有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VGCK (EDINETへの外部リンク)
株式会社Synspective 事業等のリスク (2024年12月期)
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的な開示の観点から以下に開示しております。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を記載した上で、発生回避及び発生した場合の対応に努めております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスク
①継続的な先行投資と赤字計上について
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
当社グループの提供するSAR衛星のデータ販売及びソリューションについては、市場の立ち上げ期であり、現在のところ大きなシェアを獲得できているプレーヤーは存在しておらず、競合事業者に先んじて早急な市場シェアの獲得が重要であると考えております。市場シェア獲得のためには、複数の衛星機システムの早期構築によるSAR衛星データの供給量の確保、継続的な開発や営業活動の実施によるソリューションサービス拡大を実現する必要があり、継続的に先行投資を実施する方針としています。また、今後一定期間については、黒字化よりも売上高成長率を重視して経営していく方針です。
経営環境の急激な変化、その他本「事業等のリスク」に記載のリスクの顕在化等により、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、黒字化しない可能性があります。当社グループでは、継続的な顧客開拓、衛星製造コストの削減努力等を実施することにより、先行投資が将来の黒字化や収益性向上につながるように努力していきますが、それらが達成できない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②社歴、業歴が浅いことによる業績の不確実性について
発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社グループは、2024年12月期まで赤字決算であり、過年度の業績のみでは期間比較を行う充分な材料とはならず、今後の業績については当社グループにおいて合理的と考えられる方法により予測、算定したものでありますが、判断指標が不十分であり、当社グループの業績予測と実績に乖離が生じる可能性があります。
③必要なタイミングで資金を確保できなかった場合の資金繰りについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
当社グループは、(1)①に記載のとおり、継続的に先行投資を実施する方針としており、2024年12月期まで営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであり、今後も一定期間は継続してマイナスとなる見込みです。過年度は増資による資金調達を実施し事業活動に必要な資金に充当してきました。
当社グループでは必要な資金を確保するために継続的に財務活動を行なっていく方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合、資金繰りに窮する可能性があります。
④衛星データ関連市場について
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
SAR衛星データは国防に関わる世界の需要の大きさに対して、もともと供給量に制約があり、寡占傾向が強く先行者利益を獲得しやすい市場と当社グループは認識しています。これは市場に参入するための資金的及び技術的ハードルが高いことや、SAR衛星がデータを取得する際に電波照射に多くの電力を使うためSAR衛星以外の観測衛星と比べデータ取得量が限定的であることが理由です。仮に当社グループ以外の競合事業者が各社の計画通りにSAR衛星を打ち上げた場合でも、供給量が飽和することはなく、今後数年程度は供給者優位の市場が保たれると認識しています。
一方で、光学衛星などの他の地球観測データの代替、現在は市場草創期であり将来の市場規模拡大には不確実性が伴うこと、防衛予算の増減・安全保障政策の変更などの各国の方針変更を要因として、想定通りの需要を獲得することができず成長が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤競争状況について
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループのターゲットとなるSAR衛星データの市場分野においては、資金的及び技術的な参入障壁が高いため、現在安定して市場にSAR衛星データを供給できている企業は世界で数社程度であり、寡占状態となっていると当社グループは認識しております。
当社グループは、SAR衛星データの取得からデータ販売、ソリューションの提供までをワンストップで行うことにより、競合事業者と差別化したサービス展開をし、継続的な事業成長に努めております。ただし、既存の競合事業者の競争力の向上や、市場の急激な拡大に伴って大型のSAR衛星を製造している大資本の企業などの参入により競争環境の変化が生じ、当社グループや当社グループのサービス等に対する評価を維持することができず、又はその優位性が失われる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥衛星打上の失敗のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは自社で衛星を開発・製造し、外部のロケット事業者による衛星打ち上げサービスを利用して衛星の打上を行っています。近年衛星に係る打上の成功率は向上しているものの一定程度失敗のリスクが存在します。当社グループでは、打上の失敗に係る損害を回避するため、人工衛星保険の打上げ危険担保保険(以下、ロケット保険)に加入しています。なお、当社グループが加入している保険は、打上げの点火がされた時に始まり打上ロケットと衛星の分離が完了するまでがてん補対象であり、打上ロケットとの分離後の通信の不具合等をカバーするものではありません。
ロケット保険により、打上ロケットと当社グループ衛星の分離が完了するまでの完全な打上失敗の際の金額的な補償は得ることができるものの、計画していたSAR衛星データの取得はできなくなるため、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦固定資産の減損リスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社グループは、人工衛星、その製造設備及び本社設備の有形固定資産を保有しています。投資実行に際しては規程に基づいて、事業計画、収益率、その他のリスク等を検討して実施の判断を行っており、その後は継続して各資産の収益性に関して管理を行っています。
規程で定めた対策を講じても、市場や競争環境の変化により完全に減損を防止することは不可能であり、減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定された固定資産について減損損失を計上する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ソリューション事業におけるデータの安定確保のリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社グループのソリューション事業では、衛星データに限らず様々なデータの解析結果を提供する情報提供サービスを行なっています。現在、当社グループの衛星の機数が少なく他社データも併用しており、必要なデータを十分に入手できないこと等により、顧客の要求する品質を充たせずに案件を獲得・継続ができないリスクがあります。当社グループでは、衛星データの購買先の多様化・当社グループの衛星の機数の早期の増加により、データの安定確保を図ってまいります。
上記の対策を講じても、とりわけSAR衛星データによる定期観測の需要が高いため、自社衛星の打上げ計画が想定より遅延し安定したデータの確保が遅延することで収益化が遅延するリスクがあります。
⑨景気変動に関するリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低
当社グループは、クライアントの分散、多様化を図っておりますので景気変動リスクに対し一定の耐性を備えておりますが、国内外の景気動向や外国為替相場の変動により、当社グループの主要クライアントが事業投資等を抑制した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩為替リスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低
当社グループは、衛星部品の購入の一部を海外から行っており、衛星の打上サービスは海外事業者を利用しています。また、一定程度の海外売上があり今後増加する見込みです。長期の外貨建の債権債務は存在しないものの、急激な為替変動によって価格の変動が生じ為替リスクとなることがあり、当社グループの業績に間接的に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪衛星の打上機会の確保について
発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:高
ロシア・ウクライナ情勢以降、ロシアからの打上げが実質的に不可能になったことにより、ロケット事業者の選定は以前よりも難しくなっています。一方、各国の新興のロケット事業者が商業化に向けて開発・実証を進めており、中長期的にはロシア・ウクライナ情勢の影響は緩和される見込みであり、当社グループとしては複数のロケット事業者による打上げの検討を進めています。
しかしながら、新興のロケット事業者の商業化が遅れるなど想定通りにロケット事業者のサービスを利用することができない場合、計画したスケジュールからの打上げ遅延や打上費用の上昇などの影響が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク
①研究開発に係るリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループの属する衛星データ関連の業界は、衛星のハードウェア開発及びソリューションのソフトウェア開発共に技術的な進歩が急速であるため、当社グループでは常に技術革新に対応できる最先端の技術開発に努めております。当社グループの衛星のハードウェア開発においては、SARデータ取得のためのSARアンテナの最先端技術の採用のための研究開発等を進めていきます。また、当社グループのソリューションのソフトウェア開発においても、地表面予測に関する自社独自技術を搭載したソリューションサービスを展開するなど、多数のサービスを引き続き展開していきます。
しかしながら、当社グループが顧客又は市場のニーズにマッチした製品をタイムリーに提供できない場合、もしくは競合事業者が先んじてサービスを開発した場合には、当社グループのサービスの競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②衛星の運用に関するリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社グループが保有する小型SAR衛星は5年程度と比較的長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、デブリ(使用不能になった人工衛星やロケットの破片や部品等のうち軌道上に残っているもの)や隕石等との衝突、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。上記リスクへの対策として、複数機を定期的に打上げ続けることによりSAR衛星データの取得における1機当たりの依存度の低減を図っています。当社グループは現在、毎年複数機の打上げを計画しており、運用中の衛星に不具合が生じた場合にも可能な限り事業上の影響を小さくする体制をとっています。
このような事態が生じた場合、撮像能力を維持できないことによる顧客の流出などに伴う収益の低下で、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③開発・製造・打ち上げ等の事業計画の進捗に関するリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
衛星の開発・製造・打ち上げの進捗については毎月の取締役会等で継続的に状況を確認・管理をしており、事業計画に沿ったスケジュールの確保に向けて取り組んでおります。しかし、当初の計画通りに衛星の開発・製造・打ち上げが進まなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④特定の販売先への取引依存について
発生可能性:中、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:高
当社グループの主要販売先のうち、官公庁への販売実績が連結売上高に占める割合は、2023年12月期及び2024年12月期連結会計年度で約9割を占める状況にあります。
現時点において、上記の取引先との関係は良好であり、当社グループは今後も友好的関係を維持し、安定的な取引関係を継続する方針で国内の民間顧客のさらなる獲得、海外政府・民間顧客の獲得も強化しており、特定の取引先への取引依存度は順次低減させる方針ですが、当面は引き続き官公庁への販売比率が高い状況が引き続き想定され、また官公庁との契約期間は1年単位のものが多く、何らかの理由により継続できない場合や、入札条件の変更等が生じた場合には、今後の事業運営や経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤海外展開に関するリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループは、収益機会の拡大に向けて海外でも衛星データ販売、ソリューションの提供を展開しており、今後とも海外展開の強化を図っていく予定であります。
なお、海外展開にあたっては、人件費等の投資を今後も相当規模で行う可能性があります。また、言語、地理的要因、法制・税制を含む各種規制、経済的・政治的不安、文化・商慣習の違い、為替変動等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開国において競争力を有する競合他社との競争リスクが存在する可能性があります。当社グループがこのようなリスクに対処できない場合、当社グループの海外展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑥協力会社(外注先)への外部委託に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社グループの小型人工衛星開発においては、多額の開発費と時間を要するだけでなく、一部は協力会社への外部委託品及び協力会社からの購入品を使用しているため、一部の協力会社からの購入品についても、別協力会社からの購入の検討及び内製化を進めており、安定的な衛星開発を実現し、当社グループの衛星データ販売事業及び業績への影響をできる限り低減していきます。しかしながら、協力会社からの納入遅れ、協力会社の喪失、購入品の供給不足や価格上昇により、当社グループの衛星データ販売事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦東京計器株式会社その他のパートナーシップ先への衛星製造の委託に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低
当社グループでは、今後の衛星の量産体制を構築するうえで、複数拠点で並行して製造を行うことで、安定的に製造を行うことを実現することを指向しております。このため衛星製造の一部は、2022年6月15日に開示しました通り、東京計器株式会社とのパートナーシップの基本合意に基づき同社に衛星組立の工程を委託しております。現在当該パートナーシップにより安定した生産体制を構築できておりますが、衛星組立に必要な製品・部品の調達の遅れや、各種自然災害の発生等により東京計器株式会社側での製造に遅延等の影響が出た場合、また、その他のパートナーシップ先との間のパートナーシップにおいて同様の影響が出た場合、当社グループの衛星データ販売事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧人材獲得及び育成に関するリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
SAR衛星システムの開発のコア技術であるSARアンテナや信号発生器などのコンポーネントに携わるレーダ技術者、また、データ販売やソリューションサービス提供に関わる画像処理、アルゴリズム開発に携わるレーダ信号処理技術者は、労働市場での絶対数が少なく、また専門性の高い領域で育成も容易ではありません。人材獲得の観点では中途採用をメインとして経験のある候補人材へのアプローチ施策を強化しております。人材育成の観点ではノウハウを社内資料に蓄積し、従業員同士での技術向上に繋がる活動を推進してまいりますが、当社グループが想定どおりの人材獲得及び育成ができない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨特定人物への依存リスクについて
発生可能性:小、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社グループの経営陣が果たす役割は大きなものであり、特に代表取締役CEOである新井元行は、ミッション、企業理念、会社文化、経営方針・戦略の立案・実行等に大きな役割を負っています。人材育成の強化や人材獲得により経営陣・組織の強化を行ってまいりますが、経営陣の不測の事態や辞任が発生した場合、また、代行体制が十分に機能しない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩特定施設の利用に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低
衛星の製造工程において、部品の組み立て後に、設計通りの機能や耐久性が備わっているかなどの確認のために各種試験を行う必要があります。当社グループは現在、一部の大規模施設を要する試験については国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設を利用しており、当該施設や試験設備を利用できない場合に衛星の開発や製造が遅延する可能性があります。
なお、試験の一部については新工場への移管を進めており、新工場の本格稼働後、当該リスクは軽減する見込みです。
⑪衛星の製造体制が想定通りに構築されないリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
量産体制の構築に伴って年間製造機数の増加を見込んでおり、将来的には年間12機まで製造能力を強化していくことを見込んでいます。現時点では必要な製造体制は構築過程にあり、本格稼働に向けて準備を進めています。当該製造体制の構築が想定通りに進捗せずに、想定した機数を打ち上げられない場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫想定したシーン数が提供できないリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
衛星1機あたりが提供するシーン数について、第3世代商用機は従来のものと比較して提供できるシーン数が多くなると見込んでいます。これは、衛星の設計上のキャパシティの改良などから増加することができると見込んでいるためです。当社グループの事業計画は提供シーン数が増えていくことを前提に策定されているため、想定したシーン数を計画通りに提供できない場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)主要な事業活動の前提となる法的規制
①人工衛星に関連する法令について
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
当社は人工衛星の打ち上げに関しては、人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(以下、宇宙活動法)、電波法及び衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(以下、リモセン法)により、人工衛星の運用等で規制を受けております。当社グループは、社内の管理体制の構築等により、当該法律および関連府・省令を遵守する体制を整備しておりますが、国際法及び各国の国内法ともに整備途上であり、法規制の変更があった場合、当社グループが当該法令に抵触すること等により何らかの行政処分を受けた場合や、社会情勢の変化等により当社グループの事業展開を阻害する規制の強化等が行われた場合には、今後の事業運営や経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、重要法令の概要は以下の通りです。
・宇宙活動法について
日本国内から人工衛星の位置、姿勢及び状態を把握し制御する場合、事前に内閣総理大臣の許可を受けるため、内閣府宇宙開発戦略推進事務局へ許可申請を行う必要があります。人工衛星1機ごとに衛星管理許可を取得しなければならず、許可を受けるためには、人工衛星の利用目的及び方法が宇宙活動法の基本理念や宇宙諸条約に則したものであること、人工衛星に機器や部品の飛散を防ぐ仕組みが講じられていること、宇宙空間に有害な汚染をもたらさないための措置に講ずることが管理計画に含まれていること等の措置が適切に講じられていることなどが求められております。
・電波法について
人工衛星を運用するために、無線局(以下、地上局)を使用するにあたり、総務省へ免許申請を行い、許可を得る必要があります。電波法には外資規制がありますが、上場後は外国人による議決権比率をコントロールできないため、規制に該当してしまい免許停止となる可能性があります。そのため、当社が100%の株式を保有する完全子会社の株式会社Synspective Japanにより免許を取得し、免許要件を満たしております。電波法は電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的としておりますので、免許申請前に既存免許人と干渉調整をし、同意を得る必要があります。また、免許取得後、登録された地上局は検査を受けることが義務づけられております。
・リモセン法について
リモセン法で規定する衛星リモセン装置の対象物判別精度(いわゆる「地上分解能」)が内閣府令で定める生データの基準(SARセンサーでは3m以下)を超える場合、当該装置の使用につき事前に内閣総理大臣の許可を得る必要があります。許可を得るためには、外部からの不正アクセスを防止する措置や、衛星リモセン記録の漏洩、滅失、損傷を防ぐための安全管理措置が講じられていることなどが求められており、許可後も実効性を担保するため、使用者にデータの暗号化の義務や、許可を受けた送受信設備以外を使用しない義務などが課されています。
②現在適用されている許認可、免許及び登録などの状況について
当社グループの宇宙活動法の許認可
取得・ 登録者名 | 許認可等の 有効期間 | 許可番号及び許認可等の内容 | 所管官庁等 | ①許認可の根拠となる法律名 ②許認可の要件 ③許認可後の義務 |
株式会社Synspective Japan | 2022年 9月2日~有効期限の定めなし | 許可番号:衛星22-016-3 人工衛星「StriX-1」の管理の許可 | 内閣府宇宙開発戦略推進事務局 | ①許認可の法律 人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律第20条第1項の規定による許可 ②主な許認可の要件 ・使用者が所定の犯罪により処罰された者でないこと等(21条) ・人工衛星の利用目的及び方法が宇宙活動法の基本理念や宇宙諸条約に則したものであること(22条) ・人工衛星に機器や部品の飛散を防ぐ仕組みが講じられていること(22条) ・宇宙空間に有害な汚染をもたらさないための措置を講ずることが管理計画に含まれていること(22条) ・人工衛星の管理終了にともなう措置が適切に講じられていることなど(22条) ③主な義務 ・管理計画の遵守義務(24条) ・事故の届出義務(25条) |
株式会社Synspective Japan | 2023年 12月1日~有効期限の定めなし | 許可番号:衛星23-014-2 人工衛星「StriX-3」の管理の許可 | ||
株式会社Synspective Japan | 2024年 6月14日~有効期限の定めなし | 許可番号:衛星24-012-1 人工衛星「StriX-4」の管理の許可 | ||
株式会社Synspective Japan | 2024年 11月19日~有効期限の定めなし | 許可番号:衛星24-022-1 人工衛星「StriX-2」の管理の許可 |
当社グループの衛星リモートセンシング法の許認可
取得・ 登録者名 | 許認可等の 有効期間 | 許可番号及び許認可等の内容 | 所管官庁等 | ①許認可の根拠となる法律名 ②許認可の要件 ③許認可後の義務 |
株式会社Synspective Japan | 2022年 7月25日~有効期限の定めなし | 許可番号:RU-22-0002 衛星リモートセンシング装置「StriX-1 SARセンサー」の使用の許可 | 内閣府宇宙開発戦略推進事務局 | ①許認可の法律 衛星リモートセンシング記録の適正な取り扱いの確保に関する法律第4条第1項の規定による許可 ②主な許認可の要件 ・使用者が所定の犯罪により処罰された者でないこと等(5条) ・外部からの不正アクセスを防止する措置及び衛星リモセン記録の漏洩、滅失、損傷を防ぐための安全管理措置が講じられていなければならないこと(6条) ③主な義務 ・装置及び観測データに対して許可を受けた者以外の者がアクセスしないために暗号化などの措置を講じる義務(8条) ・許可を受けた軌道を外れたときは衛星リモセン装置を停止する義務(9条) ・許可を受けた送受信設備以外を使用しない義務(10条) ・衛星リモセン装置に対する信号の送信や観測データの受信、リモセン記録の他社への提供など衛星リモセン装置の使用状況について記録し、保存する義務(12条、施行規則13条) |
株式会社Synspective Japan | 2023年 10月25日~有効期限の定めなし | 許可番号:RU-23-0005 衛星リモートセンシング装置「StriX-3 SARセンサー」の使用の許可 | ||
株式会社Synspective Japan | 2024年 5月31日~有効期限の定めなし | 許可番号:RU-24-0004 衛星リモートセンシング装置「StriX-4 SARセンサー」の使用の許可 | ||
株式会社Synspective Japan | 2024年 11月20日~有効期限の定めなし | 許可番号:RU-24-0005 衛星リモートセンシング装置「StriX-2 SARセンサー」の使用の許可 |
当社グループの電波法の許認可
取得・ 登録者名 | 許認可等の 有効期間 | 許可番号及び許認可等の内容 | 所管官庁等 | ①許認可の根拠となる法律名 ②許認可の要件 ③許認可後の義務 |
株式会社Synspective Japan | 2022年12月5日~ 2027年11月30日 | StriX-1 無線局の種類:人工衛星局 免許番号:関宇第604号 通信の相手方:KSAT所属のSvalbard地球局、Troll Antarctic地球局、Punta Arenas地球局 免許人所属のStriX-1人工衛星の受信設備、Synspective岐阜StriX受信設備 | 総務省 | ①許認可の法律 電波法による無線局免許取得 ②主な許認可の要件 ・日本国籍の者(5条1項) ・電波法又は放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から二年を経過した者若しくは、電波法第75条第1項、第76条第4項から第6項、第27条の16第1項又は第6項の規定により免許、登録又は認定の取り消しを受け、その取り消し日から2年経過した者(5条3項) ③主な義務 ・自己若しくは他人に利益を与える、又は他人に損害を加える目的で虚偽の通信をしない(106条) ・他の無線設備の機能に障害を与えて無線通信を妨害しない(108条の2) ・免許がないのに無線局を開設し、又は運営しない(110条) ・必要な報告を怠り又は虚偽の報告を行い、検査を拒み、妨げ又は忌避しない(111条) ・規定に沿って届け出をし、又は虚偽の報告をしない(112、113条) ・行為者を罰するほか、その法人に対して電波法第114条各号に定める罰金刑を課されない(114条) |
予備免許のため期間の記載無し | StriX-2 無線局の種類:人工衛星局 免許番号:予備免許のため無し 通信の相手方:KSAT所属のSvalbard地球局、Troll Antarctic地球局、Punta Arenas地球局 免許人所属のStriX-2人工衛星の受信設備、Synspective岐阜StriX受信設備 | |||
2024年5月1日~ 2027年11月30日 | StriX-3 無線局の種類:人工衛星局 免許番号:関宇第617号 通信の相手方:KSAT所属のSvalbard地球局、Troll Antarctic地球局、Punta Arenas地球局 免許人所属のStriX-3人工衛星の受信設備、Synspective岐阜StriX受信設備 | |||
2024年9月27日~ 2027年11月30日 | StriX-4 無線局の種類:人工衛星局 免許番号:関宇第625号 通信の相手方:KSAT所属のPuertollano地球局、Mauritius地球局、Hartebeesthoek地球局、Mingenew地球局、Awarua地球局、Punta Arenas地球局 免許人所属のSynspective岐阜StriX受信設備、StriX-4人工衛星の受信設備 |
③知的財産権について
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
当社グループでは随時他者の保有する特許調査を行っており、その調査範囲において解決すべき他者特許への侵害は当社グループから抽出されておりません。当社グループで創出した発明・独自技術について権利化を進め、他社の使用等を抑止しています。また、当社グループでは、知的財産権の管理、特に第三者の知的財産権への侵害等を回避することは事業活動に不可欠なものと認識しており、特許公報の調査などを強化することにより当該リスクの低減に努めてまいります。
しかし、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2024年12月31日現在)
特許権 | 実用新案権 | 商標権 | 意匠権 | |
取得済件数 | 1 | - | 11 | - |
出願中件数 | 9 | - | 2 | - |
合計 | 10 | - | 13 | - |
主な特許権
特許権の名称 (取得済又は出願中の別) | 出願年月日出願番号 | 登録年月日登録番号 | 存続期間満了日 | 内容・特徴 |
解析装置、解析方法及び解析プログラム(取得済み) | 2022年3月11日 特願2022-507096 (日本出願) | 2024年2月1日 特許第7430008号 | 2040年3月11日 | 熱赤外帯域及び熱赤外帯域以外の衛星データ解析により、対象物の変化による工場や公共施設の稼働状況を把握し、その稼働率の検知が可能となります。 |
(4)重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスク
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:高
当社グループのデータ販売の主要な販売先は各国の防衛機能を担う省庁となるため、安全保障上重要な情報を取り扱っており、当社グループは、事業活動を正常かつ円滑に行う上で、法令の遵守、顧客要求の達成をはじめとする情報セキュリティの確保は重要課題のひとつであると考え、顧客の機密情報や個人情報及び当社グループの情報資産を保護する指針として、情報セキュリティ基本方針を策定し、以下の通り実施し推進しております。
①本基本方針は、当社グループが事業の中で取り扱う「情報資産」ならびにすべての役職員及び協力会社社員を対象とします。情報資産とは、当社グループが預託、保有、運用管理する情報、データ及び情報システム、ネットワーク、設備とします。
②情報セキュリティに関するリモートセンシングに関連する法令をはじめとする、規則、顧客および外部利害関係者と締結した契約等のセキュリティ要求事項を遵守します。
③情報を取り扱う上で事業に影響を及ぼすリスクを識別し、その発生の可能性や影響度を把握することで情報の適正な管理に努めるとともに、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)が経営に寄与することを確実なものとするために、情報セキュリティ目的を設定し、その達成に向けた活動を推進します。
④適用範囲内すべての役職員及び関係会社社員に対し、本方針の重要性と情報の適正な管理について啓発させます。
⑤ISO/IEC 27001(ISMSに関する国際規格)に準拠した情報セキュリティマネジメントシステムを確立した上で、推進体制を確立して運用し、運用状況を監督すると共に本システムを継続的に維持・改善します。
⑥情報セキュリティに関連する事故及び事件を予防し、事故及び事件が発生した場合は、内容の報告および必要に応じた緊急措置を迅速に対応し、原因分析の上で適切な再発防止策を講じます。
上記取組みの一つの実績として、国際標準であるISO/IEC 27001に関する認証審査、及び初回認証登録を2021年5月18日に完了いたしました(認証登録番号: IS 745935)。また、複雑化し変化の速いサイバーセキュリティ攻撃に対応するため、2021年3月に米国Space ISACに加入いたしました。Space ISACにて共有される、宇宙業界に関係する脆弱性、インシデント事例、脅威動向の情報を当社グループの情報セキュリティ対策に活用してまいります。
しかしながら、これら情報セキュリティ管理にも関わらず、当社グループが情報資産の情報セキュリティ侵害又はその他法令違反を起こした場合には、損害賠償責任又は刑罰を負う可能性があるほか、当社グループが社会的信用を喪失し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
①システム障害に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社グループで扱うシステムには、顧客へ提供しているクラウドベースサービス、当社グループ衛星運用のための地上システム、及び業務システムがあります。これらのシステムにおいて、ソフトウェアの不具合、人為的ミス、又はサプライヤーや災害等に起因するシステム障害が発生した場合、リスクに応じて予め計画していた冗長化やバックアップを用いた迅速な復旧を試みます。しかし、これら対応にも関わらず障害が深刻・長期化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②調達資金の使途について
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低
当社グループが計画している公募増資による調達資金については、主に事業の拡大に係る衛星の開発・製造及び関連する設備投資、人件費、研修採用費、研究開発費、業務委託費及び事業発展に伴うシステム利用料の運転資金に充当する予定であります。しかしながら、当社グループが属する業界においては変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性もあります。このような場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③財務制限条項に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:高
金融機関からの借入金には、コベナンツ(財務制限条項)が付されていることがあり、当社グループでは、財務制限条項に抵触しないよう、取締役会や経営会議において事業計画をモニタリングするとともに、財務制限条項に抵触する可能性のある取引の実行は、取締役会の事前の承認があることを条件としています。これらの対応策にもかかわらず、財務制限条項を遵守することができない場合、当社グループは期限の利益を失い、借入金の一部又は全額の返済を求められる可能性があります。
④ストック・オプションの行使による株主価値の希薄化について
発生可能性:高、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低
当社グループは、当社グループ従業員及び社外協力者に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。
⑤税務上の繰越欠損金についてのリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社は税務上の繰越欠損金を有しております。当社の業績が計画通りに推移することにより、期限内にこれら繰越欠損金の繰越控除を受けることが予想されます。しかしながら、繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合には、繰越控除が受けられなくなり、通常の税率に基づく法人税等が計上されることになり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥無配の実績を踏まえた配当政策についてのリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低
当社は、創業以来繰越利益剰余金がマイナスとなっており配当可能利益がなく、現在まで配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な課題として認識しております。しかしながら、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り将来の事業成長のための投資等に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、配当による利益還元を検討していきますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。
⑦ベンチャーキャピタル等の株式保有比率についてのリスクについて
発生可能性:高、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:中
当社の本書提出日現在における、当社発行済株式総数111,444,750株のうち、計53,934,750株は、株式公開時のロックアップ対象のベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合及びベンチャーキャピタル又は投資事業有限責任組合が株式事務を委託した代行機関、金融商品取引業者(以下「VC等」という。)が所有しており、VC等が保有する当社株式の割合は48.4%となっております。
2025年6月16日に株式公開時のロックアップが解除されるため、その後は所有する当社株式の一部又は全部を売却することが予想され、当社株価形成に影響を与える可能性があります。
⑧継続企業の前提に関する重要事象等について
発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:低
当社グループは、継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。
この主たる要因は、衛星データ事業において、衛星の製造及び打上げに伴う大規模な先行投資が必要であり、投資回収までに期間を要するためであります。
このような事象又は状況を解消すべく、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施しております。
また、当連結会計年度末において、14,239,861千円の現金及び預金を保有しており、当連結会計年度末から翌12ヶ月間の資金繰りを考慮した結果、当面の事業資金を確保していることから資金繰りに重要な懸念はありません。
以上により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E40216] S100VGCK)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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