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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FA4M

有価証券報告書抜粋 株式会社マネーフォワード 事業の内容 (2018年11月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションの下、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というビジョンを掲げ、プラットフォームサービス事業を展開しております。
当社グループのミッションの追求並びにビジョンを達成するために、当社グループは、法人・個人事業主の生産性向上や経営力向上を可能にする『マネーフォワード クラウドシリーズ』を中心としたマネーフォワード クラウドサービス事業及び個人向けアプリ『マネーフォワード ME』を中心としたPFMサービス事業を主力事業として展開している他、新規事業の開発にも注力しております。当社グループではこれらのサービスを合わせてプラットフォームサービス事業と定義付けております。

当社グループは、創業以来、常にユーザーと向き合い、ユーザーの課題解決を目指すイノベーティブなサービスづくりに取り組んでまいりました。また、社会に約束する行動指針(MF Value)として、以下の「User Focus」「Technology Driven」「Fairness」の三つを掲げております。

● User Focus
私たちは、いかなる制約があったとしても、常にユーザーを見つめ続け、本質的な課題を理解し、ユーザーの想像を超えたソリューションを提供します。
● Technology Driven
私たちは、テクノロジーこそが世界を大きく変えることができると信じています。テクノロジーを追求し、それをサービスとして社会へ提供していくことで、イノベーションを起こし続けます。
● Fairness
私たちは、ユーザー、社員、株主、社会などのすべてのステークホルダーに対してフェアであること、オープンであることを誓います。

上記の行動指針でも示しているとおり、当社グループは、「ユーザー中心主義」に基づき、テクノロジーによって世の中の非効率を解消するとともに、優れたユーザー体験を提供することで、お金や経営に関する自律的な意思決定を支援し、ユーザーの人生や経営を少しでも前向きに進めるために貢献することを目指しております。

当社グループを取り巻く事業環境としては、1世帯当たり平均所得金額が1994年をピークに緩やかに下降(厚生労働省発表の2017年版「国民生活基礎調査の概況」による)している一方、消費者物価指数は政策的な背景もあり近年緩やかに上昇(総務省統計局2019年1月18日公表「消費者物価指数(CPI)結果」による)しております。さらには、確定拠出年金制度、NISA導入、GPIF改革といった諸政策の後押しもあり、個人の金融資産に対する自己責任での管理・運用への意識は着実に高まりつつあると認識しております。
一方で、企業活動に目を向けると、国内の人口減少、特に生産年齢人口の減少という構造的なトレンドが避けられない中、今後ますます労働力確保が難しくなってくることが見込まれております。そういった状況の中で、特に日本の経済活動を支える中小企業の生産性向上、具体的にはバックオフィス業務の省力化は急務の課題と認識しております。
このような環境の下、当社グループは、2012年12月にPFMサービス『マネーフォワード』(現『マネーフォワード ME』)の提供を開始いたしました。本サービスの開発で培ったアカウントアグリゲーション(注1)技術を活用し、2013年11月には、『マネーフォワード For BUSINESS』(現『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』)のサービス提供を開始し、以降『マネーフォワード クラウドシリーズ』のラインナップを順次拡充して、個人のお金のプラットフォームサービス事業に加え、企業のバックオフィス向けのプラットフォームサービス事業を確立するに至っております。また、新規事業にも注力しており、子会社において企業間後払い決済サービス『MF KESSAI』、クラウド記帳サービス『STREAMED』、経営分析クラウド『Manageboard』、お金の相談窓口『mirai talk』等のサービスを提供しております。

当社グループが提供するサービス領域は、昨今において「Fintech市場」と呼ばれており、矢野経済研究所「2018FinTech市場の実態と展望」によれば、国内Fintech市場規模は2017年度の1.0兆円から2021年度には1.9兆円に達すると見込まれております。当社グループは、個人、法人いずれのユーザーに対しても、お金の課題を解決するため、金融リテラシーの向上、生産性の向上をサポートすべく、積極的な啓蒙活動を行っており、結果としてFintech市場拡大の促進に努めております。具体的には、個人向けのお金に関するセミナー「お金のEXPO」の開催、クラウド化が進む中小企業経営やFintechによる変革を紹介・推進する「MFクラウドExpo」の開催、中小企業のITツールの活用を促進する一般社団法人Business IT推進協会の設立・運営等に取り組んでおります。
また、金融庁や経済産業省におけるFintech市場に関連した政策の推進、各金融機関・大手システムインテグレーターのFintechに対応する動きの活発化、Fintech企業における大型の資金調達事例の増加など、今後も大きな成長が見込まれる市場として注目を集めております。長期的には、金融機関等が従来から提供している資産管理、投資・運用、決済、レンディング等のサービスをFintech企業が将来的に補完もしくは一部代替しうる市場と考えられております。
さらに、マネーフォワード クラウドサービスは、SaaS(注2)と呼ばれる提供形態のサービスとなります。SaaS市場はこれまで大きな成長を果たしてきておりますが、今後も引き続き成長が見込まれる市場として世界的にも注目を集めております。

また、当社グループは、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー、カスタマーサポート、営業等が一体となって機能開発・UI/UXの改善を継続的かつ迅速に繰り返し、優れたユーザー体験を提供することを最重視しております。他サービスとの差別化を実現するコアテクノロジーとして、金融機関とのAPI連携(注3)並びにアカウントアグリゲーション技術、家計簿の自動分類や会計帳簿の勘定科目提案機能等に利用される、ビッグデータを自律的にユーザーに応じて最適な形で整理・分類する人工知能による機械学習技術、サービスの安全な運営を可能にするセキュリティ技術の開発に努めております。

これらの結果、主力事業である『マネーフォワード クラウドシリーズ』及び『マネーフォワード ME』の利用者数は順調に増加しております。いずれの領域においても複数の競合企業が存在しておりますが、当社グループは両領域におけるリーディングプレイヤーとして、着実な成長を遂げております。
また、地域展開といたしましては、国内においては東京本社に加え、札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、福岡と6つの支社を展開する他、海外ではベトナムにも拠点を新設しております。これらの拠点においては、会計事務所、金融機関、地方自治体、商工会議所等の多様な事業パートナーとのアライアンスの強化に取り組む他、当社グループサービスの開発の強化に努めております。


当社グループが現在提供するマネーフォワード クラウドサービス、PFMサービスの具体的なサービス内容は次のとおりです。


『マネーフォワード クラウドシリーズ』は、テクノロジーの力を活用して中小企業の経営及びバックオフィス業務を大幅に効率化、さらに経営状況をリアルタイムで把握することにより、経営のPDCAサイクルを加速し、経営状況を改善することを目的に提供されているクラウド型ERP(注4)のサービスプラットフォームです。クラウドコンピューティングの普及を背景に、SaaSとして、企業の経営情報の見える化、バックオフィス業務の生産性向上、さらには金融機関とのシームレスなデータ連携による融資手続の簡略化などのサービスを提供しております。上述のようにSaaS市場は、今後も大きな成長が見込まれる市場として注目を集めており、当該市場において当社グループは広くサービスを提供しております。
当社グループは、2013年11月に『マネーフォワード For BUSINESS』(現『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』)の提供を開始いたしました。その後、ユーザーのニーズを踏まえて企業のバックオフィス業務を大幅に改善するための新たなサービスを提供するため事業領域を拡大し、現在では『マネーフォワード クラウド請求書』『マネーフォワード クラウド給与』『マネーフォワード クラウドマイナンバー』『マネーフォワード クラウド経費』を提供する他、子会社である株式会社クラビスが提供するクラウド記帳サービス『STREAMED』も提供しております。自社サービス間のシームレスなデータ連携だけでなく、第三者が提供する様々なクラウドサービスとAPI連携を実現することで、法人・個人事業主における大幅な生産性の向上の実現を目指しております。
マネーフォワード クラウドサービスの収益構造としましては、主に収益がストック型で逓増する月額課金モデルであり、サービスやプランによって異なる価格帯にて提供しております。販売経路としてはウェブサイトでの販売に加え、当社営業人員による会計事務所や事業者への販売、量販店での販売、商工会議所を含む代理店経由での販売を行っております。
また、他業種を含む他社とのアライアンス事業にも積極的に取り組んでおり、『マネーフォワード クラウドシリーズ』のOEM又は代理提供(ヤマト運輸株式会社等)を実施しております。また、マネーフォワード クラウドのデータを活用することで、必要な時に必要な資金を迅速に調達することが可能となる新しい仕組みである『マネーフォワード クラウド資金調達』(審査、資金提供は提携先金融機関が実行)等のサービスも提供しております。以上より、マネーフォワード クラウドサービスにおける収入を整理すると下記のようになります。

(単位:千円)
サービス収入概要当連結会計年度
(自 2017年12月1日
至 2018年11月30日)
マネーフォワード
クラウド
マネーフォワード
クラウドシリーズ
販売収入
■ 『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』『マネーフォワード クラウド請求書』『マネーフォワード クラウド給与』『マネーフォワード クラウドマイナンバー』『マネーフォワード クラウド経費』『STREAMED』『Manageboard』等の会計事務所、事業会社等への販売2,482,544
■ ウェブサイト、自社営業人員、量販店、代理店等のチャネルを通じての販売
アライアンス事業収入■ 自社顧客向けにクラウドサービスを提供する他業種へのマネーフォワード クラウドシリーズのOEM又は代理提供263,258
■ 『マネーフォワード クラウド資金調達』の運営


『マネーフォワード ME』を中核に、各種サービスを通して個人のお金に関する悩み・課題を解決することを目的に運営しております。スマートフォンの普及を背景に、ユーザーの家計や資産などお金の情報を可視化するとともに一元管理することで、理想の家計や資産状況に向けた改善案を提示しております。
『マネーフォワード ME』では、当社グループが独自で保有するアカウントアグリゲーション技術を活用し、複数の金融機関等にある口座の残高や入出金の履歴などのデータを集約・分類して表示させることができます。それによって、『マネーフォワード ME』の利用者は、銀行、クレジットカード、証券、保険、年金、ポイントなど、個人のお金に関する情報を一元管理することが可能になります。さらには、お金の動きをアラートしてくれる「MY通知」や、家計資産サポート、家計診断機能により、理想の家計や支出バランスを追求することが可能となります。また、お金に関する有用な情報を提供するくらしの経済メディア『MONEY PLUS』も提供しており、「お金」にまつわる情報の提供からデータの管理までを一気通貫で提供しております。
『マネーフォワード ME』は、いわゆるフリーミアムモデル型(注5)のサービスであり、ユーザーは複数の口座残高の一括管理や、取引履歴を食費や光熱費等のカテゴリに自動で分類・グラフ化を行うなどの基本的な機能を無料で使うことができます。その上で、プレミアムユーザーとして月額約500円の有料課金を行うと、詳細分析機能、金融関連サービス11件以上の連携、1年以上前の過去データの蓄積機能、将来シミュレーション機能、家計診断による節約ポイントの把握などの上位機能の利用が可能となります。
収益構造としましては、前述のプレミアムユーザーへの有料課金に加え、当社グループが運営するくらしの経済メディア『MONEY PLUS』と連携した広告の販売、金融機関や事業会社等を顧客とするBtoBtoC事業等を収益の中心としております。
BtoBtoC事業としては、金融機関利用者向けの自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワードfor○○』の提供(現在では、住信SBIネット銀行等17の金融機関と共同でサービスを提供)や、金融機関利用者向けの通帳アプリ『デジタル通帳』の提供(現在は群馬銀行等6つの金融機関と共同でサービスを提供)を行っており、今後もサービスラインナップの拡大を予定しております。以上より、PFMサービスにおける収入を整理すると下記のようになります。

(単位:千円)
サービス収入概要当連結会計年度
(自 2017年12月1日
至 2018年11月30日)
PFMプレミアム課金収入■ PFMサービス『マネーフォワード ME』における
プレミアム会員に対する月額課金モデル
811,271
メディア/広告収入■ 『マネーフォワード ME』、くらしの経済メディア『MONEY PLUS』内における広告出稿に伴う広告掲載料448,558
■ イベント/セミナーの開催に伴う運営収入
BtoBtoC事業収入■ 『マネーフォワードfor○○』の開発に伴う初期開発料及び保守・運用料508,606
■ 金融機関向けFintechサービスの開発

上記のとおり、当社グループの事業は、有料ユーザーからの月額利用料が主な収入源となっており、有料ユーザー数の増大を図ることで売上高が継続的かつ安定的に拡大していくいわゆるストック型のビジネスモデルが中心になっております。
以上記載のとおり、BtoB、BtoCいずれにおいてもユーザー基盤を有し、国内トップクラスのシェアを誇る当社グループのポジショニングは非常にユニークであり、個人・法人双方のユーザーのお金に関するデータプラットフォームとなっております。これからは個人や中小企業・個人事業主が自ら保有するデータとAIを活用することで、既存の事業領域にとらわれることなく、ユーザー中心主義に基づき、ユーザーのお金に関する最善の意思決定や経営判断が可能になる利便性の高いサービスの開発に努めてまいります。

(注1)アカウントアグリゲーション
ユーザーが保有する、銀行、証券、クレジットカードなど複数の金融機関の口座の残高や入出金履歴といった情報を取得・集約する技術をいいます。
(注2)SaaS
「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウェア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態を指します。一般的に初期導入コストを低く抑えた月額課金のビジネスモデルとなります。
(注3)金融機関とのAPI連携
当社は、金融機関による外部パートナーとのAPI連携開始時における連携先となっており、2018年11月末時点において、29の銀行とのAPI連携を実現しております。
(注4)ERP
「Enterprise Resources Planning」の略称であり、情報の一元管理による企業経営の最適化・効率化を担う、基幹系情報システムを指します。
(注5)フリーミアムモデル型
基本的なサービスはすべて無料で提供し、一部の機能を有料で提供するビジネスモデルをいいます。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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沿革関係会社の状況


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