有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100WQUS (EDINETへの外部リンク)
フラー株式会社 事業等のリスク (2025年6月期)
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものです。
(1) デジタルパートナー事業におけるリスク
① スマートフォン関連市場(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)
当社はスマートフォン関連事業を主要な事業分野としています。スマートフォン関連市場は今なお伸長を続けていますが、新たな規制の導入、プラットフォーマーの方針転換、その他予期せぬ要因により今後の利用状況に大きな変化が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。② 人材の確保(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)
当社のデジタルパートナー事業は、ディレクター、デザイナー、エンジニア、データサイエンティストなどの分野における最新の知見及び技術的専門性を有した多くの人材により支えられています。今後さらに当社が成長を続けていくためには、専門人材の育成及び獲得を進めていく必要があります。一方で、少子化による若年層の減少、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材の需要増加などの要因により、人材市場が逼迫し、当社における人材の確保が困難になる可能性があります。
当社は優秀な人材から「選ばれる」企業となるために、ワークライフバランスの重視、リモートワークなどの新しい働き方の推進、チームワークを重視する社内風土づくり、成長機会の提供に取り組むとともに、当社の魅力を広く伝えるための広報活動を積極的に行っています。
③ 同業他社との競合(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
デジタルパートナー事業において当社が提供する事業開発、デザイン、システム開発・運用、データ分析などのソリューションにおいて、わが国には確固とした取引基盤を持つ大手企業や、当社同様に成長を続ける新興企業が多く市場に存在しており、さらに今後ともベンチャー企業の参入も予想されます。これら企業との競合が激化した場合、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。当社は、競争に勝ち抜き、市場におけるポジションを確立していくために、顧客と密接な結びつきを持つ「デジタルパートナー」として、事業開発からデザイン、開発・運用、グロースまでを一気通貫で提供できる体制を特長としており、この優位性を生かした高い水準のサービスを提供し続けることにより差別化を図ります。
④ 大規模プロジェクトの推進(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)
当社が受託するプロジェクト、特に大規模プロジェクトについては、長期にわたり、当社の役職員・業務委託先のほか、顧客とその関係企業など多数の人員が参加します。当社はその中で顧客の「デジタルパートナー」としてプロジェクト進捗のための主要な役割を担っています。プロジェクト推進にあたっては、顧客の方針変更・意思決定の遅延、コミュニケーション不全、人的ミスの発生、成果物の不具合など、様々な不確実性が存在し、結果として売上の減少、製造原価(労務費、外注費等)の増大、取引の中断・長期化などが発生し、当社事業及び業績等に影響を与える可能性があります。また、納品・検収が予定していた会計期間内に完了せず、いわゆる「期ずれ」が生じた場合には、公表している業績予想の修正を行う可能性があります。
当社ではこうした事態を防止するため、取引の審査、計画書の策定、ドキュメンテーション、議事録等の記録、モニタリング、成果物レビュー、品質管理などの体制を整備しリスクの低減に努めています。
⑤ システム障害(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:大)
当社は、事業活動全般において、インターネットを利用したシステム基盤に全面的に依存しています。自然災害、紛争、人的災害、当社が利用する主要なサービス(通信インフラ、Google、Slack、freee会計等)の中断などが生じた場合、当社の業務遂行が大きく阻害され、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。⑥ 技術革新への対応(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)
当社は、最新のデジタル分野における利用者動向、UI/UX、テクノロジーに精通し、これらを活用した新規事業開発に強みを持っています。今後、日進月歩で登場する新たな技術革新に対して適時に対応を進めることが競争力の維持向上のため不可欠であると考えています。今後、当社における技術の固定化、人員の高齢化、古い技術資産の蓄積、後進の新興企業の出現などにより、当社の先進性に基づく競争力が脅かされ、あるいはこれらに対応するためのコストが増大することにより、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
⑦ 紛争・トラブルの発生(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
上記④、⑤に記載した理由その他の理由により、顧客その他の関係者との間で紛争・トラブルが発生し、これへの対応により当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。なお、本書提出日現在、顧客その他の関係者との間で重大な紛争・トラブルはありません。(2) 「App Ape」に関するリスク
① 売上の低下(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社独自のプロダクトである「App Ape」は、スマートフォンアプリの利用データを統計処理することにより、最新のアプリ市場の動向をSaaS形態により提供するサービスです。当社は、従来、「App Ape」はグローバル規模の事業展開を展望し、韓国、アメリカ、EU圏など複数国の利用データを扱っていましたが、韓国データの取扱終了をもって、現在では日本データのみの提供としています。一方で「App Ape」の競合サービスは、市場の伸長が著しい中国はじめ多数の国のデータを扱っています。当社は、日本における販売活動に経営資源を集中することにより、採算の確保を図っていますが、今後、競合との機能比較により「App Ape」の売上高が減少していく可能性、ひいてはサービスの提供を終了する可能性があり、結果として事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② データ収集(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)
「App Ape」の統計に利用するアプリの実利用データは、自社提供アプリ(Android)のほか、当社がパートナーシップを結ぶ提携アプリに組み込んだSDK(注)を通じて、利用者に同意を得た上でデータ取得を行うパネル調査法を採用しています。当社では、インターネットビジネスにおいて個人情報等について慎重かつ厳格な取り扱いが求められている昨今の状況を踏まえ、各種法令並びにGoogle社の利用規約等を遵守しつつ、提携先と連携して、データ収集に関するリスクの最小化を図っていますが、提携先アプリの個別の事情や、Google社の方針の変更によりデータ収集が困難になった場合、「App Ape」のサービス継続が困難になり、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)SDKとは「Software Development Kit」の略であり、アプリケーションのソースコードに組み込む、特定のソフトウェアやサービスに必要なプログラムなどをパッケージ化したものです。
(3) 経営管理体制に関するリスク
① 情報セキュリティ(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)
当社は、当社役職員、顧客などに関する、個人情報、取引情報その他重要な情報を、主に当社が管理するクラウド型サービスを利用して管理・運用しています。万が一、当社の責により重要情報が漏洩した場合、当事者からの損害賠償、風評被害、商取引の中断、営業活動への悪影響など、当社の事業及び業績等に多大な影響を与える可能性があります。
当社はこれを踏まえ、情報セキュリティ責任者の監督の下、適切な情報セキュリティ体制の構築に努めており、情報セキュリティ基本方針、プライバシーポリシーを定めるほか、各種セキュリティツール(シングルサインオン、ウイルス対策、情報端末管理、パスワード管理等)の活用や定期的な研修の実施により、日常の業務におけるセキュリティ水準確保を図っています。当社では、これらの体系的な取組みをもとに、2022年5月にISMS認証(ISO27001)を取得しています。
② 内部管理体制(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)
当社は、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、内部統制が有効に機能するための体制を構築・運用しています。現在、会社規模に応じた体制を整えており、今後も業容拡大に応じた体制拡充を進める方針としていますが、将来事業が急拡大した場合に、十分な管理体制の構築を適時に行えなくなる可能性があり、事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
③ 知的財産権(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)
当社における知的財産権に関する業務は、法務担当部門である経営企画グループが実績ある特許事務所に相談の上、進めることとしています。今後、他社からの受託業務や自社サービスの開発において、商標その他の知的財産権への対応が重要になることが考えられます。万が一、当社が関わる業務において、他社より権利侵害の訴追(使用料の請求、損害賠償請求、使用差し止め等)を受けた場合、または当社の知的財産権が他者より侵害を受けた場合に、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
④ (株)ヤプリ及び(株)電通グループとの関係について
(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)(株)ヤプリ(以下「ヤプリ」という。)及び(株)電通グループ(以下「電通グループ」という。)は共に当社の主要株主であり、当社は両社の持分法適用関連会社です。両社の経営方針・投資方針の変更や経営状況の変化が当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。
a.資本関係
当社の発行済株式のうちヤプリは21.5%、電通グループは21.2%を保有しています。定款の変更、役員の選解任、組織再編行為、剰余金の処分等、株主の承認が必要となる事項に関しては、両社による議決権行使が当社の意思決定に影響を及ぼす可能性があります。
b.人的関係
当社の取締役である庵原保文氏はヤプリの代表取締役を、安田裕美子氏は電通グループの子会社である(株)電通デジタルの執行役員をそれぞれ兼任しています。両者の豊富な経験・知見を当社経営に活かすことを目的として招聘したものです。
なお、これら2名の他に、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役1名、独立社外監査役4名が就任しており、取締役会においてより多様な意見が反映される状況にあります。
c.取引関係
当社は両社と業務提携契約を締結し、同契約に基づき業務提携を行っており、両社による当社への発注や顧客紹介等を継続的に受けています。これらの取引については、他の会社との取引と同様の、一般的な取引条件で行っています。また、取引条件の適切性を確保するため、当社が定める関連当事者取引管理規程に基づき、取引の合理性や取引条件の妥当性等について十分に検討を行い、必要に応じて取締役会において取引の可否を審議しています。
(4) その他のリスク
① 業績予想の修正(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:短期、影響度:低)
当社は、業績予想を発表するにあたって、進行中のプロジェクトの進捗状況や将来の受注見込み等を確認した上で作成していますが、大口取引の失注、不採算プロジェクトの発生、プロジェクト進行上のトラブル、その他不測の要因が生じた場合、当該事業年度の売上及び利益に大きな影響を与える可能性があり、結果として業績予想を修正する可能性があります。② 配当政策(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社は、成長過程にあるため、人材確保・育成、サービス強化のための投資、営業強化のための広告宣伝や販売促進、その他成長投資に対して迅速に対応するため、創業以来配当を実施していません。株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識していますが、現時点で配当実施の可能性及びその時期は未定です。③ 創業者である取締役会長への依存(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社の創業者である取締役会長渋谷修太は、創業以来、経営リーダーとして経営戦略の策定、顧客獲得、要職者の採用、ファイナンス活動など多岐にわたり重要な役割を担ってきました。何らかの理由により渋谷の業務執行が困難になった場合、新潟県における渋谷の知名度や、当社の取引先との関係性に与える影響などから、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は現在、重要な経営情報の共有や渉外・提案活動の制度化などを進め、日常の業務執行に関する権限は代表取締役社長山﨑将司が有するものとしており、渋谷に過度に依存しない経営体制の整備を進めています。
④ 調達資金の使途(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
2025年7月に実施した公募増資による調達資金は、全額を採用関連費用に充当する計画です。しかしながら、充当の結果、計画通りの成果が得られない可能性、並びに経営環境の変化などの要因により、調達資金を予定外の使途に充当する可能性があります。これらの場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 当社株式の価格変動(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」)の当社株式の所有割合は、2025年6月30日現在27.1%です。ベンチャーキャピタル等は純投資目的による株式保有であると考えられ、当社の株式上場後において保有株式の一部または全部を売却する可能性があります。また、その他の株主についても利益の実現のため、同様に保有株式の一部または全部を売却する可能性があります。その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を与える可能性があります。⑥ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化
(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)当社は、ストック・オプションを従業員へのインセンティブ制度への一環として活用しており、今後とも発行する可能性があります。2025年6月30日現在のストック・オプションとしての新株予約権の目的となる株式数は139,460株であり、これは発行済株式の8.5%に相当します。権利者の意向や当社株式の株価動向によりますが、ストック・オプションが権利行使され、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑦ 予見困難な外部環境の変化(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:大)
大災害の発生、感染症の蔓延、物価上昇、国際情勢の悪化等、予見することが困難な外部環境の変化により、当社の経営に重大な影響を与える可能性があります。当社は、情報収集、経営への影響の検討、対処方法の検討などを適時に行うとともに、不測の要因があった場合においても経営基盤が維持されるよう財務健全性の確保に努めます。
⑧ 重大な訴訟等の発生(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)
当社または当社関係者による法令違反または事業活動の中で生じたトラブル等により訴追・訴訟等を提起され、当社の事業及び業績等に影響を与える可能性があります。当社は、かかる事態を未然に防止するため、コンプライアンス管理及びリスク管理の体制を整備し運用しています。なお、本書提出日現在、当社が関係する重大な訴訟が生じている事実はありません。⑨ 税務上の繰越欠損金の解消(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社は、当事業年度末時点で税務上の繰越欠損金が存在しており、今後当面の期間は、法人税等の税負担が軽減されることが予想されます。ただし、課税所得の計上等の要因により当該繰越欠損金が解消した場合は、通常の税率に基づく税負担が生じることとなり、当社の当期純利益及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。⑩ 繰延税金資産の取り崩し(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対し、将来の課税所得等を合理的に見積り繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得や業績見通し等が見積り時から変動することにより、繰延税金資産の全部または一部の回収可能性が無いものと判断される場合には、繰延税金資産を取り崩す可能性があり、その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑪ 金利変動(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:短期、影響度:小)
当社は、運転資金として金融機関より資金の借入を実行しています。金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合には、調達コストが増加し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑫ 上場維持基準(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:大)
当社の時価総額は、東京証券取引所が定めるグロース市場の上場維持基準を下回って推移する可能性があります。さらに、将来的に、同市場の上場維持基準が見直された場合、当社株式の上場維持に影響を及ぼす可能性があります。当社は、売上高及び利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで、時価総額規模を拡大することを基本的な方針とします。一方で、株価は、経営成績のほか市況等の様々な要因により変動するものであり、当社としては、あらゆる状況の中でも、当社株式の流動性を損なうことを回避するため、当社株式の市場における評価を注視し、企業再編や市場変更等の検討を含めた幅広い選択肢をもって、上場維持に努めていく方針です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E38722] S100WQUS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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