有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W4RS (EDINETへの外部リンク)
株式会社有沢製作所 研究開発活動 (2025年3月期)
当社グループの主な研究開発は、提出会社と連結子会社の新揚科技股份有限公司、㈱サトーセン、Protec Arisawa Europe, S.A.、Protec Arisawa America, Inc.、カラーリンク・ジャパン㈱が行い、他の連結子会社へ技術展開を図っております。
研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。
電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用ガラスクロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。
当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は177名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,366百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)電子材料分野
・モバイル用FPC材料
当社は、環境対応としてカーボンニュートラルや省エネルギー化の活動を精力的に推し進めており、当社グループ内において大きな成果が出ています。更に脱炭素社会の実現のために、当社は顧客の加工エネルギーを削減できる製品開発を実施しています。近年、顧客でのプレス加工において、エネルギー消費が大きい長時間加圧加温する多段プレス方式から、シート毎に短時間で加圧しアフターベークするクイックプレス方式が主流となっています。当社は、独自の配合技術を駆使しこのクイックプレス時間を従来比50%に削減できるカバーレイを開発し、顧客の生産効率を格段に向上させることに成功しました。現在は更なる省エネルギー化の為にアフターベーク不要となる短時間硬化カバーレイの開発を鋭意研究しております。
・車載用FPC材料
近年、自動車のEV化に伴い、電子部品の軽量化や小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。この中で車載FPCには、高温に長時間さらされても特性の低下が無い耐熱材料が求められます。回路を保護するカバーレイは、この要求を満たすことがこれまで困難でしたが、独自の樹脂設計による接着剤の耐熱性向上と、特殊処理フィルムを組み合わせることによって、150℃という高温での長期耐熱性が発現することを見出し、製品化に成功しました。現在は、さらに超高温となる200℃の長期耐熱性を持つカバーレイの開発を鋭意進めております。
・実験用小型塗工機の機能向上
オープンイノベーション推進のために2023年8月より導入した実験用小型塗工機を用いて、すでに様々な分野の顧客との共同開発プロジェクトが開始されています。これまで、この塗工機には1種類のコーターヘッドのみ設置されていましたが、この度、2種のコーターヘッドを追加設置しました。これにより塗布する樹脂の性状や塗布厚さに応じてコーターヘッドを選択することができるようになり、従来よりも広範囲な条件での塗工が可能となりました。
また、2025年9月にはイノベーションセンターが開設します。実験室レベルでの検討から、実験塗工機を活用した試作、さらには量産化まで、オープンイノベーションを推進する環境が整います。多くの顧客との協業を深化し、世の中の役に立つ新製品を開発します。
電子材料に係る研究開発費は1,409百万円であります。
(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野
・航空機内装材用 環境配慮型プリプレグおよびハニカムパネル
従来、航空機内装材用ハニカムパネルは、スキン層に用いるプリプレグに難燃性能を確保するため、ハロゲン系化合物やアンチモン化合物を使用することが一般的でした。しかし近年、環境負荷物質の低減や有害物質の管理、規制など国際的な要請が高まりつつあり、これらの化合物を使用しない樹脂設計が望まれています。
こうした市場環境の変化から、当社では航空機分野における将来的な環境規制の強化を見据え、環境配慮型のハロゲンフリー、アンチモンフリー仕様の航空機内装材用プリプレグおよびハニカムパネルを開発しました。当該製品は、従来品と同等以上の難燃性および機械特性を有しており、既に顧客へのサンプルワークを開始しております。
・燃料電池用発電セル材料
環境に優しい発電技術として注目されている燃料電池は、水素と酸素の化学反応によって電気を生み出す装置です。燃焼を伴わないため、二酸化炭素をほとんど排出しないクリーンな発電方式です。この電池はセルと呼ばれる発電部位が幾層にも重なった構造をしています。そして、このセル同士はセパレーターと呼ばれる部材で隔たれており、水素と酸素を供給する溝が形成されています。従来、このセパレーターには金属板を使用していましたが、軽量化やコストダウンを目的に導電性を持った樹脂材料への代替が検討されています。当社はこの樹脂製セパレーターの開発を進めており、顧客各社での評価が進んでおります。定置型発電機や車載用電池への採用が期待されます。
産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は615百万円であります。
(3)ディスプレイ材料分野
・医療用3Dディスプレイ
当社の光学素子「Xpol®」を搭載する3Dディスプレイは、近年の高精細な4Kディスプレイ化により、医療分野において採用が活発に進んでおります。内視鏡手術用として主流である32インチモデルに加え、顕微鏡手術に対応する大型サイズへのニーズに応えるべく、55インチサイズまでの4K-3Dディスプレイを開発し、サンプルワークを開始しました。今後は、高速通信インフラの整備や医療用周辺機器の性能向上に伴い、医療分野では更にOLEDや8K対応などの高コントラスト化や高解像度化の需要が見込まれることから、当社では設計・加工技術の高度化に取り組んでまいります。
ディスプレイ材料に係る研究開発費は284百万円であります。
研究開発は、技術開発企業として、多様化、高度化するユーザーニーズに応えるべく、フレキシブルな組織体制を基本とし、電子材料分野、産業用構造材料分野、電気絶縁材料分野及びディスプレイ材料分野を中心に、新製品の立上げ、次世代製品の育成及び将来を見据えた技術の振興と基盤技術の拡大を目指し新技術、新製品の研究開発に邁進しております。
電子材料としては、FPC(フレキシブルプリント配線板)用材料、プリント配線板用ガラスクロス、特殊プリント配線板用プリプレグ等が、産業用構造材料としては、車載用材料、水処理関連材料、航空機内装用材料が、電気絶縁材料としては、電気絶縁用プリプレグ、各種成形品等が、ディスプレイ材料としては、3Dフィルター、光学成形品等があげられます。
当連結会計年度末の研究開発活動に係る人員は177名であり、当連結会計年度の研究開発費は2,366百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)電子材料分野
・モバイル用FPC材料
当社は、環境対応としてカーボンニュートラルや省エネルギー化の活動を精力的に推し進めており、当社グループ内において大きな成果が出ています。更に脱炭素社会の実現のために、当社は顧客の加工エネルギーを削減できる製品開発を実施しています。近年、顧客でのプレス加工において、エネルギー消費が大きい長時間加圧加温する多段プレス方式から、シート毎に短時間で加圧しアフターベークするクイックプレス方式が主流となっています。当社は、独自の配合技術を駆使しこのクイックプレス時間を従来比50%に削減できるカバーレイを開発し、顧客の生産効率を格段に向上させることに成功しました。現在は更なる省エネルギー化の為にアフターベーク不要となる短時間硬化カバーレイの開発を鋭意研究しております。
・車載用FPC材料
近年、自動車のEV化に伴い、電子部品の軽量化や小型化を目的としたFPC材料の採用検討が進んでおります。この中で車載FPCには、高温に長時間さらされても特性の低下が無い耐熱材料が求められます。回路を保護するカバーレイは、この要求を満たすことがこれまで困難でしたが、独自の樹脂設計による接着剤の耐熱性向上と、特殊処理フィルムを組み合わせることによって、150℃という高温での長期耐熱性が発現することを見出し、製品化に成功しました。現在は、さらに超高温となる200℃の長期耐熱性を持つカバーレイの開発を鋭意進めております。
・実験用小型塗工機の機能向上
オープンイノベーション推進のために2023年8月より導入した実験用小型塗工機を用いて、すでに様々な分野の顧客との共同開発プロジェクトが開始されています。これまで、この塗工機には1種類のコーターヘッドのみ設置されていましたが、この度、2種のコーターヘッドを追加設置しました。これにより塗布する樹脂の性状や塗布厚さに応じてコーターヘッドを選択することができるようになり、従来よりも広範囲な条件での塗工が可能となりました。
また、2025年9月にはイノベーションセンターが開設します。実験室レベルでの検討から、実験塗工機を活用した試作、さらには量産化まで、オープンイノベーションを推進する環境が整います。多くの顧客との協業を深化し、世の中の役に立つ新製品を開発します。
電子材料に係る研究開発費は1,409百万円であります。
(2)産業用構造材料・電気絶縁材料分野
・航空機内装材用 環境配慮型プリプレグおよびハニカムパネル
従来、航空機内装材用ハニカムパネルは、スキン層に用いるプリプレグに難燃性能を確保するため、ハロゲン系化合物やアンチモン化合物を使用することが一般的でした。しかし近年、環境負荷物質の低減や有害物質の管理、規制など国際的な要請が高まりつつあり、これらの化合物を使用しない樹脂設計が望まれています。
こうした市場環境の変化から、当社では航空機分野における将来的な環境規制の強化を見据え、環境配慮型のハロゲンフリー、アンチモンフリー仕様の航空機内装材用プリプレグおよびハニカムパネルを開発しました。当該製品は、従来品と同等以上の難燃性および機械特性を有しており、既に顧客へのサンプルワークを開始しております。
・燃料電池用発電セル材料
環境に優しい発電技術として注目されている燃料電池は、水素と酸素の化学反応によって電気を生み出す装置です。燃焼を伴わないため、二酸化炭素をほとんど排出しないクリーンな発電方式です。この電池はセルと呼ばれる発電部位が幾層にも重なった構造をしています。そして、このセル同士はセパレーターと呼ばれる部材で隔たれており、水素と酸素を供給する溝が形成されています。従来、このセパレーターには金属板を使用していましたが、軽量化やコストダウンを目的に導電性を持った樹脂材料への代替が検討されています。当社はこの樹脂製セパレーターの開発を進めており、顧客各社での評価が進んでおります。定置型発電機や車載用電池への採用が期待されます。
産業用構造材料及び電気絶縁材料に係る研究開発費は615百万円であります。
(3)ディスプレイ材料分野
・医療用3Dディスプレイ
当社の光学素子「Xpol®」を搭載する3Dディスプレイは、近年の高精細な4Kディスプレイ化により、医療分野において採用が活発に進んでおります。内視鏡手術用として主流である32インチモデルに加え、顕微鏡手術に対応する大型サイズへのニーズに応えるべく、55インチサイズまでの4K-3Dディスプレイを開発し、サンプルワークを開始しました。今後は、高速通信インフラの整備や医療用周辺機器の性能向上に伴い、医療分野では更にOLEDや8K対応などの高コントラスト化や高解像度化の需要が見込まれることから、当社では設計・加工技術の高度化に取り組んでまいります。
ディスプレイ材料に係る研究開発費は284百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01152] S100W4RS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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