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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100K98D (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社チームスピリット 事業の内容 (2020年8月期)


沿革メニュー関係会社の状況

(1)事業の概要
当社グループは「すべての人を、創造する人に。」「個を強く。チームを強く。」というミッション、ビジョンのもと、ERP(注1)のフロントウェア「TeamSpirit」というサービスを、SaaS (Software as a Service)(注2)と呼ばれるクラウド上のサービスを通して提供しています。また「TeamSpirit」の導入に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。
ERPのフロントウェアとは、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといった企業のバックオフィスにおいて従業員が日常的に使用する様々なアプリケーションを一体化したシステムのことです。従来このフロントウェアの領域は、ERPと組み合わせて一から開発するか、ERPのオプションを利用していましたが、「TeamSpirit」はこれらの利用者機能(データの登録機能)を独立させて一つのサービスにまとめました。異なる分野の利用者機能が一つのデータベース及びワークフローを共有することで、それぞれのデータをかけ合わせて分析することや、企業の決裁権限をシステムに組み込むことが可能となり、企業に求められる内部統制やコンプライアンスを実現することができます。
このERPのフロントウェアが独立したSaaSとして提供されることで、ユーザー企業が法制度改正に伴うシステム改造や情報セキュリティ対策の手間から解放されるだけでなく、使い慣れた利用者機能を変更することなく、企業のステージに合わせて行うERPのリプレース(システムの置き換え)が実施できるようになります。
IoTや人工知能(AI)などを軸とする「第4次産業革命」が社会に大きな変化をもたらしつつあるなか、企業は最新技術を駆使して新たなビジネスモデルや付加価値を創出する「デジタルトランスフォーメーション」(注3)への取り組みに迫られています。また「働き方改革」の名の下、企業の生産性向上に大きな注目が集まっています。ビジネス環境が刻一刻と変化し、かつ国内の生産年齢人口(15歳〜64歳)が今後確実に減り続ける社会で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦すること、またイノベーションを実現することが必要不可欠です。そのためにまず企業がなすべきことは、社内の間接業務を極力削減し、従業員一人ひとりが創造的に時間を使うことでアウトプットの質・量を最大化することです。「TeamSpirit」は日々の成果を可視化し、チームのコミュニケーションやPDCAサイクルの仕組みに変えるという新しい価値を提供することで、働く人一人ひとりが専門能力を発揮し自律的に連携するプロフェッショナルなチームを創り出し、組織として圧倒的な生産性の向上を実現します。
足下では、新型コロナウイルスが全世界に猛威を振るい、ニューノーマル(新常態)といわれるテレワーク等が急速に広まりを見せており、働き方そのものに対するパラダイムシフトが起こり始めています。そのような事業環境の中で、「TeamSpirit」の需要は着実に高まっており、2020年8月末時点で「TeamSpirit」の契約ライセンス数は277,714ライセンス、契約社数は1,409社となりました。
なお、当社グループはSaaS事業の単一セグメントとなります。


(2)当社グループ商品について
a.「TeamSpirit」
当社グループの中核商品で、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスです。インターネット経由で必要な期間利用できる SaaS という形態で提供され、テレワークやフレックスタイム等の多様なワークスタイルをサポートします。「勤怠管理・就業管理」の領域においては単なる出退社時刻の記録だけでなく、残業時間の推移・36協定の順守状況・インターバル時間・有給休暇の取得状況・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。また「工数管理・SNS」の領域では、リアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などの行動を分析することで、従業員が生産性高く、生き生きと働くための質の高いコーチングを提供するなど、真の「働き方改革」の実現をサポートします。
「TeamSpirit」のコンセプトは、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従来は単体で提供されていたシステムが一体化され、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで実現する「働き方改革プラットフォーム」という新しい価値の提供にあります。従来それぞれのシステムは給与計算や財務会計、原価管理といった企業の経営管理を司るERPなどの基幹系システムのオプションとして提供されていました。しかしERPには、その性質上、月次の決算に必要な情報しか登録することができないと認識しています。「TeamSpirit」は基幹系システムのオプションに当たる機能を従業員視点でひとつにまとめ、ERPから従業員が毎日使うワークフロー機能を分離独立させたフロントウェアとして提供しています。そのため従業員の日々の活動データを「リアルタイム」にかつ「体系的」にERPから分離した中間的なデータベースに格納します。そこから必要なタイミングで基幹系システムにデータを取り込み処理する業務フローに見直しました。そのため「TeamSpirit」では既存の基幹系システムにアドオンするだけの手軽さで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することができます。
「TeamSpirit」は4つのステップで「働き方改革」に関する潜在的なニーズに対するソリューションを提供します。ステップ1は勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々行わなければいけない業務をひとつのシステムにまとめることで実現する「間接業務の効率化」です。ステップ2は「内部統制の高度化」です。例えば、原価管理の面では、プロジェクト別の工数を「TeamSpirit」で自動集計できるため原価計算の精度が向上します。また、勤怠管理で集計した労働時間を上限とした工数登録の仕組みによって作業工数の水増しを防止できます。さらに、工数の日次承認機能の利用により、事後的に他プロジェクトへ工数を付替えることを防止できるため、不正な調整への牽制が可能となり、統制がとれた原価管理が実現できます。労務管理の面では、「TeamSpirit」に入力された情報を活用して、36協定に基づいたレポートの生成が可能であるため、「全社」「部門」「個人」の単位で勤務状況をリアルタイムで可視化・分析でき、法制度違反や未払い残業の発生の防止を行うことができます。また交際費やタクシーなどの経費精算を勤務・工数データとカレンダーの両方を確認することで業務利用として妥当であるかを判断することもできます。さらに各機能のワークフローが共通化されていることで電子稟議はもちろん残業や経費精算の承認などの決裁権限をシステムに組み込むことができます。ステップ3は「従業員の活性化」です。働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)が体系的に格納されているため、レポーティング機能で手軽に働き方を可視化でき、この分析から得られた気付きをコーチングに活かすことができます。ステップ4は「生産性向上」です。「TeamSpirit」の各機能を使って働き方を可視化することで、従業員一人ひとりのタイムマネジメントの質を向上させ、アウトプットの増大を実現します。このように「TeamSpirit」では各機能が連携しひとつのサービスとして提供されていることにより、「働き方改革」で求められている本質的な問題を解決することが可能となります。

「TeamSpirit」の契約ライセンス数の推移は以下の通りです。
契約ライセンス数(人)契約社数(社)
2012年8月2,81134
2013年8月11,736116
2014年8月23,691250
2015年8月46,335423
2016年8月71,593616
2017年8月98,900795
2018年8月139,171973
2019年8月208,6151,232
2020年8月277,7141,409

b.「TeamSpirit Leaders」
「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積を作成するための工数計画を作成することができ、受注後には「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。

c. プロフェッショナルサービス
「TeamSpirit」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、SaaSの普及に伴いITの基礎知識の少ないお客様による導入事例が増えてまいりました。導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントがユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。


サービス種別サービス名称サービス内容
ライセンスTeamSpirit勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等を一体化したSaaS
TeamSpirit Leaders「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用する、プロジェクト原価管理サービス
プロフェッショナルサービススポットサポート
プレミアサポート
顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務

なお、販売体制については、顧客企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。

(3)ビジネスモデルについて
《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注4)による安定性と成長性》
「TeamSpirit」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金する、リカーリングレベニュー(継続収益)方式を採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規の契約数を解約数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長も目指すことができるビジネスモデルです。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は88.3%となっています。
収益の安定に重要な契約の継続のために、エンジニア、デザイナー、カスタマーサポートが一丸となって「働く人の創造的な時間を生み出し、チームの力を引き出す」機能を提供すべく定期的なバージョンアップを実施しております。切れ目のない顧客価値向上を実現することで高い継続率の維持の実現を目指しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しております。そのためファミリー製品を追加で導入いただくなど、今まで既存のお客様から年間の解約を上回るリカーリングレベニューの増加を実現しております。
成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、高価なソフトウエアを売り切り型で販売するのではなく月額料金ですぐに提供できることから、受注までの平均商談期間を短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になると認識しております。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、安心して導入の意思決定ができ、受注リードタイムの短縮も可能になります。
世界のSaaS企業の標準となりつつあるサブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため、キャッシュ・フローの観点で有利なことも当社グループのビジネスモデルの特徴です。

《シングルソース・マルチテナント形式(注5)による顧客価値の最大化とコストダウン》
「TeamSpirit」は、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供しており、2020年8月末時点で1,409社の企業に導入されていますが、シングルソース・マルチテナント形式で、「TeamSpirit」をご契約いただいたすべてのお客様が共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年3回の定期メジャーバージョンアップ(4月、8月、12月)を提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者はひとつのソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。
さらに「TeamSpirit」は従業員1,000名以上の大手企業にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できることが技術上、ビジネス上の大きな優位点であると考えています。

《エンタープライズ企業(注6)に選ばれるSaaS》
「TeamSpirit」は、パブリッククラウド(注7)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注8)である、salesforce.com, inc.(注9)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてsalesforce.com, inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約(注10)を基に1ライセンスあたり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資をほぼゼロに抑制することができます。その上、ワークフローやSNSおよびデータ連携機能、レポーティングやダッシュボードなど分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な顧客価値の向上が可能であると考えています。
また世界でユーザー企業15万社以上、1日あたりのトランザクション数40億以上、稼働アプリケーション数500万以上のシステム運用体制を持つsalesforce.com, inc.によるシステム運用実績により、金融機関から国際的に活動するエンタープライズ企業まで安心して「TeamSpirit」をご利用いただけるものと考えています。

(注)1 ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。
2 SaaSとは、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。
3 デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。
4 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。
5 シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。
6 エンタープライズ企業とは、IT業界における市場や製品カテゴリー区分の一種で、大企業、中堅企業、公的機関などの比較的規模の大きな法人のことを表します。
7 パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。
8 PaaSとは、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。
9 salesforce.com, inc. とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ドットコムは、salesforce.com, inc.の子会社です。
10 OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ、当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。

[事業系統図]
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沿革関係会社の状況


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