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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VGWO (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 横浜ゴム株式会社 研究開発活動 (2024年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、19,800百万円であります。

当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。また、機械学習(AI)を活用した開発の高度化や効率化にも積極的に取り組んでいます。
研究先行開発本部の研究開発費の金額は、878百万円であります。

・ゴム材料の電子顕微鏡画像を明瞭化する新たな画像処理手法を開発
ゴム材料の内部におけるナノスケール構造を鮮明に可視化する、新たな画像処理手法を開発しました。本手法により、網目状の分子ネットワーク構造を明瞭に捉え、さらに内部構造に関わる因子を数値化することに成功しました。
本研究では、ゴムの内部構造を撮影した電子顕微鏡画像に対して、ゴム分子がネットワーク状に凝集する領域のみを強調する画像処理手法を開発しました。ゴム材料に関する知見と数理的手法を組み合わせた新たな画像処理技術により、ノイズが多く輪郭が不明瞭な電子顕微鏡画像からでも、ゴム内部のネットワーク構造をナノスケールで明瞭に捉えることができます。従来、電子顕微鏡画像からゴムの内部構造を解析するには、解析対象のネットワーク領域を手動で設定する必要がありましたが、本手法では自動で算出できるため、恣意性を排除しつつ、多数のサンプルを同時に解析することが可能となりました。本手法を用いて各サンプルにデータ処理を施し、ゴムの物性に関わる因子となるネットワークの長さを算出したところ、実験値と高い相関を示し、本手法の妥当性が確認できました。
本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST 課題名「反応リマスターによるエコ材料開発のフロンティア共創(JPMJCR2235)」の一環として実施されました。また本研究は、筑波大学と横浜ゴム株式会社との共同研究契約に基づいて行われました。

セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(1)タイヤ
既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、「YX2026」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、17,089百万円であります。

1)人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab」の研究開発で日本ゴム協会賞を受賞
人とAIとの協奏“によるデータ活用「HAICoLab※(ハイコラボ)」の研究開発において一般社団法人日本ゴム協会の「第36回日本ゴム協会賞」を受賞しました。
「日本ゴム協会賞」はゴムおよびその周辺領域における科学・技術またはその産業分野の発展に寄与し、その業績が極めて顕著なゴム協会会員に授与されるものです。授与数は毎年2件以内で、基準を満たす技術者がいない場合は授与されません。今回は横浜ゴムの小石正隆による研究開発1件が受賞しました。
今回受賞した「HAICoLab」は横浜ゴムが2020年10月に策定した、「人間特有のひらめき」や「発想力」と「AIが得意とする膨大なデータ処理能力」との協奏によって新たな発見を促しデジタル革新を目指すAI利活用フレームワークです。
※Humans and AI collaborate for digital innovationをもとにした造語

2)XAIを活用したタイヤ設計支援システムを独自開発
2024年7月、XAI(eXplainable AI=説明可能なAI)※を活用したタイヤの設計支援システムを独自に開発しました。これにより、技術者の知識や経験を補う情報(求めるタイヤ特性に役立つ特徴量)が得られるため、経験の浅い技術者でもタイヤ設計が容易になり、開発のスピードアップやコスト削減が可能となります。さらに、特徴量を俯瞰することで新たな気づきやひらめきが得られ、より高性能な商品の開発が期待できます。
本システムは、技術者が設定したタイヤの基準仕様と目標特性値から改善すべき特性(目的特性)と定量値を定め、その目的特性の改善に役立つ特徴量をXAIで提示します。技術者はXAIで得られた情報(求めるタイヤ特性に役立つ特徴量)を多角的な視点で解釈して仕様を修正し、横浜ゴムが2021年に開発した特性値予測AIを使って各特性値が目標を達成しているかを確認します。このプロセスを繰り返すことで最終仕様を決定し、さらにXAIによって最終仕様の根拠(各特性値の改善や維持に役立った設計因子(特徴量)とその寄与率)も確認できます。このように“人とAIとの協奏”によって新たな発見やひらめきを得ることができ、より高性能な商品開発に繋げることが期待できます。
※ブラックボックスとなっているAIの判断基準やルールをユーザーが推測するための技術

3)㈱T2が実施するレベル4自動運転トラック幹線輸送の公道実証実験に参画
2024年11月から2026年3月までを実証実験期間として、自動運転トラックの開発などを行う㈱T2が実施するレベル4自動運転※トラックによる幹線輸送の公道実証実験に参画し、タイヤ検証を行います。車両には来春発売予定のトラック・バス用タイヤの新商品を装着し、自動運転トラック向けタイヤに求められる性能などを検証します。また、今後は自動運転トラック向けのタイヤソリューションサービスについても実用化を進めます。実証実験は関東~関西間の高速道路上の一部で実施します。
レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスは限定領域においてドライバーがいない状態での運行が可能となるため、物流の2024年問題の解決に貢献するだけでなく、人間以上に安全な運転、高回転・高頻度物流による物流効率の向上、安定走行による燃費の改善など社会・環境に優しく、持続可能な物流の実現が期待できます。㈱T2では2027年にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送事業の実現を目指しています。
※特定の走行環境条件を満たす限定された領域において自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態


革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく活動をしております。

1)各種展示会への出展
世界最大級の屋外農業機械展示イベントであるWorld Ag Expo(ワールド アグ エクスポ)やOff-The-Road Tire Conference(オフ・ザー・ロード タイヤ コンファレンス)、米国北東部最大級の林業製品産業見本市であるThe Loggers’ Expo(ザー ロガーズ エクスポ)、イタリアで行われる国際農機展EIMA International 2024(イーアイエムエー インターナショナル)等への出展や各種プレスイベントの企画、開催等を通じて、製品およびサービスを理解していただく場を設けました。

2)新商品の発売
多くの商品を市場に投入し販売拡大に努めており、ALLIANCEブランドやGalaxyブランドの新商品発売・サイズラインナップ拡充を行いました。

(2)MB
「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,634百万円であります。

1)セル型およびコーン型ソリッド防舷材を新発売、総合的な製品ポートフォリオ構築へ
2024年4月より、港湾の係留施設に設置されるソリッド防舷材として、セル型防舷材とコーン型防舷材を製品のラインアップに加えました。2023年7月に発売したベーシックモデルであるV型ソリッド防舷材に続いて、より高性能な2商品を発売することで幅広いユーザーニーズに応えるラインアップが完成しました。今後は現在販売しているトップエンドモデルの空気式防舷材「ABF-P」と合わせてオンショア(岸壁)市場全体をカバーする総合的な製品ポートフォリオを活かし、シェアをさらに拡大していきます。
防舷材は船体と岸壁を接岸や接舷の衝撃から保護する緩衝材で、港湾の係留施設では岸壁と船、洋上の荷役では船体の間に設置されます。空気式は内包した空気弾性、ソリッド式はゴム弾性により衝撃を吸収します。今回販売するミドルモデルのセル型防舷材は耐久性に優れる円柱形状の防舷材で、ハイエンドモデルのコーン型防舷材は衝撃のエネルギー吸収効率をより高めた円錐台形状の防舷材です。いずれも船体の荷重を受け止める受衝板を備えており、小型船から大型の客船や貨物船、タンカーまで幅広く使用されます。販売にあたり、一般財団法人港湾空港総合技術センター(SCOPE)の認証を取得しています。

2)コンベヤベルト向けのセンシング技術を確立
2027年中のサービス提供を目指して、稼働中のコンベヤベルトをリアルタイムで遠隔監視し、異常を検知するセンシング技術を確立しました。今後はセンシング技術で検知したデータに基づいてコンベヤベルトの最適な運用管理を提案する総合ソリューションサービスの構築を進めます。
センシング技術を活用した総合ソリューションサービスをご利用いただくことで、潜在的なリスクを検知して事故を未然に防ぐなど安全性を向上させるほか、保全コストの削減といった経済性にも貢献します。また、点検作業の負担軽減やメンテナンスの省力化により作業現場の課題となっている人手不足にも対応します。さらに、当社の専門スタッフによる運用管理により、適切な点検頻度や交換サイクル、製品仕様の最適化などユーザーごとに異なる使用環境や要望に合った最適な提案を実現します。当社の総合ソリューションサービスをご利用いただき最適な運用管理を実現することは製品の長寿命化にも寄与し、製造時のCO2排出量や原材料の削減など環境課題への貢献も期待できます。


上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 198百万円あります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01085] S100VGWO)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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