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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LI3C (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 荒川化学工業株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループにおいて研究開発活動は、当社、ペルノックス㈱、高圧化学工業㈱および山口精研工業㈱がおこなっております。顧客ニーズに対し提案型の製品開発をおこなうとともに、「つなぐを化学するSPECIALITY CHEMICAL PARTNER」というビジョンに基づき鋭意研究開発活動を展開しております。2016年度から機能本部制に移行し、研究開発本部を設置、環境の変化や顧客ニーズに対して速やかに、機動的に対応できる体制にしております。事業分野は製紙薬品事業、コーティング事業、粘接着事業および機能性材料事業であり、その研究テーマは多岐にわたっております。
当連結会計年度の研究開発費は3,247百万円であり、主な研究成果は次のとおりであります。なお、研究開発費には、報告セグメントに配賦しない中長期での成長の源泉となる新規研究開発費用377百万円を含んでおり、千葉アルコン製造㈱の円滑な立ち上げに向けた技術的対応や水系ポリマーの電池用材料など新規用途への展開を進めております。

(1) 製紙薬品事業

当事業では、紙の強度を向上させる紙力増強剤や紙へのにじみ止め性を付与するサイズ剤など、紙の機能を向上させる薬品について研究開発をおこなっております。顧客ニーズや年々悪化する古紙原料や抄紙条件に適応させ、紙のさらなる高機能化並びに薬品の低コスト化の検討をおこなっております。また、中国,台湾,ASEAN等の海外向け製品の開発も積極的に進めており、荒川ケミカルベトナム社設立に伴い、特にASEAN地域での紙力増強剤のマーケティングに注力しております。
紙力増強剤では、内添紙力増強剤「ポリストロンシリーズ」の紙力増強効果をさらに向上させるため、新たに高分子量化技術を駆使した製品を開発しました。国内、海外においてその効果が認められ実績化が拡大しております。また、高分子量化技術を水平展開した表面紙力増強剤「ポリマセットHPシリーズ」、多層抄きの紙の層間強度を高めつつ排水負荷を低減する層間スプレー用紙力増強剤「ポリマジェットシリーズ」の実績化も進んでおります。
サイズ剤では、国内において中性抄紙系サイズ剤「サイズパインCAシリーズ」や海外での塗工条件に適応させた表面サイズ剤「ポリマロンKシリーズ」の実績化が進んでおります。
当事業に係る研究開発費は663百万円であります。

(2) コーティング事業

当事業では、ディスプレイ用途を中心とした光硬化型機能性コーティング剤「ビームセット」「オプスター」やフィルム用を中心とした熱硬化型機能性コーティング剤「アラコート」の研究開発にも注力しております。また、印刷インキや塗料用途において、顧客ニーズに対応した高機能化およびコスト低減を実現する製品の研究開発をおこなうとともに、顧客のグローバル展開に合わせた海外向け製品の開発にも積極的に取り組んでおります。
光硬化型機能性コーティング剤「ビームセット」「オプスター」では、5G関連分野への量産に向け、市場からの高品質要求の対応に注力しております。ディスプレイ用途において、耐傷つき性に加えて、難密着素材への密着性付与、光学調整に関する技術改良が進展し、新たな採用が得られつつあります。また、水系化、無溶剤化による環境に配慮した製品の開発にも継続的に取り組んでおり、塗料用やフィルムコーティング用を中心に水系製品のラインナップ拡充を進めております。
熱硬化型機能性コーティング剤「アラコート」は、非シリコーン系剥離コーティング剤の開発に取り組み、技術面の進展により新規実績化が進みました。また、自己修復コーティング剤では市場ニーズの変化に迅速に対応し顧客での評価が進展しました。引き続き市場が求める各種機能を付与した製品の開発を進め、電子材料用途、自動車関連用途への展開を図っております。
印刷インキ用樹脂では、BCPの観点から各種原料ソースを使いこなす技術開発に取り組んでおり、品質や生産性が向上した製品の実績が拡大しました。また、環境負荷の低減、高付加価値化に繋がる製品の研究開発を進め、海外市場向け製品の実績化が進みました。加えて、ロジン系樹脂のバイオマス素材としての展開を進め、一部で実績化も進みつつあります。
塗料用樹脂では、水系製品の有機溶剤中毒予防規則対応やハイソリッドなど環境対応製品の開発に取り組み、顧客での評価が進展しました。また、親水性コーティング剤でも顧客での評価が進み、親水性に加えて新たな機能付与にも取り組み、市場への提案を進めております。
当事業に係る研究開発費は884百万円であります。

(3) 粘接着事業

当事業では、多様化する粘着・接着剤用樹脂に対する顧客ニーズに対応した高機能性製品の開発に取り組み、グローバルに展開しております。また、剥離紙・フィルム用離型剤としてシリコーン樹脂の開発をおこない、粘着・接着と剝離の両面からの知見を生かした開発に取り組んでおります。
ロジンエステル、超淡色ロジンなどのロジン誘導体はタッキファイヤーとして多く使用されておりますが、新たに光学用途への展開を進めており、当社独自の水素化技術と製造プロセスを見直し、より効率よく透明性、耐熱性、耐候性に優れた製品の開発を進めました。また、相溶化剤、フィラー分散剤、可塑剤等のプラスチック添加剤としての展開を進めており、これまで課題であったプラスチックの透明性を維持しながら、改質に取り組んでおります。さらに、当社は大阪大学 宇山浩教授が代表幹事である「海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム(MBBP;Marine-Biodegradable Biomass Plasticsの略称)」に参画し、ロジン誘導体を中心にプラスチック添加剤としてMBBP製品(デンプン成形体)の課題解決や物性の向上を図る製品開発、素材開発に協力し、海洋プラスチックごみ問題に取り組んでおります。
環境に配慮した水系エマルジョン型粘着付与樹脂では、課題である耐水性を改良した製品を開発し、グローバル展開に向けて温度・湿度等の幅広い使用条件下に対応できる接着性能の向上を図り、サンプルワークを開始しております。
剥離紙・フィルム用離型剤は、形態別にソルベント系、ソルベントレス系、エマルジョン系、硬化様式別に熱硬化型、UV硬化型を揃えており、軽剥離性、ミスト低減に優れた製品開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は370百万円であります。

(4) 機能性材料事業

当事業では、半導体・電子部品およびディスプレイ用途を中心として、精密部品洗浄剤や洗浄システム、はんだ関連材料、熱可塑性ポリイミド樹脂、機能性ファインケミカル材料の研究開発および受託製造をおこなっております。ペルノックス㈱においては、車載用電子部品、各種センサー部品、半導体向けの絶縁封止材料や導電性材料の実績をベースに、最新のLEDやパワー半導体モジュール用の耐熱や信頼性に優れたエポキシ樹脂やシリコーン樹脂製品を大手電機部品メーカーや自動車部品メーカー向けに開発しております。また、山口精研工業㈱においてはハードディスク用アルミ基板やSAWフィルター用基板向けの精密研磨剤の研究開発をおこなっております。
精密部品洗浄剤「パインアルファ」では、競合他社との差別化商品として環境負荷低減が可能な水系・再生型洗浄剤の実績化が進みました。はんだ関連材料であるソルダペーストでは、高信頼性を要求されるサーバーや車載用途に開発した新製品の実績化が進みました。
また、溶剤可溶型低誘電ポリイミド樹脂「PIAD」では、5Gスマートフォンに使用される高周波対応フレキシブルプリント回路基板用途を中心に開発を進め、実績が進みました。
ファインケミカル材料では、高度な品質管理技術だけでなく、当社グループの高圧化学工業㈱が保有する耐腐食性を有し、高温・高圧・水素化反応にも対応できる設備を活かした技術対応により新規受託案件が増加し、受託製造部門での実績が拡大しました。
精密研磨剤製品では、リモートワークの普及等でデータ保存、通信技術の進展が進み、ハードディスクの大容量化やSAWフィルター用基板の複合化に伴う研磨技術の高度化及び研磨剤の品質向上に注力し、実績化が進みました。
当事業に係る研究開発費は950百万円であります。

なお、当連結会計年度末における研究開発スタッフは239名であり、取得済特許権保有件数は、国内477件、海外259件、出願中のものは国内219件、海外288件であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01048] S100LI3C)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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