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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QZIC (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 荒川化学工業株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループにおいて研究開発活動は、当社、ペルノックス㈱、高圧化学工業㈱および山口精研工業㈱がおこなっております。顧客ニーズに対し提案型の製品開発をおこなうとともに、「つなぐを化学するSPECIALITY CHEMICAL
PARTNER」というビジョンに基づき鋭意研究開発活動を展開しております。2016年度に研究開発本部を設置、第5次中期5ヵ年経営実行計画がスタートした2021年度よりコア技術・素材別に再編して一元化し、加えてAI・MIの活用にも注力することで選択と集中による効率化と新規開発、持続可能性への貢献を加速するため、機能性コーティング開発部、水系ポリマー開発部、フォレストケミカル開発部、ファイン・エレクトロニクス開発部、AI・MI推進部、コーポレート開発部に開発推進部を加えた体制にしております。あらためて当社グループのコア技術・素材を事業ポートフォリオの中核に据え、長期的に経営資源を投入し、顧客ニーズに対して研究開発部門の自律性を高め、多面的に対応できる形へと組み替えました。事業分野は機能性コーティング事業、製紙・環境事業、粘接着・バイオマス事業、ファイン・エレクトロニクス事業であり、その研究テーマは多岐にわたっております。
当連結会計年度の研究開発費は3,024百万円であり、主な研究成果は次のとおりであります。なお、研究開発費には、報告セグメントに配賦しない中長期での成長の源泉となるコーポレート研究開発費用406百万円を含んでおり、ライフサイエンス分野などへの本格参入に向けてのコア技術(ロジンや水系ポリマーなど)の展開、および千葉アルコン製造㈱の立ち上げと安定製造に向けた技術的対応を進めております。なお、前連結会計年度までコーポレート研究開発費用として含めていた電池用材料につきましては、当連結会計年度よりファイン・エレクトロニクス事業の研究開発費としております。

(1) 機能性コーティング事業

当事業では、デジタルデバイス関連用途を中心に光硬化型機能性コーティング剤「ビームセット」「オプスター」や熱硬化型機能性コーティング剤「アラコート」の研究開発に注力しております。また、印刷インキや塗料用途において、環境負荷低減に向けた製品の研究開発をおこなうとともに、剥離紙・フィルム用離型剤としてシリコーン樹脂の開発もおこなっております。また、ポリマー合成技術を活かした機能性材料の用途開発にも積極的に取り組んでおります。
光硬化型機能性コーティング剤「ビームセット」「オプスター」では、5G関連分野への量産に向け、市場からの高品質要求への対応に注力しております。ディスプレイ用途において、耐傷つき性に加えて、難密着素材への密着性付与、光学調整技術の改良、フレキシブルデバイス用での技術対応を進め、それぞれで採用が得られております。また、光硬化型粘着剤の開発にも取り組んでおり、光学用透明粘着剤(OCA)としての採用も進んでおります。水系化、無溶剤化による環境に配慮した製品の開発にも継続的に取り組んでおり、水系では塗料用やフィルムコーティング用にて顧客での高評価が得られつつあります。
熱硬化型機能性コーティング剤「アラコート」は、非シリコーン系剥離コーティング剤の開発に取り組み、着実に実績拡大が進んでおります。また、機能性フィルムに使用されるPETフィルムのリサイクルに貢献する剥離コーティング剤の検討を進めており、持続可能な社会に向けた取り組みとして、開発を継続してまいります。
印刷インキ用樹脂では、BCPの観点から各種原料ソースを使いこなす技術開発を進め、顧客での使用形態に応じたワニス製品の開発も進め、新製品の実績化が進みました。また、ロジン系樹脂のバイオマス素材としての開発にも取り組んでおり、さらなる機能性を付与したバイオマスインキ用にて一部で実績化も進んでおります。
塗料用樹脂では、水系製品の有機溶剤中毒予防規則対応や溶剤系製品のハイソリッド化に加えて、原料のバイオマス化など環境対応製品の開発に取り組み、顧客での評価が進展しました。
剥離紙・フィルム用離型剤は、硬化方式別に熱硬化型および光硬化型、形態別には溶剤系に加えて、環境に配慮した無溶剤系および水分散系を揃えており、さらなる軽剥離化やミスト低減に優れた製品開発を進めております。また、従来からの剥離紙用途に加え、電子部材用途での検討を進め、実績化が進みました。
水系ポリマー技術の展開としては、ポリマー合成技術を活かした高機能化に取り組んでおり、被塗物表面への親水性付与、無機材料のバインダーや分散剤などの機能付与の検討をおこない、市場への提案を進めております。
当事業に係る研究開発費は896百万円であります。

(2) 製紙・環境事業

当事業では、紙の強度を向上させる紙力増強剤や紙へのにじみ止め性を付与するサイズ剤など、紙の機能を向上させる薬品開発に加え、環境視点に基づいた水系ポリマーの技術と用途開発をおこなっております。顧客ニーズや年々悪化する古紙原料や抄紙条件に適応させ、紙のさらなる高機能化ならびに薬品の低コスト化、紙の生産性向上や合理化に寄与する技術の検討をおこなっております。また、中国,台湾,ASEAN等の海外向け製品の開発も積極的に進めており、荒川ケミカルベトナム社の本格稼働に向けて、特にASEANでの紙力増強剤のマーケティングに注力しております。また、水系ポリマー技術を活かした地球環境と社会に貢献できる開発テーマにも取り組んでおります。
紙力増強剤では、内添紙力増強剤「ポリストロンシリーズ」で高分子量化技術を駆使した、高い紙力増強効果を発現する製品が国内外で販売が拡大しております。中国,台湾,ASEAN等の海外市場向け製品の開発は積極的に進めており、2022年3月に稼働を開始した荒川ケミカルベトナム社を中心に、特にASEANでの紙力増強剤の販売、マーケティングに注力しております。また、地球環境に配慮した新規製品として、バイオマス由来の機能性成分の配合および高濃度化による輸送頻度の低減を通じて、CO2排出量削減に寄与する製品の開発が進み、顧客での評価が進んでおります。
内添サイズ剤では、バイオマス素材であり当社の強みでもあるロジンと、当社基盤技術である重合及び乳化を組み合わせ、安定かつ持続可能な製品供給を目指しております。また、国内での長年の技術蓄積を活かしつつ、中国市場さらにはASEAN市場への展開を目指し、独自製品の開発を進めております。
また、環境に配慮した独自の水系ポリマー技術による紙用機能性コーティング剤の製品開発も進めております。ガスバリア性や耐水耐油性などを紙に付与する機能性コーティング剤の開発を進め、脱プラスチックやフッ素系化合物の代替に向けて、市場への提案を開始しております。
当事業に係る研究開発費は479百万円であります。

(3) 粘接着・バイオマス事業

当事業では、多様化する粘着・接着剤用樹脂に対する顧客ニーズに対応した高機能性製品の開発に取り組み、グローバルに展開しております。環境に配慮した製品の開発も推進しており、脱溶剤化やCO2削減に貢献する水系エマルジョン型粘着付与樹脂製品の高機能化や光硬化型粘着剤向け粘着付与樹脂の提案も積極的に進めております。また、バイオマス素材としての利点を活かしたロジン誘導体事業の拡大と持続性確保に向けてロジンの基礎技術、変性技術の深化や持続可能な再生原料の有効活用を目指した開発にも取り組んでおります。
ロジンエステル、超淡色ロジンなどのロジン誘導体や水素化石油樹脂はタッキファイヤーとして多く使用されておりますが、これまで培ってきた素材に関するノウハウや変性技術を活用して新規にプラスチック添加剤PLAFIT™の製品開発を進めています。流動性向上、相溶化、分散性、低誘電といった特長をキーワードに最近の技術トレンドや社会のニーズに対応すべく、提案・探索を進めております。また、はんだ用高性能ロジン樹脂のラインナップを拡大し国内外で拡販を進めています。
当事業に係る研究開発費は256百万円であります。

(4) ファイン・エレクトロニクス事業

当事業では、半導体・電子部品およびデジタルデバイス関連用途を中心として、精密部品洗浄剤や洗浄システム、はんだ関連材料、熱可塑性ポリイミド樹脂、機能性ファインケミカル材料、リチウムイオン二次電池向け材料の研究開発をおこなっております。ペルノックス㈱においては、車載用電子部品、各種センサー部品、半導体向けの絶縁封止材料や導電性材料の実績をベースに、最新のLEDやパワー半導体モジュール用の耐熱や信頼性に優れたエポキシ樹脂やシリコーン樹脂製品を大手電機部品メーカーや自動車部品メーカー向けに開発しております。また、山口精研工業㈱においてはハードディスク用アルミ基板やSAWフィルター用基板向けの精密研磨剤の研究開発をおこなっております。
精密部品洗浄剤「パインアルファ」では、競合他社との差別化商品として環境負荷低減が可能な水希釈型洗浄剤の実績化が進みました。はんだ関連材料であるフラックスでは、当社ロジン技術を活かした半導体パッケージ用途等に開発した新製品の実績化が進みました。
溶剤可溶型低誘電ポリイミド樹脂「PIAD」では、5Gスマートフォンや5G基地局等に使用される高周波対応フレキシブルプリント回路基板用途、半導体パッケージ基板用途を中心に開発を進め、実績化が進みました。
リチウムイオン二次電池向け材料では、当社のコア技術である水系ポリマーの技術を活用し、負極用バインダーやセラミックコーティングセパレータ用バインダーを市場に提案しており、徐々に採用が進んでおります。
また、ファインケミカル材料では、半導体向け材料をはじめ各種機能材料の開発を行っています。当社グループの高圧化学工業㈱が保有する耐腐食性を有し、高温・高圧・水素化反応にも対応できる設備にて生産する新規受託案件数も着実に増加しており、今後さらなる伸長が期待される状況です。
半導体モジュール向け樹脂では、低熱膨張と高流動化を両立した高耐熱性液状注型樹脂の開発に成功しました。また、チップLED向け高接着力1液シリコーン樹脂の開発を進め、実績化が進みました。
精密研磨剤製品では、年度後半はデータセンター投資やスマートフォン需要が減速したものの、ハードディスクの大容量化やSAWフィルター用基板の複合化などの技術進展に合わせて、研磨技術の高度化や研磨剤の品質向上、生産性向上に注力し、実績化が進みました。
当事業に係る研究開発費は986百万円であります。

なお、当連結会計年度末における研究開発スタッフは235名であり、取得済特許権保有件数は、国内502件、海外363件、出願中のものは国内168件、海外235件であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01048] S100QZIC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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