株式会社コロプラ 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2014年9月期)

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

当事業年度末の総資産は48,012,575千円(前事業年度末比34,249,698千円増)となりました。主な要因としましては、現金及び預金の増加(同27,266,961千円増)、売掛金の増加(同4,747,254千円増)などが挙げられます。
(流動資産)
当事業年度末の流動資産は45,346,492千円(前事業年度末比32,638,737千円増)となりました。主な要因は、公募発行増資を実施したこと等による現金及び預金の増加(同27,266,961千円増)、売上高の増加に伴う売掛金の増加(同4,747,254千円増)であります。

(固定資産)
当事業年度末の固定資産は2,666,082千円(前事業年度末比1,610,961千円増)となりました。主な要因は、資金決済に関する法律に基づく供託やオフィス移転のための敷金及び保証金の増加(同734,942千円増)、オフィス移転を実施したことに伴う建物(純額)の増加(同329,712千円増)、投資有価証券の取得による増加(同300,947千円増)であります。

(流動負債)
当事業年度末の流動負債は17,498,262千円(前事業年度末比11,689,790千円増)となりました。主な要因は、プラットフォーム使用料や広告宣伝費等の増加による未払金の増加(同2,326,470千円増)、売上高増加に伴う課税所得増加による未払法人税等の増加(同7,249,341千円増)であります。

(固定負債)
当事業年度末の固定負債は229,788千円(前事業年度末比151,927千円増)となりました。主な要因は、オフィス移転を実施したことに伴う資産除去債務の増加(同151,927千円増)であります。

(純資産)
当事業年度末の純資産は30,284,524千円(前事業年度末比22,407,980千円増)となりました。主な要因は、公募発行増資を実施したこと等による資本金の増加(同4,691,417千円増)及び資本剰余金の増加(同4,691,417千円増)、当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加(同13,024,690千円増)であります。

(3)経営成績の分析

(売上高)
当事業年度の売上高は、53,575,065千円(前事業年度比219.5%増)となりました。
これは、既存オンラインアプリ「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」や「軍勢RPG 蒼の三国志」等のコンテンツが持続的な成長を続け売上伸長に貢献したことに加え、当事業年度に新たにリリースした「スリングショットブレイブズ」や「ほしの島のにゃんこ」、「白猫プロジェクト」等の新規コンテンツも好評だったこと等により売上が増加したためであります。

(売上原価)
当事業年度の売上原価は、新規コンテンツの開発・運営に係る労務費の増加、サーバ強化の設備投資に伴う賃借料及び減価償却費の増加により、22,160,365千円(前事業年度比160.0%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴う回収代行手数料の増加、広告宣伝費の増加、従業員増員に伴う労務費の増加等により、7,811,016千円(前事業年度比212.4%増)となりました。

(営業外損益)
当事業年度の営業外収益は10,291千円(前事業年度比82.3%減)となりました。主な内訳は、受取利息4,189千円、為替差益5,205千円等であります。
当事業年度の営業外費用は57,575千円(前事業年度比275.2%増)となりました。主な内訳は、公募発行増資実施のための株式公開費用21,011千円、株式交付費36,563千円であります。

これらの結果を受け、当事業年度の営業利益は23,603,683千円(前事業年度比310.9%増)、経常利益は23,556,399千円(前事業年度比307.0%増)、当期純利益は13,024,690千円(前事業年度比312.6%増)となりました。

(4)キャッシュ・フローの状況

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の成長速度、他社との競争力、技術革新への対応度合い、コンテンツの健全性の確保、ネットワーク災害、コンプライアンスと内部管理体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、優秀な人材の採用、新規事業の開拓、魅力あるコンテンツの開発、有力企業との提携、コンテンツの海外への展開、セキュリティ対策等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営者は、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのために、当社の知名度の向上と新規ユーザーの獲得、コンテンツの拡充、サービスの安全性と健全性の確保、システムの安定的な稼働、組織体制の整備、新技術への対応、海外事業拡大への対応を行ってまいります。

(7)経営戦略の現状と見通し

当社は、3つの世界一を達成するため、中長期的戦略として以下の事項に取り組んでまいります。
・スマートフォンゲーム世界ナンバーワン
開発体制を更に強化し、良質なゲームをユーザーに提供し続けるよう取り組みます。また日本のみならず海外についてもユーザー利用の拡大を目指してまいります。
・リアル連携世界ナンバーワン
当社はO2Oビジネスに創業年度から着手しており、O2Oの先駆者としての自負をもっております。今後、コロカ・鉄道などのリアル連携モデルの拡大に取り組むとともに、よりユーザーのおでかけを促進することができるよう努めてまいります。
・位置情報世界ナンバーワン
当社の位置情報活用サービスでは、スマートフォンやフィーチャーフォンを通じて取得・蓄積された位置情報等を調査・分析し、観光動態調査レポートとして自治体や観光協会等に有償にて提供しております。今後は、当データの社会的価値を認識してもらうことに努めるとともに、地域経済活性化への貢献を目的に、商業施設などのエリアマーケティングを支援する商圏分析レポートの提供を行ってまいります。