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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J0C5 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 出光興産株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、燃料油、高機能材、資源、更には新規事業創出のための研究開発に取り組んでいます。現在、図に示した研究開発体制の下、互いに密接に連携して研究開発活動を行っています。
なお、研究開発費については、各セグメントに配賦できない全社共通研究費41億円が含まれており、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は前年同期比39億円増加の194億円です。

(当社グループの研究開発体制)

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当連結会計年度における各セグメントの研究開発内容、研究開発経費及び研究開発成果は次のとおりです。

(1) 燃料油セグメント
燃料油セグメントでは、環境に配慮した石油製品の開発を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は24億円です。
燃料油事業では、重質油処理装置の全体最適処理技術の開発、及び劣質原油処理時の腐食機構の解明と対策検討、石油製品の高付加価値化を目的としたペトロリオミクス関連技術の開発、プロセス技術を活かした事業競争力の強化、製油所・事業所の高効率化、省エネルギー化及び環境調和型社会への貢献を目指した技術開発を行っています。

(2) 高機能材セグメント
高機能材セグメントでは、環境に配慮した潤滑油製品の開発、機能材料及び樹脂加工製品の競争力強化に向けた保有技術の改良や新規材料の開発、電子材料事業、アグリバイオ事業における研究開発を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は122億円です。
①潤滑油事業では、省燃費・省エネルギーや環境に配慮して開発した商品をグローバルに展開し、国内及び海外市場への安定供給実現に努めています。当連結会計年度の主な実績は以下のとおりです。
・自動車用潤滑油においては、省燃費性を更に高めたエンジン油と、EV車両用潤滑油を開発し、商品ラインアップを拡充しました。
・工業用潤滑油においては、環境対応型高機能商品の開発を進め、消費電力削減に繋がる省エネルギー型機械設備用潤滑油や冷凍機油、産業ロボット用グリース、更に、作業環境改善効果の高い水溶性切削油やプレス油の開発を推進し、商品ラインアップを拡充しました。

②機能材料分野では、新機能を有した粘接着基材の開発及びエンジニアリングプラスチックであるポリカーボネート樹脂やシンジオタクチックポリスチレン樹脂の高付加価値商品の開発に取り組んでいます。当連結会計年度の主な実績は以下のとおりです。
・一般の結晶性ポリプロピレン樹脂と比べて大幅に融点が低く、軟質特性を有する機能性軟質ポリプロピレン(商品名:エルモーデュ®)は、従来から展開してきた衛生材料用接着剤原料、家具用接着剤原料、不織布・フィルム等のポリプロピレン改質剤での展開を進め拡販に繋げました。
・ポリカーボネート樹脂(商品名:タフロン®)では、透明性や流動性に優れた新しいグレードを開発し、液晶ディスプレイ部品や自動車を含む各種照明部品市場で好評を得ています。特に自動車照明用材料では高透明性及び高導光性が要求されるDRL(Day Time Running Light)部品向けの販売が好調で、ここ数年高い伸び率で拡大を続けています。2015年12月に千葉工場のポリカーボネート製造装置を停止し、2016年度より共重合技術を活用した特殊グレードを含む全ての生産を、台湾Formosaグループの中核企業であるFCFC社へ集約し、市場での競争力をさらに向上させました。昨年はこの特殊グレードは車載用途での採用も始まり、従来に無かった市場に向けて、今後更に展開を加速させていっています。
・シンジオタクチックポリスチレン樹脂(商品名:ザレック®)では、成形サイクルや成形時の流動性を改良したグレードを展開し、自動車電装部品等への販売を拡大しました。また、電波透過性,電気特性が評価され車間距離レーダー部品,電気自動車部品への採用が始まっています。更には高速通信向け部品への納入開始により、自動車分野以外への新規用途開拓も推進していきます。

③シート・フィルム分野では、包装材料のグレード開発及び産業用途の加飾分野の開発を行っています。当連結会計年度の主な実績は以下のとおりです。
・昨今の環境問題対応への社会的要求を受け止め、バイオプラスチックを用いたシート・フィルム、生分解性樹脂を用いたジッパー等の環境対応商品を開発し、顧客へ提供を開始しました。
・包装材料では、顧客ニーズに基づくグレード開発を推進し、バリアシート(商品名:マルチレイTM)を用いたロングライフ化に対応した食品容器の開発、レトルト対応ジッパーテープ(商品名:プラロックTM)を用いた電子レンジに対応した調理袋の開発等により、商品ラインアップの拡充を行いました。
・加飾分野では、開発した塗装代替の高輝度グレードにより自動車・住設・家電の各分野へ用途展開し、拡販に繋げました。

④電子材料事業では、有機EL材料、酸化物半導体材料に代表される電子材料分野での新素材の研究開発を行っています。特に有機EL材料においては、顧客との連携強化、大学との共同研究などを通じて商材の更なる高性能化から次世代技術の開発まで、幅広い開発活動を推進しています。当連結会計年度の主な実績は以下のとおりです。
・東レ㈱との共同取り組みにおいて、次世代の技術として期待されている熱活性化遅延蛍光(TADF)の材料で世界最高レベルの発光効率と寿命を達成しました。
・本成果は、新たな技術の早期実用化に向けた大きな進歩であり、2019年11月に東レ㈱と共同プレス及び国際学会での共同発表を行いました。

⑤アグリバイオ事業では、微生物培養技術や応用技術、天然物活用技術によって、農業や畜産分野の「食の安全・安心」と「増大する食糧需要」に貢献する商品のラインアップを拡充しています。また、海外展開に向けて登録申請の準備を進めています。当連結会計年度の主な実績は以下のとおりです。
・農業分野では、新規発売が1剤(殺虫剤)となりました。
・連結子会社の㈱エス・ディー・エス バイオテックでは、日本国内での新規農薬の登録件数は3剤、新規農薬の登録申請は5剤となりました。また、67剤の拡大登録を取得しました。

(3) 資源セグメント
石炭事業では、鉱山で生産される製品炭の品質を向上させるとともに、石炭を効率よくクリーンに利用して環境負荷を低減する技術の開発を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は2億円です。当連結会計年度の主な実績は以下のとおりで、特にパリ協定発効を踏まえ、環境と調和した石炭利用技術の開発を強化しました。
・石炭火力のCO2排出削減に繋がる木質バイオマスの製造・販売を目指し、製造技術、評価技術の確立及び実機ボイラでの石炭との混焼試験を実施しました。試験結果を踏まえ、木質バイオマスの品質向上や需要家へのコンサルティングを行っています。
・郵船商事㈱が保有するボイラ制御技術に出光が保有する石炭高効率燃焼技術を融合させて機能向上を図ったボイラ制御最適化システム「ULTY-V plus」の販売を通じ、需要家の石炭ボイラから排出されるCO2の削減に貢献しています。本事業は日本郵船グループと共同で実施しています。
・宇部興産㈱及び日揮グローバル㈱とともに、複数の大学の参画を得てCCSU研究会を設立。産学協働で、産業廃棄物に含まれるカルシウム等によりCO2を固定化し、資源として利用する研究開発を開始しました。
・低品位炭の利用促進を目的に、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同でインドネシア褐炭を用いた炭素材料の研究開発を実施しました。

(4) 全社共通(コーポレート研究)
コーポレート研究としては、社会や技術のトレンドを掴み、適社性を加味したうえで、新規事業創出に向けた機能材料の開発や気候変動対策に資する研究を実施するとともに、事業部研究所を含め全社で推進している研究開発の加速を図るべく高度な分析・解析技術によるサポートを実施しています。
リチウム電池材料室では、次世代電池として技術確立が望まれる全固体電池のキーマテリアルである固体電解質を中心とした次世代電池用材料及びその量産化の研究開発を行っています。市場拡大が見込まれる電動車両に必要な、安全で高性能な全固体電池の実現に向け、固体電解質の材料開発・提供を通じて貢献していきます。固体電解質の商業生産に向けた小型量産設備を千葉事業所内に建設する計画です(完工・稼働開始は21年度第1四半期)。

・2018年4月、AIや機械学習機能の活用による次世代材料設計の加速化を目指し、先進技術研究所内に新たに計算科学チームを編成しました。
・2018年7月、中長期的な材料開発の基礎研究を継続・強化するため、先進技術研究所内に次世代電池材料研究室を新設しました。
・2019年4月、先進技術研究所と旧昭和シェル石油のコーポレート研究部門(厚木地区)を統合し、名称を次世代技術研究所に変更しました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01084] S100J0C5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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