有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YCUD (EDINETへの外部リンク)
JFEホールディングス株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループ(当社および連結子会社)は、世界最高の技術をもって社会に貢献することを企業理念とし、顧客ニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、カーボンニュートラル達成に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトの下、各事業会社が創造性にあふれる研究開発を展開しています。また、各事業会社において、AI・IoT・ビッグデータ等のデータサイエンス技術の活用を推進するための組織を設置し、ロボティクス技術を積極的に活用して、製造設備の生産性や商品・サービスの付加価値向上に向けた研究開発等を積極的に推進しています。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「グループ経営戦略会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
当連結会計年度における研究開発費は42,802百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業39,111百万円、エンジニアリング事業3,690百万円であります。
なお、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題および研究成果は以下のとおりです。
(1)鉄鋼事業
鉄鋼事業では、社会の持続的な発展と人々の安全で快適な生活の実現に向け、経済社会の基盤となる、鉄鋼および鉄鋼関連の新商品開発、地球環境に配慮した革新的な生産プロセス、それらを支える高度なデジタル技術の開発を強力に推進しています。2025年度は、洋上風力発電、自動車、建築分野において高付加価値鋼材および利用技術の開発・実用化を推進するとともに、製鉄プロセスにおけるCPS(サイバーフィジカルシステム)やデジタル技術の適用拡大による操業安定化・環境負荷低減を進め、脱炭素化と産業競争力強化の両立に貢献しております。以下、当連結会計年度の主な研究成果を挙げます。
JFEスチール㈱は、デジタル技術を活用した製鉄プロセスの高度化と、カーボンニュートラルの実現と環境負荷低減に資する革新的プロセス技術の開発を推進しています。2025年度は、製鉄所全体のインテリジェント化を見据えたCPS(サイバーフィジカルシステム)やデジタルツイン技術の適用拡大を通じて、操業安定化、生産性向上およびコークス使用量低減によるGHG排出量低減に向けた取り組みを進めました。
まず、焼結鉱製造プロセスにおいて、国内で稼働する全焼結設備へのCPS導入を開始しました。焼結鉱の品質は、高炉の安定操業や溶銑の製造コストに直結するため、複数の指標に基づき厳密に管理されていますが、その品質管理と操業判断は高度な知見を要します。今回導入したCPSでは、現場から収集した膨大なセンサーデータをもとに新たに構築した統計モデルと、熱化学反応をシミュレーションする物理モデルを融合した高度な予測モデルを用い、デジタル空間上でリアルタイムに操業シミュレーションを実施しています。これにより、将来の操業状態の予測が可能となり、焼結鉱の品質安定化や生産性向上に加え、コークス使用量の低減によるGHG排出削減を実現しました。
また、焼結鉱製造プロセスにおける操業高度化の一環として、造粒物の粒度分布をオンラインでコンベア上にて計測可能なセンサを開発し、製鉄所の焼結工場に導入しました。従来は人手によるサンプリング分析に依存していた粒度分布管理をリアルタイム化することで、操業条件の即時調整が可能となり、造粒物の粒径ばらつき低減と焼結鉱の生産性向上を実現しています。本技術は、焼結鉱の製造分野への適用にとどまらず、ソリューションビジネス「コンベア搬送物のオンライン粒度計」として、鉄鋼業界も含めた製造業全般のお客様への展開も進めていきます。
更に、同社は、鉄鋼製造プロセスにおける複雑な現象の解明と安定操業を目的として、転炉内での溶鋼の攪拌や連続鋳造での鋳片の水冷却等、鉄鋼製造プロセスにおける大規模な気液二相流現象の解明に特化した数値流体解析ソルバーを開発しました。本ソルバーには、複雑な気液界面領域に対しては細かい計算格子を、それ以外の領域には粗い計算格子を割り当てることで、計算の高精度化と計算負荷の大幅削減を両立させるAMR(Adaptive Mesh Refinement)法と呼ばれる技術を導入しています。これにより、例えば製鉄所の上工程プロセスの設備である粒銑機における溶銑の粒化過程等、従来は解析が困難であった大規模現象の高精度再現が可能となり、設備形状の最適化等の操業安定性に向けた改善活動を効率的に推進してまいります。
JFEスチール㈱は、再生可能エネルギー分野において、洋上風力発電向け支持構造物(モノパイル、ジャケット、風車タワー等)に使用可能な、最大板厚130mmの厚鋼板をTMCP(Thermo-mechanical control process:熱加工制御)で開発し、業界に先駆けて経済産業省における性能評価を完了しました。本鋼材は、風力発電支持構造物用鋼材として用いられるJIS SM520と同等の強度を有し、国内洋上風力案件において板厚100mmを超える鋼材の適用を可能とするものです。大型化が進む洋上風力発電設備に対応するとともに、溶接工数削減を通じた施工性向上に寄与する風力発電用大単重厚鋼板「J-TerraPlate ®」のラインナップの一つとして、脱炭素社会の実現に貢献しており、すでに国内洋上風力案件への適用に向けた協議を進めています。
また、同社は、自動車分野において、超高張力鋼板と冷間プレス成形を活用した自動車骨格部品の部品統合技術を開発しました。本技術は、フロントメンバやリアメンバ(車両前後の骨格を構成し、衝突時のエネルギー吸収や剛性確保を担う部品群)、ドアリング(側面衝突時に乗員を保護するための車両側面を構成する骨格部品群)等を対象に、従来複数部品で構成されていた大型モジュールを、強度性能を維持したまま大幅に部品点数削減することを可能とするものです。自動車用鋼板において体系化された独自のアプリケーション技術『JESOLVA®』を活用することで、1470MPa級までの超高張力鋼板を用いた大型部品の難成形を可能としました。また、部品統合においては部品性能確保のために異なる強度を示す部品の一体化設計が重要です。そのために、TWB(Tailor Welded Blank)と独自の技術である「冷間パッチワーク工法」を組み合わせることで、一つの部品内での強度差を持たせる最適設計を可能としました。これにより、自動車車体の製造における生産性の向上やコスト削減に貢献してまいります。これらの技術は2026年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2026」でも公表しました。今後、多くのお客様へ本技術の普及と拡大を進めてまいります。
更に、同社は、建築分野において、木材を耐火被覆材として活用したH形鋼梁の耐火構造「アーキテツト®木耐火梁」を開発し、1.5時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得しました。本構造は、木材の高い断熱性に着目し、H形鋼梁に木材とけい酸カルシウム板を組み合わせることで耐火性能を確保するものです。大断面梁への適用が可能であり、鉄骨造建築物における木材利用拡大と意匠性向上、環境負荷低減を同時に実現します。
また、建築構造用高強度鋼材の利用技術として、780N/mm²級鋼材向け外ダイアフラム工法を開発し、大規模建築プロジェクトに採用されました。本工法は、高強度鋼を用いたボックス柱と梁の接合において、溶接施工の合理化と安定化を図るとともに、接合部仕様の最適化により運搬効率アップと施工性向上を実現するものです。高耐震性能を確保しつつ、鋼重低減や施工効率向上に貢献し、国土強靭化および持続可能な建築の実現を支えていきます。
JFEスチール㈱が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、同社が開発した「中心偏析低減と極表層硬度低減による超厳格仕様耐サワーラインパイプ」が、第10回ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞を受賞しました。また、同社の「製鉄業の低炭素化に貢献する高炉自動操業技術の開発」が2025年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞しました。これに加えて、同社が実施してきた「高熱効率・長寿命なラジアントチューブバーナの開発による省エネの取り組み」の功績により、2025年度省エネ大賞 省エネ事例部門の最高位である経済産業大臣賞を受賞しました。
更に、同社の「自動車の軽量化に貢献する高加工性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の開発」が、第72回(2025年度)大河内記念技術賞を受賞しました。大河内記念技術賞の受賞は昨年に続いて、2年連続となります。また、同社の「鋼管の表面欠陥を自動で研削除去するロボットシステム」が、第60回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞しました。機械振興賞も、昨年に続き、2年連続での受賞となります。
(2)エンジニアリング事業
エンジニアリング事業では、「Waste to Resource」、「カーボンニュートラル」、「基幹インフラ」の3事業分野に、それらを支える技術基盤である「DX」を加えた4つを重点分野と位置付け研究開発を推進しています。主な研究開発活動は以下となります。「Waste to Resource」分野では、廃棄物中の炭素を化学原料として最大限有効利用する取り組みとして、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択された「ガス化改質と微生物を用いたエタノール製造による廃棄物ケミカルリサイクル技術の開発」に取り組んでおります。2025年12月には実証試験を開始し、廃棄物ケミカルリサイクル用途向けに最適化された新しい廃棄物ガス化技術の実証を行っております。
「カーボンニュートラル」分野では、国内初の大型アンモニア混焼エンジンを開発・商品化しました。本機は将来的な燃料転換に対応するレトロフィットを開発コンセプトとしており、当初は重油専焼機として導入した場合でも、最小限の改造で容易にアンモニア混焼機に転換することができます。またデュアルフューエルエンジンとして状況に応じて運転モードをアンモニア混焼、重油専焼に切り替えることができるため、より柔軟な運用が可能となります。
「基幹インフラ」分野では、横浜港南本牧ふ頭において、国内港湾では初となる大型ガントリークレーンの遠隔操作に向けた実証実験を開始しました。本実証実験は、国土交通省による港湾技術開発制度に採択され、横浜川崎国際港湾㈱が所有する国内最大級のガントリークレーンを使用し、大型コンテナ船に対応したガントリークレーンの遠隔操作化に関する課題検証を実施しております。本開発によりコンテナターミナルの更なる安全性向上と労働環境の改善、高度化・国際競争力強化に貢献してまいります。
また、JFEエンジニアリング㈱が開発した商品・技術は社外からも高く評価されており、「都市ガス専焼と同一出力 45vol%水素混焼ガスエンジンコージェネの製品化」は、(一財)コージェネレーション・エネルギー高度利用センター主催の「コージェネ大賞2025」技術開発部門において優秀賞を受賞しました。出力400~800kWクラスガスエンジン(JFE-MWMシリーズ)において、水素混焼率45vol%で都市ガス専焼時と同一出力で同レベルの発電効率を達成した世界初の技術であることが評価されたものです。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01264] S100YCUD)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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