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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TTKR (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社オプティマスグループ 事業等のリスク (2024年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項で、当社グループの健全な経営と持続的な成長を阻害する事項をリスクとして捉えております。投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のものがあります。当社グループは、これらのリスクが顕在化する可能性及び顕在化した場合の影響を十分に認識した上で、経営基盤の安定化のためのリスクコントロール、即ちリスクの顕在化の回避及び顕在化した場合の影響の極小化と、戦略遂行のための適切かつ合理的なリスクテイクに努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。当社グループが認識していない、予見し難い、または重要ではないと考えるリスク及び不確定要因も当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営環境に関するリスク
①経済情勢
[リスク認識]
当社グループは、事業拠点を国内外に多数配し、グローバルに事業を展開しております。とりわけ、ニュージーランド向け中古自動車輸出に関連する事業は永らく当社グループの事業の主柱であり、収益の源泉でした。
近時は、リスク分散を図りながら持続的な成長を実現するため、ニュージーランド以外の地域で新たな事業展開を強力に推し進めております。その中心が成長戦略上の重点市場と位置付けるオーストラリアです。新車中心の同国市場では当連結会計年度後半に新車ディーラー事業に本格的に参入し、日本からの中古自動車輸出に依存しないビジネスモデルを構築しました。今後は、売上及び収益ではニュージーランドの事業とオーストラリアの事業が並び立つ見込みであり、これまでニュージーランド一国に大きく依存していたのが、ニュージーランド及びオーストラリアの二国に依存することになります。
このため、当社グループが事業を展開する国及び地域、特にニュージーランド及びオーストラリアの景気等の経済情勢が急激に変化した場合には、当社グループの事業及び業績に多大な影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、ニュージーランド及びオーストラリアにおいては両国の経済情勢に業績が大きく左右されない盤石な事業基盤の確立を目指し、収益力の強化と収益源の多様化に取り組んでおります。
また、両国以外の新たな市場も開拓して両国への依存度を低下させることで、特定国の経済情勢の影響を軽減することを目指しております。

②外国為替及び市場金利
[リスク認識]
当社グループでは、当連結会計年度の売上高に占める海外売上高比率が8割を超えております。輸出中古自動車に対する需要は、外国為替によって変動する外貨建販売価格の影響を受けます。さらには、海外取引は、連結財務諸表作成の際に、売上、費用、資産及び負債をはじめとする現地通貨建の項目を円換算することから、当社グループの財務内容は外国為替の影響を常に受けます。
当社グループは事業に必要な資金を金融機関からの借入によって調達しておりますが、その多くが変動金利であることから、資金調達コストは市場金利の影響を常に受けます。しかも、サービスセグメントにおける自動車ローンでは、契約締結時の市場金利水準をもとに適用利率を固定金利で設定することから、調達金利と運用金利の利鞘に依拠する当該事業の収益は市場金利の影響を受けます。
このため、外国為替及び市場金利が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、中古自動車を仕入れる際には目利き力をもって車両品質を見極め、常に顧客の要望に的確に応えることによって顧客ロイヤリティを高め、取引が外貨建販売価格の変動に大きく左右されなくなることを目指しております。
同時に、売上規模と通貨に応じた適切な為替ヘッジや、国外の資金需要には現地で対応することを含めて外貨建て資産・負債の総合的な運用管理を行うとともに、国内ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金効率の向上を図ることで、外国為替や市場金利の変動の影響を抑制するよう努めております。


③自動車の需給
[リスク認識]
人々のライフスタイルや価値観の変化、移動手段の変革、自動車性能の向上に伴うユーザーの自動車保有期間の長期化等により、自動車の保有台数が減少し、購入頻度が低下する可能性があります。また、当社グループの主要市場であるニュージーランド及びオーストラリアでは、公共交通機関が未発達であるのに加え、移民の増加が安定的な需要を下支えする要因の一つとなってきましたが、将来、公共交通機関の拡充や移民の減少による購買層の減少から、自動車に対する需要が低下する可能性もあります。
供給面では、オーストラリアにおいては現在35ブランドの新車を取り扱っていることもあり、同国全体としては仕入れを不安定にする重大な問題は見られません。しかしながら、ニュージーランドを主戦場とする中古自動車の輸出事業では、そのほとんどを日本国内のオートオークションにて仕入れていることから、何らかの要因でオートオークションの出品台数が減少した場合や、仕入れ競争が激化した場合は、当社グループが求める中古自動車を仕入れるのが困難になる可能性があります。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、中古自動車の販売に直接関係する物流や検査事業のほか、事業の多角化として、自動車情報やテクノロジーを活用したデータサービス事業、インターネット販売のメディア事業、自動車販売後のメンテナンス(車検整備、一般整備)、部品・カー用品(バッテリー、タイヤ、オイル等)の販売の拡大等に積極的に取り組んでおります。
中古自動車の国内仕入れでは、オートオークション以外のルートを開拓することで、仕入れルートの多元化に努めております。また、中古自動車の輸入が大幅に制限されているオーストラリアにおいて、新車販売及び同国内で発生する中古自動車の仕入れ・販売に係る事業の拡充に力を入れております。


④産業構造の変化及び技術革新
[リスク認識]
今後、ディーラーを介して自動車を売買する従来からの商取引に代わって、電子取引をはじめとして新たなチャネルを通した新たな商取引のスタイルが普及した場合、当社グループの一員である自動車ディーラーの業績が悪化するほか、当社グループの主要な販売先である自動車ディーラーとの取引が縮小する可能性があります。
また、自動運転技術をはじめとした自動車IT技術及び電気自動車をはじめとしたエネルギー技術が急速に進歩した場合、従来型内燃機関の中古自動車の商品価値が低下する可能性があります。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
[対応]
当社グループでは、このような変化をむしろ新たなビジネスチャンスと捉え、事業の多角化を推し進めております。電気自動車やハイブリッド自動車の取り扱いを拡大し、エンドユーザー向けの事業を強化するとともに、個別の車両に関わる情報をもとに新たな付加価値を創出するデータサービス事業の拡充を図ってまいります。
また、検査セグメントでは、後述のとおり、新技術の導入を積極的に進め、検査品質の向上と差別化に努めております。

⑤大規模自然災害及び偶発的事故等
[リスク認識]
地震、津波、洪水等の大規模自然災害、火災、テロ、その他の偶発的事故によって、当社グループが保有する事業用設備や当社グループが利用する港湾施設をはじめとした社会・交通インフラが大きく毀損し、また操業人員が確保できなくなれば、事業の停止や、事業の中断による機会損失を生じることがあります。また、多額の復旧費用が発生することもあります。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に多大な影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、役職員及び家族の健康と安全を最優先に考え、大規模自然災害及び偶発的事故等の緊急事態に備えて、日頃より防災対策を徹底しております。
また、緊急事態が発生した場合に、事業への影響を最小限にとどめ、事業を安全に継続もしくは早期に復旧するために、こうした事態を想定したBCP(Business Continuity Plan = 事業継続計画)を策定し、その実効性の維持・向上に努めております。


⑥感染症の流行
[リスク認識]
新型コロナウイルス感染症は一時期の爆発的感染が収束したことから、2023年5月より感染症法に規定される2類相当から5類感染症に移行しました。しかしながら、爆発的感染の再発や、それ以外の感染症の流行によって、高度な専門知識と豊富な経験を持ち合わせた人材をはじめとして、事業に携わる貴重な人材を失うことになれば、事業の停止や、事業の中断による機会損失を生じることがあります。
また、国内外において感染拡大、または感染拡大防止策もしくは予防策として経済社会活動が制約を受けることによって、経済が停滞することがあります。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、役職員及び家族の健康と安全を最優先に考え、感染症が流行した場合には、関係政府や当局の指示を踏まえて職場の衛生管理、出社・移動の制限、感染症予防策の周知徹底等を実施することで役職員及び家族の感染防止に努めます。
また、感染症が流行した場合や感染症対策もしくは予防策として経済社会活動が制約を受けた場合に、事業への影響を最小限にとどめ、事業を安全に継続もしくは早期に復旧するために、こうした事態を想定したBCP(Business Continuity Plan = 事業継続計画)を策定し、その実効性の維持・向上に努めております。


(2)事業活動に関するリスク
①競合
[リスク認識]
中古自動車の輸出は、市場の拡大に伴って同業他社との競争が年々激しくなっております。中古自動車に関係する事業は古物営業法に基づく許可を取得すれば参入が可能であることから、当社グループの主要市場であるニュージーランド及びオーストラリアにおいても、今後、新規参入が増加する可能性があります。その結果、優良な中古自動車をめぐる仕入れ競争、販売先の争奪及び輸送手段の確保における競争等が激しさを増す可能性があります。
検査事業は、後述のとおり、認証や認可に基づいて行っておりますが、これらの認証や認可の取得者が大きく増加すれば、同様に、競争が激しさを増す可能性があります。
また、オーストラリアで昨年から本年にかけて新たに当社グループの一員となった新車を取り扱う自動車ディーラーと自動車物流会社は、ともに同国の業界大手ではありますが、業界内では常に激しい競争に晒されており、所期の収益貢献が実現せず、既存事業との相乗効果が発揮されないことも想定されます。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、ニュージーランドにおいては、日本から中古自動車を輸出し、船積前の清掃・整備、検査・検疫、通関、海上輸送、現地での整備・車検、自動車ローン、メンテナンスほかのアフターサービス、といった一連のサービスをグループ会社またはパートナー企業を通じて一貫して提供するという独自のビジネスモデルに一層磨きをかけ、顧客の利便性を向上させ、コスト競争力を強化することで、競合他社対比の優位性を維持・拡大してまいります。
また、オーストラリアでは、新車販売や国内で発生する中古自動車の仕入・販売をプラットフォームとして周辺事業を展開することで新たなビジネスモデルを構築し、競合他社対比の優位性を確立してまいります。

②新規事業展開
[リスク認識]
当社グループは、収益力の強化と収益源の多様化を進めるため、新たな事業を創出し、拡大していく考えであります。また、前述のとおり、新たな市場も開拓してまいります。しかしながら、M&Aにより発生するのれんの減損にも影響する想定外の事業環境の変化や新たな事業リスクの顕在化等により、所期の成果を上げることができないことも常に想定されます。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの成長の機会の一つを逸するばかりか、投下資本の回収に加えて、仮に損失が生じれば財務面で影響を被ることから、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、個々の事案については事前にグループの投資規律に沿って検討を重ね、所定の審議プロセスを経て実行の可否を判断します。また、過大なのれんの償却リスクを抱えないM&Aの実施を基本方針としており、既存ののれんの大半も買収時に発生したものではなく、買収前から厳密な減損テストを繰り返し、その価値を維持してきたのれんです。
新規事業の実行後はモニタリングを励行し、各社の事業計画及び所期の成果との乖離を検証します。検証結果を踏まえて適時適切に対策を講じることで新規事業が確実に所期の成果の実現を目指すとともに、万が一、所期の成果の実現が困難な場合には果断な対処を行うことで、事業及び業績への影響を最小限に抑えることができる運営体制を確立しております。


③海上輸送
[リスク認識]
当社グループは、自らは船舶等の輸送手段を保有せず、車両の輸送は実運送業者(船社、自動車運送業者等)に委託しております。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの紛争をはじめ、地政学的リスクの顕在化等の影響で世界的な物流の停滞が発生すれば、船腹を必要量確保できず、予定通りに車両を輸送することができなくなる可能性があります。当社グループは、長年に亘る良好な取引関係から信頼のおける船社を中心に、安定的、かつ十分に管理可能な状況で船腹の供給を受けておりますが、船社の事情によっては、航海スケジュールや積載スペースが急遽変更され、予定通りに車両を輸送することができなくなる可能性があります。
さらには、燃油価格の上昇や船舶需給の逼迫等によって実運送業者の運賃が上昇すると、販売原価が上昇します。
一方、当社グループでは、車両の輸送にあたって国内外の港湾施設を利用しております。これらの施設が大規模自然災害や偶発的事故、港湾施設従事者のストライキ、港湾の混雑等によって平常通りに使用できなくなった場合には、予定通りに車両を輸送することができなくなる可能性があります。代替港を利用するにしても、移送ほかの追加費用が生じることになります。
こうした事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、主要船社との良好な取引関係を維持しつつ、他の船社との取引関係を強化することで船腹の安定的確保に努めております。また、チャーター船や自動車専用船以外の船舶の利用も含めて、運搬手段の多様化にも取り組んでおります。
海上運賃の上昇は、販売価格に転嫁することを原則としており、船社各社の運賃を定期的に確認した上で適宜販売価格に反映しております。
港湾施設が平常通りに使用できなくなった場合に、事業への影響を最小限に止め、事業を早期に復旧するために、近隣港湾を利用したハブ物流方式を検討するとともに、こうした事態を想定したBCP(Business Continuity Plan =事業継続計画)を策定し、その実効性の維持・向上に努めております。

④検査品質
[リスク認識]
当社グループは、日本においては、国際植物防疫条約 (※1)に準拠し、ニュージーランド政府の認定機関であるInternational Accreditation New Zealand (IANZ)よりISO/IEC17020(※2)の認証を取得して中古自動車の輸出前検査を実施しております。ニュージーランドでは、同国政府認可のもと、輸入車用の車体識別番号
(VIN:Vehicle Identification Number)の付与、自動車検査等を行っております。
また2023年3月には国内グループ会社が農林水産省の登録検査機関に登録され、翌月から輸出種苗の検疫検査および国内種苗品質検査を開始しております。前者では輸出相手国が指定する手法、指定がない場合は国際種子検査協会(ISTA)、国際種子連盟(ISHI)等の手法に従って検査を行っております。
いずれの国でも検査に必要な公的資格を保有する優秀な検査員を多数擁し、高度なノウハウに裏打ちされたプロセスに沿って、高品質の検査を行っております。しかしながら、自動車に搭載される装置の電子化が更に急速に進むことで検査技術が追い付かなくなる事態や、想定外の病害虫の発生や想定を超える病虫害の蔓延等、予測し得ない事態が発生することが常に想定されます。
こうした事態が発生した場合には、技術面や費用面の問題から検査品質の高位維持が困難になれば、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、検査技術の革新、検査工程の改善、設備の更新、協力会社との連携強化等により、常に検査業務における品質の維持・向上に努めております。
日本において2024年10月から自動車の電子的な検査(OBD検査※3)が実施されるにあたっては、斯かる検査対応へのサポートを行うとともに、ニュージーランド及びオーストラリアを中心に海外で診断機器を販売することで検査事業の付加価値を高めてまいります。
また、輸出前の自動車に付着している害虫を高温で殺処理するための熱処理施設を独自開発し、2019年に日本で特許を取得したのを皮切りに、オーストラリア、韓国、EU、米国、ニュージーランドでも特許を取得しております。


※1 国際植物防疫条約(IPPC)
植物に有害な病害虫の侵入・蔓延の防止に向けて、各国間で共同かつ有効な措置を確保するための条約
※2 ISO/IEC17020
ISO(国際標準化機構:International Organization for Standardization)及びIEC(国際電気標準会議:International Electrotechnical Commission)が定めた、検査を行う検査機関の能力に係る基準を規定した国際規格
※3 OBD(On-Board Diagnostics)
エンジンやトランスミッションなどの電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)内部に搭載された故障診断機能

⑤風評及び風説
[リスク認識]
当社グループの意向にかかわらず、マスコミ報道やインターネット等の媒体によって、当社グループの事業及び役職員に係る否定的な内容もしくは事実と異なる内容の報道や発信がなされたり、誹謗中傷等を含んだ風評及び風説が流布することが想定されます。
こうした事態が発生した場合には、その内容の正否に拘らず、当社グル―プに対する社会的信用を失墜させ、当社グル―プの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、こうした報道・発信や風評及び風説に対しては、早期に発見して専門家のアドバイスも踏まえて適時適切に対応することで、影響が生じるのを防ぐよう努めております。
また、当社グループの事業内容や実績、事業以外の活動等に関する情報を積極的、かつ分かり易い内容で発信することで、ステークホルダーをはじめ多くの方々に当社グループの実情をご理解いただけるよう努めております。

⑥人材の確保及び育成
[リスク認識]
当社グループが成長戦略を円滑に遂行するためには多くの優れた人材を常に必要とすることから、高度な専門知識と豊富な経験を持ち合わせた優れた人材を確保し、育成することを、当社グループの重要な経営課題の一つと位置付けております。
貿易セグメントでは、顧客の要望に応えて車両品質を見極めた上で適正価格にて仕入れることができる優秀なバイヤーを多数必要とします。検査セグメントでは、検査に関係する法規制、国際規格等の知見を有する優秀な管理者と、港湾地区で実際に検査や修理に携わるスタッフを多数必要とします。しかしながら、優れた人材の獲得をめぐっては、競合他社のみならず多方面で常に激しく競い合う状況にあります。
このため、国内外の各事業において優れた人材を必要十分な人数確保できない場合には、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、グループ会社の人材ニーズを常時把握し、採用チャネルを拡充し、適材の確保に努める一方、就業環境の絶え間ない改善により定着化を図っております。
また、社員の動機付けと達成感、向上意欲を増進する人事制度を導入し、研修プログラムを充実させること人材の育成に努めております。


(3)法規制等に関するリスク
①関係法令
[リスク認識]
中古自動車の輸出は、外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令等の規制の対象となっております。輸出地域、輸出貨物の用途及び需要者の要件によっては経済産業大臣の輸出許可が必要となる場合もあります。また、当社グループの事業の多くは、事業を展開する各国において様々な法規制、許認可の適用対象となっております。
このため、法規制が改定・新設されたり解釈や運用が変更されて規制が強化された場合、または、過失その他の事情によりこれらに抵触して刑事罰、行政処分、許認可の取消等が課された場合には、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、コンプライアンスを経営の基本的な方針と位置付けております。
日本をはじめ事業を展開する国及び地域において、グループ会社各社が事業に関係する法令や所轄官公庁の許認可等の動向を常時把握するとともに、国内外の顧問弁護士を通じて関連情報を精査することで適時適切な対応に繋げております。
遵法意識を徹底するため、全社指示もしくはグループ会社各社の判断の下で適宜研修を実施しております。

②訴訟その他法的手続き
[リスク認識]
当社グループは、広く国内外で事業を展開していることから、多くのステークホルダーと関わりをもっており、その全てとの共栄を目指すことをグループビジョンでも謳っています。しかしながら、立場や見解の違いによって対立に及び、その結果、当社グループの事業活動に関連して重大な訴訟その他の法的手続きが発生し、当社グループに不利な判断が下されることも想定されます。
こうした事態が発生した場合には、社会的信用が失墜し、さらには、多額の裁判費用や賠償負担が生じることになれば、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、前述のとおり、コンプライアンスを経営の基本的な方針と位置付けております。
役職員は、法令、社会倫理、社会道徳に則り公平かつ公正に業務を執行することによって、事業活動において対立が生じることを未然に防ぎ、非難を受けることや嫌疑がかかることがないように努めることとしています。万が一、係争事案が発生した場合には、顧問弁護士ほか社外の専門家の指導や助言を適宜受けながら、適切に対処することとしております。
なお、本書提出日現在、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟その他法的手続きは提起されておりません。

③移転価格税制等の多国間取引に伴う税務
[リスク認識]
当社グループはグローバルに事業を展開していることから、日本をはじめ各国の税制にしたがって公正な会計処理を行うように努めております。しかしながら、各国の税務当局との間で見解の相違が生じて取引価格に係る移転価格税制上の指摘や源泉徴収の必要性等の指摘を受けること、または政府間協議が不調に終わることも想定されます。
こうした事態が発生した場合には、二重課税や追徴課税を受けることになり、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、前述のとおり、コンプライアンスを経営の基本的な方針と位置付けております。
グループ会社間取引については、国際税務の観点から事前の調査を綿密に行い、社外の専門家の指導やアドバイスを適宜受けながら、関係法令・規則に則り公正な会計処理を励行することで二重課税や追徴課税等を回避するよう努めております。


(4)情報セキュリティに関するリスク
①情報システム
[リスク認識]
当社グループは、グループ会社各社の業務の主要な部分を情報システムに依存しております。このため、地震等の自然災害、火災、ハードウェアまたはソフトウェアの不具合、コンピューターウィルスの感染、公衆回線等の通信ネットワークの障害、電力供給の障害、人為的ミス、その他予期せぬ事象が原因で情報システムが正常に作動しなくなることが常に想定されます。
こうした事態が発生した場合には、通常業務の運営に支障を来すだけでなく、サービスの質・量の劣化を引き起こすことになれば、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、情報システムを安全かつ効率的に運用するために「情報システム運用管理規程」を制定し、データ管理、バックアップ等を厳格に運用しております。
また、当社グループの事業や組織の発展と社会の要請に合わせて、情報システムの堅牢化と冗長化の両面で、障害への耐久力の強化に継続的に取り組んでおります。

②情報資産
[リスク認識]
当社グループは、事業活動を通じて取引先の機密情報もしくは個人情報を入手することがあります。また、当社グループ自身の機密情報及び個人情報も大量に保有しております。これらの情報資産において、不正アクセスやサイバー攻撃等による情報の漏洩、紛失、データの破壊等が発生することが想定されます。
こうした事態が発生した場合には、通常業務の運営に支障を来すだけでなく、取引先をはじめとする第三者に甚大な被害を及ぼすことになれば、巨額の補償負担が生じることにもなり、当社グループに対する社会的信用は失墜し、さらには、刑事罰、行政処分、許認可の取消等が課されることになれば当社グループの事業が制約を受けて、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
[対応]
当社グループでは、情報資産を様々な脅威から保護し、適正に取り扱うために「情報セキュリティポリシー」「情報セキュリティ管理規程」「機密情報管理規程」及び「個人情報保護管理規程」を制定し、役職員に対しては情報セキュリティに係る教育及び啓発を随時実施することで意識の向上を促し、厳格な情報管理を励行しております。
また、情報の漏洩、紛失、データの破壊等から情報資産を守るために、不正侵入やマルウェアの検知、データの消去や改竄の復旧、データの自動バックアップ等のハード面の手当を随時強化しております。


従業員の状況研究開発活動


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