有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W6LF (EDINETへの外部リンク)
 株式会社横河ブリッジホールディングス 研究開発活動 (2025年3月期)
株式会社横河ブリッジホールディングス 研究開発活動 (2025年3月期)
		
		当社グループの研究開発は、橋梁事業に関連する鋼構造の基礎技術の取得および革新を中心とし、さらに、保有する要素技術をエンジニアリング関連事業や先端技術事業に応用し、商品開発や新技術開発を実施しています。また、グループ各社が保有する環境や情報処理等の分野における固有技術に関連して、事業化や商品化につながる研究開発を実施しています。
研究開発の体制は、当社の総合技術研究所が基盤技術の調査研究や事業化前の研究開発を行い、各事業会社が自社商品の改良開発や事業化検討を行うことを基本としています。当社グループの研究開発全体を統括し、方向性、予算、実施状況を管理する機関として、技術総括室を設置しています。なお、当社グループの研究開発スタッフは49名であり、全従業員の2.3%に相当します。また、当連結会計年度のセグメント別研究開発費は、橋梁事業374百万円、エンジニアリング関連事業314百万円、先端技術事業41百万円となり、総額は731百万円です。
当連結会計年度における主要な研究開発活動は次のとおりです。
(1)橋梁事業に関する研究開発
① 塩害地域における鋼橋の塗装塗替え工事において、素地調整後の残留塩分による早期再劣化が問題となっています。この問題を解決するため、イオン交換により塩化物イオンを吸着し、鋼材表面に残留している塩化物イオンを取り除く「脱塩シート」を開発しました。今後、実橋での試験施工を進めていく予定です。
② 高い防食性能が求められる飛来塩分が多い沿岸部や、長期的な防食性能が求められる桁端部への適用を目的に「ステンシェル高力ボルト」を東洋アルミニウム(株)、神鋼ボルト(株)と共同開発しました。今後、実橋での試験施工を進めていく予定です。
③ 高速道路を中心に大規模更新・修繕事業が最盛期となっており、現場の安全性向上や工期短縮に有効な技術の需要が高まっています。これに応える新技術として、床版取替工法「STEEL-C.A.P.工法」(日本製鉄(株)との共同開発)や中小スパン橋梁の架替工法「NYラピッドブリッジ」(日鉄エンジニアリング(株)との共同開発)を開発しました。STEEL-C.A.P.工法は、箱桁を対象とした新しい形式のせん断伝達ジベルを開発し、FEM解析によって構造の妥当性の確認を行いました。NYラピッドブリッジは、移動輪荷重試験を実施し、十分な耐久性を有していることを確認しました。また、中国池田インターチェンジ~宝塚インターチェンジ間橋梁更新工事の小浜ランプ橋の供用開始を踏まえ、NETIS登録を行いました。
④ 橋梁の点検性、維持管理性を向上させる目的で、高強度モルタル排水溝「YNタフドレーン」を中川ヒューム管工業(株)と共同で開発し、NYラピッドブリッジを採用した小浜ランプ橋で採用されました。通水断面を大きくし、排水桝の設置間隔を広くすることが可能で高い耐久性を実現し、高圧洗浄での清掃も可能な構造を採用しています。他の高速道路会社の新設橋梁でも採用実績を増やしており、自動車専用道路での排水装置の点検性、維持管理性向上のニーズに応えていきます。
⑤ 建設現場の生産性向上、床版品質の向上、および床版取替工事における交通規制時間短縮の要望に応える技術として、「更新用プレキャスト合成床版」を開発しました。輪荷重走行試験や実物大の施工試験等による検討の結果、既設橋の床版取替における幅員分割施工に対応できるプレキャスト合成床版の実橋への採用が決定しました。
⑥ 鋼橋の建設現場における安全性向上に資する技術として、足場解体作業員が搭乗できる新タイプの「足場解体用移動防護設備」を開発しました。今後、実橋梁の足場解体作業に適用する準備を進めていきます。
⑦ 既設RC床版の大規模更新工事における施工の効率化と急速施工を目的としたプレキャスト壁高欄(商品名:ラピッドガードフェンス)について、実績のあるプレキャストPC床版仕様に続いて、更なる製品仕様の拡充と適用拡大を目的としてプレキャスト合成床版仕様の開発を進めています。
⑧ 橋梁排水管の耐候性向上技術「オリジビルド」を(株)オリジンと共同で開発しました。「オリジビルド」は、耐候性塗料を排水管(塩ビ管)に塗布することで、新規の配管交換を行うことなく、配管寿命の延命化を図る技術です。本技術の活用により、変退色やひび割れの発生が抑制され、着色の自由度が高まるため、品質の向上、周辺環境への影響の向上が期待できます。
⑨ 橋梁の点検性、維持管理性を向上させ、長寿命化を図る技術として、アルミ合金製常設足場「cusa(キュウサ)」を日軽エンジニアリング(株)と共同で開発し、販売を行っています。この技術を発展させ、床版取替工事中でも使用できる仕様とした「側面ワイドタイプ」を開発しました。これからも道路管理者のニーズを掴み、製品の魅力向上を進めていきます。
⑩ 海外事業の領域拡大に資する技術開発として、簡易組立橋梁「PABRIS」に、高耐久な鋼床版を組み合わせた「海外向け簡易橋梁」を開発しています。解析を中心とした検討により、構造の概略が決定しつつあります。今後、実験などによる検証を進めていく予定です。
⑪ 建設現場の生産性向上、施工品質向上に資する技術として、AR技術を用いて床版コンクリート打込みにおける締固め作業のトレーサビリティを確保できる「コンクリート締固め管理システム」を開発しました。開発したシステムは横河グループが施工する多くの現場で採用されています。
(2)エンジニアリング関連事業に関する研究開発
① システム建築(商品名:yess建築)については、省エネ法の改正に伴う断熱性能への要求に対し高断熱化商品の開発に重点的に取り組んでおり、既存商品のVリブウォールを用いた外壁防火構造の商品に比べ断熱性能を大幅に向上させた低価格、高断熱の外壁防火構造の商品をラインナップに加えました。また、建物用途の多様化、規模の大型化による耐火性能の要求に対し、在来工法の外壁耐火商品との融合により外壁の商品ラインナップの強化を図りました。さらに、建物内部の間仕切り1時間耐火認定の取得など、yess建築の適用範囲の拡大、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。
② 可動建築(商品名:YMAシステム)については、スタジアム向けの可動スタンドの開発として、高剛性ロールバックスタンドの強度、及び剛性を確認する為のモックアップ試験を実施しました。2025年度に引き続き動作試験を行い、スタジアム関係へのPRを行っていきます。
③ 東京都や大阪府などの大都市圏を中心に、激甚化・頻発化する豪雨による浸水被害の防止策として整備が進められている地下調整池に用いられる、地下河川用セグメントとして、五面鋼殻合成セグメントの開発を進めています。特に大口径の地下河川用セグメントに要求される事項である、嵌合式リング継手について新たな形式の嵌合式リング継手の開発・実験を行い、十分な性能を有していることを確認しました。また、地下河川用セグメントに要求される、軸力作用下での継手の性能確認のための載荷試験を行い、十分な性能を有していることを確認しました。今後は、実物大での試作を通じた製作精度、組立精度の確認や組立施工性の確認を行う予定です。
④ 排水処理装置(シックナー)のメンテナンス性向上を目的とし、緩速攪拌機の軸受について摩耗要因を実験により把握し、その対策を実際の現場に試験的に導入してデータを採取して効果を確認しています。対策の結果、最も軸受の摩耗が激しい現場では、従来比でおよそ1/10の摩耗量とすることが確認できました。
(3)先端技術事業に関する研究開発
① 国の基準である道路橋示方書に対応した鋼橋設計システムにおいて、各種設計計算例や関連規定等への対応を進めています。また、システムの適用範囲の拡大やユーザから寄せられる要望へ応えるため、機能追加・改善を続けています。
② 当社グループでは、デジタル化の推進として製作部門の生産性向上を目指し鋼橋設計システムから鋼橋製作情報システムへのデータ連携機能の開発に取り組んでいます。これは、国交省が推進し、建設業全体で取り組んでいる設計から維持管理までのデータ連携、活用に対応するものです。その他、3Dモデルや点群データなどを活用した施工計画業務の支援システム、画像認識AI(人工知能)技術による検査システム、生成AIを活用した業務効率化システムなど、生産性向上や品質確保と安全管理を支援するシステムの検討および開発を進めています。
		
研究開発の体制は、当社の総合技術研究所が基盤技術の調査研究や事業化前の研究開発を行い、各事業会社が自社商品の改良開発や事業化検討を行うことを基本としています。当社グループの研究開発全体を統括し、方向性、予算、実施状況を管理する機関として、技術総括室を設置しています。なお、当社グループの研究開発スタッフは49名であり、全従業員の2.3%に相当します。また、当連結会計年度のセグメント別研究開発費は、橋梁事業374百万円、エンジニアリング関連事業314百万円、先端技術事業41百万円となり、総額は731百万円です。
当連結会計年度における主要な研究開発活動は次のとおりです。
(1)橋梁事業に関する研究開発
① 塩害地域における鋼橋の塗装塗替え工事において、素地調整後の残留塩分による早期再劣化が問題となっています。この問題を解決するため、イオン交換により塩化物イオンを吸着し、鋼材表面に残留している塩化物イオンを取り除く「脱塩シート」を開発しました。今後、実橋での試験施工を進めていく予定です。
② 高い防食性能が求められる飛来塩分が多い沿岸部や、長期的な防食性能が求められる桁端部への適用を目的に「ステンシェル高力ボルト」を東洋アルミニウム(株)、神鋼ボルト(株)と共同開発しました。今後、実橋での試験施工を進めていく予定です。
③ 高速道路を中心に大規模更新・修繕事業が最盛期となっており、現場の安全性向上や工期短縮に有効な技術の需要が高まっています。これに応える新技術として、床版取替工法「STEEL-C.A.P.工法」(日本製鉄(株)との共同開発)や中小スパン橋梁の架替工法「NYラピッドブリッジ」(日鉄エンジニアリング(株)との共同開発)を開発しました。STEEL-C.A.P.工法は、箱桁を対象とした新しい形式のせん断伝達ジベルを開発し、FEM解析によって構造の妥当性の確認を行いました。NYラピッドブリッジは、移動輪荷重試験を実施し、十分な耐久性を有していることを確認しました。また、中国池田インターチェンジ~宝塚インターチェンジ間橋梁更新工事の小浜ランプ橋の供用開始を踏まえ、NETIS登録を行いました。
④ 橋梁の点検性、維持管理性を向上させる目的で、高強度モルタル排水溝「YNタフドレーン」を中川ヒューム管工業(株)と共同で開発し、NYラピッドブリッジを採用した小浜ランプ橋で採用されました。通水断面を大きくし、排水桝の設置間隔を広くすることが可能で高い耐久性を実現し、高圧洗浄での清掃も可能な構造を採用しています。他の高速道路会社の新設橋梁でも採用実績を増やしており、自動車専用道路での排水装置の点検性、維持管理性向上のニーズに応えていきます。
⑤ 建設現場の生産性向上、床版品質の向上、および床版取替工事における交通規制時間短縮の要望に応える技術として、「更新用プレキャスト合成床版」を開発しました。輪荷重走行試験や実物大の施工試験等による検討の結果、既設橋の床版取替における幅員分割施工に対応できるプレキャスト合成床版の実橋への採用が決定しました。
⑥ 鋼橋の建設現場における安全性向上に資する技術として、足場解体作業員が搭乗できる新タイプの「足場解体用移動防護設備」を開発しました。今後、実橋梁の足場解体作業に適用する準備を進めていきます。
⑦ 既設RC床版の大規模更新工事における施工の効率化と急速施工を目的としたプレキャスト壁高欄(商品名:ラピッドガードフェンス)について、実績のあるプレキャストPC床版仕様に続いて、更なる製品仕様の拡充と適用拡大を目的としてプレキャスト合成床版仕様の開発を進めています。
⑧ 橋梁排水管の耐候性向上技術「オリジビルド」を(株)オリジンと共同で開発しました。「オリジビルド」は、耐候性塗料を排水管(塩ビ管)に塗布することで、新規の配管交換を行うことなく、配管寿命の延命化を図る技術です。本技術の活用により、変退色やひび割れの発生が抑制され、着色の自由度が高まるため、品質の向上、周辺環境への影響の向上が期待できます。
⑨ 橋梁の点検性、維持管理性を向上させ、長寿命化を図る技術として、アルミ合金製常設足場「cusa(キュウサ)」を日軽エンジニアリング(株)と共同で開発し、販売を行っています。この技術を発展させ、床版取替工事中でも使用できる仕様とした「側面ワイドタイプ」を開発しました。これからも道路管理者のニーズを掴み、製品の魅力向上を進めていきます。
⑩ 海外事業の領域拡大に資する技術開発として、簡易組立橋梁「PABRIS」に、高耐久な鋼床版を組み合わせた「海外向け簡易橋梁」を開発しています。解析を中心とした検討により、構造の概略が決定しつつあります。今後、実験などによる検証を進めていく予定です。
⑪ 建設現場の生産性向上、施工品質向上に資する技術として、AR技術を用いて床版コンクリート打込みにおける締固め作業のトレーサビリティを確保できる「コンクリート締固め管理システム」を開発しました。開発したシステムは横河グループが施工する多くの現場で採用されています。
(2)エンジニアリング関連事業に関する研究開発
① システム建築(商品名:yess建築)については、省エネ法の改正に伴う断熱性能への要求に対し高断熱化商品の開発に重点的に取り組んでおり、既存商品のVリブウォールを用いた外壁防火構造の商品に比べ断熱性能を大幅に向上させた低価格、高断熱の外壁防火構造の商品をラインナップに加えました。また、建物用途の多様化、規模の大型化による耐火性能の要求に対し、在来工法の外壁耐火商品との融合により外壁の商品ラインナップの強化を図りました。さらに、建物内部の間仕切り1時間耐火認定の取得など、yess建築の適用範囲の拡大、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。
② 可動建築(商品名:YMAシステム)については、スタジアム向けの可動スタンドの開発として、高剛性ロールバックスタンドの強度、及び剛性を確認する為のモックアップ試験を実施しました。2025年度に引き続き動作試験を行い、スタジアム関係へのPRを行っていきます。
③ 東京都や大阪府などの大都市圏を中心に、激甚化・頻発化する豪雨による浸水被害の防止策として整備が進められている地下調整池に用いられる、地下河川用セグメントとして、五面鋼殻合成セグメントの開発を進めています。特に大口径の地下河川用セグメントに要求される事項である、嵌合式リング継手について新たな形式の嵌合式リング継手の開発・実験を行い、十分な性能を有していることを確認しました。また、地下河川用セグメントに要求される、軸力作用下での継手の性能確認のための載荷試験を行い、十分な性能を有していることを確認しました。今後は、実物大での試作を通じた製作精度、組立精度の確認や組立施工性の確認を行う予定です。
④ 排水処理装置(シックナー)のメンテナンス性向上を目的とし、緩速攪拌機の軸受について摩耗要因を実験により把握し、その対策を実際の現場に試験的に導入してデータを採取して効果を確認しています。対策の結果、最も軸受の摩耗が激しい現場では、従来比でおよそ1/10の摩耗量とすることが確認できました。
(3)先端技術事業に関する研究開発
① 国の基準である道路橋示方書に対応した鋼橋設計システムにおいて、各種設計計算例や関連規定等への対応を進めています。また、システムの適用範囲の拡大やユーザから寄せられる要望へ応えるため、機能追加・改善を続けています。
② 当社グループでは、デジタル化の推進として製作部門の生産性向上を目指し鋼橋設計システムから鋼橋製作情報システムへのデータ連携機能の開発に取り組んでいます。これは、国交省が推進し、建設業全体で取り組んでいる設計から維持管理までのデータ連携、活用に対応するものです。その他、3Dモデルや点群データなどを活用した施工計画業務の支援システム、画像認識AI(人工知能)技術による検査システム、生成AIを活用した業務効率化システムなど、生産性向上や品質確保と安全管理を支援するシステムの検討および開発を進めています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01355] S100W6LF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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