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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NT7C (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 テラ株式会社 事業の内容 (2021年12月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社グループは、当社、連結子会社2社により構成されております。
当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。



当社グループの事業は、以下のとおりであります。
〔細胞医療事業〕
テラ株式会社により、医療機関に対する樹状細胞ワクチン療法等、細胞医療に関する技術・運用ノウハウの提供及び樹状細胞ワクチン療法等、再生・細胞医療に関する研究開発を行っております。

1.医療機関に提供するサービスの概要

樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法を行うには、高度な技術・ノウハウ、専門技術者の確保・育成、専用施設・機器等が必要であり、医療機関が独力でこれらすべてを準備し、導入することは困難です。 当社は、大学等の研究機関との共同研究の成果を活かして、医療機関が樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法を患者に提供するために、以下のサービスを包括的に提供し、対価を受け取っております。

(1)細胞培養体制整備支援サービス

① 細胞培養施設の設置に関する支援
樹状細胞の培養を行うためには、医薬品の製造施設と同等レベルの空気清浄度を維持する専用の細胞培養施設(CPC:Cell Processing Center)が必要となります。当該施設の設計、運用には独自のノウハウが必要となりますが、当社はこのノウハウをもとに、高品質の樹状細胞を安定的に培養するための施設の設置支援を行っております。
② 培養方法に関する教育指導
医療機関が樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法を患者に提供するにあたり、培養される樹状細胞の品質が重要となります。当社では、医療機関の培養技術者が安定的に質の高い樹状細胞を培養できるよう、培養方法の教育指導をしております。
③ 標準作業手順書の貸与
当社では、樹状細胞をはじめとする高品質の免疫細胞を安定的に培養するため、培養ノウハウを標準作業手順書(SOP:StandardOperatingProcedures)に取りまとめ、医療機関に貸与しております。当該手順書は、培養技術・ノウハウの改良が行われる毎に内容を更新しております。
④ 培養管理システム導入の支援
樹状細胞の培養工程は多岐に亘る、複雑なものとなっております。当社では、当該培養工程を正確かつ効率的に管理し、高品質な樹状細胞を培養するためのGMP(GoodManufacturingPractice:医薬品の製造及び品質管理に関する基準)に準拠した培養管理システムを導入する支援を行っております。
⑤ 細胞品質管理支援サービス
臨床効果を高めるには、樹状細胞ワクチン療法において用いる、樹状細胞の品質管理が重要です。この点、当社は契約医療機関で培養された樹状細胞ワクチン療法に用いられる細胞について、その品質の解析を行い、契約医療機関に報告をしております。このように、培養された細胞の品質報告と細胞測定装置による解析を行う体制を整えることで、契約医療機関において安定的に高品質な樹状細胞が培養されるよう支援しております。

(2)特定細胞加工物製造受託サービス

免疫細胞加工受託サービス
当社は、10年以上にわたり医療機関で免疫細胞が製造できるよう整備してきた経験に基づき、がん治療に用いる樹状細胞、T細胞、NK細胞等の免疫細胞の加工を受託しています。免疫細胞の中でも、当社は、樹状細胞ワクチン療法と腫瘍浸潤リンパ球輸注療法に特に技術ノウハウを有しております。

(3)運営体制整備支援サービス

① 治療実施体制整備の支援
治療を行うに際しては、医療相談から細胞培養、投与に至る治療の一連の流れに対して、医師、看護師、培養技術者等、多くの専門家が関わるため、治療実施体制が複雑なものになります。当社では、独自のノウハウを提供することで、医療機関が治療実施体制の整備をスムーズに行えるように支援を行っております。
② 業務に関わる文書の貸与
樹状細胞ワクチン療法を中心とした、がん免疫療法に関する説明文書等、業務に関わる文書の貸与を行っております。
③ 臨床効果評価方法の体制整備に関する支援
臨床効果評価は、治療の継続的な改善及びレピュテーションの向上に必要であることから、全ての契約医療機関で統一した評価体制をとれるよう支援しております。

(4)がん組織の保管に関する技術・ノウハウの提供

樹状細胞ワクチン療法に必要な抗原の一つである、自己がん組織の利用可能性を高め、同療法を実施できる患者を増やすために、契約医療機関に対して、患者の自己がん組織を超低温下において保存するサービスの技術・ノウハウを提供しております。

(5)協力医療機関の紹介

治療を行う際に、それを構成する全ての治療を契約医療機関のみで行うことができない場合もあることから、治療に協力していただける医療機関を当社が開拓し、契約医療機関に紹介しております。

(6)集患支援サービス

樹状細胞ワクチン療法を中心とするがん免疫療法は日本国内で薬事承認を取得しておりません。そのため、がん免疫療法の認知は広がっておらず、普及を進め、より多くの患者に提供していくためには、その内容等を認知・理解していただく必要があります。
そのため、当社では、これまで蓄積してきた情報発信ノウハウを契約医療機関に提供することで、当該医療機関の集患を支援しております。

2.契約医療機関について

(1)契約医療機関の種類

当社がサービスを提供する契約医療機関は、契約形態によって、①基盤提携医療機関、②提携医療機関、③連携医療機関の3種類に分類されます。
① 基盤提携医療機関
当社が、医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん免疫療法を行うための設備の貸与、技術・ノウハウの提供、マーケティング、医療機関向け及び患者向け情報提供、権利使用許諾を行い、その対価として、施設使用料、技術・ノウハウ料、権利使用料を治療数に応じて受け取っております。新規に設立する医療機関の場合は、設立支援も行っております。
② 提携医療機関
当社が、医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法を中心とした、がん免疫療法を行うための技術・ノウハウの提供、マーケティング、医療機関向け及び患者向け情報提供、権利使用許諾を行い、その対価として、技術・ノウハウ料、権利使用料を治療数に応じて受け取っております。当社が設備の貸与を行わないことから、当社への施設使用料が発生しない点が、基盤提携医療機関と異なります。
③ 連携医療機関
基盤提携医療機関又は提携医療機関と連携して治療を行う医療機関であります。当社が、医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法を中心としたがん免疫療法を行うための技術・ノウハウの提供、医療機関向け及び患者向け情報提供等を行い、その対価を受け取っております。細胞培養施設を保有していない点が、基盤提携・提携医療機関と異なります。

(2)当社契約医療機関の概要

有価証券報告書提出日時点における、主な契約医療機関は以下のとおりです。
名称所在地契約形態
社会医療法人 北楡会 札幌北楡病院北海道札幌市白石区基盤提携
医療法人社団 ミッドタウンクリニック東京都港区提携


3. 当社技術内容に関する補足説明
1.樹状細胞ワクチン療法の概要

(1)樹状細胞ワクチン療法の位置づけ

現在、一般的に行われているがん治療は、外科治療(手術)、化学療法(分子標的薬を含む抗がん剤治療)、放射線治療の3つで、これらは総称して三大がん治療といわれています。この三大がん治療に加えて、近年“第4のがん治療”として注目されているのが免疫療法です。
三大がん治療は、外部からの力(手術・抗がん剤・放射線)を借りてがんを治療するのに対し、免疫療法は本来体が持っている免疫力(免疫細胞)を活かしてがんと闘います。免疫療法は、自分自身の持つ免疫力を使った治療です。従来の三大がん治療と組み合わせることもできます。
当社が技術・ノウハウを提供する樹状細胞ワクチン療法は、このがん免疫療法の一つです。樹状細胞ワクチン療法は、がんを狙い撃ちしがんに対して体が本来もつ免疫力を引き出すことができる技術です。

(2)樹状細胞の働き

樹状細胞とは、枝のような突起(樹状突起)を持つことにその名が由来する免疫細胞です。この樹状細胞は、体内で異物を捕食することによりその異物の特徴(抗原)を認識し、リンパ球(異物を攻撃する役割を持つT細胞等)にその特徴を覚え込ませます。これにより、そのリンパ球が異物を特異的に攻撃することが可能になります。


(3)樹状細胞のがん治療への応用

樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞の働きをがん治療に活かしたものです。体外でがんの目印を覚えさせた樹状細胞が、体内でT細胞に指令を出してがん細胞を攻撃します。当社独自の技術で、T細胞を活性化する力を強化することが可能となります。

(4)当社の提供する樹状細胞ワクチン療法について

① 根拠となる技術・ノウハウ
当社の樹状細胞ワクチン療法に関する技術は、東京大学医科学研究所で開発された技術・ノウハウが基礎となっています※1。当社はこれを基に、高品質な細胞を安定的に供給するための技術 ・ノウハウを標準化して 各医療機関に提供しています。さらに、医療機関や大学病院などの医師らと共に、常により良い培養方法を検討して改良を積み重ねています。
当社契約医療機関では、これらの技術・ノウハウをもとに着実に症例数を積み重ねており、その数は約12,278症例となっております(2021年12月末時点)。

※1:学術論文(一例)
・NagayamaH.etal.MelanomaRes.2003Oct;13(5):521-30.(東京大学医科学研究所、悪性黒色腫に対する研究)
・KuwabaraK.etal.Thyroid.2007Jan;17(1):53-8.(東京大学医科学研究所、甲状腺がんに対する研究)

② 品質
(a)樹状細胞の成熟度
樹状細胞は、単球から培養することで樹状細胞に成熟させますが、一律に成熟化するわけではありません。樹状細胞の成熟度や純度のマーカーとしては、細胞表面に発現している様々な分子が用いられています。近年の報告では、細胞表面分子であるCD86(リンパ球の一つであるT細胞を刺激する分子)やHLA-DR(樹状細胞ががんの目印をリンパ球に教える際に重要な分子)が発現している割合が70%以上であれば樹状細胞ワクチンとして適しているとされています※2。当社では、東京大学医科学研究所の培養技術を元に改良を重ね、この基準を満たす培養技術を確立しています。

※2:学術論文(一例)
・Butterfield LH, et al.: Clin Cancer Res 2011; 17: 3064-76.

(b) 品質管理された作業工程
樹状細胞ワクチンは、医療機関の細胞加工施設(Cell Processing Center:CPC)と呼ばれる、清浄度等の品質が管理された施設で作製されます。CPCでの作業は標準業務手順書(Standard Operating Procedure:SOP)に従って、訓練を積んだ培養担当者により厳格に行われ、品質が管理されています。また、2014年11月25日より施行となった「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」等、新たな規制に対応するための取り組みも推進しております。

③ 臨床成績
当社の樹状細胞ワクチン療法は、契約医療機関や共同研究先の医師らによって、臨床成績に関する論文が発表されています。
樹状細胞ワクチン療法の臨床成績に関する論文一覧(抜粋)
雑誌名掲載号掲載年月対象疾患内容
TrialsVol 20, no 1,
pp 242
2019年4月進行膵臓がんTLP0-001の安全性・有効性を検討する二重盲検ランダム化比較試験
pp 1099-1111vo l43, no 10,2016年10月進行がん(膵臓がん、大腸がん、肺がん、胃がん、他)WT1クラスI+クラスIIペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法の有用性の検討
pp 1252-1255
Cancer Immunology, Immunotherapyvo l65, no 9,2016年7月切除不能な進行・転移非小細胞肺がん化学療法と併用した樹状細胞ワクチン療法の安全性及び生存期間延長関連因子の検討
pp 1099-1111
World Journal of Gastroenterologyvo l21, no 39,2015年10月進行膵臓がん樹状細胞ワクチン療法と抗がん剤の併用における予後予測因子の検討
pp 11168-11178
Cancer Sciencevol 106, no 4,2015年3月進行膵臓がんWT1ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法の完遂性と免疫反応の評価
pp 397-406
Anticancer Researchvol 35, no 1, 2015年1月進行膵臓がん樹状細胞ワクチン療法と抗がん剤の併用における予後予測因子の検討
pp 555-562
World Journal of Surgical Oncologyvol 12, 2014年12月局所再発胃がん局所樹状細胞ワクチン療法の治療効果(症例報告)
pp 390-395
Clinical Cancer Researchvol 20, no 16, 2014年7月進行膵臓がんWT1クラスI及びクラスIIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン療法の安全性及び有効性の評価
pp 1-12
Journal of Ovarian Researchvol 7, 2014年5月再発卵巣がん樹状細胞ワクチン療法の臨床効果とフィージビリティスタディ
pp 48-56
Cancer Immunology, Immunotherapyvol 63, no 8, 2014年4月切除不能な膵臓がん化学療法に樹状細胞ワクチン療法を併用した場合の上乗せ延命効果
pp 797-806
Journal of Gastrointestinal Surgeryvol 17, no 9, 2013年7月切除不能な進行・再発胆道がん樹状細胞ワクチン療法の有用性と予後因子の検討
pp 1609-1617



〔医療支援事業〕
遺伝子検査サービスに関しては、当社では遺伝子検査サービスの実施を開始すべく準備を進めてまいりましたが、治療に結び付けた有効なサービスが開発できず、サービスの開始には至っておりません。

〔医薬品事業〕
当社連結子会社であるテラファーマ株式会社により、細胞医療事業における樹状細胞ワクチン療法に関する技術を基盤とした再生医療等製品の開発を行っております。
テラファーマ株式会社は、公立大学法人和歌山県立医科大学が実施する膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験への治験製品の提供を行っております。2018年12月26日付「膵臓がんに対する樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験多施設共同研究に展開し有効性検証へ(経過情報)」にて公表したとおり、この度、中間解析にてTLP0-001の安全性が確認され、本治験は単一医療機関で安全性を確認する段階から複数の医療機関で有効性を検証する段階に移行することになりました。

沿革関係会社の状況


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