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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TBZG (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 モイ株式会社 事業等のリスク (2024年1月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 事業環境に関するリスク
①業界の成長性について
当社は、主たる事業として、スマートフォンを通じて誰もが簡単かつ手軽にリアルタイムのコミュニケーションを取ることを可能にするライブ配信コミュニケーションプラットフォームサービス「ツイキャス」を展開しておりますが、高速化・低価格化によるモバイルネットワークの利用の拡大及び高性能化・低価格化によるスマートフォンの普及の拡大、グローバルSNSサービスの本格的な参入等を背景として、ライブ配信市場のユーザー数、売上等は拡大を続けており、今後もこの傾向は継続するものと認識しております。
しかしながら、ライブ配信及び関連する市場は、法規制、国内外の経済状況、個人の嗜好等の変化に大きな影響を受けることから、当該市場の成長が鈍化し、それに伴い当社の売上の大部分を占めるポイント販売売上が順調に拡大しない場合、アクティブユーザー数が拡大しない場合、又は予期せぬ要因により当社の想定する成長が実現しなかった場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社では市場調査やユーザー問合せ対応等を通して、本リスクが顕在化する可能性、時期や、程度等を早期に把握し、必要な対応を適宜適切に行うことに努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。

②競合について
現在、多くの企業がスマートフォンを利用したライブ配信サービスに参入しており、国内外の企業との競合が激しい状況にあります。今後も、資本力、マーケティング力や知名度、新規サービスの開発力等を有する企業等との競合又は新規参入が拡大する可能性があり、競争の激化やその対策のためのコスト負担等が予想されます。さらに、当社が提供するサービスからユーザーが離れる場合には、アクティブユーザー数が減少し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、競合企業に対する調査や、ユーザー嗜好、利用傾向等に関する市場調査等を通して、本リスクの顕在化を早期に発見し、対処することに努めておりますが、本リスクの顕在化の時期や程度を防止予測することは困難であります。

③インターネット環境、モバイルネットワーク環境について
当社が提供するサービスは、スマートフォンにおけるオペレーティングシステム及びウェブブラウザ上で作動するものであり、またスマートフォン及びインターネットによる動作・通信環境が安定して稼働していることが事業運営の前提であるため、通信に対する法規制の導入、通信費の増加、通信障害の発生、携帯電話やインターネットの通信事業者との関係の悪化、スマートフォンや各種オペレーティングシステムの仕様変更等による当社サービス継続提供に対する支障発生等が、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクは、インターネットサービスを中心に事業展開する当社の事業構造が継続される限りは、恒常的に潜在するリスクと認識しておりますが、外的要因・予測不可能な要因によるものも多く、顕在化する可能性、時期及びその程度を予測することは困難であります。

④技術革新について
当社が事業を展開するインターネット業界においては、技術革新のスピードが速いため、優秀な技術者を確保するとともに先端技術の研究やシステムへの採用等、必要な対応を行っております。しかしながら、何らかの当社が予期せぬ技術的な要因により、変化に対する適時適切な対応ができない場合には、業界における当社の競争力が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、これらのリスクは、インターネットサービスを中心に事業展開する当社の事業構造が継続される限りは、恒常的に潜在するリスクと認識しておりますが、外的要因・予測不可能な要因によるものも多く、顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。

(2) 事業に関するリスク
①ユーザーの嗜好や興味・関心の変化への対応について
当社が提供するサービスの主なユーザーは、モバイルを利用する一般若年層であり、当社によるユーザーの獲得・維持、アクティブユーザー数、課金ユーザー数は、その嗜好の変化による影響を強く受けます。当社はかかるユーザーの多様化する嗜好の変化に対応するため、サービスの拡充、集客強化及びコミュニティ活性化のための施策を行ってまいりますが、トレンドの変化が急速かつ急激である傾向にあり、ユーザーニーズの的確な把握と提供が、不測の要因により適時適切に実行できない場合には、当社の提供するサービスのユーザーへの訴求力が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の売上高の大半は特定のサービス「ツイキャス」によるものであり、また、その売上高の大半はユーザーによるポイント購入に依存しております。当社は、「ツイキャス」の利用を維持・促進するため、機能改善や新機能の追加、各種プロモーション等によるユーザーの利用の活性化を図っておりますが、かかる対策が適時適切に行えなかった場合、又はかかる対策が功を奏さなかった場合など、何らかの理由によってユーザーの興味・関心を維持できない場合、又は競合他社が当社より魅力あるサービスをリリースするなどして、「ツイキャス」の競争力が低下した場合、アクティブユーザー数の減少、課金ユーザー数の減少、一課金ユーザーあたりの平均課金額の低下等により、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、ユーザーのニーズ・嗜好の変化に対応し、かつ「ツイキャス」のポイント販売への売上依存を解消すべく、新規サービス開発・普及を行ってまいりますが、開発した新規サービスの普及及びマネタイズが想定通り進捗しない場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社では、本リスクが顕在化する可能性、時期や、程度等を早期に把握し、本リスクの顕在化を防止するために必要な対応を迅速に行うことに努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。

②売上にかかる第三者への依存について
当社が提供するスマートフォン用アプリは、Apple Inc.及びGoogle Inc.といったプラットフォーム運営事業者を介して一般ユーザーに提供されており、代金回収やシステム利用、ユーザー獲得等において、かかるプラットフォーム運営事業者に相当程度依存しております。当社は、これらの事業者との良好な関係の構築のため、かかるプラットフォーム事業者より課される条件・ルール等の対応及びその運用に努めております。また、当社は、ユーザーの決済手段として、クレジットカード決済、コンビニ決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入し、売上高におけるプラットフォーム事業者への依存リスクの分散を図っております。しかしながら、当社はその収益の大部分をスマートフォン用アプリを通したポイント販売売上に依存しているため、かかるプラットフォーム事業者より課されるアプリ内課金における条件・ルール・手数料等の変更もしくは事業方針の変更、それらの運用にかかる当社のコスト増、又は当社が予測困難な変更等により従来通り当社のスマートフォン用アプリの提供ができなくなり、これらの事業者との契約継続が困難となった場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、本リスクの顕在化を防止するために、かかるプラットフォーム運営事業者との良好な関係構築や適時な情報収集及び対応に努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。

③一部機能にかかる第三者への依存について
当社が提供するサービスにおいて、当社は、ユーザーの利便性向上を目的とし、X Corp.及びGoogle Inc.といった第三者が提供する複数のAPI*1サービスを利用しており、その一つとして、ユーザーが第三者の提供するサービスのアカウントの情報を利用して当社サービスにログインできる機能を提供しております。この機能により、ユーザーは、当社サービスにアカウントを作成するための情報入力作業を省略し、第三者サービスの保有アカウントを用いてより簡単に当社サービスに登録ログインすることができます。当社サービスのユーザーの多くは、かかるAPIサービスを通して登録したアカウントを利用しており、また、ユーザーがポイントを購入するためには当社サービスでのアカウント登録が必須となっております。そのため、かかる第三者によるAPI提供条件の変更・一時停止・廃止等もしくは、事業方針の変更、それらの運用にかかる当社のコスト増、又は当社が予測困難な変更等によりこれらの事業者との契約継続が困難となり、従来通り当社が第三者のAPIサービスを利用したアカウントの登録機能・ログイン機能を提供できなくなった場合、ユーザーは既存のアカウントでポイントを購入しにくくなり、ひいては、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、本リスクの顕在化を防止するため、第三者のAPIサービスに依らない当社サービス独自のアカウント登録・ログイン方法の提供、当該第三者サービスのアカウント情報及び当社サービスに登録した情報によりログイン可能とする方法の提供をしております。またかかるプラットフォーム運営事業者との良好な関係構築や適時な情報収集及び適切な対応に努めておりますが、事前通知のない仕様変更等により、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。
*1 APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略称です。ソフトウェアやWebサービス、アプリの間をつなぐインターフェースのことであり、アプリを開発するにあたりプログラミングの手間を省くための共通して使える機能がパッケージングされ、無償・有償で提供されています。例えば当社サービスにおいてはX Corp.が提供する「Twitterでログイン」というAPIを当社のウェブサイト等に配置しております。

④サービスの健全性の維持について
当社の提供するサービスは、不特定多数のユーザーが、配信者と視聴者、それぞれの立場から、リアルタイムでオンラインコミュニケーションを行うプラットフォームを提供することをその基本的性質としております。このため、当社では、プラットフォーム及びその中に存在する多数のコミュニティの健全性確保のため、ユーザー同士のトラブルの回避や違法行為等を防止する観点から、ユーザーに対し、サービスの利用規約において、社会問題に発展する可能性のある出会いを目的とする行為や名誉毀損・誹謗中傷等他人の権利を侵害しうる行為のほか、著作権侵害行為等の違法行為を禁止しております。さらには、通報制度の整備・運用、機能面では、特定のユーザーや単語をブロックする機能、特定のユーザーのみが視聴できる機能等の提供をしております。
ユーザーに対しては、サービスの利用における注意事項やガイドラインを掲出し、違反行為が発見された場合は段階に応じて注意警告を行い、一定期間ユーザーアカウントの利用不可とするなど、違反行為の改善を促しております。また、ユーザー間のコミュニケーションに対するモニタリング体制を構築しており、社内でのユーザーサポート人員の確保・教育、及び外部監視委託業者を利用し、監視体制の強化を図っております。
しかしながら、ユーザー間のコミュニケーションや行為を網羅的にモニタリングし把握すること、及び不適切な行為または違法行為等の発生時期を予測することは困難であることから、当社のサービスにおいて、第三者の名誉、プライバシーその他の権利を侵害する行為、権利侵害その他の法令違反行為等が行われた場合や、プラットフォームの安全性及び健全性が確保できない場合には、当社及び当社が提供するサービスに対する信頼性が低下し、ユーザー離れにつながる可能性があります。更に、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社もプラットフォームを提供する者としての責任を問われた場合、当社の企業イメージ、提供するサービスのブランドイメージ、信頼性の毀損、ひいては当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社のサービスにおけるユーザーによる音楽の利用及びその著作権につきましては、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)等の著作権管理団体からの許諾を受け、音楽利用に関するルールを制定・ユーザーに啓蒙しておりますが、今後において同許諾条件の変更又は新たな権利許諾等が必要となる場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社では、監視体制の強化、運用を通して、本リスクが顕在化する可能性、時期や、程度等を早期に把握し、本リスクの顕在化を防止するために必要な対応を迅速に行うことに努めておりますが、本リスクが顕在化することを完全に防止することは困難であります。

⑤システムについて
当社が提供するサービス「ツイキャス」の利用に際しては、ユーザーのモバイルネットワーク等のインターネットへのアクセス環境が不可欠であると共に、当社のITシステムも重要となります。
当社は、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、冗長化、セキュリティ強化を徹底しており、継続的なシステム等への設備投資を行っておりますが、当社の想定を上回る急激なユーザー数及びアクセス数の増加等があった場合、一部のユーザーのサービス利用状況が著しく悪化した結果、ユーザー離れに繋がる可能性があり、ひいては当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、事業を運営するためのシステムを外部事業者が保有するデータセンターに設置し、セキュリティ強化による不正アクセス対策や、データのバックアップ、冗長化の体制を構築しております。しかしながら、サービスへのアクセスの急増などの一時的な過負荷や電力供給の停止、外部連携システムにおける障害、コンピュータウイルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、DDoS攻撃等の悪意のある第三者によるサイバー攻撃、自然災害、事故など、当社の予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合、復旧等に際して特別な費用負担を強いられることにより、当社の利益が減少する可能性があります。更には、サーバーの不具合や欠陥等に起因し、信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社に対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥新規事業について
当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化及び事業の持続的な成長を目指して、積極的に現在の「ツイキャス」事業への新機能の追加、及び新たな事業の開発に取り組んでいく考えであります。これに伴い、インフラシステムの開発、運用、マーケティング等に対して追加の投資が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新規事業を開始した場合、その事業に固有のリスク要因が新たに加わることが予測されます。このような新たに加わるリスクに関しては、引き続き管理、対策を行ってまいりますが、当社の予見できない不測の事態が発生する等により、新規事業の展開が計画どおりに進捗しない場合、想定していた投資対効果を得ることができず、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦風評リスクについて
当社及び当社が提供するサービス並びに当社が提供するサービスを利用するユーザー等に対する否定的な書き込みがインターネット上等で発生し、その書き込みを要因としたSNS等での拡散やマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散された場合には、それが事実に基づくものであるかどうかに関わらず、当社の社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、定期的にインターネット上の風評を調査し、これらの風評の早期発見及び影響の極小化に努めておりますが、外的要因・予測不可能な要因により発生するものも多く、本リスクの顕在化する可能性、程度及び時期を具体的に予測することは困難であります。

(3) 会社組織に関するリスク
①人材に関するリスク
当社は、事業戦略の立案及び実行について、当社の経営陣に相当程度依存しており、これに対応するため、人材育成・ノウハウの共有体制の構築や職務権限規程に則った権限移譲を進めておりますが、当社が予見できない理由によりかかる経営陣が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が今後とも企業規模を拡大し、提供サービスの質の向上を図っていくためには、スマートフォンのアプリ開発、設計等に関する技術的な専門性を有する開発部門の人材をはじめ、管理部門やサービス運用部門においても、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。当社は、優秀な人材の確保のため、人材育成制度の整備による既存人材の能力の底上げ及び人材の定着を図る一方で、今後も採用活動を行っていく計画ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により計画通りの採用が進まない、人材育成が進まない、人材の流出が進む等、当社が必要な人材の確保が困難となる場合には、当社の競争力の低下や、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②内部管理体制について
当社は、継続的に成長し続けるためには、企業規模の拡大に応じた内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。そのため、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを整備し、運用しております。今後においても、内部統制システムの運用及び継続的な改善を行い、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築及び強化に邁進してまいります。
しかしながら、事業規模の急速な拡大等により、それに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③情報管理体制について
当社は、収益機能を利用している一部のユーザーから個人情報を取得しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されており、また一部のユーザーからはマイナンバーの提供も受けていることから、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が適用されております。
当社は、個人情報の外部漏えいの防止、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報保護基本規程等を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて適切に管理し、同法及び関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
また、個人情報等を保管しているサーバーについても24時間管理のセキュリティ設備のあるデータセンターで厳重に管理されており、加えてこのサーバーに保管されているデータへのアクセスは、一部の社員に限定されております。
しかしながら、当社が保有する個人情報等について、漏えい、改ざん、不正使用等が生じる可能性を完全に排除することはできません。これらを回避するために、当社ではプライバシーマーク*1を取得・維持し、個人情報保護に積極的に取り組むとともに、研修や教育などを通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施しておりますが、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、損害賠償請求、当社に対する信用の低下等によって、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
*1 プライバシーマークとは、(一財)日本情報経済社会推進協会が管理する、個人情報取扱いに関する認定制度であります。

④社歴が浅いことについて
当社は2012年2月に設立されており、設立後の経過期間は12年程度と社歴の浅い会社であります。したがって、当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

(4) 法的規制等について
当社の事業は、「電気通信事業法」、「資金決済に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(以下「青少年ネット環境整備法」という。)、「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」「著作権法」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。このような法令の制定や改正、監督官庁による許認可の取消又は処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社の事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業に適用のある法令のうち、特に重要な規制は以下のとおりであります。

①「資金決済に関する法律」
「ツイキャス」にて利用されている有料ポイントについて同法が適用されます。このため、当社は、同法に定める届出義務、供託義務等が発生し、同法、府令等の関連法令を遵守し業務を行なうことにより、本書提出日現在において同法、府令等の関連法令に基づく命令には抵触しておりません。しかしながら、今後、当社がこれらの関連法令に抵触した場合、同法第26条に基づく業務停止命令や届出取消し等の行政処分等を受けることも想定され、このような場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日現在の状況は以下の通りであります。

届出の名称資金決済に関する法律(資金決済法)に基づく「自家型前払式支払手段発行業」の届出
所管官庁等財務省
届出等の内容資金決済法による、自家型前払式支払手段の基準日未使用残高の基準額超過による届出
許認可番号等なし
有効期間その他期限等なし
法令違反の要件及び主な取消事由資金決済法若しくは同法に基づく命令等に違反した場合や前払式支払手段の利用者の被害の拡大を防止することが必要であると認められる場合、一定の期間業務の全部又は一部の停止を受ける可能性等(同法、第25条、第26条)

②「電気通信事業法」
当社は、「ツイキャス」にて一部機能を提供するにあたり、「電気通信事業者」として届出を行っており、通信の秘密の保護が課せられております。本法により、当社は、通信の秘密の漏洩が発生した場合、総務省等への報告をする義務が課せられます。また、当社が、本法令に違反した場合には、業務改善命令等の行政処分を受ける可能性があり、このような場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③「青少年ネット環境整備法」
この法律は、現状、インターネット運営事業者等に対して、インターネット上の違法・有害情報について青少年閲覧防止措置を講ずる努力義務を課すに過ぎないものの、青少年を取り巻くインターネット上の違法・有害情報に対する運営事業者への社会的責任は大きくなってきており、今後、インターネット運営事業者等に特別の法的義務を課された場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」
当社は、「ツイキャス」の事業を行う上で、特定電気通信役務提供者として、本法の適用を受けることになります。特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合、当社の損害賠償責任は、特定の条件の下、この法律により免除されております。
一方で、当社は、本法に定められる送信防止措置または発信者情報の開示請求への対応を行う場合、「表現の自由」という重要な権利・利益のバランスに配慮しつつ、慎重な運用にて適時適切な判断を行なうよう努めておりますが、請求者や発信者その他関係者により、当社の判断が適切でないと判断される場合、その当事者からクレームや損害賠償請求を、行政機関等から指導や勧告等を受ける可能性があります。

(5) 経営成績及び財政状態について
①過年度業績等について
当社の過去5期間における主要な経営成績の推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおりであります。
2020年1月期と2021年1月期においては、コロナ禍における急激なライブ配信サービス利用者及び当社サービスユーザーの増加に伴い、売上高は順調に成長しましたが、各種広告プロモーションやキャンペーンの実施に伴う広告宣伝費等の増加の影響により、当期純損失を計上しております。
2022年1月期においては、決済手段の多様化による支払手数料/売上高比率の低下や、より効率的な広告宣伝施策の実施による広告宣伝費/売上高比率の低下等により、売上高の増加率に比して、販売費及び一般管理費の増加率を低下させることができたことにより、単年度黒字を達成することができました。
2023年1月期においては、コロナ禍の行動制限解除の影響を想定以上に強く受け、当社の主要KPIである月間平均ポイントPU(Paid Userの略、課金ユーザー数)が当初想定を下回り、売上高は前年度比較で微増にとどまりました。また、当社サービスのインフラシステムに対するBCP対策等の実施やサービス運用体制及び管理体制の強化を推進したことによる販管費の増加を受け、減益となりました。
2024年1月期においては、競争環境やクリエーター活動の多様化など、外部環境の変化の影響を強く受け、月間平均ポイントPU(Paid Userの略、課金ユーザー数)が当初想定を下回り、売上高は前年度比較で減少しました。一方で、主にマーケティング費用の圧縮とユーザーの決済手段比率の変化に伴う支払手数料の減少の影響で、増益に転じております。
今後における当社業績について、新規ユーザーの獲得、ポイント販売額及び使用額等が当初の想定通りに進行しない場合には、当社が策定する利益計画達成に支障が生じる可能性があり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②税務上の繰越欠損金について
当社は、当事業年度末において、税務上の繰越欠損金が105百万円存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりませんが、今後、当社の業績が事業計画に比して順調に推移し、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに重要な影響を与える可能性があります。
なお、本リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降において相応にあるものと認識しております。当社においては、事業成長により業績を向上させ、早期の繰越欠損金の解消ができるよう努めてまいります。

(6) その他
①配当政策について
当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現在は、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、会社設立以降、配当は実施しておりません。今後の株主への配当につきましては、各事業年度の業績推移及び財政状況並びに今後の投資計画等を総合的に勘案しながら、配当政策を決定する方針であります。
なお、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
本書提出日の前月末現在において、当社の発行済株式総数は13,966,000株であり、当社は役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権(以下「ストック・オプション」)を525,000株(発行済株式総数比率で3.8%)付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員へのモチベーション向上と優秀な人材の確保を目的としてストック・オプションの付与を検討しております。これらのストック・オプションの権利行使が行われた場合、当社株式が新たに発行され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化するとともに、株式売買の需給バランスへの影響が発生し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降においても相応にあるものと認識しております。当社においては、ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化を解消できるよう、今後の業績向上に努めてまいります。

③ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合による株式売却リスクについて
本書提出日の前月末現在において、当社の発行済株式総数は13,966,000株であり、このうち2,080,000株(発行済株式総数比率で所有割合14.9%)をベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有しております。今後、当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に悪化し、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性は、本書提出日以降においても相応にあるものと認識しておりますが、当社においては、今後もベンチャーキャピタル等との良好な関係構築に努めることで、本リスクの顕在化時期の予測や程度の軽減に努めてまいります。

④知的財産権について
当社は運営事業に関わる知的財産権の適正な獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害することがないよう可能な限りの対策を施しております。しかし、当社が認識していない知的財産権が既に第三者に成立しており、これを侵害したことを理由として損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社の事業展開に支障が生じ、事業及び業績に影響を与える可能性があります。

⑤自然災害について
当社の本社及びデータセンターは、首都圏及びその近郊に存在しております。そのため、首都圏における大規模な地震、火災その他の自然災害や停電等が発生した場合、当社の本社若しくはデータセンターの損壊、インターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の経営成績、財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点で本リスクの蓋然性の程度を見積もるのは困難であります。

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