有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YBPK (EDINETへの外部リンク)
アステラス製薬株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当社は、2021年5月に発表した経営計画2021において、「患者さんのより良いアウトカムの実現」「科学の進歩を確かな『価値』(注) へ」「Rx+ビジネスの進展」「サステナビリティ向上の取り組みを強化」の4つを戦略目標として掲げ、「価値」の創造と提供の実現に取り組みました。
(注) 患者さんにとって真に重要なアウトカム (治療等による臨床上の成果) を、それを提供するためにヘルスケアシステムが負担するコストで除したもの
当連結会計年度における研究開発活動をはじめとする持続的な成長に向けた主な取り組みは以下のとおりです。
(1) 戦略目標1:患者さんのより良いアウトカムの実現
中長期にわたり成長を支える重点戦略製品 (注) に優先的に経営資源を振り向けました。尿路上皮がん治療剤PADCEVや地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY、胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY等、当社の成長をけん引する製品の育成と製品価値の最大化を図りました。
また、開発後期段階においては、下記等の進展がありました。
・尿路上皮がん治療剤PADCEVとMerck社 (米国) のPD-1阻害剤Keytruda (一般名:ペムブロリズマブ) との併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法の追加適応としての、米国での承認取得並びに欧州及び日本における承認申請
・地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAYについて、「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果とした日本における発売
(注) PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA (2026年3月31日現在)
当連結会計年度における主要製品の売上及び主な進捗状況は以下のとおりです。
・尿路上皮がん治療剤PADCEV (一般名:エンホルツマブ ベドチン)
当連結会計年度売上:2,212億円 (前連結会計年度比34.8%増)
全ての地域で売上が着実に拡大し、グローバル売上は大きく増加しました。転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療の着実な浸透や、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者における術前術後の補助療法の承認取得等が売上伸長に貢献しました。追加適応症の承認取得、承認申請及び開発の進捗状況は以下のとおりです。
2025年7月 筋層非浸潤性膀胱がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発と、その他の種類の固形がんを対象として第Ⅱ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2025年11月 米国において、本剤とKeytruda又はKeytruda QLEX (ペムブロリズマブ+ベラヒアルロニダーゼ アルファ-pmph) の併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者における術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局から適応追加に関する承認を取得しました。
2025年11月 欧州において、本剤とKEYTRUDAの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁が適応追加に関する申請を受理した旨の通知を受領しました。
2026年1月 日本において、本剤とキイトルーダの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として適応追加に関する製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
2026年3月 欧州において、本剤とKEYTRUDAの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に適応のある筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁が適応追加に関する申請を受理した旨の通知を受領しました。
2026年4月 米国において、本剤とKeytruda又はKeytruda QLEXの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に適応のある筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局により生物学的製剤一部変更承認申請が受理され、優先審査の指定を受けました。
2026年4月 筋層浸潤性膀胱がんの膀胱温存療法を対象として、第Ⅱ相段階に移行したことを公表しました。
・地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY (一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)
当連結会計年度売上:776億円 (前連結会計年度比33.2%増)
売上は着実に拡大しました。追加適応症の開発の進捗及び発売状況は以下のとおりです。
2025年10月 Stargardt病を対象として第Ⅱ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2025年11月 日本において、「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果として発売しました。
・胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY (一般名:ゾルベツキシマブ)
当連結会計年度売上:631億円 (前連結会計年度比415.6%増)
2026年4月現在、日本、欧州及び米国を含む30か国以上で発売されており、グローバル売上は大きく拡大しました。Claudin 18検査率の向上と治療中止率の低さなどが売上伸長に貢献しました。追加適応症の開発の進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月 膵腺がんを対象とした第Ⅱ相GLEAM試験の結果を受けて、本試験に基づく開発を中止したことを公表しました。
・閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状治療剤VEOZAH (一般名:フェゾリネタント)
当連結会計年度売上:466億円 (前連結会計年度比37.7%増)
米国を中心に、グローバル売上は着実に拡大しました。開発の進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月 日本において、閉経に伴う血管運動神経症状を有する女性患者を対象とした第Ⅲ相STARLIGHT 2試験について、主要評価項目を達成したことを公表しました。
2026年4月 中国において、閉経に伴う血管運動神経症状を有する女性患者を対象とした第Ⅱ相試験について、主要評価項目を達成したことを公表しました。
・急性骨髄性白血病治療剤XOSPATA (一般名:ギルテリチニブフマル酸塩)
当連結会計年度売上:718億円 (前連結会計年度比5.7%増)
地域ごとの増減はあったものの、グローバル全体の売上は順調に推移しました。追加適応症の開発の進捗状況は以下のとおりです。
2025年10月 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年3月 強力な化学療法に適応のある未治療FLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者を対象とした第Ⅲ相PASHA試験について、主要評価項目を達成しなかったことを公表しました。
・前立腺がん治療剤XTANDI (一般名:エンザルタミド)
当連結会計年度売上:9,608億円 (前連結会計年度比5.3%増)
グローバル売上は増加しました。
その他の主要製品の売上は以下のとおりです。
・過活動膀胱治療剤ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ (一般名:ミラベグロン)
当連結会計年度売上:1,897億円 (前連結会計年度比11.6%増)
グローバル売上は増加しました。
・免疫抑制剤プログラフ (一般名:タクロリムス水和物)
当連結会計年度売上:2,077億円 (前連結会計年度比3.3%増)
グローバル売上は前連結会計年度と比べ同水準でした。
上記以外に、医療用医薬品事業に関する以下の取り組みを行いました。
2026年3月 明治安田生命保険相互会社との間で、最先端の医療が必要な人に届く持続可能な社会の実現を目指した協業に関する基本合意書を締結しました。
2026年3月 高岡工場における医薬品の生産活動を終了しました。
(2) 戦略目標2:科学の進歩を確かな「価値」へ
当社は、Focus Areaアプローチという当社固有の研究開発戦略の下、多面的な視点で創薬ターゲットを絞り込む新しいアプローチで革新的な製品の創出に取り組んでいます。2026年3月現在、特定のバイオロジー (注1)、モダリティ (注2)、疾患の組み合わせであるFocus Areaアプローチから生まれたものの中でPrimary Focus (注3) として「がん免疫」「標的タンパク質分解誘導」「遺伝子治療」「再生と視力の維持・回復」の4つを認定しています。
(注) 1.疾患の原因のより深い理解
2.汎用性のある治療手段・基盤技術
3.Focus Areaの中における特定の組合せで、科学的妥当性、研究開発や商業化の実現可能性、プロジェクトの充実度や進捗度の観点から選択され、優先的な投資対象となるもの
当連結会計年度における各Primary Focusの主な進展は以下のとおりです。
・Primary Focus がん免疫
2025年7月 レプチン-IL-2遺伝子を搭載した腫瘍溶解性ウイルスASP1012について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2026年2月 抗Claudin 18.2/CD3二重特異性抗体ASP2138について、胃腺がん及び食道胃接合部腺がんにおいて臨床PoC (注) 達成を公表しました。
2026年2月 Vir Biotechnology社 (米国) との間で、二重マスキング前立腺特異的膜抗原を標的とした二重マスキングCD3 T細胞エンゲージャーVIR-5500の開発・商業化に関するグローバルの戦略的提携契約を締結しました。
2026年4月 二重マスキング前立腺特異的膜抗原を標的とした二重マスキングCD3 T細胞エンゲージャーVIR-5500について、前立腺がんを対象として第Ⅰ相段階にプログラムを追加したことを公表しました。
2026年4月 TROP2を標的とするデュアルペイロード免疫刺激性抗体-薬物複合体ASP2998について、がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 DGKζ阻害薬ASP1570について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
(注) コンセプト検証
・Primary Focus 標的タンパク質分解誘導
2025年4月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082 (一般名:setidegrasib) について、膵腺がんにおいて臨床PoC達成を公表しました。
2025年7月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082について、非小細胞肺がんにおいて臨床PoC達成を公表しました。
2025年10月 Pan-KRAS分解誘導薬ASP5834について、がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年1月 Pan-KRAS分解誘導薬ASP5834について、非小細胞肺がんにおいて米国食品医薬品局からファストトラック指定を取得しました。
2026年2月 KRAS G12D分解誘導薬ASP4396について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2026年4月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082について、膵腺がんを対象として第Ⅲ相段階に移行したことを公表しました。
・Primary Focus 遺伝子治療
2025年4月 遺伝子治療薬AT845について、ポンペ病を対象として第Ⅱ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 MTM1遺伝子補充によるミオチュブラリン発現亢進薬ASP2957について、X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 MTM1遺伝子補充によるミオチュブラリン発現亢進薬AT132について、X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを対象として第Ⅱ相段階にあった開発を戦略的に中断したことを公表しました。
・Primary Focus 再生と視力の維持・回復
2026年3月 細胞医療ASP7317について、重度の視力低下を有する、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性において、臨床PoC達成を公表しました。
当連結会計年度におけるPrimary Focus以外の研究開発活動の主な進展は以下のとおりです。
2025年4月 公益財団法人がん研究会との間で、トランスレーショナルリサーチ (橋渡し研究) 及びがんの臨床研究の加速を目指す戦略的提携に関する契約を締結しました。
2025年5月 Evopoint Biosciences社 (中国) との間で、CLDN18.2を標的とした新規の抗体-薬物複合体XNW27011の独占的なライセンス契約を締結しました。
2025年6月 株式会社三菱総合研究所との間で、同社が厚生労働省より委託を受けて実施する「医療系ベンチャー・トータルサポート事業」における創薬スタートアップ支援業務での提携に関する基本合意書を締結しました。
2025年7月 韓国の行政機関である中小ベンチャー企業部の傘下機関である創業振興院 (韓国) との間で、韓国の創薬スタートアップの発掘、事業拡大及びグローバル展開支援を目的とした「グローバル企業パートナーシッププログラム」の運営に関する基本合意書を締結しました。
2025年7月 Claudin 18.2を標的とする抗体-薬物複合体ASP546Cについて、がんを対象として第Ⅰ相段階にプログラムを追加したことを公表しました。
2025年10月 CYP17リアーゼ阻害剤アビラテロンデカン酸エステル/ASP5541について、前立腺がんを対象として第Ⅱ相に移行したことを公表しました。
2025年12月 株式会社安川電機の子会社であるロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社が開発したヒト型汎用ロボット「まほろ」によるロボット式細胞培養自動化システムが、米国食品医薬品局の生物製剤評価研究センターから先進製造技術指定を取得しました。当社と株式会社安川電機の合弁会社であるセラファ・バイオサイエンス株式会社が、この技術を活用した細胞医療の実用化を主導します。
2026年4月 STING阻害薬ASP5502について、原発性シェーグレン症候群を対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
(3) 戦略目標3:Rx+ビジネスの進展
当社は、医療用医薬品 (Rx) に留まらず、ペイシェントジャーニー (診断、予防、治療及び予後管理を含む医療シーン) 全体において、様々な方法で患者さんに「価値」を届けることを目指しています。私たちはこの取り組みをRx+事業と呼んでいます。経営計画2021では、戦略目標3「Rx+ビジネスの進展」として、患者さんが医療従事者とともに治療計画に積極的に参加できるよう、臨床研究や患者視点に基づく利用しやすい技術、ツール、リソースを提供することで、患者自身が自らの健康をより良くコントロールできるよう支援することを目指し、Rx+プログラムの事業化に取り組んできました。
当連結会計年度における主な進展は以下のとおりです。
・埋め込み型医療機器
2025年10月 低活動膀胱を対象とした体内埋め込み型医療機器について、オーストラリアで被験者の組み入れを開始したことを公表しました。
・その他
2025年5月 塩野義製薬株式会社と株式会社NTTデータとの間で、デジタル治療サービスの普及を目指し、「DTx (注) 流通プラットフォーム」の開発・運用に向けた検討を開始する基本合意書を締結しました。
(注) Digital Therapeutics
(4) 戦略目標4:サステナビリティ向上の取り組みを強化
当連結会計年度における代表的なサステナビリティ向上の取り組みとその結果は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の研究開発費は3,148億円 (前連結会計年度比3.9%減)、売上収益研究開発費比率は14.7%となりました。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00920] S100YBPK)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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