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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W6HQ (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 飛島ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等



当連結会計年度は建設事業を中心に研究開発を行い、研究開発費の総額は679百万円であった。

(建設事業)
連結子会社である飛島建設㈱においては、「ブランド・ストーリー」「バリュー」「目指すべき姿」からなる中長期経営ビジョンのもと、土木・建築・環境分野を柱に、「建設生産システムの革新」、「社会基盤施設の維持管理」、「Well-being」、「国土保全と防災・減災強化」を重点戦略とした技術の研究開発に取り組んでいる。

〔スライド型枠を利用した「Smart Lining System Type2」〕
㈱エム・シー・エス、㈱すばる建設、岐阜工業㈱と共同で、山岳トンネル建設工事の施工サイクルタイムの短縮による生産性の向上、坑内環境の改善、材料ロスの低減を目的に開発した専用把持型枠方式のSmart Lining Systemを改良し、型枠バイブレータを備えたトンネル上半断面対象のスライド型枠を利用して吹込む一次支保工構築工法「Smart Lining System Type2」を開発した。本工法を2020年度北勢BP坂部トンネル工事(発注者:国土交通省中部地方整備局)の一部区間に適用した結果、従来の吹付けコンクリートに比べ、粉じん、及び、はね返りの大幅な低減が確認できた。また、スライド型枠を使用していることから上半部全周での仕上がりは平滑であり、内側に施工される覆工コンクリートへの拘束の低減が期待できる。さらに、従来のSmart Lining Systemに比べ、型枠バイブレータを備えたスライド型枠により、隅々まで充填した密実なコンクリートを型枠盛替えの労力や時間を要することなく構築することが可能となった。今後は、本工法の山岳トンネル建設工事への本格適用に向けて、スライド型枠のセット方法の改善や自動測量の導入などにより、設置時間の短縮について改善を進め更なる施工性の改善に取り組んでいく。

〔全自動型ドローンと衛星ブロードバンドインターネットを活用したインフラ遠隔自動点検システム〕
非GNSS環境下かつモバイル通信不感地域でも適用可能な、全自動型ドローンと衛星ブロードバンドインターネットを活用したインフラ遠隔自動点検システムを開発した。本システムは、あらゆる場所でのドローンの自律飛行、遠隔・リアルタイムな飛行制御や映像配信、並びに、空撮データの一元管理と空撮データに基づく物体検出・変状検出が可能で、点検の省力化・高度化が実現できる。本システムの有効性検証を目的として、飛島建設㈱と㈱オリエンタルコンサルタンツが共同で発電事業を行っている米沢大平小水力発電所(山形県米沢市)にて行った実証実験の結果、小水力発電所施設の遠隔・自動点検におけるシステムの有効性を検証した。今後は、人手不足や生産性向上といった建設工事の課題を解決するための手段として、屋内外を問わずあらゆる領域の工事現場を念頭に置き、本システムを活用していく。

〔サイバー建設現場〕
「サイバー建設現場」は、2024年度土木学会賞において土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められ、技術賞(Iグループ)を受賞した。
当システムは、建設現場の理解促進のためにBIM/CIMモデルをベースとし、各種建設デジタルデータを統合し、クラウド上で情報共有できるデジタルツインプラットフォームとして開発した。
建設現場の施工工程を表現するためBIM/CIMモデルに時間軸を考慮した4Dモデルとし、工事関係者間の情報共有プラットフォーム及び遠隔支援プラットフォームとして機能するものである。
また、現場から収集した最新データを共有・分析して、課題発見・解決を図り、検討結果を施工へフィードバックする施工改善システムであり、既設の施工情報を蓄積し維持管理へとつなぐ情報共有システムでもある。既に国土交通省発注工事にて運用を開始しており、国土交通省が2024年4月に提唱した「i-Construction 2.0」において「データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化)」に向けてBIM/CIMモデルを活用し、デジタルツイン技術による生産性向上を図っている。
今後は、更なる機能向上と適用現場の拡大を進めていく。


〔小型地震計測システム「NAMISIIL」〕
2024年4月以降着工の自社施工の建築物を対象に、導入費用無料で小型地震計測システム「NAMISIIL(ナミシル)」の標準装備を開始した。NAMISIILは設置が容易な小型地震計測システムであり、小型PCと低ノイズのMEMS加速度センサーを活用し、計測・記録・制御・分析を1つのハード機器に集約することができる。更に地震計自体も小型で、設備スペースにも設置が可能であることから、既存建物への設置も容易である。「NAMISIIL」の活用により、建築物の構造の状況をリアルタイムに計測する見守りサービスを実施し、顧客のBCP支援を行っていく。

〔主筋周囲拘束補強型RC梁工法「CCM-RC梁工法」〕
鉄筋コンクリート造建築物の大地震時の損傷を抑制する主筋周囲拘束補強型RC梁工法「CCM-RC梁工法」について、一般財団法人日本建築センターより評定(BCJ評定-SS0065-01)を取得した。CCM-RC梁工法は、梁端部のせん断補強筋間に拘束筋(CCM筋)を設け、主筋と周囲のコンクリートの一体性を高めることで、地震時のエネルギー吸収性能の向上や適用した梁部材の損傷低減に期待できる。このことから、地震後の建物の継続使用性を高めることが可能となる。また、特殊な材料や加工を必要としないため、低コストでの導入が可能である。巨大地震や繰り返される地震に対し、建物の継続使用に貢献できるよう、CCM-RC梁工法を積極的に提案していく。

(グロース事業等)
1グロース事業
◇ 「トビシマダッシュボード」
「e-Stand」を基盤に、様々な情報を共有し、作業所管理状況や工事進捗等を可視化する取組みを継続している。ダッシュボード機能を発展させ、ポータルサイトとしての機能強化を図り、本部と作業所間における情報共有及び作業管理に関する情報(入力・参照・進捗管理等)を一元的に集約・管理する体制の構築の推進。この対応を進め、更には後述するAI活用により、本部と作業所における双方向コミュニケーションの高度化を目指していく。

◇「自動化に向けたAI活用」
施工管理業務の効率化及び高度化を目的として、「AI現場監督」の開発を継続している。今年度においては、AIエージェント機能を追加することで、特定の業務への適用から、施工管理全体を支援対象とする取り組みに拡大している。
第1段階としては、社内に点在するデータや、安全管理に関する法令・ガイドライン等の社外情報を統合し、音声入力による情報検索を可能とするAIエージェントの開発に取り組んだ。この仕組みは若手職員を対象に検証を進め、「情報検索の大幅な時間削減」、更には若手職員への「知識・ノウハウ提供の支援環境」を整えることを進めていく。
また、作業所に設置した定点カメラ映像を活用し、不安全行動検出のAI技術の開発も継続して取り組んでいる。具体的には「脚立作業における不安全行動検出」の機能を追加した。
今後は、音声データを活用しデータ登録を簡便にするなど、AIエージェントの機能拡充及び対応領域のさらなる拡大を進めていく。

2 その他の事業
当連結会計年度においては、研究開発活動は特段行っていない。

(注) 1 NAMISIILは、飛島建設㈱の登録商標である。
2 Smart Lining Systemは、飛島建設㈱、㈱エム・シー・エス及び㈱すばる建設の登録商標である。
3 サイバー建設現場は、当社の登録商標である。
4 AI現場監督は、飛島建設㈱の登録商標である。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E39785] S100W6HQ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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