有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YINW (EDINETへの外部リンク)
JX金属株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループは、長期ビジョンとして掲げる『「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身』を実現するため、半導体材料/情報通信材料セグメントを成長戦略のコアと位置づけ、研究開発に注力しています。また、脱炭素や資源循環といった地球規模のESG課題解決に向けた製品・技術開発にも取り組んでいます。
新規事業創出においては、次世代半導体材料やフォトニクス材料を初めとする先端材料分野を中心に事業ポートフォリオの拡充を目指しています。特に、データセンターやAI搭載IoTデバイスに使用される高性能半導体の製造に必要な次世代半導体材料の開発に注力をしており、また、結晶材料では当社のコア技術である高純度化、組成制御、温度制御の技術を駆使し、データセンターの増加やモバイル通信量の増加、センシング技術の高度化等に対応するための高品質な結晶材料を供給すべく体制構築を図っています。特に次世代半導体製造プロセスでの採用拡大が期待されるCVD・ALD用材料については、生産能力の増強とともに新規生産プロセスの開発、新規材料開発の強化を行っています。
研究開発体制は、既存製品の改良や製造プロセスの改善など既存事業の強化を行う各事業部の開発部門と、新規事業の創出を推進する技術本部の開発部門から成り立っています。技術本部には全社的な技術戦略の企画・立案を所管する機能と、開発段階のテーマを事業化に向けて管理するインキュベーション機能、加えて当社グループのコーポレートラボの位置づけで、先端材料の開発、資源開発・製錬・リサイクルの次世代技術に関する研究開発機能を担っています。大学との共同研究などの産学連携やスタートアップ、ベンチャーキャピタルファンドへの出資など外部が保有する独自の技術と当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディーな事業化へ向けた取り組みも進めています。
2026年2月にはRapidus株式会社が実施する最先端ロジック半導体量産に向けた大型資金調達に当社も参画し、同社へ出資することを発表いたしました。当社は、従来より、半導体用スパッタリングターゲットなどの各種半導体材料の供給を通じてRapidus社の取り組みを支援してきましたが、今般の出資を契機に、Rapidus社との連携をさらに深化させ、顧客・サプライヤーの枠を超えた協力体制のもと、半導体製造前工程・後工程や端材・廃液などのリサイクル分野における技術力の向上も追求してまいります。また、当社はRapidus社を中心とした新たな半導体エコシステムの形成期において、半導体関係各社との連携を強化し、今後の事業展開に資する新たな知見や機会の獲得を企図しています。技術革新や市場構造の変化を的確に捉えながら、共同開発、サプライチェーン連携、新規事業の芽となるパートナーシップ形成を積極的に推進し、こうした取り組みを通じて当社半導体ビジネスの更なる拡大と価値創出につながる技術・市場機会の開拓を進めてまいります。
当連結会計年度に発生した研究開発費は19,983百万円です。
報告セグメントごとの研究開発活動の状況は次のとおりです。
(1) 半導体材料セグメント
高純度化技術及び材料組成・結晶組織の制御技術をベースに、半導体・電子部品用途向け製品に関する開発を進めています。半導体用スパッタリングターゲット、磁性材料用スパッタリングターゲット等の各種ターゲット材料や、化合物半導体・結晶材料、その他電子材料を中心とした新規製品開発及び関連プロセスの技術開発に継続的に取り組んでいます。特に、生成AI用などに使用される先端半導体製造プロセスにて用いられるスパッタリングターゲットにおいては、更なる品質改善に向けた取り組みとともに、昨今注目を集める先端パッケージ分野等における新規ニーズに対応するスパッタリングターゲットの開発をすすめています。また、当社が有する要素技術と試作/評価設備を応用した周辺材料の開発を、お客様、外部企業、大学との社外連携も行いながら積極的に進めています。
AIデータセンター内の光通信デバイスに使われるInP(インジウムリン)基板については、大口径化の需要に対応する開発に注力しています。当セグメントに係る研究開発費は6,007百万円です。
(2) 情報通信材料セグメント
精密な組成制御を実現する溶解鋳造技術、独自の結晶制御を可能にする圧延加工技術、並びにユーザーニーズに適合した評価技術を用いて、強度・導電性・加工性・耐久性に優れた高機能伸銅品の開発を進めています。半導体リードフレームやカメラモジュール用スプリングの次世代材料として、チタン系及びコルソン系新規銅合金の開発に取り組んでいます。また、今後の需要増加が見込まれるロボットや5G・6Gといった高速移動通信に使われるプリント配線板材や電磁波シールド材向けに、屈曲性、高周波特性、微細回路形成性に優れる圧延銅箔の開発に取り組んでいます。マテリアルインフォマティクス(シミュレーション、データ解析等)の活用や外部研究機関との連携を通し、開発のスピードアップを推進しています。当セグメントに係る研究開発費は5,180百万円です。(3) 基礎材料セグメント
長年の現場経験を通じて培った鉱床評価技術、低品位銅鉱石から効率的に銅を分離・回収する技術、低環境負荷技術等を活用し、現在は海外の銅鉱山やレアメタル鉱山への参画や国内の含金珪酸鉱鉱山の操業を行っています。銅製錬事業においては、2040年にリサイクル原料処理比率を50%とするグリーンハイブリッド製錬構想を掲げており、リサイクル原料を効率的に処理するための前処理プロセスを含む新規の製錬技術について試験研究を進めています。また、貴金属及びレアメタル等の回収率アップとともに、不純物許容度の高い精製プロセスの実現に向け技術開発を進めています。当セグメントに係る研究開発費は1,213百万円です。
(4) 新規事業
次世代半導体に使用されるCVD・ALD用材料及び先端パッケージ材料、3Dプリンター用金属粉、銅微粉、リチウムイオンバッテリーのリサイクル及び電池材料の開発等について、事業部、関係会社等を跨ぎグループ横断で早期事業化に向けた取り組みを強化しています。CVD・ALD用材料関連では、生成AIの進化によりデータセンターやAI搭載IoTデバイスの市場が拡大し、これらの機器に必要とされる高性能半導体には、高集積化を実現するために更なる微細化や多層化が求められています。当社は2024年2月に「CVD・ALD材料事業推進室」を新設し、同材料の早期事業化を目指してまいりました。これまで同組織のもとで、新規高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進め、良好な評価を獲得しています。本材料の本格採用により急速な需要拡大が見込まれることから、当社は本材料の生産能力の増強を決定しました。東邦チタニウム株式会社茅ケ崎工場で生産設備増強が完了、フル操業を開始しています。さらに茨城事業所日立地区においても量産ラインの立上げが完了し、顧客への出荷を開始しています。これにより、拡大する顧客需要に対応するとともに、高性能化が加速する半導体の進化を支えてまいります。
2025年10月1日付にて「先端材料事業本部」に「データインフラ材料事業推進部」を新設し、「技術本部技術戦略部」の「先端パッケージ材料事業推進室」を新組織への統合を行っています。足元、生成AIの急速な普及によって社会全体のデータ量が爆発的に増加し、それに伴い、データセンターやネットワーク機器など、データインフラを支える材料の重要性がかつてないほど高まっています。当社は2024年11月に技術本部技術戦略部内に「先端パッケージ材料事業推進室」を設置し、半導体先端パッケージ分野における製品ラインナップの拡充に取り組んできましたが、こうした外部環境の変化を踏まえ、本組織改正を行うことで、先端パッケージ材料のみならずデータインフラ用途を含む新規製品のマーケティングから量産体制構築及び事業化に向けた体制整備を進めています。新組織は、より全社的な視点で横断的なマーケティングを推進するとともに、事業本部における新規事業の受け皿としての役割を担い、事業本部全体を俯瞰しながら、新規製品の事業化に向けた最適な推進体制の検討と構築を行っています。
他方、スタートアップやベンチャーキャピタルファンドへの出資も積極的に行い、2022年9月には先端材料の分野において20年以上の投資実績のあるベンチャーキャピタルファンドPangaea Ventures Impact Fund、2023年6月には独自技術の中間膜を開発している東京大学発のベンチャー企業である株式会社Gaianixxへの出資、2025年10月にはレーザー方式による核融合発電の社会実装を目指す大阪大学発のスタートアップの株式会社EX-Fusionへの出資を決定しました。これら独自の技術を有するスタートアップと当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディな事業化へ向けた取り組みを進めています。
また、2025年9月には株式会社レゾナックにより設立された次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画することを発表しました。当社は、先端半導体の製造に用いられる半導体用スパッタリングターゲットをはじめ、AIデータセンター向け材料として需要が急増しているインジウムリン化合物半導体基板、チタン銅合金箔、高純度タンタル粉等、グローバル市場で高いシェアを誇る先端材料を多数保有しています。中でも半導体用スパッタリングターゲットは、前工程だけでなく、パッケージング工程の一部であるチップ間配線形成などでも需要拡大が期待されています。また、表面処理剤など、同分野への適用が期待される製品群を揃えており、今後JOINT3において世界トップクラスの各参画企業と連携し新規事業創出を推進してまいります。
さらに、分析、シミュレーション及びデータ解析技術、生産技術の向上を通して、技術開発の促進、効率化、生産プロセスの最適化を図っています。新規事業及びその他の事業における研究開発費は合計で7,583百万円です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01081] S100YINW)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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