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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TO87 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 中外炉工業株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、熱技術を核として、カーボンニュートラル、高機能材料、資源循環(ゼロエミッション)などの社会的要請を的確に捉え、新しい価値を創造し、社会に貢献することを企業理念として、熱処理事業、プラント事業、開発事業の3分野において研究開発を行っております。
当社を取り巻く外部環境の変化や多様化は著しく、その潮流は今後、ますます激化することが予想されます。その潮流に迅速に対応し、顧客の満足する技術、商品を創出すべく、開発のスピードアップと実行力の強化を図ることを目的として発足した「商品開発部」は、79期より社長直轄の開発専任組織として活動しています。商品開発部では新しい価値を探索・創造するイノベーション活動と、それらを実証し、商品化し、社会へ実装していくことで、当社のビジネスに繋げるインキュベーション活動を中長期的な視点も含めた次代の当社の柱商品を創出する開発活動として展開しております。
また、2023年11月には水素やアンモニアといった非化石燃料の燃焼実験が可能な試験設備や、車載電池、半導体部材向けの新型熱処理試験設備を設置した熱技術創造センターを開設し、堺事業所内に研究開発拠点を統合しました。この統合によって最新鋭設備による研究開発力の強化、社内外での開発共創を活性化し、「新しい価値の創造」を活発かつ迅速に行う開発型企業へと変革を遂げ、カーボンニュートラルをはじめとする持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,139百万円であります。なお、研究開発は各事業部門が連携して行っているため、総額のみ記載しております。各分野での研究開発のトピックスを下記に記載します。

(1) 熱処理事業
CO2を排出しない電気自動車や燃料電池車向けの高機能材料・機能部品事業領域分野だけでなく、次世代の二次電池として期待される全固体電池向けの製造装置についても開発を進めており、開発段階~連続処理装置のプロセス提案に向けて継続して取り組んでおります。
また、2005年度の大気汚染防止法改訂以降、国内での揮発性有機化合物処理設備は普及されましたが、排出規制強化に取組んでいる国もあることから、現地のニーズに応えるために高効率蓄熱排ガス処理装置向けの濃縮装置の開発に取り組んでおります。
(2) プラント事業
加熱炉のCO2排出量削減や省エネだけでなく高品質を目的として、炉内温度分布の改善のみならず圧延機の効率改善につながる鋼材の傾斜加熱など、炉内温度を自在に制御することを目的として、拡散燃焼方式で燃焼するリジェネバーナに火炎長可変機構を設けたバーナ及び制御システムの開発に取り組んでおります。
更には、火炎を利用した高温加熱による粉体の球状化試験にも継続して取り組んでおり、国内、アジアを中心に成長著しい機能材料分野での製造プロセス開発および用途拡大を図っております。
また、2016年から取り組んでいる水素燃焼技術においては、汎用的なHSGBバーナに加え間接加熱型のラジアントチューブ式水素バーナ、自動車塗装乾燥炉用水素バーナ、パッケージ型水素バーナなど水素バーナのラインナップ拡充に向けた開発を行っております。
そして、熱技術創造センター内に設置している実体実演炉は、水素燃焼による炉内雰囲気の製品に及ぼす影響を評価することができるだけでなく、水素燃焼に関心を寄せられているお客様に実際の燃焼状況を御覧いただくことが可能であり、開所後4カ月で75社の御客様にご見学いただいている状況です。
(3) 開発事業
・カーボンニュートラル
日本の産業のCO2排出量の約3割は製造業によるもので、特に金属を加熱する熱プロセスに用いられる工業炉が大きな割合を占めていることから、製造分野における熱プロセスのカーボンニュートラル化が急務となっています。中でも工業炉は燃焼炉と電気炉の2種類があり、燃焼炉ではCO2を排出しないアンモニアや水素などの代替燃料の利用における課題に対する技術が必要となっています。一方、電気炉は CO2 を排出しない利点がありますが、燃焼炉から電気炉への転換の際は特別高圧電力契約や受電設備設置の課題があり、燃焼炉の選択肢も確立しておくとともに、電気炉の小型化・省エネルギー化などを進めることが重要となります。 このような背景の下、経済産業省が策定した研究開発・社会実装計画に基づき NEDO において公募された「製造分野における熱プロセスの脱炭素化」プロジェクトについて、当社が加入する1独法、12の国立大学法人、1大学法人、19の企業から構成されるコンソーシアム「脱炭素産業熱システム技術研究組合」が実施先として採択されました。これにより、組合員である各大学、当社設備ユーザと連携・協力することで、中規模実証試験・評価ステージに向けた技術開発テーマを円滑に進めてまいります。
・精密塗工装置
人工知能(AI)やビッグデータ、5G、6Gといった高速、大容量の通信技術に必要となる、半導体基盤材料および電池関連や携帯端末の製造プロセス用設備に対する商品開発にも継続して取り組んでおり、当社技術の用途拡大を目指しております。
特に次世代電池や車載用2次電池業界については、角型、円形その他異形状の塗布ニーズの拡大に対して、精密な塗布精度要求を満足するだけでなく、塗工プロセスで発生していた廃棄塗料を格段に減らすことが可能で、廃棄塗料の洗浄に必要となる洗浄水を大幅削減できるサステナブルな塗工装置「RSコータTM」の販売を推進すると共に、更なる市場ニーズにお応えできるように開発を推進しております。
・ゼロエミッション
近年、PFOSやPFOAといった有機フッ素化合物(PFAS)を含有する環境水や汚染土壌に注目が集まっています。当社は株式会社鴻池組殿と共同で、環境省が2022年9月に策定した「PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」を満たし、従来の処理方法よりも環境負荷を低減させた分解処理方法として、粉末状の活性炭に有機フッ素化合物を吸着させて、水素燃焼式過熱水蒸気発生技術を用いたPFASの熱分解処理技術の共同開発を推進しております。
また、資源循環の観点からは、鉄鋼電炉から排出される製鋼ダストのリサイクルにおいては、有価物の回収といった資源循環や工場外への廃棄物排出の削減(ゼロエミッション)の観点からも関心が高まっており、電炉ダストリサイクル設備の技術開発に取り組んでいます。そして、廃プラスチック処理業界からは、2022年のプラスチック資源循環促進法の施行により資源リサイクル率の向上に向けた技術開発が求められており、化学原料に再生するケミカルリサイクル技術開発に取組むことで、カーボンニュートラルに資する資源循環技術の開発に取り組んでいます。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00119] S100TO87)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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