有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100RT1Z (EDINETへの外部リンク)
株式会社クオルテック 事業等のリスク (2023年6月期)
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)市場環境に関するリスク
① 自動車業界の構造変化に伴う業績変動リスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社の主要事業である信頼性評価事業は、自動車業界が主要な顧客であり、当社の業績は同業界の研究開発の動向及び生産動向に強く影響を受けております。自動車業界においては「CASE」の実現に向けて自動車の電動化・電装化の加速が予測されていますが、経済産業省が2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう、包括的な措置を講じるとしたことも相俟って、自動車業界の構造が大きく変化する可能性があります。
従って、今後の同業界の業界構造変化による研究開発の動向及び生産動向の大幅な変動、並びに他業種企業が同業界に新規参入することにより既存の同業界企業との間でシェア争いが発生した結果、いわゆるゲームチェンジが起こることにより同業界の構造が大きく変化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
この影響を最小限に留めるべく、積み上げてきた実績・技術を背景として国内外の顧客基盤の拡充を図って参ります。
② 技術革新に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社の事業分野においては、自動車業界をはじめとして新しい技術が急速に発展しております。
当社においても当社事業分野における技術革新に対応するために、研究開発に対して多くの経営資源を投入しております。加えて、学会の講演や各研修への参加、社内の定期的な勉強会等を通じて、技術革新の動向を把握するとともに、それに対応したサービスの提供ができるよう努めております。
しかしながら、当社の研究開発の成果が顧客要求水準を満たさず、顧客の求めるサービスとして適用されなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 重要な設備投資に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社の事業分野においては、試験設備等が重要な差別化要因となっており、当社では他社との差別化を図るため積極的な設備投資を行っております。しかし、市場環境の変化等により試験設備が陳腐化し投資額の回収が見込めなくなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 競合他社、新規参入に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社は、独立系検査会社であり第三者機関としての責務を果たすため、日々技術力の向上に努め、顧客の高水準のニーズに対応することで、競合他社と比較して優位性を確保できていると考えております。
また、既存顧客との関係強化や新規顧客への取引拡大により、各事業における競争優位性を維持・向上させる事業活動を行っております。
しかしながら今後、新規参入企業の増加や当社の技術力を上回る国内外の企業が出現する可能性があります。これらにより、市場競争が激化し、当社が市場における競争力を維持できない場合や、顧客が競合他社のサービスに移行した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内製化に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社は、顧客との連絡を密に取り顧客の開発動向に係る方針転換について情報収集に努め、受注減少のリスクを低減するとともに顧客のニーズに対応する提案を行い、受注拡大に努めております。
しかしながら、当社の主要事業である信頼性評価事業や微細加工事業について、顧客が自ら設備投資を行い、あるいは顧客グループ内企業でそれらの事業を行う等の内製化が推進された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ エネルギー価格の変動に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社の信頼性評価事業における各種検査装置や微細加工事業におけるレーザ加工機といった当社設備の稼働コストは、電力等のエネルギー価格高騰による影響を受けております。これらに対して、電力等のエネルギー消費量を抑えるなどの原価低減施策や販売価格の見直しなどによって対応できるよう努めておりますが、電力等のエネルギー価格の高騰に対応した十分な原価低減施策や販売価格の改定を行えない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)事業に関するリスク
① 品質に関するリスク (顕在化の可能性:大/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社では、高品質で顧客満足度の高いサービスが提供できるよう、従業員への教育による技術レベルの向上に努めておりますが、顧客が求める品質水準に至らない場合や、満足度の低下により受注の減少が生じた場合、提供したサービスに予期せぬ欠陥等が発生し、その欠陥に起因して顧客が被った損害の責任を負うこととなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 特定顧客への依存リスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社の主要事業である信頼性評価事業においては、自動車業界の顧客(特にトヨタ自動車グループのサプライチェーンに関連する企業群)向けの売上割合が高い状況であり、その中においても当社の強みでもありますが、株式会社デンソーとは長期間に亘って取引関係を構築しており、同社向け売上高は2023年6月期において684,559千円となっており、当社売上高の20.9%を占めております。
当社は、自動車の電動化・電装化等により新たに見込まれる需要の取り込みや、自動車業界以外への業界シェア拡大に努めておりますが、同社グループの業績等が変動した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 継続的な受注獲得に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社の事業が成長していくためには、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用が重要であると考えております。これらを促進するために、提供サービスの拡大及び品質の向上に加えて、潜在的顧客及び受注獲得のための最適な営業活動の遂行に注力しております。
しかしながら、需要に応じたサービスが提供できない場合や、営業活動による効果が十分に得られない場合には、新規受注獲得や既存顧客からの受注が減少する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材確保及び育成に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社の事業は、高い意欲と技術力を備えた人材に支えられています。従って、優秀な人材の確保・育成・定着率の向上が経営上重要となります。しかしながら、労働市場においては、少子高齢化による労働人口の減少により、中長期的には人材の確保が難しくなる傾向にあります。
当社といたしましては引き続き優秀な人材の確保に努め、人材育成に注力して参ります。また、安全で働きやすい職場環境づくりに向け、適切な労働時間管理、長時間残業の撲滅、ハラスメント予防に関する社員教育の徹底などにも取組んでおりますが、雇用情勢や経済環境によっては、計画どおりの人材確保・育成ができず当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内部管理体制に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社では、企業価値を継続的、安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が不可欠であると認識し、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの充実・強化に努めております。
しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 特定時期への売上の集中リスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社の主要事業である信頼性評価事業においては、得意先の決算期である3月に納期が集中することから、売上高及び利益は第3四半期(1月-3月)に増加し、第4四半期(4月-6月)には減少する傾向にあります。また、第3四半期に予定していた試験や検査の完了及び検収が遅延した場合には、売上高及び利益の計上が第4四半期にずれることにより、当社の四半期の業績に変動が生じる可能性があります。
当社は特定の事業分野への依存を避けるべく、常に新たな技術分野への事業展開を図っておりますが、信頼性評価事業においては自動車業界における電動化の進展等により需要の拡大が見込まれることから、当面の間は当社の主要事業であり続けることが想定されるため、上記の変動のリスクは継続することが予想されます。
⑦ 顧客の与信リスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社の主な顧客は大手企業で顧客数は多数に及びます。当社は、与信管理規程を制定し、取引開始時に信用状況の調査及び与信限度額を設定し、顧客ごとに期日及び与信残高を管理するとともに、年1回与信限度額を見直し、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握及び軽減を図っております。
しかしながら、顧客の業績悪化により回収遅延や回収困難となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 減損会計適用に関するリスク (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社は、各事業所における信頼性評価試験・分析装置をはじめとした有形固定資産を所有しております。これらの資産については、減損会計を適用し、減損の兆候がある場合には当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。
しかし、将来の環境変化等により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク (顕在化の可能性:小/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社は、将来減算一時差異に係る繰延税金資産を計上しており、その回収可能性を評価しておりますが、繰延税金資産の計算は、将来の一定期間における事業計画に基づく課税所得に関する見積りを含めた様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果が予測・仮定とは異なる可能性があります。事業計画の達成度合い等により、当該見積りを見直し、繰延税金資産の全部又は一部の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産の減額と税金費用の計上が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
① コンプライアンスに関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社では、事業活動が法令及び内規を遵守して遂行されるよう、コンプライアンス規程を整備し、法令遵守の啓蒙活動や内部監査などを通じた検証を行っております。しかしながら、当社の役員及び従業員、外部委託先等の第三者が法令等に違反した場合や、社会的に不適切とみなされる行為に及んだ場合には、法令等による処分や処罰、社会的制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、当社の社会的信頼が損なわれるだけでなく、従業員の身体的、精神的不安や金銭的損害を被ることにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社では、特許権の取得により知的財産権の保護に努めておりますが、保護が不十分であった場合あるいは違法に侵害された場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、他社の有する知的財産権についても権利を侵害しないよう注意を払っておりますが、万が一、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)その他のリスク
① 災害の発生等によるリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
地震等の自然災害や火災・事故等により、当社の従業員や試験設備等が被害を受ける可能性があります。これに伴う売上高の減少や試験設備等の修復又は代替のための費用が想定以上に発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 情報漏洩によるリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
当社では、顧客の機密情報を取扱っており、情報セキュリティに関する規程等の策定、機密データへのアクセス管理のほか、セキュリティエリアへの電子鍵による入退室管理や監視カメラでの出入り口の監視を行うなど情報管理の徹底を図っておりますが、万が一、情報漏洩等が発生した場合は、社会的信用失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 新型コロナウイルス感染症に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)
当社では、新型コロナウイルス感染症に対して、取引先及び従業員の健康と安全を第一に考え、政府当局の指針に従った、感染防止策を継続しております。
現時点で同感染症による当社の事業への影響は限定的ではありますが、今後再び感染拡大が生じた場合、市場の低迷、顧客の業績悪化による債権回収の停滞や受注の減少、従業員への感染等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 地政学的リスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:特定時期なし)
ロシアによるウクライナ侵攻が長期化することで引き起こされる物価の高騰や為替相場の変動等により景気動向が減速することで、顧客の業績悪化や投資行動が急激に変化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 主要株主に関するリスク (顕在化の可能性:中/影響度:大/発生時期:1年以内)
当社は、6月30日現在まで主要株主であったライジング・ジャパン・エクイティ第二号投資事業有限責任組合から、純投資を目的とした出資を受けておりましたが、本書提出日現在、同組合は当社の株式を保有しておりません。ライジング・ジャパン・エクイティ株式会社から派遣された長瀬隆洋は2023年9月26日開催の定時株主総会において取締役を退任しております。
また、当社株式の47.38%を当事業年度末日現在所有する主要株主である志方廣一氏は当社の創業者であり、当社取締役である志方哲明の父であるため、今後も当社の安定株主と認識しております。引き続き継続保有をしていただけるよう当社の企業価値向上に努めて参りますが、将来的に何らかの事情により、主要株主が保有する株式数が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
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