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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100JSZ2 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ジェイテックコーポレーション 事業の内容 (2020年6月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を経営理念とし、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。
現在「オプティカル事業」と「ライフサイエンス・機器開発事業」の2つのセグメントを有しております。

(1) オプティカル事業
当事業では、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザー施設「SACLA」のような国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル(10億分の1メートル、以下nmと表記。)以下の超高精度の反射表面形状をした集光ミラー、高調波カットミラーや回折格子基板等をユーザーに合わせて設計し、カスタムメイドで製造・販売しております。
当社は、2005年に大阪大学と理化学研究所が共同開発した世界で初めて硬X線を回折限界まで集光(最小集光径36nm×48nm)したX線ナノ集光ミラーの実用化に成功しました。
本X線ミラーは大阪大学のナノ加工、ナノ計測技術により製造したミラーであり“OsakaMirror”と商標登録し、2006年より販売を開始しました。現在も世界の特に先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設の研究者から高い評価を得て、数多くの研究施設に納入しております。

当社が販売するX線ナノ集光ミラーは国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われ、顧客は主に国内外の国立研究機関や大学の研究者であり、年々積極的に新しい研究が提案され、新しい光学系が構築されております。
近年放射光施設やX線自由電子レーザー施設では、物理、化学、生物などの基礎科学研究分野から、高度化医療、創薬や材料評価などの応用分野に加えて産業利用ニーズも高まりをみせ、化粧品、食料品、電池、タイヤ等身近な製品の開発にも放射光利用は年々増大しており、また最近では新型コロナウイルス感染症に関する基礎研究など積極的に推進されております。これに伴い、より小さな試料やより高い空間あるいはエネルギー分解能(放射線のエネルギー測定の精度を表す指標)でより高度な分析が求められ、光を扱う技術への高度化の需要は世界レベルで高まっており、当社の“OsakaMirror”の需要が拡大しております。
また、分析の多様化に伴った新しい次世代のX線ミラーとして、形状可変ミラー、回転楕円ミラー、ウォルターミラー等を提案・納入するなど、継続的な研究開発及び商品開発を推進しております。

本X線ナノ集光ミラーはカスタムメイドであり、研究者の実験条件等により、反射表面形状が異なります。当社は大阪大学、理化学研究所及び高輝度光科学研究センターとの共同研究を推進し、その研究を通してX線ミラーの光学設計のノウハウを習得しており、顧客である研究者に対して最適なX線ミラーの提案が可能となり、この点も海外の競合企業に対して強みと考えております。
販売体制としては、顧客の大半が国立研究機関や大学などであるため入札になる場合が多く、基本的に直接販売を行っております。また放射光施設のビームラインをまとめて、あるいは一部をプラント業者に発注するケースもあり、その工事受注業者からの発注になる場合もあります。
さらに、これら独自のナノ加工・計測技術を用いて、各種X線ミラーを、例えば半導体、宇宙及び医療分野等、放射光施設以外の産業分野へ製品展開を図るために各産業分野の有力企業と共同開発を積極的に進めており、試作開発を推進しております。また高精度な厚みを要求される材料への適用として次世代半導体向けのフォトマスク分野に当社独自のEEMナノ加工技術を適用するために共同開発を進めております。

〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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図1.オプティカル事業系統図

なお、2020年6月期のオプティカル事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が12,891千円(1.6%)、企業が71,846千円(8.6%)、公的研究機関が748,349千円(89.8%)となっております。

(2) ライフサイエンス・機器開発事業
当事業では、創業当初は創薬スクリーニングに関連する各種細胞培養操作の自動化を手掛け、その後再生医療に関連する細胞培養操作を自動化した各種自動細胞培養装置やiPS細胞用の各種細胞培養装置の開発・製造・販売を推進してまいりました。
当社の自動細胞培養装置は、培地と呼ばれる細胞増殖に欠かせない栄養分を交換したり、細胞を培養したり、培地を保存したりする様々な機能をオールインワンにまとめた全自動化のシステムであることが特長で、医療・バイオ分野では顧客の希望する内容が多様化しており、顧客ごとに独自の操作手順を提案し、カスタムメイドで自動化装置の製造・販売を行ってまいりました。

また、iPS細胞の出現により、従来の高価な大型の自動細胞培養装置に対して、安価で広く研究者に使っていただける量産汎用型を目指し、iPS細胞専用の培地交換に特化した自動細胞培養装置CellPet®の開発をしてまいりました。当事業年度は中規模クラスの汎用型自動細胞培養装置KB2000やCellPet®シリーズの後継機種である卓上サイズの自動細胞培養装置MakCell®を開発いたしました。

さらに、産業技術総合研究所と長年にわたり共同研究を行っていた浮遊培養(培地内を細胞が浮遊状態で増殖する培養方法)の一種である独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をもとに再生医療向け3次元細胞培養システムCellMeister® 3Dの試作開発に成功し、2016年度からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の競争的資金を得ながら、横浜市立大学及び神奈川県立こども医療センターと再生医療の医師主導の治験を目指し共同研究を推進しております。
また、大阪大学医学部との共同研究を開始し、心筋細胞の培養に当社独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」を適用し、従来培養方法と比べ優位性が証明されました。今後臨床研究への導入を目指して共同研究を推進してまいります。
本培養技術を用いてiPS細胞等の培養への展開を図り、未分化維持培養のためのシステムである回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS®」やスフェロイドを均一な小さな組織に分散する小片化装置「CellPet FT®」を開発、販売してまいりましたが、当事業年度は、さらにオルガノイド培養向けに特化した培養装置「CellPet® CUBE」や酸素透過型の培養容器など関連機器を積極的に製品開発いたしました。

また、当事業では、細胞培養に関連する独自製品の製造、販売だけでなく、当社X線ミラーを用いた集光装置、培養装置やナノ加工装置関連の機器開発、企業からの委託開発業務及びOEM生産等も実施しておりますが、当事業年度は従来からのOEM製品のロット生産、当社X線集光ミラー用の集光ユニットの製作及び大手メーカーからの水晶振動子ウエハ加工システムを受注しました。
当事業では、自社製品及び委託開発製品については開発・設計は自社で実施しておりますが、製造に関しては外部の協力会社に委託するファブレス化を進めております。
販売体制としては、直接販売のほか販売チャンネルとして広く販売代理店を活用しております。

〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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図2.ライフサイエンス・機器開発事業系統図

なお、2020年6月期のライフサイエンス・機器開発事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が9,494千円(4.9%)、企業が125,065千円(64.3%)、公的研究機関が59,832千円(30.8%)となっております。

注1:大型放射光施設「SPring-8」(Super Photon ring-8 GeV)
「SPring-8」とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。「SPring-8」では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーから産業利用まで幅広い研究が行われています。「SPring-8」の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。
「SPring-8」は国内外の産学官の研究者等に開かれた共同利用施設であり、1997年から放射光を大学、公的研究機関や企業等のユーザーに提供しています。課題申請などの手続きを行い、採択されれば、誰でも利用することができます。
「SPring-8」の施設者は理化学研究所であり、「SPring-8」の運転・維持管理、並びに利用促進業務を高輝度光科学研究センターが行っています(図3参照)。

注2:X線自由電子レーザー施設「SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)」
2006年3月に策定された第3期科学技術基本計画(2006年3月28日閣議決定)において国家基幹技術の一つとして選定されたX線自由電子レーザー施設として、2006年度から理化学研究所と「SPring-8」を運営する高輝度光科学研究センターが共同で施設の建設・整備を行い、2011年3月に完成、0.063nm(0.63Å(オングストローム:微小な長さを表すのに用いられる単位。1Å=0.1nm))の世界最短波長のX線レーザー生成に成功した施設であり、2012年3月7日より供用運転を開始しています(図3参照)。

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図3 大型放射光施設「SPring-8」、X線自由電子レーザー施設「SACLA」


沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E33777] S100JSZ2)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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