有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TSHT (EDINETへの外部リンク)
日本高純度化学株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)
(1)研究開発活動の基本方針
当社の研究開発部門のミッションは、「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」の企業理念の下、独創的な製品をエレクトロニクス業界に提供することです。
エレクトロニクス業界は急速にグローバル化が進んでおり、これに対応するには、当社の研究開発業務を、ソフト技術、材料技術の両面より推進する必要があります。ソフト技術を駆使してグローバル化に対応しながら、一方では次世代の材料技術を長期的な視野で育成していくのが当社の研究開発の基本方針です。
ソフト技術とは、顧客の製品、要求性能、設備に合わせて最適なトータルプロセスを提案する技術です。対象となる電子デバイスは多様であり、顧客の設備も多様であるため、当社の既存のめっき薬品使用条件だけでなく前工程、後工程との組み合わせで顧客に最適なトータルプロセスを提案することが要求されます。
一方、材料技術とは、既存の薬品では対応できないような課題を解決するための新しい薬品を開発する業務です。新規化合物を発見しないと問題が解決されないような製品には、新規化合物の環境試験も行わねばならず、開発から製品化までには数年の検討期間が必要になることもあり、長期間にわたる計画が必要です。
なお、当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。
(2)研究開発活動の主要課題
当社は、会社設立以来、エレクトロニクス業界を最大のターゲットとして貴金属めっき薬品を提供してまいりました。近年、めっき液の低金濃度化やめっき皮膜の薄膜化による金使用量を削減(省金化)した仕様が浸透しつつあり、めっき皮膜物性を維持しつつ、このような仕様に対応することが主要課題となっております。
そのような状況の中でも業界に先駆けてFC-BGA(Flip-Chip Ball Grid Array)パッケージ用無電解金めっき薬品のシアンフリー化を達成しており、技術課題の解決と環境配慮志向の両面で新たな価値を提供しています。
さらに、省金化に伴う貴金属めっき薬品の販売量低下を補うべく、これまでに集積した貴金属めっき技術を、エレクトロニクス業界以外へ展開すること、貴金属以外のめっき技術へ応用することも課題として取り組んでおります。
その一つが電池材料への展開です。電気自動車や再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、従来よりも安価で軽量かつ長寿命な電池が求められています。電池の充放電反応は、めっきと同じ酸化還元反応(Redox反応)を利用しています。当社はめっき薬品開発で培ったRedox制御技術で電池材料の課題解決にも貢献すべく、新たな技術開発に着手しています。
このような新たな技術開発を推進するためには、従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となるため、当社の数倍の技術陣容を有する競合めっき薬品メーカーにも対抗できるユニークな発想を持つ技術陣の育成が必要となります。引き続き、新分野に積極的にチャレンジする人材、資質の高い人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発を効率的に実施していくため、最適な外部連携を図ってまいります。
具体的には以下の課題に取り組んでまいります。
① 環境問題対応
・有害物質(シアン、鉛)不使用のめっき技術
・穀物由来原料の削減
・めっき廃液の削減
② 新規要求に対するデバイス対応
・5G対応のめっき技術
・高密度実装技術対応のめっき技術
・自動車電装化対応めっき技術
③ 新しい事業領域の創出
・電解液・電極など電池材料向けの技術開発
④ 効率化
・実験データの利活用
・メカニズムの可視化
(3)研究開発の成果
当期の研究開発の成果は次のとおりであります。
① 5G対応ニッケル不使用めっき技術(DIG、EPIG)
一般的に厚付けで施されるNiめっき皮膜を使用せず、電子回路の細線化に貢献できる最終表面処理プロセスとして期待されております。今期は複数顧客で評価が進展し、プロセス全体の最適化と製品化に向けた準備を進めております。2023年10月に台湾で開催されたIMPACT 2023カンファレンスにて、当社ニッケル不使用めっき技術に関して講演を行いました。
② 高密度パッケージ用無電解金めっき技術
最先端高密度半導体パッケージ基板用の環境配慮型のシアンフリータイプ無電解金めっき液は、顧客で量産稼働中です。更なる性能向上に向けた改良も進めております。
③ 半導体配線用金めっき技術
最先端半導体用のシアンフリー電解金めっき液について、顧客評価が進行中です。
④電池材料
2024年3月に開催された第16回国際二次電池展に出展し、次世代電池向けの電解液や金属ナノ材料に関する研究開発成果を発表致しました。サンプルワークに向けての準備を進め、既に一部のサンプルワークを開始しております。
⑤めっき廃液の削減
廃液量の削減に貢献できる技術として、スタンプ式電解金めっき薬品を開発しました。この技術は、対象物に必要な部分だけにめっき液を適用することで、従来の浸漬式めっき処理に比べて廃液量の削減が期待できます。現在、この技術を活用したサンプルワークの準備を進めております。
(4)研究開発費
第53期(2024年3月期)における、研究開発費の総額は342,537千円であります。
当社の研究開発部門のミッションは、「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」の企業理念の下、独創的な製品をエレクトロニクス業界に提供することです。
エレクトロニクス業界は急速にグローバル化が進んでおり、これに対応するには、当社の研究開発業務を、ソフト技術、材料技術の両面より推進する必要があります。ソフト技術を駆使してグローバル化に対応しながら、一方では次世代の材料技術を長期的な視野で育成していくのが当社の研究開発の基本方針です。
ソフト技術とは、顧客の製品、要求性能、設備に合わせて最適なトータルプロセスを提案する技術です。対象となる電子デバイスは多様であり、顧客の設備も多様であるため、当社の既存のめっき薬品使用条件だけでなく前工程、後工程との組み合わせで顧客に最適なトータルプロセスを提案することが要求されます。
一方、材料技術とは、既存の薬品では対応できないような課題を解決するための新しい薬品を開発する業務です。新規化合物を発見しないと問題が解決されないような製品には、新規化合物の環境試験も行わねばならず、開発から製品化までには数年の検討期間が必要になることもあり、長期間にわたる計画が必要です。
なお、当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。
(2)研究開発活動の主要課題
当社は、会社設立以来、エレクトロニクス業界を最大のターゲットとして貴金属めっき薬品を提供してまいりました。近年、めっき液の低金濃度化やめっき皮膜の薄膜化による金使用量を削減(省金化)した仕様が浸透しつつあり、めっき皮膜物性を維持しつつ、このような仕様に対応することが主要課題となっております。
そのような状況の中でも業界に先駆けてFC-BGA(Flip-Chip Ball Grid Array)パッケージ用無電解金めっき薬品のシアンフリー化を達成しており、技術課題の解決と環境配慮志向の両面で新たな価値を提供しています。
さらに、省金化に伴う貴金属めっき薬品の販売量低下を補うべく、これまでに集積した貴金属めっき技術を、エレクトロニクス業界以外へ展開すること、貴金属以外のめっき技術へ応用することも課題として取り組んでおります。
その一つが電池材料への展開です。電気自動車や再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、従来よりも安価で軽量かつ長寿命な電池が求められています。電池の充放電反応は、めっきと同じ酸化還元反応(Redox反応)を利用しています。当社はめっき薬品開発で培ったRedox制御技術で電池材料の課題解決にも貢献すべく、新たな技術開発に着手しています。
このような新たな技術開発を推進するためには、従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となるため、当社の数倍の技術陣容を有する競合めっき薬品メーカーにも対抗できるユニークな発想を持つ技術陣の育成が必要となります。引き続き、新分野に積極的にチャレンジする人材、資質の高い人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発を効率的に実施していくため、最適な外部連携を図ってまいります。
具体的には以下の課題に取り組んでまいります。
① 環境問題対応
・有害物質(シアン、鉛)不使用のめっき技術
・穀物由来原料の削減
・めっき廃液の削減
② 新規要求に対するデバイス対応
・5G対応のめっき技術
・高密度実装技術対応のめっき技術
・自動車電装化対応めっき技術
③ 新しい事業領域の創出
・電解液・電極など電池材料向けの技術開発
④ 効率化
・実験データの利活用
・メカニズムの可視化
(3)研究開発の成果
当期の研究開発の成果は次のとおりであります。
① 5G対応ニッケル不使用めっき技術(DIG、EPIG)
一般的に厚付けで施されるNiめっき皮膜を使用せず、電子回路の細線化に貢献できる最終表面処理プロセスとして期待されております。今期は複数顧客で評価が進展し、プロセス全体の最適化と製品化に向けた準備を進めております。2023年10月に台湾で開催されたIMPACT 2023カンファレンスにて、当社ニッケル不使用めっき技術に関して講演を行いました。
② 高密度パッケージ用無電解金めっき技術
最先端高密度半導体パッケージ基板用の環境配慮型のシアンフリータイプ無電解金めっき液は、顧客で量産稼働中です。更なる性能向上に向けた改良も進めております。
③ 半導体配線用金めっき技術
最先端半導体用のシアンフリー電解金めっき液について、顧客評価が進行中です。
④電池材料
2024年3月に開催された第16回国際二次電池展に出展し、次世代電池向けの電解液や金属ナノ材料に関する研究開発成果を発表致しました。サンプルワークに向けての準備を進め、既に一部のサンプルワークを開始しております。
⑤めっき廃液の削減
廃液量の削減に貢献できる技術として、スタンプ式電解金めっき薬品を開発しました。この技術は、対象物に必要な部分だけにめっき液を適用することで、従来の浸漬式めっき処理に比べて廃液量の削減が期待できます。現在、この技術を活用したサンプルワークの準備を進めております。
(4)研究開発費
第53期(2024年3月期)における、研究開発費の総額は342,537千円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01060] S100TSHT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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