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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100HMTC (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社カナミックネットワーク 事業の内容 (2019年9月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社は、「超高齢社会(注1)の地域包括ケア(注2)をクラウドで支える」という経営理念のもと、医療・介護・健康情報等を、法人・職種の枠を越えてリアルタイムに「情報共有」+「コミュニケーション」+「利活用」ができるICT(注3)プラットフォームを提供することで、患者・家族がより質の高い医療・介護サービスを受けられることを目指して事業を展開しております。
2019年版内閣府高齢社会白書によれば、わが国は現在、世界一高齢化率の高い国になっており、これからのわが国の社会保障制度の状況を見ると、高齢化がピークを迎える2025~2030年には、人口ボリュームの大きい団塊の世代が要介護認定率の高くなる75歳以降に差し掛かってくるため、医療及び介護にかかる費用が膨大になることが大きな課題となっております。更に中長期的な政策として安倍晋三首相が新三本の矢として打ち出した「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」という目標が立てられ、その実施プランであるニッポン一億総活躍プランにおいても「介護環境の整備」などの社会保障制度に関わる内容が記載されており、世界に誇る社会保障制度を構築している我が国にとって重要な課題であると当社は認識しております。その状況の中、従来の病院や施設型の介護だけではなく、住み慣れた地域や自宅において、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、在宅医療や在宅介護で支える「地域包括ケアシステム」の構築を今後の社会保障制度の主な施策として厚生労働省がホームページ上で推進することを示しております。
一方、この地域包括ケアシステムを実現するためには、一人の患者の在宅ケアに関して、病院、在宅医、歯科、薬局、訪問看護、ケアマネジャー(注4)、介護サービス事業者等の多職種他法人が入れ替わりで業務に入るため、関係者が離れていてもリアルタイムに情報を共有するよう、地域連携できる仕組み作りが必要となります。昨今では携帯電話におけるスマートフォンの急激な普及も広がり、国や厚生労働省も政策として介護現場でのICTを活用したペーパレス化を推進しており、よりICTに対して期待が広がっている状況であるものと認識しております。
ただ、要介護者が増えていくことで業務量が増大しているケアマネジャー及び介護事業者は、多忙な業務や人材不足などの問題を抱えております。介護職の業務効率化や知識・経験を補うノウハウの蓄積、そして高齢者の衣食住に関わるニーズを満たす商品知識などが必要となっており、それらを適切に手に入れられる仕組み作りが「地域包括ケアシステム」を支えるための重要な要素となりますが、Google等の汎用検索エンジンや他のビックデータには、そういったノウハウを蓄積し明確に提供してはいないため、医療介護業界に特化した適切な情報には辿り着くことが出来ない状況であるものと認識しております。
このような環境の中、当社の提供するインターネットサービスである「カナミッククラウドサービス(注5)」はパソコンやタブレット、スマートフォンといったマルチデバイス(注6)で利用できる『医療・介護連携』『介護業務の効率化』『ビックデータなどナレッジ共有』などに着目した、日本の知見を構築するための課題解決型のクラウドサービスであります。当社は医療・介護分野に特化したクラウドサービス事業を主に展開し、それに付随して当社サービス利用者に対して介護関連商品等の広告事業を提供しております。さらに、東京大学高齢社会総合研究機構や国立大学法人旭川医科大学との共同研究を通じた産学連携、総務省や厚生労働省の医療・介護関連プロジェクトや地方創生事業にも参画し、高齢者支援事業から子育て支援事業まで活用できる幅広いICTのプラットフォームを提供しております。
当社は、医療・介護分野における情報共有プラットフォームの構築を目的とする事業ならびにこれに付帯する業務の単一セグメント事業であるため、セグメント情報は記載せず、個別サービスについて記載しております。
各個別サービスの詳細は以下のとおりであります。

(1)カナミッククラウドサービス
① カナミッククラウドサービスの概要
超高齢社会の到来に伴い、介護保険のサービスを利用する要介護者数は年々増加しており、今後は「在宅医療」、「看護」、「介護」といった多職種他法人の連携がこれまで以上に重要性を増し、それらを実現するためにはプラットフォームとしての情報連携基盤が欠かせない状況となっております。当社は超高齢社会に求められる「地域包括ケアシステム」の実現に寄与するために、地方自治体や医師会及び介護サービス事業者向けの多職種間連携を可能にする地域連携型のクラウドサービスを提供しております。
当社は、主として自治体職員、医師、看護師、ケアマネジャー、介護サービス事業者といった医療・介護従事者にクラウドサービスを提供しております。


カナミッククラウドサービス ユーザーID数の推移
年月有料ユーザーID数無料ユーザーID数ユーザーID数合計
2015年9月末31,38912,48743,876
2016年9月末35,47215,94951,421
2017年9月末46,00224,86570,867
2018年9月末57,48731,32488,811
2019年9月末70,21036,814107,024

② カナミッククラウドサービスの特徴
a)システムに関する特許権保有
当社は本クラウドサービスの各種技術について、特許権(特許番号4658225)を有しております。
当該特許権において、医療機関、地域包括支援センター、介護事業者、被介護者、家族等、介護に関するあらゆる団体又は人が医療介護情報を共有するシステムとなっております。

b)自治体や医師会での多職種他法人連携
当社のクラウドサービスは、地域連携を主軸において基盤作りが行われており、自治体向けの地域包括支援センターシステムや、医師会向けの在宅医療拠点向け情報共有システムなど、地域内の多職種他法人連携が可能なサービスです。全国の自治体・医師会にご利用いただいております。

c)スマートフォン対応やビックデータ活用
当社のクラウドサービスは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などマルチデバイスに対応しており、在宅医療・在宅介護の現場で利用が可能になっております。また、一元管理されたビックデータにより地域連携や介護事業経営に関するデータを分析・活用することが可能となっております。

③ カナミッククラウドサービスのサービスライン
カナミッククラウドサービスは、自治体、医師会などを対象に地域全体の医療・介護連携を支援する[情報共有プラットフォーム]と、医師、訪問看護師、ケアマネジャー、介護事業者などを対象に介護事業経営を支援する[介護業務管理システム]と、自治体の子育て支援事業を支援する[子育て支援システム]で構成されております。

[情報共有プラットフォーム]
当社の情報共有プラットフォームは、「地域包括ケアシステム」を実現するための医療・看護・介護・自治体といった多職種他法人の垣根を越えた情報共有を可能にするシステムとなっております。この情報共有プラットフォームは、ユーザーが安心してご利用していただくためにセキュリティ対策を施しており、医療従事者や介護従事者が関係者間のみでコミュニケーションを取れるクローズなSNS機能や、アセスメント・評価指標機能、電子お薬手帳機能、データ分析・評価機能など多職種連携を活性化させる機能が多数実装されております。本プラットフォームは東京大学高齢社会総合研究機構と共同研究を行い、千葉県柏市での地域包括ケアのモデル事業にて開発されました。また、厚生労働省と総務省の2013年度~2015年度のモデル事業にて本プラットフォームを活用した情報連携基盤機能も実装し、当社だけではなく他社の電子カルテや調剤システム、介護システム等とも情報連携するプラットフォームとしての機能性を備えております。

[介護業務管理システム]
当社の介護業務管理システムは、上記情報共有プラットフォームと連携することが可能になっており、現場で介護に必要なケアプラン作成や業務帳票作成を行うだけで、自動的に医師や他事業者への地域連携が可能なシステムになっております。クラウドの特性を生かし、スマートフォンやタブレット端末で操作を行えるため、介護の現場で利用することができ、介護現場でのペーパレス化や業務を効率化することが可能です。また、本社管理機能やビックデータ分析などのオプションがございます。具体的なシステム内容は以下のとおりです。

a)ケアプラン管理システム
介護保険のケアプラン策定を行う地域包括支援センターや介護支援専門員(ケアマネジャー)向けのシステムを提供しております。本システムは、ケアマネジメントの流れに沿ったシステム構成となっており、ケアマネジャーの行うアセスメントから始まり、検討表作成、ケア計画書作成、サービス利用票・提供票作成、介護保険給付管理、モニタリングといった業務などに必要な手続きを網羅しており、業務を効率化するシステムとなるよう努めております。

b)在宅介護サービス管理システム
要介護者に対し、在宅介護サービスを提供する事業所向けのシステムです。訪問介護、訪問看護、訪問入浴、通所介護、福祉用具貸与・販売、小規模多機能型居宅介護等の在宅介護向けサービスを網羅しております。在宅介護計画作成から実績記録、モニタリング、介護保険請求、利用者請求、債権管理、給与計算など在宅介護サービスの管理に必要な機能を有しております。他社の会計システムや給与システム、販売管理システムなどへのデータ連携も可能です。また、訪問介護のサービス中に要介護者宅でタブレットにより簡易に介護記録が作成可能な「カナエルタッチ」など専用オプションメニューがございます。

c)施設サービス管理システム
介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設、有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅等)でサービス提供する事業所向けのシステムです。施設サービス計画書の作成から施設内の居室管理、介護保険請求や利用者請求、債権管理など施設運営に必要な管理が行えるシステムとなっております。タブレットによる介護記録システムである「ケアウォッチャー」など専用オプションメニューがございます。

[子育て支援システム]
当社は、医療介護の地域連携で培った情報共有プラットフォームを活用して、自治体の子育て支援における子育ての専門職(病院、産婦人科、検診センター、保育士等)及び父親・母親世代が利用可能な子育て支援システムを提供しております。本システムは自治体の地方創生事業などで活用されております。このシステムは関係者間のみでコミュニケーションを取れる地域内のクローズな母親SNS機能、電子母子手帳機能、自治体からの情報発信(予防接種情報、イベント情報等)、子育て日記などの機能がございます。親の介護や子育てを抱える現代の若者世代が働きやすいまちづくりをするために、スマートフォンで気軽に行政や専門機関の情報を入手できコミュニケーションが取れる仕組みとなるよう努めております。

(2)コンテンツサービス
当社は、上記カナミッククラウドサービスをご利用のユーザー様である医療介護従事者に対して有益な情報を提供するインターネット広告配信等のコンテンツサービスを提供しております。コンテンツサービスは[インターネット広告サービス]と[ホームページ作成サービス]から構成されております。

[インターネット広告サービス]
当社は、当社システムを利用される医師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパー(注7)、地域包括支援センター等にとって有益な情報を提供するため、これらの方々(BtoB)やその先でサービスを受けている要介護者や家族(BtoBtoC)を購入層のターゲットとしている、医薬品・医療機器・健康機能食品・衛生用品、建材メーカー・福祉用具メーカー等の商品を広告することで収入を得る広告収入事業を営んでおります。

医師、訪問看護師、ケアマネジャー等については、日常忙しい中で業務を行っており、最新の医薬品や福祉用具等の情報を入手する機会が非常に限られております。当社システムにおけるユーザーの属性に応じて、最も有効な商品等の情報をリアルタイムに提供することで、これらのユーザーの方の効率的な業務の遂行に貢献できるよう努めております。
また、広告主にとっては、当社システムのユーザーは実名登録が必要なため、実際に現場で患者・要介護者を現在担当している方のみ利用しているというユーザーの信頼性と各ユーザーがどういった業務に携わっているか具体的に判断できる業務内容の信頼性とを有するものであり、システムの利用頻度が高く、さらにユーザーの利用しやすい画面構成等にすることで、広告を掲載した場合にクリック数や広告を目に留める時間を伸ばすよう努めております。さらに、ユーザー会等のリアルイベントやアンケート機能といったマーケティング手段を有しております。
当社は、広告の販売については、直接販売だけではなく大手広告代理店と業務提携することで、当社ユーザーに効果のある広告主の選定を行っております。

[ホームページ作成サービス]
付随する事業として主に公益財団法人介護労働安定センターを通じたホームページの受託制作、運営・管理及び介護職の求人広告サイトの運営・管理といったホームページ制作・運営事業を行っております。

(3)その他サービス
その他のサービスとして、大口顧客向けカスタマイズ開発、また厚生労働省や総務省事業などのプロジェクト請負や地方創生事業におけるコンサルテーションサービスなどカナミッククラウドサービスに付随する事業を行っております。当社は、総務省の情報連携基盤を活用した在宅医療・訪問介護連携モデルの実証実験に参画し、在宅医療・介護分野における効果的かつ効率的なサービスを提供するため、在宅医療・介護等に関する情報を当該分野に属する多職種で共有することを目的とした実証作業を請け負っております。さらに、この実証実験によって、在宅医療・介護等に関する情報を異なるシステム間で共有・分析することを可能とする情報連携基盤を構築しており、当社が当該実証実験におけるICT統括管理を担当しております。


(注1) 超高齢社会
65歳以上人口が総人口に占める割合である高齢化率が25%を超える日本の現状を指す通称。
(注2) 地域包括ケア
重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される社会基盤。
(注3) ICT
Information and Communication Technologyの略語。情報・通信に関する技術の総称。
(注4) ケアマネジャー
介護保険制度においてケアマネジメントを実施する有資格者(介護支援専門員)の通称。
(注5) クラウドサービス
インターネット経由でソフトウエア機能等を提供するサービス。利用する機能に応じてSaaS(ソフトウエア)、PaaS(プラットフォーム)、IaaS(インフラ)の3種類に分類される。
(注6) マルチデバイス
コンテンツやサービス、ソフトウエアなどが様々な機器から等しく利用出来ること。また、様々な種類の機器が混在し、相互に連携できること。
(注7) ヘルパー
介護保険法にもとづく訪問介護を提供する専門職(訪問介護員)の通称。

事業の系統図は次のとおりであります。

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沿革関係会社の状況


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