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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OCG5 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 JFEホールディングス株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループ(当社および連結子会社)は、世界最高の技術をもって社会に貢献することを企業理念とし、顧客ニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、カーボンニュートラル達成に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトの下、各事業会社が創造性にあふれる研究開発を展開しています。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「グループ経営戦略会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
また、各事業会社において、AI・IoT・ビッグデータ等のデータサイエンス技術の活用を推進するための組織を設置し、ロボティクス技術を積極的に活用して、製造設備の生産性や商品・サービスの付加価値向上に向けた研究開発等にも積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発費は39,658百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業35,779百万円、エンジニアリング事業3,879百万円であります。
なお、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題および研究成果は以下のとおりです。

(1)鉄鋼事業

鉄鋼事業では、社会の持続的な発展と人々の安全で快適な生活のために、「カーボンニュートラル」達成に向けたイノベーションの推進、および「デジタル」による製造基盤強化と新たな成長戦略の実行に向け、CO2削減に大きく貢献する超革新的プロセス技術の検討、お客様や社会のニーズを先取りした新商品・利用技術の開発を強力に推進しております。
以下、当連結会計年度の主な研究成果を挙げます。


JFEスチール㈱と、日本製鉄㈱、㈱神戸製鋼所、一般財団法人金属系材料研究開発センターの4社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に4つの開発項目を共同提案し、2021年12月24日に採択されました。
「グリーンイノベーション基金」は、2020年12月25日に経済産業省が関係省庁と策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の中で「経済と環境の好循環」を作り出すために組成された基金であり、製鉄プロセスの脱炭素化の実現に向けて、4社で本プロジェクトを推進してまいります。
加えてJFEスチール㈱は、国立大学法人東北大学と、カーボンニュートラル時代を見据えた研究活動の推進を目的として、2022年2月1日に「JFEスチール×東北大学グリーンスチール共創研究所」を設置しました。今後両者は、強固な産学連携体制のもと、企業技術者と大学研究者の部門横断的な連携を通じて、低炭素製鉄プロセスに関する共同研究をさらに加速させるとともに、新材料開発をはじめとする新規開発テーマの発掘を推進します。
また、高張力鋼板(以下、ハイテン)の熱間連続圧延技術(以下、エンドレス圧延)を世界で初めて開発しました。エンドレス圧延は、1996年に世界に先駆けて開発し、JFEスチール東日本製鉄所(千葉地区)に導入した技術で 、粗圧延機と仕上げ圧延機との間に設置した接合装置でコイルの先尾端を接合し、仕上げ圧延機に複数のコイルを連続的に装入することができます 。ハイテンへのエンドレス圧延適用にあたっては、機械的特性の向上を目的に添加している合金元素(Si・Mn 等)の影響で、接合部の強度および延性が低下するため、仕上げ圧延時に破断してしまうという課題がありました。そこで当社は、接合部の強度および延性の低下を防ぐ技術を開発し、仕上げ圧延時の破断を抑制することに成功しました。これにより、ハイテンのエンドレス圧延が可能となり、通板性の改善等を通じて、ハイテンの安定生産および生産性向上に大きく寄与しております。今後もハイテンの技術開発、安定生産を通じて、自動車の車体軽量化に伴うCO2削減、省エネに貢献してまいります。
さらに、最新のデータサイエンス技術により、製鉄所の設備異常予兆を検知するシステム(J-dscom® )を、JFEスチール全地区熱延工場に展開しました。2018年度に最初に導入した西日本製鉄所(倉敷地区)熱延工場においては、年間50時間以上(生産量3万t以上)相当のトラブル抑止効果が確認されています。これまでに、西日本製鉄所(倉敷・福山地区)および東日本製鉄所(千葉・京浜地区)の全地区熱延工場に本システムを導入しました。全地区共通のシステムを導入し、異常診断モデル等を全地区で容易に共有できるようにすることで、全社レベルで最適なモデルの構築を推進しております。今後は、製銑や製鋼をはじめとする他製造プロセスにも展開してまいります。


JFEスチール㈱は、板厚22~100mmの建築構造用低降伏比780N/mm²級 厚鋼板「HBL® 630」を開発し、国土交通大臣認定を取得しました。主な用途は高層建築物の低層部の鉄骨柱に用いられる溶接組立箱形断面柱です。「HBL®630」を高層建築物の低層部のボックス柱に採用することで、お客様はこれまで実現できなかった建築物の超高層化や大スパン化(建造物の柱間の距離拡張)が可能となり、低層部における快適な大空間の確保等、自由で最適な設計、デザインを実現することができます。また、建設業界で深刻化する現場溶接工の不足に対する省力化のニーズに応えるため、「HBL®630」では高能率な大入熱溶接を可能にし、ボックス柱の溶接に要する時間の大幅な短縮を実現しました。
また、国立大学法人東北大学、および学校法人日本大学と共同で、通常のコンクリートと比べて、製造時のCO2排出量を大幅に削減可能なアルカリ活性材料を開発しました。さらに、西松建設㈱および共和コンクリート工業㈱を加えた5者で、本材料の早期実用化に向けた試験体制を構築しました。セメント代替となるフライアッシュ(石炭灰)と高炉スラグ微粉末の配合量最適化、高炉スラグ細骨材の活用、および特殊な混和剤の適用等によって、流動性を安定的に確保しつつ、耐凍害性を大幅に向上させた独自のアルカリ活性材料を開発しました。開発したアルカリ活性材料は、凍結融解試験において、JISで規定されている300サイクルを経過しても、ほとんど劣化しないことが確認されました。さらに、凍結防止剤の影響も想定した塩水環境下での凍結融解試験においても、従来品を大幅に超える凍結融解抵抗性を示しました。
自動車の軽量化、安全性向上を目的に利用されるハイテンにおいて、加工後のスプリングバックを抑制する成形工法が強く望まれています。それに応えるためJFEスチール㈱は「ストレスリバース™工法」を開発しました。開発した「ストレスリバース™工法」は、「レクサスNXルーフセンターリンフォース」において、冷間プレスによる車体骨格部品の強度としては世界最高レベルとなる、1.5GPa(1470MPa)級ハイテンのスプリングバック抑制成形工法として採用されました。
また、電気自動車等に用いられるアキシャルギャップモータ用の重要素材として、圧粉磁心用絶縁被覆純鉄粉「電磁郎™」を開発しました。これにより、JFEグループは電磁鋼板からソフトフェライトコアまで幅広い軟磁性材料をラインアップし、モータを含むあらゆる電源機器に対してワンストップで最適なソリューションを提供できる、世界唯一の総合サプライヤーとなりました。


JFEスチール㈱が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、「革新的雰囲気制御による溶融亜鉛めっき薄鋼板製造技術の開発」の成果が認められ、2021年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞しました。JFEスチール㈱の同賞受賞は4年連続となります。また、船舶の安全性を高めた溶接構造体「構造アレスト」の発明により、2021年度全国発明表彰日本経済団体連合会会長賞を、ジャパン マリンユナイテッド㈱および㈱IHIと共同で受賞しました。JFEスチール㈱の全国発明表彰受賞は8年連続で、同社発足以来12回目となります。
さらに、JFEスチール㈱が開発した「高能率超狭開先溶接システムの開発」が、このたび一般財団法人機械振興協会から第56回機械振興賞機械振興協会会長賞を受賞しました。同社の機械振興賞の受賞は4年連続11回目となります。また、建築構造用低降伏比高強度厚鋼板「HBL®シリーズ」が、第68回(2021年度)大河内記念技術賞を受賞しました。

(2)エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、「Waste to Resource」、「カーボンニュートラル」、「複合ユーティリティサービス」、「基幹インフラ」の4事業分野にそれらを支える技術基盤であるDXを加えた5つを重点分野と位置づけ研究開発を推進しています。当連結会計年度は、特に「カーボンニュートラル」を最注力分野として重点的な投資を実施しました。具体的には、洋上風力のモノパイル基礎の製造技術、清掃工場の排ガスからのCO2回収技術および回収したCO2からのメタノール製造技術等に取り組んでおります。
さらに、開発のスピードアップや合理的な開発投資を目的に、国内外の大学や研究機関および他企業との連携・共同開発を推進しております。その一例として、2018年度に開設したシンガポールの研究拠点では、カーボンニュートラル分野を軸にしながら当該国の大学・研究機関と様々な分野における共同開発事業の探索・創出に向け取り組みを加速しております。加えて、第5世代移動通信システム(以下「5G」)を活用したプラントの建設や操業・メンテナンスの無人化・省人化を実現する新技術の探索や共同開発事業の創出に向け、実物大の模擬プラントに5Gの通信環境を整備した「5G Innovation Plant」を横浜本社内に開設しました。
JFEエンジニアリング㈱が開発した商品・技術は社外からも高く評価されており、橋梁分野においては、画像認識AIによる配筋検査技術を適用した工事が「国土交通省関東地方整備局 新技術推進技術者表彰」を受賞しました。これは、出来形確認に要する労務の縮減や出来形管理の信頼性向上等、活用技術の有効性が高く評価されたものです。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01264] S100OCG5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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