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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W5A5 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 PHCホールディングス株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、ヘルスケア分野において、世界中の健康を願うすべての人々の豊かな社会づくりに貢献するため、技術の革新と融合を通じて新たな価値を創造することを目指し、研究開発に取り組んでいます。
2024年11月に公表した中期経営計画では、2030年の目指すべき姿として「精緻な技術でヘルスケアの未来を切り拓くリーダーとなる」ことを掲げました。高品質な医療を誰もが身近に享受できる未来の実現に向けて、強みである精緻な技術を基盤に、ヘルスケアの未来を切り開いていきます。
目指すべき姿を実現するため、各事業の位置付けを明確化し、特に診断・ライフサイエンス領域を高成長が期待される重点分野として位置づけ経営資源を集中させる取り組みを行っています。研究開発の方針として、ドメインにおけるコア製品・技術を活用したソリューションの創出に加え、他社やパートナーと積極的な協業を通じて、スピード感をもった技術・製品開発を推進しています。また、デジタルヘルスや遺伝子細胞治療分野等の新領域にも積極的に取り組み、医療の質の向上、コスト削減、医療資源の効率的な利用を追求しています。
当社グループでは、グループの成長戦略に基づき、本社部門の事業開発部と事業部の研究開発チームが連携して研究開発に取り組んでいます。事業開発部は、グループ横断的なR&D戦略の立案や中長期的な視点でのコア技術の開発推進等を担い、事業部の研究開発チームは、各事業に関連した研究開発や既存製品・サービスの継続的な開発に注力しています。
当社グループの研究開発費は、10,727百万円となっております。

(1) 糖尿病マネジメントドメイン
糖尿病マネジメントドメインでは高精度な血糖値測定システム(BGM)や持続血糖測定システム(CGM)、シームレスなデータ連携、デジタル糖尿病管理ソリューションにより、糖尿病患者様のQOL(生活の質)向上に貢献しています。当連結会計年度には、資本業務提携をしているSenseonics Holdings, Inc.社(以下、「Senseonics社」)が研究開発を行い当社グループが独占販売するEversense365 CGMシステムについて、FDAより認可を取得し米国での販売を開始しました。Eversense365は18歳以上の1型及び2型の糖尿病を持つ患者様向けに開発された365日型CGMシステムで、糖尿病管理を向上させる次世代製品です。センサの耐用期間が1年となり、年1回のセンサ交換、故障やセンサの無駄削減、信頼のおけるアラート表示等の特徴があり、患者様はご自身の測定機器に煩わされることなく日常生活を送ることができます。Senseonics社は、CGMの成長における重要パートナーとして今後も共に取り組んでまいります。
当連結会計年度の糖尿病マネジメントドメインにおける研究開発費は、519百万円となりました。

(2) ヘルスケアソリューションドメイン
ヘルスケアソリューションドメインは医療ITから臨床検査、創薬支援サービスまで、幅広くサービス・ソリューションを提供することで、患者様や医療従事者の皆様を支援するヘルスケアサービスの充実を目指しています。

ヘルスケアITソリューション事業では、診療所用医事一体型電子カルテシステム、保険薬局用電子薬歴システムを基軸とした次世代に繋がるクラウド関連の商品や特定保健指導支援ツール、遠隔医療システム等商品開発を進めています。当連結会計年度では、完全クラウド型・診療所向け医事一体型電子カルテシステム「Medicomクラウドカルテ」を開発し先行受注を開始しました。高い操作性を意識した画面設計、診療情報提供書(紹介状)や健康診断結果報告書等文書作成の支援機能や、算定・会計時のAI自動算定機能、各種帳票(領収書・医療費明細書・処方箋)発行機能を標準搭載しており、医師、事務員の方の業務の効率化に貢献します。
また、薬局向けクラウド型薬歴共有サービス「Pharnes Link Ⅱ」の提供を開始しました。薬剤師の人数と薬歴端末数の不均衡による業務効率の低下や、急伸する在宅医療市場への薬局の進出等、薬局内外での運用ニーズに対応した新サービスであり、薬歴端末の追加を低コスト・簡易に実現し、薬剤師の作業効率向上に貢献します。
遠隔医療システムについては、医療現場の多様なニーズにこたえる、コンパクトで持ち運び可能なリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH TV Pro300(以下、TV Pro300)」を発売しました。「TV Pro300」は、「Teladoc HEALTH」シリーズの新機種で、持ち運べるコンパクトさと高性能なカメラを兼ね備え、「医療MaaS車両への搭載」や「訪問診療」「手術支援」等、シーンを選ばずオールマイティに活用できる新製品です。また「Teladoc HEALTH」は、へき地医療や周産期・新生児医療、感染症対策での活用に加えて、透析医療、臓器提供体制構築支援、妊婦検診、災害・緊急対応、次世代を担う医療従事者の育成現場でも活用され、医療従事者の負担軽減や患者様の医療アクセス向上等に貢献しています。
その他、「オンライン資格確認」と連携する医療機関・薬局向け医事コンピュータ用の導入数が50,000件を超え、また、「電子処方箋」と連携する医療機関・薬局向け電子処方箋管理ソフトウェアの導入数が10,000件を超えました。このように国の進める多様な医療・健康データとの接続に関する施策との積極的な連携を通じ、当社グループによるデジタルプラットフォームを実現していきます。
CRO事業では新しいモダリティと革新的な治療概念の普及に対応すべく、がん、認知症含む神経変性疾患、感染症等の各種疾患への治療薬開発に貢献する薬効薬理モデルの拡充や新たな分析技術の開発等に取り組みました。当連結会計年度では、薬物分析及びバイオマーカ―分析業務にペプチド吸着制御LC技術を導入した新たな受託サービスを開始しました。Future Peak株式会社とのコンサルティング契約を通じてこの新たなサービスを実現し、医薬品開発の分野において最先端の分析結果を提供します。

LSIM事業では多様な検査領域で長きにわたり培ってきた分析力をコアに、検査結果の解析力を加え、新しいソリューション創出に取り組みました。
当連結会計年度のヘルスケアソリューションドメインにおける研究開発費は2,130百万円となりました。

(3) 診断・ライフサイエンスドメイン
診断・ライフサイエンスドメインでは独自の電気化学センサ技術を活用したIn-Lineモニタリングの開発や、パートナー企業との協業を通じたデジタル病理及び免疫組織化学技術の開発を推進し、先端治療開発ソリューションの拡充を図っています。

バイオメディカ事業では、医療、ライフサイエンス分野の研究で用いられる保存機器、培養機器、実験環境機器、及び病院や薬局等の調剤室で用いられる調剤機器、フードソリューション機器の商品開発を行っています。
当連結会計年度では、培養中の細胞の代謝変化をリアルタイムに可視化する研究用ライブセル代謝分析装置「LiCellMo(リセルモ)」を、国内向けには9月より、海外向けには10月より販売を開始しました。本製品は、診断薬事業部の主力商品である血糖値センサの技術を活用した高精度In-Lineモニタリング技術をコアとしており、当社グループの事業間シナジーを活かした製品開発により実現したものです。本製品により、がん免疫研究や幹細胞研究、さらにそれらの製剤化に向けた製造プロセス検討において、これまでの代謝研究では得られなかった新しい知見を獲得する機会を研究者の皆様に提供するとともに、細胞医薬品製造プロセスにおけるQCD(品質、コスト、納期)課題に応える革新的なソリューション創出をさらに加速し、モダリティの進化への貢献を目指しています。また、本製品はThe Analytical Scientist誌の「2024年イノベーションアワード(2024 Innovation Award)」を受賞しました。The Analytical Scientist誌は、計測科学分野に関わる人々や技術、イノベーションに焦点を当て、分析科学の領域で新たな可能性を切り拓く革新的な技術を表彰するイノベーションアワードを毎年発表しています。
10月にパシフィコ横浜で開催された「再生医療JAPAN 2024」で、In-Lineモニタリング技術を活用した自動培養装置「LiCellGrow」のプロトタイプを出展しました。本製品は細胞培養中の代謝データをリアルタイムで取得し、測定結果に基づいて自動的に培地を交換する機能を備えており、再生医療・細胞治療における製造プロセスの効率化と品質向上に貢献します。
また、カナダの再生医療商業化センター CCRM(Centre for Commercialization of Regenerative Medicine)と初代T細胞の拡大培養プロセスを開発するための共同研究契約も締結し、CCRMが有する再生医療分野とバイオ医薬品製造の専門知識を組み合わせることにより、細胞・遺伝子治療(CGT)の早期普及に向けた細胞培養の効率化と品質向上を実現する新たな培養プロセスの構築を目指します。
また、2023年に再生・細胞医療分野において業務提携している株式会社サイフューズとの共同研究に基づき、同センサ技術を用いて、3D細胞製品の品質向上と安定製造に繋がる新生産技術を開発しました。
CO2インキュベーターについては、製薬企業及び研究施設・医療機関向けに、器内の汚染制御性能とユーザビリティの向上を追求した180℃器内乾熱滅菌型CO2インキュベーター「MCO-171AICUVD」の販売を開始しました。

病理事業では、Enhancing Precision cancer diagnosticsを推進するための新製品の開発を行っています。当連結会計年度ではE1000 Dx デジタルパソロジーソリューション「E1000 Dx」が、米国FDAより510(K)認可を取得しました。E1000 Dxは自動化された高速ホールスライドイメージングデジタルスキャナーと医療用モニター、高度な画像管理及び画像表示ソフトウェアを備えており、一日最大1,500枚の組織サンプルの高解像度デジタル画像を作成することができます。E1000 Dxにより、検査室における処理能力が大幅に向上し、がん診断の効率化を図ります。
また、グローバルで販売しているSlideMateレーザープリンターが、検査室の業務効率と検体のトレーサビリティ機能を向上させるイノベーションとして、米国のVizient社からイノベーティブ・テクノロジー認定を受けました。

診断薬事業は、2023年の当社グループの事業再編により、PHC株式会社診断薬事業部と株式会社LSIメディエンスの診断薬事業本部を統合し、2024年4月に診断・ライフサイエンスドメインに移管しました。診断薬事業部の強みであるモノづくりの風土に、体外診断薬及び医療機器の開発・製造の新たな技術・知見・ノウハウが融合醸成することにより、高性能且つ高品質な製品を国内外に広く提供することが可能となりました。現在主に電動式医薬品注入器と移動式免疫発光測定装置及び体外検査試薬に注力して研究開発を行っています。
当連結会計年度では血小板活性化に伴い血中濃度が上昇する可溶性C型レクチン様受容体(C-type lectin-like receptor2 : sCLEC-2)を測定する「sCLEC-2測定キット」を認定検査試薬(研究用試薬)として発売しました。本試薬は、山梨大学 井上克枝教授の研究グループが発見したsCLEC-2を測定するために、PHC株式会社が共同で開発し、同社が製造販売する「全自動臨床検査システム STACIA」の専用試薬として製品化されたものです。

当連結会計年度の診断・ライフサイエンスドメインにおける研究開発費は7,998百万円となりました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E36976] S100W5A5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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