有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YJVF (EDINETへの外部リンク)
株式会社イーディーピー 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループの研究開発活動は、(1)生産技術に関する研究開発、(2)新製品に関する研究開発、(3)製造装置及び製造方法に関する研究開発、の3つのカテゴリーにおいて、優先順位を考慮して実施しております。
開発テーマは開発審査会を経て選定され、年度計画の下で開発の業務を行っています。また、半期単位で開発審査会を開催し、開発状況の報告を行い、進捗状況を社内に周知しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、116,397千円であります。2025年3月期の第3四半期連結会計期間から、生産部においても開発活動の一部を担う体制ができ、研究開発費は増加いたしましたが、当連結会計年度におきましても、この体制は継続しております。
研究開発活動の結果、当連結会計年度において、①1インチウエハの量産体制確立、②大型モザイク結晶の開発、③50x50mm単結晶の開発、④カラーダイヤの開発、について成果がありました。
研究開発活動の結果の具体的な内容は、以下に示すとおりです。
なお、当社グループは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 生産技術に関する研究開発
2025年2月に発売を開始した30x30mmの単結晶を使って、1インチ(直径25mm)ウエハの開発を行いました。レーザー切断で円形にカットし、その縁を砥石によって研磨して角を落とす加工を行い、1インチウエハを生産できる体制ができました。2025年4月に1インチウエハの発売を公表し、ユーザーから受注することとなりました。
しかし、従前から販売してきたハーフインチウエハ(直径12.5mm)に比べて、研磨に非常に長時間を要したため、納期が長くなるとともに、ユーザーの要求する数量を出荷できない状況となりました。研磨装置自体は、既に1インチウエハより大きなダイヤモンドの研磨を行ってきましたが、実際の製品としての製作では、納期を意識した工程管理が必要となりました。総合的に問題点を抽出し、被研磨材の固定方法が不完全なために仕上がりに時間を要することを発見しました。固定方法を改善したことで、研磨時間を約1/3に短縮でき、納期が大幅に改善するとともに、生産量を拡大することができました。
2025年3月期において、無色の宝石用原石の成長条件は確立しておりました。しかし、当社の宝石ビジネスでの特徴を出すために、カラー宝石の製造技術を検討することとしました。天然の原石においても、電子線照射でカラー化する技術があり、当社の原石に対しても同様の手法でブルーダイヤ製作の検討を行いました。また、成長時に不純物元素を入れることで、ピンクなどのカラーを出すことも検討し、そのための成長条件を見つけることができました。このようにして、ブルーとピンクのカラーダイヤを安定的に製造できる条件を確立し、2025年9月にこの製品化を開示いたしました。
(2) 新製品に関する研究開発
当社グループが想定している新製品は、応用分野によって分かれており、以下のとおりであります。
①ダイヤモンド半導体デバイス開発等に必要な素材の開発
a.ダイヤモンドウエハの開発
ダイヤモンド半導体デバイス等の製作において必須の素材であり、2インチウエハの実用化を目指しています。当社グループは2024年11月に大型ウエハ開発のロードマップを開示しました。当該ロードマップで以下のような順序で開発を行うことを表明しました。
①25x25mm以上の単結晶開発
②1インチウエハの開発
③4個の25x25mm以上の単結晶の接続による2インチモザイクウエハの開発
④50x50mm単結晶の開発
⑤4個の50x50mm以上の単結晶の接続による4インチウエハの開発
このロードマップの①は2025年2月に完了する計画としておりましたが、2025年2月13日に30x30mm単結晶の実用化を開示することができ、この期限を守ることができました。②の1インチウエハは、この大型単結晶を切断することで製作できますが、表面状態やエッジの処理等の付帯的な加工技術により、2025年4月に製品化を開示しました。
この大型単結晶を4個接続して、50x50mm以上のモザイク結晶を作ることで、③の2インチモザイクウエハを作製するためのモザイク親結晶の開発を進めました。ロードマップでは、2025年12月末までにこれを完成する計画でしたが、これまでにない大型単結晶の接続により、想定外の応力が境界付近で発生し、割れや亀裂が起こりました。この問題の解決は、当連結会計年度中にはできませんでした。
その後、成長条件や、接続する単結晶の厚さ等の応力に与える影響を調査し、53x53mmのモザイク結晶の作製に成功しました。また、このような大面積の研磨は初めてのことで、全面を研磨できるまでには、想定以上に時間を要しましたが、これを達成し、2026年5月にこの2インチウエハ製作用モザイク結晶の開発の成功を開示しました。
当社はイオン注入を使う子結晶の分離技術があり、一旦親結晶ができれば子結晶を多数製作する技術があります。従いまして、この親結晶を用いて2インチウエハ(直径50mm)を製作できると考えており、2027年3月期の下期には2インチモザイクウエハを製品化する計画です。
一方、30x30mm単結晶が完成しましたので、次の目標である④の50x50mm単結晶を開発すべく、その開発体制を構築してきました。具体的には、このような大型結晶に成長させるための成長装置の整備を進めてきました。50x50mm単結晶は2028年3月を開発目標時期としており、それに向けて設備投資や開発技術者の配置などを行っております。
b.ウエハ研磨技術の開発
2インチウエハ以上のサイズは、当社の研磨工程としては初めての大面積であり、単純に研磨時間が長くなるだけでなく、新たな課題が出てくる可能性もあります。場合によっては、新しい研磨装置の導入を含めた、根本的な解決が必要となる可能性も大きいと考えられます。また、研磨工程で発生する最表面に応力が残留する薄い層を、どのように除去するかも半導体デバイス用途では非常に重要な課題であります。
上記のように1インチウエハの研磨工程の結晶固定方法の見直しにより、生産性は大幅に向上しましたが、2インチウエハがどのような状況になるかは、現時点では予測が難しく課題ごとに解決をはかってまいります。一方、応力残留層の除去は、Si等で行われているCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学と機械的な研磨の両方を取り入れた手法)を適用して、ごく薄い層を除去することを検討しました。これに使うスラリー(研磨材の入った液体)の選定を進めており、装置全体の構成について、ダイヤモンドを対象とすることによる各種の変更を、検討しております。
c.当社グループが出荷できる各種の基板
既に発売してきた各種の基板、エピ成長基板をまとめると、当社グループは以下の表のようなラインナップを持っております。非常に多種類の製品を実用化しておりますが、ユーザーからの要求に応えて更なる開発を継続しております。
②光学部品として必要な高品質結晶の開発
ダイヤモンドは、熱伝導率が高く、熱膨張係数が小さいため、高エネルギービームの光学部品として適した材料です。また、X線を透過するのにも適しています。このような特性の組み合わせとして、強力なX線ビームを作り出す放射光施設で使う光学部品(特にモノクロメーターと呼ばれる部品)をダイヤモンド化することが、期待されています。
モノクロメーターに使用する結晶は、極限までの高品質とする必要があり、当社グループはこの結晶の開発を進めています。この用途の場合は、X線ロッキングカーブ半値幅(FWHM)が理想値である4.1arcsecに近いことが必要ですが、当社グループは既に10arcsec以下の単結晶が製作できることを確認していますので、今後この応用についても関係するユーザーと協議を行ってまいります。
(3) 製造装置及び方法に関する研究開発
2022年11月に稼働しました島工場に、産総研などとの共同研究の成果である、新型成長装置を導入しております。この装置によって、成長面積を拡大できることが判明しました。4インチウエハを製造する場合には、さらに成長面積の拡大が必要です。このために、新型装置に投入できるマイクロ波パワーを増強した装置を導入しました。この装置によって、均一に成長できる面積がおよそ30%程度拡大しました。しかし、4インチウエハを製造するには成長面積はまだ不十分で、装置内部構造の検討が必要と考えています。
開発テーマは開発審査会を経て選定され、年度計画の下で開発の業務を行っています。また、半期単位で開発審査会を開催し、開発状況の報告を行い、進捗状況を社内に周知しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、116,397千円であります。2025年3月期の第3四半期連結会計期間から、生産部においても開発活動の一部を担う体制ができ、研究開発費は増加いたしましたが、当連結会計年度におきましても、この体制は継続しております。
研究開発活動の結果、当連結会計年度において、①1インチウエハの量産体制確立、②大型モザイク結晶の開発、③50x50mm単結晶の開発、④カラーダイヤの開発、について成果がありました。
研究開発活動の結果の具体的な内容は、以下に示すとおりです。
なお、当社グループは、ダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 生産技術に関する研究開発
2025年2月に発売を開始した30x30mmの単結晶を使って、1インチ(直径25mm)ウエハの開発を行いました。レーザー切断で円形にカットし、その縁を砥石によって研磨して角を落とす加工を行い、1インチウエハを生産できる体制ができました。2025年4月に1インチウエハの発売を公表し、ユーザーから受注することとなりました。
しかし、従前から販売してきたハーフインチウエハ(直径12.5mm)に比べて、研磨に非常に長時間を要したため、納期が長くなるとともに、ユーザーの要求する数量を出荷できない状況となりました。研磨装置自体は、既に1インチウエハより大きなダイヤモンドの研磨を行ってきましたが、実際の製品としての製作では、納期を意識した工程管理が必要となりました。総合的に問題点を抽出し、被研磨材の固定方法が不完全なために仕上がりに時間を要することを発見しました。固定方法を改善したことで、研磨時間を約1/3に短縮でき、納期が大幅に改善するとともに、生産量を拡大することができました。
2025年3月期において、無色の宝石用原石の成長条件は確立しておりました。しかし、当社の宝石ビジネスでの特徴を出すために、カラー宝石の製造技術を検討することとしました。天然の原石においても、電子線照射でカラー化する技術があり、当社の原石に対しても同様の手法でブルーダイヤ製作の検討を行いました。また、成長時に不純物元素を入れることで、ピンクなどのカラーを出すことも検討し、そのための成長条件を見つけることができました。このようにして、ブルーとピンクのカラーダイヤを安定的に製造できる条件を確立し、2025年9月にこの製品化を開示いたしました。
(2) 新製品に関する研究開発
当社グループが想定している新製品は、応用分野によって分かれており、以下のとおりであります。
①ダイヤモンド半導体デバイス開発等に必要な素材の開発
a.ダイヤモンドウエハの開発
ダイヤモンド半導体デバイス等の製作において必須の素材であり、2インチウエハの実用化を目指しています。当社グループは2024年11月に大型ウエハ開発のロードマップを開示しました。当該ロードマップで以下のような順序で開発を行うことを表明しました。
①25x25mm以上の単結晶開発
②1インチウエハの開発
③4個の25x25mm以上の単結晶の接続による2インチモザイクウエハの開発
④50x50mm単結晶の開発
⑤4個の50x50mm以上の単結晶の接続による4インチウエハの開発
このロードマップの①は2025年2月に完了する計画としておりましたが、2025年2月13日に30x30mm単結晶の実用化を開示することができ、この期限を守ることができました。②の1インチウエハは、この大型単結晶を切断することで製作できますが、表面状態やエッジの処理等の付帯的な加工技術により、2025年4月に製品化を開示しました。
この大型単結晶を4個接続して、50x50mm以上のモザイク結晶を作ることで、③の2インチモザイクウエハを作製するためのモザイク親結晶の開発を進めました。ロードマップでは、2025年12月末までにこれを完成する計画でしたが、これまでにない大型単結晶の接続により、想定外の応力が境界付近で発生し、割れや亀裂が起こりました。この問題の解決は、当連結会計年度中にはできませんでした。
その後、成長条件や、接続する単結晶の厚さ等の応力に与える影響を調査し、53x53mmのモザイク結晶の作製に成功しました。また、このような大面積の研磨は初めてのことで、全面を研磨できるまでには、想定以上に時間を要しましたが、これを達成し、2026年5月にこの2インチウエハ製作用モザイク結晶の開発の成功を開示しました。
当社はイオン注入を使う子結晶の分離技術があり、一旦親結晶ができれば子結晶を多数製作する技術があります。従いまして、この親結晶を用いて2インチウエハ(直径50mm)を製作できると考えており、2027年3月期の下期には2インチモザイクウエハを製品化する計画です。
一方、30x30mm単結晶が完成しましたので、次の目標である④の50x50mm単結晶を開発すべく、その開発体制を構築してきました。具体的には、このような大型結晶に成長させるための成長装置の整備を進めてきました。50x50mm単結晶は2028年3月を開発目標時期としており、それに向けて設備投資や開発技術者の配置などを行っております。
b.ウエハ研磨技術の開発
2インチウエハ以上のサイズは、当社の研磨工程としては初めての大面積であり、単純に研磨時間が長くなるだけでなく、新たな課題が出てくる可能性もあります。場合によっては、新しい研磨装置の導入を含めた、根本的な解決が必要となる可能性も大きいと考えられます。また、研磨工程で発生する最表面に応力が残留する薄い層を、どのように除去するかも半導体デバイス用途では非常に重要な課題であります。
上記のように1インチウエハの研磨工程の結晶固定方法の見直しにより、生産性は大幅に向上しましたが、2インチウエハがどのような状況になるかは、現時点では予測が難しく課題ごとに解決をはかってまいります。一方、応力残留層の除去は、Si等で行われているCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学と機械的な研磨の両方を取り入れた手法)を適用して、ごく薄い層を除去することを検討しました。これに使うスラリー(研磨材の入った液体)の選定を進めており、装置全体の構成について、ダイヤモンドを対象とすることによる各種の変更を、検討しております。
c.当社グループが出荷できる各種の基板
既に発売してきた各種の基板、エピ成長基板をまとめると、当社グループは以下の表のようなラインナップを持っております。非常に多種類の製品を実用化しておりますが、ユーザーからの要求に応えて更なる開発を継続しております。
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②光学部品として必要な高品質結晶の開発
ダイヤモンドは、熱伝導率が高く、熱膨張係数が小さいため、高エネルギービームの光学部品として適した材料です。また、X線を透過するのにも適しています。このような特性の組み合わせとして、強力なX線ビームを作り出す放射光施設で使う光学部品(特にモノクロメーターと呼ばれる部品)をダイヤモンド化することが、期待されています。
モノクロメーターに使用する結晶は、極限までの高品質とする必要があり、当社グループはこの結晶の開発を進めています。この用途の場合は、X線ロッキングカーブ半値幅(FWHM)が理想値である4.1arcsecに近いことが必要ですが、当社グループは既に10arcsec以下の単結晶が製作できることを確認していますので、今後この応用についても関係するユーザーと協議を行ってまいります。
(3) 製造装置及び方法に関する研究開発
2022年11月に稼働しました島工場に、産総研などとの共同研究の成果である、新型成長装置を導入しております。この装置によって、成長面積を拡大できることが判明しました。4インチウエハを製造する場合には、さらに成長面積の拡大が必要です。このために、新型装置に投入できるマイクロ波パワーを増強した装置を導入しました。この装置によって、均一に成長できる面積がおよそ30%程度拡大しました。しかし、4インチウエハを製造するには成長面積はまだ不十分で、装置内部構造の検討が必要と考えています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E37709] S100YJVF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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