リアル半沢直樹!?コロワイドによるTOB成立の大戸屋 [著者ID: 10]
上場企業であっても、「大塚家具」をはじめ、お家騒動は、結構起きている。
お家騒動の報道は、ブランドイメージが傷つき、マイナス方向に業績に大きな影響が出るケースがある。
大戸屋の場合の業績悪化は、新型コロナウィルスの影響も大きいだろうけど、この買収劇がなくとも、売上はわずかに下降傾向にあって、直近決算では営業赤字と、未来が明るい感じはしていなかった。
この毎日新聞の記事で、「牛角」や「かっぱ寿司」を買収したコロワイドの会長の「所詮、コロワイドに買収された会社。生殺与奪の権は、私が握っている」という過去の発言が社内報に掲載されている、と紹介されている。
買収された側の大戸屋の従業員でもないのに、「おー、怖い」と思ってしまう。
外部から見ると、随分企業のイメージが違うコロワイドと大戸屋だが・・・。
※ Yahoo! 記事のリンクが切れたので、毎日新聞サイトへのリンクにはりかえました。
お家騒動は、2015年に全体の17%前後を持っていた筆頭株主の三森久実氏が亡くなったあとから起きているようだ。
大戸屋の筆頭大株主のおおよそ遷移 は、次の通り。
2015年 三森久実(17%) → 2016年 三森三枝子(13%)、三森智仁(5%) → 2020年 株式会社コロワイド (19%)
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TOBは成立したが、敵対的買収をしたコロワイドも、このコロナ禍にあって、主要な経営指標を見る限り、とても盤石とは言えない(コロワイドの財務諸表もビジュアル表示したいところだが国際会計基準のため自動解析できておらず表示できていない)。
すでに各社の報道によって、大戸屋のブランドイメージが大きく傷ついているような印象を受けている。消費者の一人としては、大戸屋そのものは、これまで支えていた「良さ」が維持されるのか、それとも、大きな変化が起きるのか、が気になるところだ。
果たして、この買収は、吉と出るか凶とでるか。
【参考】
大戸屋、TOBで敗北 戦いの場「キッチン」にあらず (日本経済新聞)
コロワイドのTOB成立 大戸屋HD、企業防衛は1日にして成らず (日経ビジネス)
コロワイド幹部が語った「大戸屋買収」の真意
TOB後の子会社化で業績不振を払拭できるか (東洋経済ONLINE)
「大戸屋vsコロワイド」創業者の長男が"うちの会社"として前に出ることの違和感 (PRESIDENT Online)
【以前のノート】
大戸屋とやよい軒のプレナスの比較
大塚家具とニトリの比較
【追加参考資料】
大戸屋買収の渦中に、コロワイドが「場外乱闘」に巻き込まれた理由 (ITmedia ビジネスオンライン)