有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100T51H (EDINETへの外部リンク)
株式会社ケイファーマ 事業等のリスク (2023年12月期)
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりとなります。影響度や発生可能性が高いとはいえないものについても、投資判断または当社の事業活動を十分に理解するうえで、重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点から、リスク要因として挙げております。ただし、これらは、当社に関するリスクを全て網羅したものではありません。
当社は医薬品等の研究・開発・製造・販売を事業目的としておりますが、一般に医薬品等の研究開発には、前臨床の研究から臨床研究、上市に至るまで、長い期間と多額の研究開発費用を要することが多く、また、全てのパイプラインが上市するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有するバイオベンチャー企業については、事業やパイプラインの研究開発の段階によっては、一般の投資家の投資対象としては相対的に投資リスクが高いと考えられており、当社株式への投資はこれに該当いたします。
当社は、リスク・コンプライアンス委員会における検討および取締役会での議論により、これらのリスクの発生の可能性や影響度合い、頻度を十分に認識した上で、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項および本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。
(1)医薬品等の研究開発に関するリスク
①開発パイプラインの不確実性に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期)
当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、これらは、一般的に多額の研究開発費用と長い年月を要し、臨床試験での患者様の募集の遅れや有用な効果を確認できないこと等により、研究開発が予定どおりに進行せず、研究開発期間の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、「(2)安全性および法的規制等に関するリスク」に記載のとおり、各国の薬事関連法等の法的規制の適用を受け、新たな医薬品等の製造および販売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、有効性、安全性および品質等に関する十分なデータが得られず、予定していた時期に上市できずに延期になる、または上市を断念する可能性があります。これは、当社の開発パイプラインでも同様となります。
当社といたしましては、iPS創薬事業並びに再生医療事業において、複数の開発パイプラインを推進することで、適切な費用配分によるリスク分散を実施し、大学や研究機関等との連携の中で、新たな開発パイプラインなどの経営資源の獲得を継続的に行ってまいりますが、自社の研究開発した医薬品または再生医療等製品等の候補の上市が延期または中止された場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②技術革新に関するリスク(影響度:小、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期)
当社の行っているiPS創薬事業、再生医療事業の研究開発は最先端の基礎研究が基になっており、技術の革新および進歩が著しく速いバイオテクノロジー分野に属しております。そのため、当社は、大学や研究機関等、並びに大手製薬会社等との連携による最先端の研究成果・情報を速やかに導入できる体制を構築すると共に、国内外から優秀な人財を確保することにより技術革新の継続的な推進を行ってまいります。しかしながら、急激な技術の革新・進歩等により、当社がそのスピードについていくことができなかった場合や、当社が行っている研究開発の内容に陳腐化が生じ、その対応に想定以上のコスト等を要するような場合には、当社の事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)安全性および法的規制等に関するリスク
①副作用発現に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期)
当社がiPS創薬事業、再生医療事業の研究開発で取り扱っている医薬品および再生医療等製品には、臨床試験段階からさらには上市以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社といたしましては、将来的に患者様や医療関係者への迅速な情報提供が可能となるように情報提供体制および各関係医療機関とのネットワークを構築し、製造物責任を含めた各賠償責任に対応できるよう医薬品等の添付文書の記載、適切な保険への加入等を行ってまいりますが、予期せぬ副作用が発現した場合、当社に対する信頼に悪影響が生じ、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②ヒト由来の原材料の使用に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:長期)
当社が再生医療事業の研究開発で取り扱っている再生医療等製品は、ヒト由来の原材料であるヒト細胞・組織を利用したものであり、利用するヒト細胞・組織に起因する感染の危険性を完全に排除し得ないことなどから安全性に関するリスクが存在するとされています。当社といたしましては、前臨床および臨床研究の段階で安全性の基準に従った評価・確認を徹底し、外部の専門家との円滑な連携体制を構築することで、製造、流通、販売等の各サプライチェーンにおける安全性を確保してまいります。また、将来的に製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入してまいります。しかしながら、当社の再生医療等製品を患者様の体内に移植することにより、安全性に関するリスクが顕在化した場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③薬価規制に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期)
当社が取り扱いを予定している医薬品および再生医療等製品の価格は各国の医療行政における薬価規制の影響を受けており、世界的な医療費抑制の動向の中、薬価改定を含めた医療制度改革の施策が行われております。かかる動向を受けて、今後上市を目指す当社の医薬品および再生医療等製品の薬価が想定を下回る可能性があり、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④海外市場に関するリスク(影響度:小、発生可能性:中、発生可能性のある時期:長期)
当社は、事業拡大戦略の一環として、海外展開を目指しております。当社といたしましては、現地への進出にあたっては、金融機関や各種専門機関等との連携により、現地の市場動向や関連法令の有無・内容等に関する調査を行い、慎重な判断を行う予定でおりますが、今後、予期しない法規制の変更、政情不安等による社会的混乱等のリスクが顕在化し、当初の計画どおりに海外展開が進展しなかった場合には、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤医薬品に関する法令その他の規制に関するリスク(影響度:中、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期)
当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っており、一般的に研究、開発、製造および販売のそれぞれの事業活動において、各国の医薬品等に関する法規制、薬事行政指導、医療保険制度並びにその他関係法令等により、様々な規制を受けております。また、基礎研究から製造・販売の承認を取得するまでに多大な開発コストと長い年月が必要となりますが、研究開発期間中に規制等の改定が生じ、計画時に見込んでいなかった事由により、規制当局から、追加的な試験を求められたり、承認の時期が遅れる等の事象が発生する場合があるだけでなく、医薬品等として規制当局が認めない場合には、上市自体が困難になる可能性があります。これらは、当社の医薬品等を他社へ導出する場合にも影響があり、当初計画した条件での導出が行えない、導出そのものが困難となる、導出に関する契約内容が変更になる、または導出契約が解消される可能性があります。さらに、医薬品等として承認を取得できたとしても、健康保険の対象として保険収載されない、計画どおりの保険価格が付されない可能性があります。当社といたしましては、日本および海外の医療行政や薬事規制の動向を各専門家から迅速に把握し、各開発パイプラインの進捗に応じて適切に規制当局等の行政機関との連携を推進してまいりますが、将来、各国の医薬品等に関する関連法令等の諸規制に大きな変化が生じたり、健康保険の対象として保険収載されない等の事象が生じた場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)知的財産権に関するリスク
①知的財産権に関するリスク(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期)
当社は事業を進める中で特許権等の様々な知的財産権を使用することになり、この知的財産権には自社所有のものだけではなく、知的財産権の保有者から実施許諾を受けているものや受けようとしているものも含まれますが、当社が必要とする知的財産権について実施許諾を得られない場合や、当社が保有または実施許諾を受けている現在出願中の特許が成立しない場合があり、また、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた他社の研究開発により、当社の特許技術が淘汰される可能性は常に存在しております。また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため、外部の知財事務所等の専門家と連携し、前臨床段階における特許侵害に関する予防調査等の事前確認含め、当社が必要と考える特許の調査を実施しており、これまでに当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で紛争が発生した事実はありません。
しかしながら、当社のような研究開発型企業にとって特許技術の淘汰を含めた知的財産権の問題を完全に回避することは困難であり、当社が必要とする知的財産権の実施許諾を得られない場合、当社が使用できる権利のある特許権等の権利範囲に含まれない優れた技術が他社により開発される場合、または第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業内容に関するリスク
①慶應義塾大学との関係に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期)
当社は、慶應義塾大学医学部生理学教室および同大学医学部整形外科学教室との共同研究で必要となる費用を負担している他、同大学が保有する特許権の一部について独占的実施許諾契約を締結しており、当該契約は特許権の独占的実施許諾を第三者に実施許諾する場合に、契約一時金およびかかる特許権を第三者に実施許諾したことによる収入(マイルストン収入、ロイヤリティ収入)の一定料率に相当する金額を同大学に支払うこと等を定めたものであり、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております。また、同大学の組成する慶應イノベーション・イニシアティブ2号投資事業有限責任組合は当社の株式を保有しております。
同大学との取引については、良好な関係を維持しつつも当社または株主の利益を害することのないよう、法規制を遵守すると共に、当社として利益相反管理方針を定め、当該方針に則り適切に利益相反の運営管理を行い、研究開発や治験を進めております。また、同大学との取引決定に当たっては特別利害関係人への該当/非該当について顧問弁護士からの助言に基づき慎重に判断を行ったうえで取締役会での事前承認を得ることを原則とし、監査役監査においても、同大学との契約関係が適切な手続きを経て締結されていることを確認しております。また、同大学でも、利益相反マネジメント・ポリシーにおいて同大学における透明性のある産学連携を推進するための基本方針を定めると共に、利益相反マネジメント内規において各部門(各学部・大学院各研究科等)での利益相反マネジメントを行う体制を定めており、当社の取締役でもあり、同大学医学部生理学教室の教授を務めております岡野栄之、同教室の准教授を務めております福島弘明、および同大学医学部整形外科学教室の教授を務めております中村雅也につきましても適切に遵守しております。しかしながら、利益供与を疑われる等の事態が発生した場合は、当社の利益および社会的評価を損ねる可能性があり、その結果として当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②経営上の重要な取引に関するリスク(影響度:大、発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期)
当社は、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を推進しており、その研究開発や製造、流通、販売の各段階において、適切なバリューチェーンの確立を図ると共に必要な契約を締結しております。当該契約のうち、特に重要と考えられる取引に関する契約の概要は、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであり、現時点において、その相手先との間で、当該契約の遂行および継続に支障をきたすような事象は発生しておらず、かつ当該契約の締結にあたっては、条項に過不足がないよう顧問弁護士等の外部専門家から適切な助言を頂いております。
また、当社といたしましては、今後も事業基盤の強化、効率的な経営の実現に向け、パートナー企業との円滑なコミュニケーションを通じ、広範な提携関係を構築してまいりますが、当社の計画どおりに提携関係が構築できない、提携関係に想定し得ない変化が生じる、提携の効果が当初の計画を下回る、提携関係が当社の意図に反して解消される等の事象が生じた場合、または当該契約の期間満了、相手先の経営状態の悪化や経営方針の変更による契約解除その他の理由による終了、もしくは当社にとって不利な契約内容の変更が行われた場合、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③収益計上に関する不確実性のリスク(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期)
当社の収益モデルは、大手製薬企業等との共同開発および販売権のライセンスアウトによる収益化を基本としておりますが、このような収益モデルは、相手先企業の経営方針の変更や経営環境の極端な悪化等の、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性があります。また、当社の業績予想策定の過程で製品上市前に所定の成果達成に基づくマイルストン収入を見込む場合がありますが、この発生時期は開発の進捗に依存し、販売金額についても、当社の想定より異なる可能性のある不確実なものとなります。なお、再生医療事業では自社による製造販売を行う収益モデルの構築を推進してまいりますが、この収益計上に関しても開発の進捗状況に依存した不確実なものとなります。当社では、このような収益計上に関する不確実性を低減させるため、複数の開発パイプラインの収益化を推進していく方針になりますが、相手先企業の経営方針等や販売動向、開発の遅延、中止等により、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④業績および資金繰りに関するリスク(影響度:大、発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期)
当社では、iPS創薬事業、再生医療事業という医薬品等の研究・開発・製造・販売を行うことを目的とした事業を行っておりますが、一般的に多額の研究開発費用と長い時間を要し、その投資資金回収も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。
この傾向は、当社においても同様であり、当事業年度において営業利益を計上し、且つ営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなったものの、前事業年度以前の継続的な営業損失の計上、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスおよび将来の収益獲得の不確実性を考慮いたしますと、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在していると認識しております。
このような事象または状況を改善するために契約一時金、マイルストン収入の獲得および市場からの資金調達による十分な運転資金の確保ができていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E38985] S100T51H)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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