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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10078ZC

有価証券報告書抜粋 キリンホールディングス株式会社 研究開発活動 (2015年12月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループでは、発酵・バイオの先進技術やモノづくり・品質へのこだわりと、お客様のニーズを商品・サービスに反映させるリサーチ・マーケティング力をあわせた技術力の強化を図り、「食と健康」の領域で独自の価値と最上の品質を追求しています。当社グループの研究開発活動は、キリン㈱R&D本部内の5研究所※1および各事業会社の研究所にて行っています。
2015年度の主な開発成果として、2015年4月に始まった機能性表示食品制度のもと、5種の健康機能性飲料を研究所、品質保証部門、事業会社で連携し、発売しました。
また、パッケージング技術研究所は、国産最軽量※2となる28.9gの2Lペットボトルを開発し、2015年春より「キリン アルカリイオンの水」に導入しました。
さらに、健康、バイオケミカル関連の開発基盤技術として、東京大学との共同研究により、特殊な計測機器を必要とせずに細胞内の温度を簡便に高精度で計測できる蛍光プローブの開発に成功しました。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は613億円です。セグメントごとの状況は、次のとおりです。
※1 2016年1月1日より、ワイン技術研究所を設置、6研究所体制となる。
※2 2014年12月8日時点

(日本綜合飲料事業)

(1) 国内酒類事業
キリンビール㈱では、主力の「一番搾り」ブランドから、全国9工場それぞれの醸造長が地域で暮らすお客様のために造った特別な「地元うまれの一番搾り」を5月および12月に発売し、販売が好調に推移しました。また、旬や素材にこだわった「一番搾り 小麦のうまみ」「一番搾り とれたてホップ生ビール」を限定販売しました。
春には、「ビールにワクワクする未来を」をテーマに「SPRING VALLEY BREWERY」(スプリングバレーブルワリー)ブランドの本格展開を開始しました。「SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA」を3月に、ブルワリー併設店舗「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」を4月にそれぞれオープンし、6種類の通年商品のほか、新たに開発した13種類の限定ビールなどを提供し、年間で22万人を集客するなど好評を博しました。
キリンのクラフトマンシップが生み出した「グランドキリン」ブランドは、一本で満足できる味わいをより高めるリニューアルを行い、販路を全国のコンビニエンスストアに拡大して4月から販売開始しました。
発泡酒市場では、「麒麟 淡麗〈生〉」を「淡麗 極上〈生〉」にフルリニューアルしました。麦芽と大麦をそれぞれ最適な条件で仕込み、素材の良さを引き出す「ダブル仕込製法」を新たに採用し、2月より販売を開始しました。
新ジャンル市場では、「のどごし〈生〉」を1月にリニューアルしました。当社がビールづくりで培ってきた「低温発酵技術」を新たに採用し、丁寧に発酵を進めることで、のどごしと“生”のうまさをさらに高めました。また、「糖質0×プリン体0×カロリーオフ」の世界初の機能性を持つ「キリン のどごし オールライト」を1月に発売したほか、9月にはホップを増量し、後味を改良することで「ゴクゴク飲める軽快なうまさ」を強化しました。
ノンアルコール市場では、2015年から施行された機能性表示食品制度にあわせて、「脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収をおだやかにする」という機能を持つ難消化性デキストリンを配合した「パーフェクトフリー」を6月から発売しました。
RTD市場では、中核である「氷結®」ブランドにおいて、ストロングシリーズのアルコール度数9%はそのままで果汁量を高めるリニューアルを行いました。また、ゼロシリーズを“糖類ゼロ”、“プリン体ゼロ”、“人工甘味料ゼロ”にするとともに果汁感をアップさせることで、爽やかなおいしさとすっきりした飲みやすさを実現しています。両シリーズとも2月から販売を開始しました。
8月には、容器を振って泡立たせることでふんわりとしたスムージーのような口あたりを楽しめる、今までにない新感覚RTD「キリン ROOMY(ルーミー)ふるふるスムージー」を開発し、全国のローソン限定で発売しました。また、気軽にしゅわっと楽しめるワインRTD「キリン しゅわわ」を開発し、全国のイオングループで販売しました。

メルシャン㈱では、「商品開発研究所」が、各工場や本社部門と連携しながら、主にワインの商品開発や技術開発を行いました。“良いワインは良いブドウから”という思想のもと、ブドウの栽培管理まで踏み込むことで、ブドウの香味特徴や健康成分を最大限に引き出す開発を行っています。基礎的な技術開発成果も積極的に外部に発信し、「日本ブドウ・ワイン学会」2015年大会では、「『マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)』の香味に関する研究開発」という発表テーマで、技術賞を受賞しました。
山梨県勝沼市に位置するワイナリー「シャトー・メルシャン」は、日本におけるワインづくりの先駆者として長年培った経験を活かして高品質なワインを生産しています。2015年には、レベルの高い国際ワインコンクールの一つである「リュブリアーナ国際ワインコンクール(スロベニア)」にて、「桔梗ヶ原メルロー2011」及び「マリコヴィンヤード2012」が金賞を受賞しました。また、世界的に有名なワイン雑誌「Wine Spectator」にて、「桔梗ケ原メルロー2011」が日本のワインとして唯一90ポイントの高評価を獲得、国内でも日本ワインコンクールで金賞2品を受賞するなど、シャトー・メルシャンの“日本ワイン”が国内外で高い評価を受けました。
神奈川県にある「藤沢工場」からは、お客様がお買い求めやすいリーズナブルなテーブル・ワインを提供し、神奈川県のワイン生産量(課税数量)日本一に貢献しました。2015年は、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」等の基幹商品の品質向上を意識しながら、一方では、新商品も積極的に投入しました。若年層向けに開発した果汁感たっぷりの「ギュギュっと搾ったサングリア」シリーズは、発売から1年足らずで12万ケースを超えるヒット商品となりました。ブドウ以外の純国産フルーツを使用した「日本果実のワイン」や、お客様へのワインの新しい飲み方を提案する「すっきり白ワイン仕立ての梅酒」のようなユニークな商品も導入しました。
焼酎や梅酒に関しても、品質にこだわった商品提案を実施しています。2015年においては、本格焼酎「八代不知火蔵 米焼酎 白水」、「八代不知火蔵 麦焼酎 どぎゃん」、及び「八代不知火蔵 芋焼酎 まろやか芋」が、熊本国税局の酒類鑑評会で優等賞を受賞しました。
メルシャン㈱商品開発研究所は、2016年1月1日付で、キリン㈱R&D本部ワイン技術研究所となります。“素材の香味特徴を最大限に引き出す”技術を中核に据え、オリジナリティに溢れ、お客様にとって魅力ある商品開発を引き続き推進していきます。

(2) 国内飲料事業
国内飲料事業では、キリンビバレッジ㈱が中心となり原料の選定から最終商品まで開発を一貫して行っています。
紅茶飲料のトップブランドである「キリン 午後の紅茶」は、発売30年目を迎え、「香り立て!日本の紅茶」をテーマとしてリニューアル発売し、紅茶カテゴリーがマイナス成長の中、過去最高販売数量を更新しました。また、「午後の紅茶 おいしい無糖」は2011年の発売以来、販売数量が好調に推移し、「午後の紅茶 ストレートティー/ミルクティー/レモンティー」に続く、ブランドの第4の基盤商品として好評をいただいています。さらに、“カラダにやさしい”にこだわって選んだ素材でていねいにつくった「午後の紅茶こだわり素材」シリーズを発売しました。その結果、「キリン 午後の紅茶」は、前年比1%増と好調に推移しました。
市場規模の大きい炭酸カテゴリーの取り組みとして、「キリン メッツ」ブランドから様々な新たな提案を行いました。「キリン メッツ グレープフルーツ」を中心としたフルーツ系炭酸、特定保健用食品の「キリン メッツ コーラ」、機能性表示食品の「キリン メッツ プラス」のラインアップで好評をいただき、前年比147%増と販売数量は大きく拡大し、1,000万箱を超えるメジャーブランドに成長しました。
近年の健康志向の高まりと食品表示規制の緩和を受けて、6月に機能性表示食品清涼飲料水届出第1号商品である「食事の生茶」を発売、8月には難消化性デキストリンを配合した機能性表示食品「キリン メッツ プラス」を発売し、キリンならではの発想と技術を掛け合わせた「イノベーションの力」を結集し、「おいしい」に「健康」をプラスした商品でお客様の健康的なライフスタイルを応援しています。
今後も、「世界一おいしい飲み物をつくる会社になる」というキリンビバレッジ㈱のビジョンを実現するため、お客様にとって、うれしい驚きをもった魅力的な商品開発を行っていきます。

当事業に係る研究開発費は、96億円です。

(オセアニア綜合飲料事業)

オセアニア綜合飲料事業では、LION PTY LTDで、最近のオーストラリアにおける飲酒運転問題や健康志向の高まりを背景に拡大している低アルコールビール市場に対し、アルコール濃度 0.9v/v%の「Hahn Ultra」を発売しました。同商品の開発には、キリンビール㈱で蓄積された低アルコールビールの製造技術が活かされており、よりナチュラルなホップの香りを実現するために、キリン㈱が開発したホップオイルを使用しています。

当事業に係る研究開発費は、4億円です。

(海外その他綜合飲料事業)

海外その他綜合飲料事業では、Brasil Kirin Holding S.A.で、新しいエナジードリンクの開発、プレミアムビール拡大に向けた技術開発、新しい飲料香味開発に資源を集中し、取り組んでいます。開発における大胆な資源集中とコスト削減により、大幅な経費節減に貢献しました。

当事業に係る研究開発費は、2億円です。

(医薬・バイオケミカル事業)

(1) 医薬事業
協和発酵キリン㈱では、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを目指しています。
当連結会計年度における主な後期開発品の開発状況は次のとおりです。

腎カテゴリー
・ 日本においてカルシウム受容体作動薬「レグパラ」の12.5mg製剤の承認を2月に取得し、6月に発売しました。
・ 日本においてカルシウム受容体作動薬KHK7580の血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を11月に開始しました。
・ 日本においてRTA 402の2型糖尿病を合併する慢性腎臓病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を3月に開始しました。
・ 中国において持続型赤血球造血刺激因子製剤KRN321(日本製品名「ネスプ」)の透析施行中の腎性貧血を効能・効果とする承認申請を2月に行いました。
がんカテゴリー
・ 日本においてc-Met阻害剤ARQ 197のソラフェニブ治療歴を有するc-Met高発現の切除不能肝細胞癌を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・ 抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)は、皮膚T細胞性リンパ腫を対象とした第Ⅲ相臨床試験を米国、欧州及び日本等において、成人T細胞白血病リンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験を米国及び欧州等において、それぞれ実施中です。なお、末梢性T細胞リンパ腫を対象とした第Ⅱ相臨床試験を欧州において実施していましたが、欧州での本適応における開発を中止することにしました。
免疫・アレルギーカテゴリー
・ 日本において抗IL-17受容体完全ヒト抗体KHK4827の乾癬を対象とした承認申請を7月に行いました。
・ 日本及び韓国において抗IL-5受容体ヒト化抗体KHK4563の喘息を対象とした第Ⅲ相臨床試験を、ライセンス導出先であるアストラゼネカ社が実施中の国際共同試験計画の一環として実施中です。また、日本において慢性閉塞性肺疾患を対象とした第Ⅲ相臨床試験を、アストラゼネカ社の国際共同試験計画の一環として7月に開始しました。
中枢神経カテゴリー
・ 北米及び欧州等においてKW-6002(日本製品名「ノウリアスト」)のパーキンソン病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。

その他
・ 日本において遺伝子組換えアンチトロンビン製剤「アコアラン」の先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向及びアンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固症候群を効能・効果とする承認を7月に取得し、当社と販売委受託契約を締結した一般社団法人日本血液製剤機構が9月に発売しました。
・ 中国においてトロンボポエチン受容体作動薬AMG531(日本製品名「ロミプレート」)の慢性特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を9月に開始しました。
・ 北米、欧州、日本及び韓国において抗線維芽細胞増殖因子23完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を12月に開始しました。また、米国及び欧州において小児X染色体遺伝性低リン血症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。

(2) バイオケミカル事業
・ 主力製品である各種アミノ酸・核酸関連物質などの省資源・高効率の発酵生産プロセスの開発に引き続き注力しています。
・ 国内外の大学研究機関との共同研究を通して得られた機能性や安全性データに基づき、アミノ酸等発酵生産物の栄養生理機能探索や用途開発を行い、製品の付加価値を高めています。
・ また、当社の持つ培養技術に関する知見を活かし、再生医療用の細胞培地に関する研究を行っています。

当事業に係る研究開発費は510億円です。

(その他事業)

小岩井乳業㈱技術開発センターでは、小岩井ブランドならではの大地の恵みを大切にしたおいしさに加え、会社ビジョンでもある「お客様の事を一番考える会社」として、お客様の「おいしい」「うれしい」の期待に応えるため、キリングループと協働した最新の技術も活用し、製品の開発及び包装容器の改善、乳製品の基礎研究に取り組んでいます。
当期成果として、小岩井乳業㈱の主力カテゴリーである発酵乳において、「小岩井 生乳(なまにゅう)100%ヨーグルト」で長年培ってきた長時間前発酵技術を活かした新商品開発に注力し、新商品として「小岩井 生乳(なまにゅう)ヨーグルトクリーミー脂肪0(ゼロ)」、そして香料・安定剤を使用しない「小岩井 バニラヨーグルト脂肪0(ゼロ)」をリニューアル発売しました。
チーズカテゴリーにおいては、一昨年・昨年に引き続き、キリングループのCSV活動の一環として、東北地方の名産である素材を原材料にした「小岩井 オードブルチーズ」(牛タン)を開発し、東北復興支援商品(※製品1個につき1円を寄付し震災復興に役立てる)として通年発売しました。
上記商品以外にも、小岩井ブランドならではの乳のおいしさにこだわった製品開発を進め、ヨーグルト、乳飲料、乳製品でも数多くの新商品を開発・発売しました。
また研究成果として、キリン㈱との共同資産である“まもるチカラの乳酸菌”「プラズマ乳酸菌」においては、昨年同様、岩手県雫石町の小中学校を対象とした児童生徒の健康づくりサポートとして、1月末~3月の一定期間「プラズマ乳酸菌を含むヨーグルト」の無償提供を行いました。岩手医科大学、キリン㈱、小岩井乳業㈱の共同研究により、商品を提供した雫石町と提供しなかった隣接する町を対象に、提供期間中における小中学校でのインフルエンザ罹患者数を比較調査したところ、プラズマ乳酸菌を含むヨーグルトの摂取によりインフルエンザの週ごとの最大罹患率および調査期間内の累積罹患率が低下することが示唆されました。この結果は、11月の第74回日本公衆衛生学会で発表しました。
今後も最新の研究・技術開発で得られた成果を新商品の開発及び既存商品の改良に活用し、より多くの「おいしい」「うれしい」を実現する乳製品を提供していきます。

当事業に係る研究開発費は1億円です。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00395] S10078ZC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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