有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W8F4 (EDINETへの外部リンク)
株式会社駒井ハルテック 研究開発活動 (2025年3月期)
当社グループは、橋梁・鉄骨の製作及び架設段階での最先端の技術並びに風力発電に関する研究開発活動を行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は837百万円であります。
当連結会計年度の研究開発の部門別内容については以下のとおりであります。
―橋梁事業―
当連結会計年度に実施した研究開発項目についてその概略の内容を以下に示します。
1.建設生産システム全体の生産性向上へ資するICT技術を活用した研究開発
2.補修・補強工事に必要な要素技術の開発
3.新たな架設方法の開発
4.溶接部の非破壊検査システムの開発
5. 安全性向上のための動画処理技術の開発
1.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。官民研究開発投資拡大プログラム(通称PRISM)の支援を受けて開発した、UAV(モジュール橋)を活用したハイブリッド測量により出来形一元管理を行う技術の実装を進めています。本技術は、「ICTの全面的な活用」として受注工事に採用されており、施工工程における計測の効率化と品質確保に貢献しています。昨年度には、改良と施工実績をもとにNETIS登録を完了しており、引き続き2件の受注工事において本技術を活用し、技術評価の向上を目指した取り組みを継続しています。今後は、さらなる汎用性の向上と導入拡大を目指します。
2.につきましても、前連結会計年度からの継続研究であります。これまでに、現場施工で重要な役割を果たす継手部材用の表面処理剤などの開発商品について、販売促進や適用範囲の拡大に向けた検証試験を継続して実施しています。
3.につきましても、前連結会計年度からの継続研究であります。新たな橋梁仮設用手延べ機の、商品化に向けた開発を続けています。該当工事への提案・採用を通じて、受注機会の拡大及び収益確保を目指しております。あわせて、本手延べ機に採用した継手形式を応用したモジュール橋の開発をしており、技術展開にも取り組んでいます。
4.につきましても、前連結会計年度からの継続研究であります。鋼板の完全溶込み溶接部の非破壊検査の生産性向上を目的として、自動検査システムの開発を進めています。洋上風車のタワー部材など大型構造部材を対象とした効率的な溶接部の非破壊検査を実現するため、高度な非破壊検査手法,AI画像判定を用いた自動検査システムを構築しました。試験施工により技術的な有効性を確認しており、今後は実用化に向けての取り組みを進めてまいります。
5.につきましては、製作・施工時における作業者の安全確保を目的として,大学との共同研究を行っております。施工現場の映像を用いた動画分析とAI判定を活用し、危険予知の高度化や作業効率の向上を目指したシステムの開発について取り組んでおります。さらに,動画分析技術を活用し、工程管理への展開についても検討を進めております。
当連結会計年度における橋梁事業の研究開発費は21百万円であります。
―鉄骨事業―
当連結会計年度に実施した項目と概略の内容を以下に示します。
1.780N/mm²級鋼(80㎏鋼)の全層多層サブマージアーク溶接施工法の確立
2.780N/mm²級鋼(80㎏鋼)を用いたエレクトロスラグ溶接の性能検証
3.板厚60mm~80mm角溶接のサブマージアーク溶接品質安定に向けた検証試験
4.エレクトロスラグ溶接の品質安定に向けた検証試験
5.ポータブルサブマージアーク溶接を用いた異形柱角継手の生産性向上試験
1.につきましては780N/mm²級鋼(80㎏鋼)を用いた柱の製作で、角溶接は従来初層の割れ発生の観点から、下盛りCO²のあと多層サブマージアーク溶接の施工としておりました。これを施工効率の向上のため、初層から多層サブマージアーク溶接を実施できる施工技術を確立するための研究になります。前連結会計年度からの継続研究でありますが、現状では初層無欠陥の再現性が確保できず、新しい溶接材料の適用についても検討を開始したことから、当連結会計年度は実施を保留しております。
2.につきましても前連結会計年度からの継続研究であります。780N/mm²級鋼(80㎏鋼)を用いた柱の製作のうち、内ダイアフラムをエレクトロスラグ溶接とした部位の性能と品質を確立するための研究になります。当連結会計年度は実物件での施工試験を実施中であり、次連結会計年度ではまた別の予備試験および実物件での施工試験を実施予定であります。
3. につきましては既存サブマージアーク溶接の品質安定を図るため、特に板厚60mm~80mmについて性能検証試験を実施しております。当連結会計年度はキュービクルの増設、検証試験を経て実施工に移行し、板厚70mm以下の1パス溶接は品質が安定しております。土木物件の板厚70mm超~85mmの2パス溶接についても、溶接外観はまだ改善の余地がありながらも、内部品質は良好となっております。今後は予備試験を行い建築鉄骨物件への適用を検討します。また、開先底部の溶け込みを改善すべく、φ5.1ワイヤの先行極への適用についても検討します。次連結会計年度では、検証実験を行って従来のφ6.4ワイヤとの比較を行い、その有用性について検討します。
4.につきましてはエレクトロスラグ溶接の品質安定化に向けた取り組みになります。
溶接始終端の処理についての改善を進めます。エンドタブ、スタートタブ形状の最適化、作業手順の見直しを行います。
5.につきましては柱角継手へのサブマージアーク溶接を適用することにより、生産性向上を図る取り組みとなります。当連結会計年度に施工試験に合格し、実物件での適用を開始しており、本研究としては本会計年度で完了となります。
当連結会計年度における鉄骨事業の研究開発費は28百万円であります。
―インフラ環境事業―
環境部門における当連結会計年度に実施いたしました項目と概略の内容を以下に示します。
1.KWT300台風仕様の技術開発
2.1MW風力発電機の技術開発
3.洋上風車用タワーの高効率生産技術の開発
1.につきましては、既にラインナップとして製造・販売している中型風力発電機KWT300の台風仕様の開発をしています。沖縄県、九州南部などの一部には、風力発電機の規格で定められた最大設計風速でも導入が困難な地域が数多く存在します。そのような地域にも風力発電機の導入促進を図るため、最大設計風速が90m/sを超える風車の開発を進めています。沖縄県の宮古島に風車を建設し、これから各種試験を実施して、型式認証を取得します。
2.につきましては、耐用年数を迎える総出力が2MW以下の風力発電所が全国に多数存在し、そのリプレイス需要に対応できる風力発電機が少ないことから、これまで乱流に強い300kW風力発電機を生産してきた経験をもとに、定格出力1MWで、台風地域にも対応できる風力発電機を開発しています。現在は、型式試験のための風況観測を実施しており、来期初号機の建設を予定しています。
3.につきましては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化/次世代風車技術開発事業/洋上風車用タワーの高効率生産技術開発・実証事業」の補助金を活用し、合理化溶接技術の開発、ブラスト・塗装ロボット施工システムの開発、AIを活用した非破壊検査システムの開発を進めており、現在は試験体製作に取り組んでいます。
当連結会計年度におけるインフラ環境事業の研究開発費は787百万円であります。
当連結会計年度の研究開発の部門別内容については以下のとおりであります。
―橋梁事業―
当連結会計年度に実施した研究開発項目についてその概略の内容を以下に示します。
1.建設生産システム全体の生産性向上へ資するICT技術を活用した研究開発
2.補修・補強工事に必要な要素技術の開発
3.新たな架設方法の開発
4.溶接部の非破壊検査システムの開発
5. 安全性向上のための動画処理技術の開発
1.につきましては、前連結会計年度からの継続研究であります。官民研究開発投資拡大プログラム(通称PRISM)の支援を受けて開発した、UAV(モジュール橋)を活用したハイブリッド測量により出来形一元管理を行う技術の実装を進めています。本技術は、「ICTの全面的な活用」として受注工事に採用されており、施工工程における計測の効率化と品質確保に貢献しています。昨年度には、改良と施工実績をもとにNETIS登録を完了しており、引き続き2件の受注工事において本技術を活用し、技術評価の向上を目指した取り組みを継続しています。今後は、さらなる汎用性の向上と導入拡大を目指します。
2.につきましても、前連結会計年度からの継続研究であります。これまでに、現場施工で重要な役割を果たす継手部材用の表面処理剤などの開発商品について、販売促進や適用範囲の拡大に向けた検証試験を継続して実施しています。
3.につきましても、前連結会計年度からの継続研究であります。新たな橋梁仮設用手延べ機の、商品化に向けた開発を続けています。該当工事への提案・採用を通じて、受注機会の拡大及び収益確保を目指しております。あわせて、本手延べ機に採用した継手形式を応用したモジュール橋の開発をしており、技術展開にも取り組んでいます。
4.につきましても、前連結会計年度からの継続研究であります。鋼板の完全溶込み溶接部の非破壊検査の生産性向上を目的として、自動検査システムの開発を進めています。洋上風車のタワー部材など大型構造部材を対象とした効率的な溶接部の非破壊検査を実現するため、高度な非破壊検査手法,AI画像判定を用いた自動検査システムを構築しました。試験施工により技術的な有効性を確認しており、今後は実用化に向けての取り組みを進めてまいります。
5.につきましては、製作・施工時における作業者の安全確保を目的として,大学との共同研究を行っております。施工現場の映像を用いた動画分析とAI判定を活用し、危険予知の高度化や作業効率の向上を目指したシステムの開発について取り組んでおります。さらに,動画分析技術を活用し、工程管理への展開についても検討を進めております。
当連結会計年度における橋梁事業の研究開発費は21百万円であります。
―鉄骨事業―
当連結会計年度に実施した項目と概略の内容を以下に示します。
1.780N/mm²級鋼(80㎏鋼)の全層多層サブマージアーク溶接施工法の確立
2.780N/mm²級鋼(80㎏鋼)を用いたエレクトロスラグ溶接の性能検証
3.板厚60mm~80mm角溶接のサブマージアーク溶接品質安定に向けた検証試験
4.エレクトロスラグ溶接の品質安定に向けた検証試験
5.ポータブルサブマージアーク溶接を用いた異形柱角継手の生産性向上試験
1.につきましては780N/mm²級鋼(80㎏鋼)を用いた柱の製作で、角溶接は従来初層の割れ発生の観点から、下盛りCO²のあと多層サブマージアーク溶接の施工としておりました。これを施工効率の向上のため、初層から多層サブマージアーク溶接を実施できる施工技術を確立するための研究になります。前連結会計年度からの継続研究でありますが、現状では初層無欠陥の再現性が確保できず、新しい溶接材料の適用についても検討を開始したことから、当連結会計年度は実施を保留しております。
2.につきましても前連結会計年度からの継続研究であります。780N/mm²級鋼(80㎏鋼)を用いた柱の製作のうち、内ダイアフラムをエレクトロスラグ溶接とした部位の性能と品質を確立するための研究になります。当連結会計年度は実物件での施工試験を実施中であり、次連結会計年度ではまた別の予備試験および実物件での施工試験を実施予定であります。
3. につきましては既存サブマージアーク溶接の品質安定を図るため、特に板厚60mm~80mmについて性能検証試験を実施しております。当連結会計年度はキュービクルの増設、検証試験を経て実施工に移行し、板厚70mm以下の1パス溶接は品質が安定しております。土木物件の板厚70mm超~85mmの2パス溶接についても、溶接外観はまだ改善の余地がありながらも、内部品質は良好となっております。今後は予備試験を行い建築鉄骨物件への適用を検討します。また、開先底部の溶け込みを改善すべく、φ5.1ワイヤの先行極への適用についても検討します。次連結会計年度では、検証実験を行って従来のφ6.4ワイヤとの比較を行い、その有用性について検討します。
4.につきましてはエレクトロスラグ溶接の品質安定化に向けた取り組みになります。
溶接始終端の処理についての改善を進めます。エンドタブ、スタートタブ形状の最適化、作業手順の見直しを行います。
5.につきましては柱角継手へのサブマージアーク溶接を適用することにより、生産性向上を図る取り組みとなります。当連結会計年度に施工試験に合格し、実物件での適用を開始しており、本研究としては本会計年度で完了となります。
当連結会計年度における鉄骨事業の研究開発費は28百万円であります。
―インフラ環境事業―
環境部門における当連結会計年度に実施いたしました項目と概略の内容を以下に示します。
1.KWT300台風仕様の技術開発
2.1MW風力発電機の技術開発
3.洋上風車用タワーの高効率生産技術の開発
1.につきましては、既にラインナップとして製造・販売している中型風力発電機KWT300の台風仕様の開発をしています。沖縄県、九州南部などの一部には、風力発電機の規格で定められた最大設計風速でも導入が困難な地域が数多く存在します。そのような地域にも風力発電機の導入促進を図るため、最大設計風速が90m/sを超える風車の開発を進めています。沖縄県の宮古島に風車を建設し、これから各種試験を実施して、型式認証を取得します。
2.につきましては、耐用年数を迎える総出力が2MW以下の風力発電所が全国に多数存在し、そのリプレイス需要に対応できる風力発電機が少ないことから、これまで乱流に強い300kW風力発電機を生産してきた経験をもとに、定格出力1MWで、台風地域にも対応できる風力発電機を開発しています。現在は、型式試験のための風況観測を実施しており、来期初号機の建設を予定しています。
3.につきましては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化/次世代風車技術開発事業/洋上風車用タワーの高効率生産技術開発・実証事業」の補助金を活用し、合理化溶接技術の開発、ブラスト・塗装ロボット施工システムの開発、AIを活用した非破壊検査システムの開発を進めており、現在は試験体製作に取り組んでいます。
当連結会計年度におけるインフラ環境事業の研究開発費は787百万円であります。
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