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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W549 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 JX金属株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、長期ビジョンとして掲げる『「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身』を実現するため、半導体材料/情報通信材料セグメントを成長戦略のコアと位置づけ、研究開発に注力しています。また、脱炭素や資源循環といった地球規模のESG課題解決に向けた製品・技術開発にも取り組んでいます。
新規事業創出においては、次世代半導体材料やフォトニクス材料を初めとする先端素材分野を中心に事業ポートフォリオの拡充を目指しています。特に、データセンターやAI搭載IoTデバイスに使用される高性能半導体の製造に必要な次世代半導体材料の開発に注力をしており、結晶材料では当社のコア技術である高純度化、組成制御、温度制御の技術を駆使し、データセンターの増加やモバイル通信量の増加、センシング技術の高度化等に対応するための高品質な結晶材料を供給すべく体制構築を図っています。また、次世代半導体製造プロセスでの採用拡大が期待されるCVD・ALD用材料については、生産能力の増強とともに新規生産プロセスの開発、新規材料開発の強化を行っています。
研究開発体制は、既存製品の改良や製造プロセスの改善など既存事業の強化を行う各事業部の開発部門と、新規事業の創出を推進する技術本部の開発部門から成り立っています。技術本部には全社的な技術戦略の企画・立案を所管する機能と、開発段階のテーマを事業化に向けて管理するインキュベーション機能、加えて当社グループのコーポレートラボの位置づけで、先端素材の開発、資源開発・製錬・リサイクルの次世代技術に関する研究開発機能を担っています。

当連結会計年度に発生した研究開発費は17,757百万円です。
報告セグメントごとの研究開発活動の状況は次のとおりです。

(1) 半導体材料セグメント

高純度化技術及び材料組成・結晶組織の制御技術をベースに、半導体・電子部品用途向け製品に関する開発を進めています。半導体用スパッタリングターゲット、酸化物スパッタリングターゲット、窒化物スパッタリングターゲット、磁性材料用スパッタリングターゲット等の各種ターゲット材料や、化合物半導体用結晶材料、その他電子材料を中心とした新規製品開発及び関連プロセスの技術開発に継続的に取り組んでいます。
特に、生成AI用などに使用される先端半導体製造プロセスにて用いられるスパッタリングターゲットにおいては、更なる低パーティクル化の取り組みとともに、電気抵抗や拡散バリア性の面で新たな合金開発を進めています。また、これらの半導体を格納するパッケージにおいては、インターポーザなどの導通部分が増えるため、電気特性を損なわないよう、半導体めっき液に使われる金属原料についても、高純度化や誤作動の要因となるα線の削減に取り組んでいます。当セグメントに係る研究開発費は5,738百万円です。

(2) 情報通信材料セグメント

精密な組成制御を実現する溶解鋳造技術、独自の結晶制御を可能にする圧延加工技術、並びにユーザーニーズに適合した評価技術を用いて、強度・導電性・加工性・耐久性に優れた高機能伸銅品の開発を進めています。半導体リードフレームやカメラモジュール用スプリングの次世代材料として、チタン系及びコルソン系新規銅合金の開発に取り組んでいます。また、今後の需要増加が見込まれるロボットや5G・6Gといった高速移動通信に使われるプリント配線板材や電磁波シールド材向けに、屈曲性、高周波特性、微細回路形成性に優れる圧延銅箔の開発に取り組んでいます。マテリアルインフォマティクス(シミュレーション、データ解析等)の活用や外部研究機関との連携を通し、開発のスピードアップを推進しています。当セグメントに係る研究開発費は4,184百万円です。

(3) 基礎材料セグメント
サステナブルな資源開発に向け、環境負荷低減を目的とした鉱山操業におけるCO2排出量削減の技術調査・開発を進めています。また、今後先端素材分野での需要拡大が期待されるレアメタルのサプライチェーン確保・責任ある原料調達への貢献のため、鉱石からの回収技術の評価・開発を進めています。
銅製錬事業においては、2040年にリサイクル原料処理比率を50%とするグリーンハイブリッド製錬構想を掲げており、リサイクル原料を効率的に処理するための前処理プロセスを含む新規の製錬技術について試験研究を進めています。また、貴金属及びレアメタル等の回収率アップとともに、不純物許容度の高い精製プロセスの実現に向け技術開発を進めています。当セグメントに係る研究開発費は1,312百万円です。

(4) 新規事業

次世代半導体に使用されるCVD・ALD用材料及び先端パッケージ材料、3Dプリンター用金属粉、銅微粉、リチウムイオンバッテリーのリサイクル及び電池材料の開発等について、事業部、関係会社等を跨ぎグループ横断で早期事業化に向けた取り組みを強化しています。
CVD・ALD用材料関連では、生成AIの進化によりデータセンターやAI搭載IoTデバイスの市場が拡大し、これらの機器に必要とされる高性能半導体には、高集積化を実現するために更なる微細化や多層化が求められています。当社は2024年2月に「CVD・ALD材料事業推進室」を新設し、同材料の早期事業化を目指してまいりました。これまで同組織のもとで、新規高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進め、良好な評価を獲得しています。本材料の本格採用により急速な需要拡大が見込まれることから、当社は本材料の生産能力の増強を決定しました。東邦チタニウム株式会社茅ケ崎工場で24年度下期に増強を実施した上で、更に茨城事業所日立地区で25年度上期を目途に生産設備を導入し稼働を開始する計画です。あわせて当事業の今後の展開に向け、新規プロセス開発や新規材料開発に向けた設備強化を行います。これにより、拡大する顧客需要に対応するとともに、高性能化が加速する半導体の進化を支えてまいります。
また、半導体製造の先端パッケージング分野における新規事業の育成推進のため、2024年11月1日付で、「技術本部技術戦略部」内に「先端パッケージ材料事業推進室」を設置しました。当社の主力製品である半導体用スパッタリングターゲットが使用される前工程のみならず、複数のチップを1つの基板上に高密度で実装するチップレットなど、後工程においてもさまざまな新手法が開発されており、こうした手法の高度化に向け、より高機能な材料が求められています。今般設立した新組織においては、当社グループの先端パッケージ材料関連のマーケティング及び開発に関する機能を一元化することにより、よりスピード感を持って、市場の要求に対応をしていきます。また、外部機関との連携も活用しながら、材料の新規開発や実用化に向けた取り組みを推進していきます。当社グループは、こうした活動を通じて、半導体材料分野における製品ラインナップの拡充も目指していきます。
他方、スタートアップやベンチャーキャピタルファンドへの出資も積極的に行い、2022年9月には先端素材の分野において20年以上の投資実績のあるベンチャーキャピタルファンドPangaea Ventures Impact Fund、2023年6月には独自技術の中間膜を開発している東京大学発のベンチャー企業である株式会社Gaianixxなどへの出資を行っています。これら独自の技術を有するスタートアップと当社が保有するコア技術の融合により革新的イノベーションの創出、スピーディな事業化へ向けた取り組みを進めています。
さらに、分析、シミュレーション及びデータ解析技術、生産技術の向上を通して、技術開発の促進、効率化、生産プロセスの最適化を図っています。新規事業及びその他の事業における研究開発費は合計で6,523百万円です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01081] S100W549)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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