発しました。今後、バターの付加価値向上に繋げることを目指します。
・オープンイノベーションを活用した研究開発の取り組みにより、ラマンイメージングと機械学習でマーガリンの品質や乳化状態を化学的な定量性に基づき評価する解析技術を開発しました。

●雪印ビーンスターク

・母乳の主要成分(たんぱく質、脂質、炭水化物、エネルギー)について、統計解析により、母親や児の健康状態や栄養摂取などの背景因子が影響していることを見出し、新生児栄養フォーラムにて、発表しました。
・母乳中の糖鎖と児の感染症とアレルギーとの関連について、日本糖質学会、ビフィズス菌研究会にて発表しました。

・通販(ポスト便)でお求めやすいように、容器包装を箱タイプからパウチタイプへ変更しました。10日分から30日分への入数を増量し、包材使用量と1日単価を削減しました。丸型の錠剤からハート型を開発し、情緒的な付加価値を追加しました。

・マムシリーズ3品で個別に作成していた試供品のフィルムを工場での印字で品名を識別し、統一デザインとし、改版時の廃棄量を削減しました。
●当社
・石油由来プラスチック削減容器の開発に向けた研究開発を継続して実施しております。2025年3月から「ナチュレ 恵 megumi」「牧場の朝ヨーグルト」「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」の3ブランドに、バイオマスプラスチック配合容器を順次導入しております。


各研究開発成果の補足事項は次のとおりです。
●当社
〈乳製品〉
当社は2024年3月に、新ブランド「Plant Label」を立ち上げ、プラントベースフード市場へ本格的に参入しました。当社のこれまで「乳」で培ってきた幅広い知見や機能を活かし、低脂質でたんぱく質や食物繊維が豊富な「えんどう豆」由来の原料を使用した「Plant Label えんどう豆由来のおつまみ」を新たに発売し、プラントベースフード市場の新たな領域に展開を開始しました。
さらに、加熱するともちもちした食感が楽しめる「米粉由来のもちもち食感シュレッド」を発売しました。この商品は、チーズ開発の知見を活かして風味を調整し、料理に適したチーズの風味に仕上げています。また、子会社であるヨシダコーポレーションと連携することで、シナジー効果を発揮し、新商品開発を進めています。これにより、新しい商品を通じて、日々の食事をより楽しいものにしていきます。
手軽にかけるだけで、チーズの新しい食習慣や食文化の創出を目指す「torochi」シリーズは、2023年に発売されました。このシリーズに新しく、「torochi モスバーガー監修 チーズソース」が加わりました。この商品は、見た目の楽しさに加え、86%の北海道産ゴーダチーズを使用しています。濃厚なチーズ感がありながら、ハンバーグとよく合い、肉の脂っこさを軽減する酸味のバランスにもこだわって仕上げています。
今後も当社は、消費者の健康ニーズおよび環境負荷軽減への対応を進め、新しい価値を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
主な研究成果は以下の通りです。
・バターの物性に関わる組織の微細構造を維持したまま直接観察できる世界初の観察方法について発表いた しました。バターの組織(固体脂ネットワーク)を分析することは、バターの品質を予測する上で重要です。今回、原子間力顕微鏡を用いることで、乳脂肪の微細結晶が凝集した構造を直接観察できることが分かりました。今後、バターの品質の安定化や風味や機能性のさらなる向上、製菓・製パン用途を始め、調理方法や用途に適した商品の開発に役立てることが期待されます。
・産業技術総合研究所、大阪大学との共同研究で、ラマンイメージングと機械学習でマーガリンの品質や乳化状態を化学的な定量性に基づき評価する解析技術を開発し、発表いたしました。今回開発した解析手法は、マーガリンの口どけなどの制御だけでなく、品質管理、商品改良などを行う際の実用的な品質評価技術として利用することが期待されます。また、マーガリンのみならず、一般に液体成分が多く含まれる食品の検査や、製薬やその他の分野でも強力なツールになると考えられます。
これら研究成果は、日本酪農科学会の酪農科学シンポジウム2024で発表、論文としてFood Chemistryに掲載されました。

〈飲料・デザート類〉
ヨーグルトカテゴリーでは、2024年10月に、当社の独自乳酸菌である「ガセリ菌SP株」の機能として、従来の「肥満気味の方の内臓脂肪を低減する機能」に「腸内環境を改善する機能」をプラスし、「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズをリニューアル発売しました。これまでご愛顧いただいているお客様にさらに満足いただける機能を訴求することで、より選ばれる商品に進化しました。
2025年3月、「ナチュレ 恵megumi 植物生まれ」は、えんどう豆のクセのある風味を抑え、食感をなめらかにすることでおいしさを向上させ、リニューアル発売をしました。また、「2つの菌を、毎日のおなかに。」をパッケージ上部に配置、「ガセリ菌SP株」「ビフィズス菌SP株」のアイコンも大きく配置して、2つの菌が配合されていることがより視覚的に伝わるようにデザインを変更しました。「Plant Label えんどう豆生まれ オリジナル」は、苦み渋みを低減し、よりコクが感じられる風味に改良しました。商品名とパッケージデザインは、素材や商品特長が伝わるように刷新しました。
また、今回のリニューアルにあわせて、手に取りやすいフレーバー品「Plant Label えんどう豆生まれ コーヒー」を新発売しました。これまで培ってきた「乳」の知見と機能を活かし、植物性商品の展開を進めることで、食の持続性に取り組んでまいります。
牛乳カテゴリーでは、ブランドを刷新した「雪印メグミルクおいしい牛乳」を発売。関東エリアでは少人数世帯の増加に対応した新容器750mlを関東で発売しました。パッケージには、「おいしさカーブ」を掲載し、おいしさの理由が視覚的に伝わるようにしました。
その他の飲料カテゴリーにおいては、「農協 野菜Days 野菜1日分 腸得Life」は、「おなかの調子を整える」、「食事に含まれるカルシウム・鉄・マグネシウムの吸収を促進する」機能が報告されたマルトビオン酸を配合した機能性表示食品として上市しました。野菜飲料に機能を求める人をターゲットに、野菜飲料に新たな価値を提案しました。
飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕や、乳の持つ可能性を明らかにすることを目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用できるよう、研究を続けております。
主な研究成果は以下の通りです。
・弘前大学と当社との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」において、健康ビッグデータである「岩木健康増進プロジェクト健診」を用いた解析研究に着手しました。牛乳・乳製品摂取量と骨代謝マーカーおよび音響的骨評価値に関して研究した結果、日常的な牛乳・乳製品摂取は、骨の健康状態を示す骨代謝マーカーや骨強度値と関連し、骨の健康に必要な栄養補給に寄与することが示唆され、この成果を論文発表しました。また、乳製品摂取と血圧に関して研究した結果、牛乳・乳製品を多く摂取する人は収縮期血圧が低いことが示され、この成果を論文発表しました。
・当社独自のビフィズス菌Bifidobacterium adolescentisSBT2786について、日常生活で睡眠に不満を持つ人、特にストレス状態の高い人の睡眠状態を改善するとともに、ネガティブな気持ちを改善することを臨床試験で明らかにしました。この研究は、2017年に名古屋大学と設立した産学共同講座で進めていたモデル生物を用いた研究で、モデル生物で選抜した菌をヒト試験においても有効性を示した成功例であり、食品の機能性研究の新たな可能性を示す結果になりました。
・牛乳の新たな価値を見出すため、超高温殺菌(UHT)牛乳を口に含んでから飲み込んだ後までの風味特徴(香り、甘みなど)について、時間経過毎に評価する官能評価手法を用いることにより風味を可視化しました。これにより味わいの特徴やその変化をより分かりやすくお客様に伝えることが可能になり、商品のパッケージへ活用しました。また、牛乳の香りが脳機能に与える影響を研究し、牛乳の香りには、脳の働きを安定化させる効果(鎮静効果)があることを見出しました。
これらの研究成果は、論文としてBone ReportやHypertension Research、Nutrientsに掲載され、日本農芸化学会にて発表しました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23202] S100W1PP)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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