有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100XTB1 (EDINETへの外部リンク)
リガク・ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2025年12月期)
当社グループの研究開発を進めるにあたって、先ずは顧客や学会との綿密な接触によって、潜在的なニーズを把握することに努めております。それに基づいた既に長年を通じて磨き上げてきた要素技術を長期的な視野をもって、更に深化させます。その要素技術を使って、製品・ソリューションを開発し、顧客のニーズにこたえます。特に製品化・システム化の際はスピード感を持って、早い開発サイクルで進めることを重要視しております。
当社グループの研究開発は、当社グループの強みであり、製品競争力の源泉であるX線源、光学素子、検出器、解析ソフトウェア等のX線要素技術の優位性を、それらの強化投資によりさらに強固なものとし、かかるX線要素技術の優位性を原動力とした、他社が真似ることのできない革新的な製品・サービスを生み出すことにより、科学技術イノベーションに対する顧客や社会のニーズに応えていくことを、その方針としております。
また、X線分析機器の将来を見据えて、これまでにない革新的な製品・サービスを生み出すための技術基盤となるX線による先端解析技術の研究やX線の新応用分野の開拓、その他X線技術を深掘りした先進的な研究に取り組んでおります。
さらに、当社グループの研究開発活動が結実した独自技術に関する知的財産権の保護、管理及び活用により当該独自技術の知的財産権の確実な保全を図る一方、先進的な研究に取り組む国内外の大学・研究機関や独創的な技術力を有する企業との提携、あるいはそれらのM&Aを通じて、当社グループの技術力を強化するオープン・イノベーションを積極的に推進しております。
当社グループは、グローバル・ワン・リガクの技術開発力をグローバルで活用する一方、外部研究機関等との協働も進め、研究開発費比率(注)を引き上げることを経営の目標としております。2025年12月期における当社グループが支出した研究開発費の総額は7,355百万円で、研究開発費比率は7.8%となりました。
(注) 研究開発費比率=研究開発費/売上収益
当社グループの研究開発体制は、X線による先端解析技術の研究やX線要素技術の開発・製品化を担うグローバルR&Dユニット傘下のRCX線研究所、RIT及びRITE、そしてグローバルな製品戦略に基づく製品の開発・競争力強化を担うグローバルプロダクトユニット傘下のRCプロダクト本部XRD、ライフサイエンス、XRF、X線イメージング、熱分析及び要素部品、RC薄膜デバイス事業部、ART、NSI、NIC、RSI並びにMILabsの各組織で構成されております。
当社グループにおける主な研究開発活動は以下のとおりです。
| 研究開発体制 | 研究開発活動 | |
| 国内 | X線研究所 先端解析技術研究部 | 長期的な視点から、将来の技術基盤となるX線による先端解析技術の研究やX線の新応用分野の開拓、その他X線技術を深掘りした革新的かつ先端的な研究に取り組んでおります。 |
| X線研究所 X線発生装置開発部 検出器開発部 | 製品の実用化に直結するX線源や検出器等のX線要素技術の開発・製品化を行っております。各製品の競争力強化に寄与するためのX線要素技術の高性能化を推進しております。 | |
| グローバルプロダクトユニット(RC各製品所管・設計部門) | 所管製品の競争力強化や新分野への進出を図るため、新製品の開発や既存製品の機能向上・新機能追加等に関わる開発を推進しております。 | |
| 国内・海外子会社 | 自社事業の強化を目指した開発や当社グループのX線の製品に搭載される要素部品の開発を行っております。 | |
当連結会計年度の研究開発活動の主要課題・成果は以下のとおりです。
(1) 研究開発の主要課題
| 研究分野 | 主要課題 |
| 粉末・薄膜解析 | X線回折・散乱を用いた構造解析の主要分野であり、電子部品、電池材料、医薬品、セメント、化学製品等の幅広い産業分野において必要とされる高度な材料構造解析技術を開発し、複雑化する材料開発に役立てることができる評価方法を提供しております。 近年はLab to Fabを体現するSemi規格製品や自動化機能を有する製品の開発にも力を入れております。 |
| ライフサイエンス | 従来からの強みであるX線を用いた単結晶構造解析の製品の機能強化に向けた開発に加えて、電子線を用いた回折装置を開発することで微小サイズの結晶を解析する技術を提供しております。 X線では不可能とされていた、溶液中のタンパク質を結晶化することなく観察できる装置を開発し、複数の大学や研究者と提携して具体的なアプリケーションの提供に向けて取り組んでおります。 |
| 蛍光X線分析 | 当社グループが展開する蛍光X線分析事業は、材料中の元素組成及び微量元素を迅速かつ簡便に測定できる分析手法として、幅広い産業分野で需要が拡大しております。一方で、同市場には多くの分析機器メーカーが参入しており、技術競争が一段と激化しております。 このような事業環境のもと、当社グループは他社が容易に到達できない精度・感度の実現を競争優位性の源泉と位置づけ、継続的な技術革新に取り組んでおります。具体的には、分光素子、検出器といった主要コンポーネントの性能向上を継続的に推進するとともに、従来の分析装置にはない新たな付加価値機能を備えた製品開発を進めております。 これらの取り組みにより、当社グループは蛍光X線分析分野における技術的リードの強化と市場シェア拡大を図り、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。 |
| X線透過(イメージング)分析 | 高電圧化と高分解能化を進めることが、当社グループのX線透過(イメージング)分野における課題と考え、これらに対応するための技術の開発を推進しております。高電圧化は、当社グループの従来製品では困難な電子材料等の重元素材料の透過及びCT撮影を実現するため、高電圧X線源とそれに対応した検出器の開発を行っております。高分解能化は、材料内部のより微細な構造や欠陥を感度良く検出するための高感度検出器やX線レンズの開発を行っております。 |
| 薄膜デバイス | 半導体デバイスは、コンピューターやスマートフォンだけでなく、自動車や家電等生活のあらゆる分野に浸透しております。さらに、スマートグリッド等エネルギーの効率的活用にも重要な役割を果たしており、今日では人類のより良い生活にとって欠かすことのできないものとなっております。半導体デバイスは、引き続きその使用量の増大が見込まれているとともに、技術開発や製造プロセス管理が求める技術要求は高度化の一途を辿っており、これまでの光や電子線では応えることが困難となる微細化・積層化・新材料の採用等に対して、透過性、非破壊、微小部計測等のX線の特長を活かした計測技術を継続的に進化させることで対応し、半導体産業の発展に寄与してまいります。 |
| 熱分析 | 当社グループの熱分析分野では、最先端の感度性能等を持つ製品の開発を引き続き推進するとともに、品質管理での利用や海外顧客のニーズに即した製品のラインアップの充実に向けて取り組んでおります。 |
| 自動化 | ロボットや搬送機を使って、分析対象の試料を自動的に装置の中に取り入れるシステムの開発を進めております。特に粉末・薄膜回折や蛍光X線分析において、自動化に対する顧客のニーズが高い状況にあります。自動化ソリューションの提供により、工場やラボのオートメーション化をサポートし、顧客の効率性向上を支えてまいります。自社で技術を持たない場合には、積極的に外部パートナーとのコラボレーションによって、ソリューションの開発を進めております。 |
(2) 研究開発の主要成果
| 主要製品・ サービス | 実用化 | 概要 |
| 検出器 XSPA-400ER | 2023年3月より出荷開始 | 高いエネルギー分解能により試料由来の蛍光X線をカットし、バックグラウンド成分を低減することで、従来機よりも高感度な測定を実現させております。 0、1、2次元に対応しているため、一般的なX線回折パターンの取得からデバイリングの形状測定まで、対応することができます。また、全てのピクセル形状が同一であるため、IC境界補正が不要となり、一様な画像の取得も可能となっております。 |
| X線トポグラフ XRTmicron Hybrid | 2023年3月より 出荷開始 | XRTmicronは開発から約10年が経っておりますが、SiCによるパワーデバイスの本格活用が始まっており、年間10台程度と高額機ながら堅調な販売実績を上げております。他方で、ユーザーから短時間測定へのニーズが高まっており、これに対応するため、当社グループのピクセル型検出器を活用した高速測定と高分解能測定の切換えが可能な装置(XRTmicron Hybrid)を開発しております。これにより、分解能において劣るものの、10倍以上の高速化を実現し、6インチウェーハを2~3分の短時間で測定することを可能とし、研究開発用途のみならず生産現場での利用も視野に入れております。 |
| 波長分散型蛍光X線装置 Supermini200 | 2024年7月1日より出荷開始 | 波長分散型蛍光X線分析では通常、試料を真空雰囲気下で測定しますが、液体試料等真空雰囲気に投入できない試料については、ヘリウム雰囲気での測定が必要です。 そこで、試料室を大気雰囲気、分光室を真空雰囲気で測定可能とする隔壁機構を開発しました。これにより、真空雰囲気下で測定できない試料についても、ヘリウムガスを使用せずに測定することが可能となりました。本機構は、特に真空雰囲気下で測定できないオイルや微粒粉末のコークス等を扱う石油業界において活用されております。 ヘリウムガス使用のための設備やスペースの削減、ガス置換に要する時間短縮によるスループット向上に加えて、近年不足が懸念され価格が高騰しているヘリウムガスへの支出が不要となることで、顧客の利便性向上に大きく寄与しております。さらに、本機構は環境省からの要請である「ヘリウム使用の削減やヘリウムを使用しない測定方法への変更」にも応えるものであり、環境面での貢献も果たしております。 |
| 溶液分子投影装置MoleQlyze | 2024年11月より販売開始 | バイオ医薬品(抗体医薬等)はタンパク質で構成されており、その機能は分子レベルの三次元構造と密接に関連しております。特に、タンパク質の構造変化(ダイナミクス)を理解することは、医薬品としての作用機序の理解につながります。 タンパク質の構造解析には単結晶X線構造解析やクライオ電子顕微鏡法等の手法がありますが、結晶化や凍結といった前処理が必要であり、溶液中における本来の状態をそのまま可視化することには制約がありました。 当社は、溶液中のタンパク質を対象とした分子構造を可視化する新手法として「電子密度トポグラフィー法」を開発しました。本手法により、バイオ医薬品等のタンパク質溶液をそのまま測定し、溶液中における構造を解析することが可能となりました。 2024年11月には米国ボストンにデモ測定が可能なラボを開設し、2025年8月には1号機となる装置を納入いたしました。メガファーマをはじめとするバイオ医薬品関連企業から国内外で多数の引き合いをいただいており、デモ拠点での受託分析を通じて顧客接点を拡大し、装置販売へ展開してまいります。 |
| マイクロスポット高分解能X線回折システムXTRAIA XD-3300 | 2025年7月より本格商業生産開始 | 生成AI・データセンター需要を背景に、半導体はかつてないスピードで微細化・三次元化が進み、HBM(High Bandwidth Memory)、3D DRAM等の次世代メモリや2nm世代以降のロジック半導体へのニーズが高まっております。これらのデバイスでは性能確保のため、Si/SiGe(シリコンゲルマニウム)プロセスを用いたナノスケール積層構造(超格子構造)の採用が進んでおります。その高度化した内部構造を適切に制御するには、Si/SiGeの組成や膜厚を正確に把握できる計測技術が欠かせません。これが製品の性能や歩留まりを高める鍵となります。 XTRAIA XD-3300は、こうした課題に応えるべく、独自のX線光学系と高度な解析ソフトウェアにより、ウェーハ上の複雑な超格子構造の解析を、非破壊、高スループット、高精度で可能にします。 |
| 全反射蛍光X線(TXRF)分析装置XHEMIS TX-3000 | 2025年8月より販売開始 | 半導体製造におけるウェーハ表面の汚染分析は、プロセス微細化で厳しくなる品質基準のもとでも不良品率を低減するだけでなく、数百工程に及ぶ製造ラインの安定稼働や製品品質の信頼性確保に欠かすことができません。その代表的な分析手法であるTXRFで、リガクの技術は事実上の業界標準の地位を築き、長年にわたり業界の品質基準を牽引してきました。 最新モデル「XHEMIS TX-3000」は従来機能をさらに進化させ、計測精度・操作性・生産性を飛躍的に高めております。 本ハイエンド機の投入により大手半導体メーカーでの採用拡大が進み、この製品セグメントは半導体市場の持続的成長を支える安定的な基盤として毎年二桁程度の成長が期待されます。 |
| 微小部蛍光X線分析装置Qualana | 2025年9月のJASIS展にて発表 | Qualanaは、最小20µmに集光したX線を試料に照射し、局所的な元素情報を得る微小部蛍光X線分析装置です。小さな部品や素材の組成・膜厚分布といった管理分析、故障品の解析、異物の探索等に力を発揮します。電子デバイスや電池、材料科学、化学、考古学、法科学等、多種多様なアプリケーションでの活躍が期待できます。2026年春の販売開始を予定しております。 QualanaはX線レンズと試料観察カメラの両方を試料直上に配置する光学系を採用しており、試料の高さが変わっても画像上で指定した照射位置がズレることはありません。電子基板のような凹凸のある試料に対しても、測定したい場所を精確に分析することができます。 |
| 半導体製造工程向け計測装置XTRAIA MF-3400 | 2025年12月より販売開始 | 半導体製造工程でウェーハの膜厚と組成を計測する「XTRAIA MF-3400」の販売を開始しました。本装置は、次世代メモリチップやAI向け高速デバイスの量産に不可欠な材料の評価を高精度に行うことができ、急拡大する半導体市場の生産性の向上に大きく貢献します。 X線の強さを約2倍に高め、新しい搬送システムと組み合わせることで、1時間あたりのウェーハ測定枚数が大幅に増加しました。 本装置は、X線を使った3つの分析機能(蛍光X線、X線反射率、X線回折)を搭載しております。極薄膜の組成、膜厚、結晶性等の目的に応じた最適な測定解析条件をレシピに登録することで、自動的な測定が可能です。 また、DRAM及びロジック半導体メーカー各社でも採用検討が進んでおります。 本装置は用途に応じてモジュールを自由に選択できるため、各メーカーの製造プロセスに最適な計測環境を構築することが可能です。この高い柔軟性と拡張性の強みもあります。 |
| 半導体向け計測装置ONYX3200 | 2025年12月より販売開始 | 近年、AI、データサーバー、スマートフォン等へ搭載される半導体チップの高性能化に伴い、内部の配線や接続構造はより微細かつ複雑になっております。その結果、BEOLやパッケージングの工程では、髪の毛より細い金属層や10マイクロメートル以下の極小バンプを、非破壊で正確に計測する必要性が高まっております。 「ONYX 3200」はこうした要求に応えるとともに、「従来は複数の装置を使い分けていたバンプの複雑な金属層の計測を1台で完結できる」という大きな利点を持ち合わせております。 本装置はすでに1号機をファウンドリー顧客のパッケージング工程向けに出荷済みです。また、すでに世界有数の半導体企業から多数の引き合いをいただいております。 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E39892] S100XTB1)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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