有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QZUI (EDINETへの外部リンク)
楽天銀行株式会社 事業の内容 (2023年3月期)
当行は、楽天グループ株式会社が100%出資するインターネットを活用した銀行であり、日本においては、個人・法人(事業性個人を含む)に対して、台湾においては個人に対して、多様なお客さまニーズに応える銀行サービス及びこれに付随する金融サービスを提供しています。
当行グループは、当行、連結子会社23社及び非連結子会社4社で構成されており、それぞれの役割は以下となっています。連結子会社である楽天信託株式会社は、信託業法に基づく信託業務を行っており、顧客から金銭、金銭債権、不動産等を受託しています。また、当行がグループ内外の企業の金銭債権、不動産等を流動化して当行の運用資産を組成する際には、倒産隔離を実現するために、多くの案件において楽天信託株式会社の信託機能を利用しています。連結子会社である一般社団法人スーパートラストホールディングス及び「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社であるスーパートラスト1乃至20は、楽天カード株式会社マンスリークリア債権の信託受益権をバックアセットにして資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を発行する目的で設立しています。特定子会社である楽天國際商業銀行股份有限公司は、台湾において、当行が日本においてこれまで培ってきたインターネットバンキング(パソコンやスマートフォンなどインターネットを介し、銀行の取引ができるサービスをいう。以下同じ。)のノウハウを活かし、インターネットを活用した銀行業を営んでいます。非連結子会社である楽天バンクドメインサービス株式会社は、当行の旧商号である「イーバンク銀行株式会社」が保有していたドメインの管理を行う目的で設立しています。同様に、トランスバリュードメインサービス株式会社は、当行の子会社である楽天信託株式会社の旧商号である「トランスバリュー信託株式会社」が保有していたドメインの管理を行う目的で設立しています。
当行及び当行の関係会社の事業に係る位置づけは以下のとおりであり、事業の区分は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一区分です。
なお、当行グループは、銀行業以外に、信託業等の事業を営んでいますが、信託業等の全セグメントに占める割合は僅少であり、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
親会社である楽天グループ株式会社並びに同社の子会社及び関連会社(以下、「楽天グループ」という。)のうち、一部の子会社及び関連会社との主な事業上の関係は以下のとおりです。
当行は、楽天カード株式会社、楽天証券株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社に銀行代理業務(口座開設の媒介)を委託しています。
(事業系統図)
当行は、登録金融機関業務として、楽天証券株式会社から金融商品仲介業務を受託しています。
当行は、楽天生命保険株式会社及び楽天損害保険株式会社から保険代理業を受託しています。
当行は、インターネットを活用し、個人、法人のお客さまに利便性の高いサービス、お得なサービスを、スピード感をもって提供し、「安心・安全で最も便利な銀行」を実現することを目指して事業を展開しています。具体的には、個人ビジネスにおいては、① 「生活口座として利用される銀行」、② テクノロジーを活用した時間と場所を選ばない「安心・安全で便利な銀行」を目指します。なお、「生活口座」とは、「(a)給与・賞与の受け取り、(b)電気・ガス・水道等の公共料金、携帯電話料金、クレジットカード利用代金、借入の返済等の口座振替、(c)各種支払いを行うための振込、振替、海外送金、(d)資産の運用等、個人の生活の幅広いニーズを満たすために利用される銀行口座」と定義しています。法人ビジネスにおいては、テクノロジーを使って融資、預金、為替を含めた全ての銀行サービスをお客さまのニーズに合わせて提供し、① 「取引先企業の規模に関わらず全ての取引先に利便性を提供する銀行」、② 「企業経営者のパートナーになる銀行」を目指しています。また、楽天エコシステムを活用して新規顧客を効率的に獲得し、当行の事業の成長の実現を目指します。これらの楽天エコシステムを活用した事業展開を通じて、お客さまの楽天グループのサービスに対する信頼を高め、結果としてお客さまの当行サービスに対する粘着性の向上に繋げます。さらには、インターネットの有効利用や役職員の革新的なアイデアの活用により事業の低コスト運営を徹底し、低コスト運営により得られたコスト削減分の一部をお客さまにポイントやキャッシュバック等で還元することにより、お客さまにとってお得なサービスを実現します。
当行が上記の方針に基づき、継続的なサービスの利便性向上、価格競争力の向上を実現したことがお客さまに評価されたと考えられ、それに加え、社会のデジタルシフトを背景に「時間と場所を選ばずに銀行取引が可能なスマートフォンアプリ等を活用したインターネットバンキング需要」が高まったことにより、当行の口座数・預金量は着実に増加してきました。昨今では、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴う外出自粛・リモートワークの促進等により、インターネットバンキングの利便性に関する認知度がさらに向上し、当行のサービスの利便性、価格競争力に対する評価が一層高まった結果、当行の顧客基盤は大きく拡大したと考えています。その結果、当行は、口座数1,373万口座、預金量9.1兆円と、日本のインターネット銀行業界において最大の顧客基盤(2023年3月末現在、住信SBIネット銀行株式会社、PayPay銀行株式会社、auじぶん銀行株式会社、ソニー銀行株式会社、株式会社大和ネクスト銀行、オリックス銀行株式会社、GMOあおぞらネット銀行株式会社、株式会社みんなの銀行、株式会社UI銀行の開示情報に基づく当行調べ)を有しています。こうした顧客基盤の拡充を背景として、以下のとおり、当行の業績は向上しています。
(単位:百万円、千口座)
項目 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 |
連結経常収益 | 87,720 | 95,513 | 103,386 | 106,026 | 120,445 |
連結経常利益 | 27,329 | 27,275 | 27,581 | 27,909 | 38,746 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 19,039 | 18,960 | 19,337 | 20,039 | 27,692 |
口座数 | 7,324 | 8,687 | 10,521 | 12,310 | 13,739 |
預金量 | 2,808,279 | 3,575,634 | 5,765,538 | 7,765,315 | 9,129,876 |
日本における社会のデジタルシフトはまだ緒に就いたばかりであり、今後、日本社会のデジタルシフトは加速し、インターネットバンキングに対する個人、法人のお客さまのニーズは拡大すると期待されるため、当行は、サービスの利便性と価格競争力で、これらのインターネットバンキングに対するお客さまニーズの増加を確実に捕捉し、更なる口座数・預金量の伸長による顧客基盤の拡充を実現し、持続的な事業の成長を図ります。
(事業の特徴)
当行は、物理的な支店を持たず、自前のATMも保有せずにインターネットで銀行サービスを提供するインターネット銀行であり、従来の銀行と比較して、比較的低コストでの事業運営が可能です。銀行業においては、費用に占める固定費の割合が高いため、インターネット銀行がビジネスモデル上コスト競争力があるとはいえ、一定の事業規模に到達するまでは、その競争力を発揮するには至りません。当行は、インターネット銀行のビジネスモデル上のコスト競争力を享受できる事業規模を既に超えていると考えており、今後の事業拡大により、当行のコスト競争力はさらに強化されるものと見込んでいます。
また、当行は、従来、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループのお客さま(以下、「楽天会員」という。)に対して当行サービスの利便性と価格競争力を訴求することにより顧客基盤を拡充してきました。楽天会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデルである楽天エコシステムは、楽天グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開により拡大し、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指すものです。当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2023年3月現在)の強固な顧客基盤を活用した新規顧客獲得及び当行へのロイヤルティを高める施策を推進しており、楽天グループ株式会社とのポイントプログラムの提携等、楽天証券株式会社との口座連携(マネーブリッジ)、銀行代理業の委託、金融商品仲介業務等、楽天カード株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社への銀行代理業の委託等、楽天グループ株式会社及びその他の楽天グループ各社との間で様々な提携を行っています。また、楽天グループのサービスと組み合わせた銀行サービスを提供することによる付加価値をお客さまに提供できていると考えており、この付加価値がお客さまの当行及び楽天グループへのロイヤルティをさらに高める効果をもたらしていると考えています。
このように、お客さまの当行へのロイヤルティを高めるインセンティブ施策の一つとして当行の自律的判断に基づき楽天ポイントを活用していることや、ブランドや知名度、楽天グループ各社との顧客相互送客等を通じた楽天エコシステムの活用により他のインターネット銀行とは異なる利便性や価格競争力をお客さまに提供していることが当行の効率的な新規顧客獲得、及びお客さまのリテンションに寄与していると考えており、今後は、引き続き楽天エコシステムとのシナジーを強化していきますが、他方、当行の知名度アップに伴い、楽天グループ外のチャネルで当行のサービスの利便性を訴求することによる新規顧客獲得がさらに増えると考えています。
① 充実したサービスラインナップ
当行が提供しているサービスの特徴は、主要行や地域金融機関が提供してきた銀行サービスをインターネットを活用して利便性を高め、低コストで提供することに加え、当該金融機関等が提供してこなかった周辺サービスも幅広く提供し、従来の銀行サービスを超えるフィンテックサービス全般を提供していることです。当行は、従来の銀行サービスを超えたフィンテックサービスを提供することにより、お客さまの多様な金融サービスニーズを漏れなく取り込むことを目指しています。お客さまの多様な金融サービスを漏れなく取り込むためには、まず、お客さまの生活に密着する支払いを取り込むべく、お客さまに複数の利便性の高い支払方法の選択肢を提示することが重要であると考えています。具体的には、個人の生活において必要な電気・ガス・水道・携帯電話・クレジットカード・税金等の支払ニーズに対して、口座振替、「楽天銀行コンビニ支払サービス(コンビニ払込票に記載してあるバーコードを楽天銀行アプリで読み込むことにより、コンビニに行かずにいつでもどこでも楽天銀行口座から支払いができるアプリ決済サービス)」、「ペイジー(日本マルチペイメントネットワークが提供するインターネットを使った支払サービス)」といった多様な利便性の高い決済サービスをお客さまに提供しています。また、これらの支払サービスの提携先を順次拡大し、お客さまの利便性の向上に努めています。また、お客さまの資金受取ニーズに対しても、給与をはじめとして、国民年金・厚生年金、国税還付金等を受け取るためのサービスをお客さまに提供するのみならず、これらの資金の受け取りを行ったお客さまに各種優遇を提供することとしています。さらには、外貨預金、振込、宝くじ、海外送金等、利便性に優れた幅広いサービス提供することにより、個人のお客さまの生活口座としてご利用いただくことを推進しています。こうした取組が功を奏し、2023年3月期における決済件数は、約724百万件(前年比13.3%増)となっています。
また、今後、キャッシュレス社会がさらに進展し、いずれはゼロキャッシュ社会が到来する可能性もあると考えています。当行は、いち早く当行口座を活用したキャッシュレスペイメントに対応し、利用金額の1%のポイントをお客さまに還元し、Visa・Master・JCBの3ブランドに対応している「デビットカード」、当行口座からオートチャージができ、バリューチャージ金額に応じてプレミアムバリューが付与され、JCBの加盟店で利用可能な「プリペイドカード」、及び全国のコンビニ・ドラッグストア等で利用可能な「楽天ペイ」の利用の際の「当行口座からのチャージ不要のダイレクト払い」をお客さまに提供しています。今後、「楽天ペイ」を運営する楽天ペイメント株式会社との協業を更に進めることを企図して、2022年7月に楽天ペイメント株式会社の株式を5%取得しています。当行は、銀行業界において、最も幅広い銀行口座からのキャッシュレスペイメント手段を提供している銀行の1つであると考えており、今後のゼロキャッシュ社会に向けた動きの中で、決済情報等の独自データを活用し、お客さま毎にカスタマイズしたサービスを提供することで、当行はこの優位性をさらに強化していきます。
また、アプリとFacebookを連携させることにより、Facebookの友達に銀行口座情報を入力することなく送金できる「Facebookで送金」、受取人のメールアドレスと名前だけで振込が可能な「かんたん振込(メルマネ)」といったユニークなフィンテックサービスも提供しています。
さらには、当行がオープンプラットフォーム戦略の一環として推進している地域金融機関及び事業会社(以下、「提携企業」という。)に対するBaaS(Banking as a Service)の提供においても、当行は、前述のとおり他行比システムコストの優位性があると認識しており、かつ自行において幅広いサービスを1つのアプリで提供することを実現していることから、BaaSにおいても優位性を発揮できると考えています。当行が推進しているBaaSは、当行において提携企業の専用支店を設置し、提携企業は、当行の銀行代理業者として当行の専用支店の口座開設の媒介を行い、提携企業の顧客が当行の専用支店に口座を開設して、当行のインターネットバンキングサービスを利用するスキームです。専用支店では、当行が一般顧客に提供するサービスから提携企業が選択したサービスのみを提供し、提携企業が地域金融機関の場合には、当行口座と当該地域金融機関のお客さま口座の連携を実現するためにオープンAPIの技術を活用しています。具体的には、2019年11月に株式会社大垣共立銀行、2021年12月に株式会社西日本シティ銀行、2023年1月に第一生命保険株式会社の顧客に対するインターネットバンキングサービスの提供を開始しました。加えて、2022年12月には東日本旅客鉄道株式会社と株式会社ビューカードが検討している新たなデジタル金融サービス「JRE BANK」の提供に向けて合意しました。当行はBaaSを通じて、自社のお客さまに銀行サービスを提供したい提携企業が有するアセットやノウハウと、当行が有する金融サービスに関するノウハウを、当行の柔軟なシステム開発能力を活用して融合し、お客さまに銀行単体では提供できないユーザー体験を創出することにより、ユニークかつ競争力のあるフィンテックサービスを実現することを目指しています。
法人ビジネスにおいても、当行がシステムを自行で開発、運用、保守する体制を採っていることが、大きな効果を発揮していると考えています。当行は、法人のお客さまに対して、競争力のある価格で一般的な銀行サービスを提供するとともに、多様かつユニークな国内外への支払サービス、資金受取サービス、資金集中サービス等を提供しています。さらにはシステムの柔軟な開発能力を活用して、法人のお客さま毎のニーズに合わせてサービスをカスタマイズすることも行っています。また、当行は、インターネット銀行ではあるものの、法人のお客さまへの営業においては、インターネットマーケティングと対面アプローチのハイブリッドの営業手法を採っており、お客さまの経営方針や金融サービスニーズの詳細なヒアリングに基づき、多様なサービスの中からお客さまに最適なものを提案し、必要があればカスタマイズ提案も行い、お客さまのニーズに沿った法人向けインターネットバンキングサービスを提供しています。
こうした取組が功を奏しており、2023年3月期において、手数料収益等で構成される非金利収益は、経常収益の40%超を占めています。なお、非金利収益は、損益計算書における役務取引等収益及びその他業務収益に計上しています。
② 多様な運用資産
イ.個人向けローン
当行の現在の主たる収益源は個人ビジネスですが、その中でも、幅広い個人向けローン商品を提供していることが、当行の競争力の源泉となっていると考えています。物理的な支店を持たず、インターネットを活用して全国のお客さまにサービスを提供しており、地域を限定せずに、住宅ローン、カードローン、教育ローン、トラベルローン、英会話ローン、不動産担保ローン、投資用マンションローン、リバースモーゲージ等、お客さまのライフステージやライフスタイルの変化に応じた多様なニーズに応え得る幅広いローン商品を備えています。この充実した商品ラインナップをベースに、楽天グループで培ってきたインターネットマーケティングのノウハウ等をフルに活用することにより、顧客ニーズに合わせたローンの提案を行い、ローンビジネスを拡大してきたと自負しています。その結果、2023年3月末現在において、個人向けローン残高は1兆7,110億円となっており、当行の運用資産の25%を占めています。ロ.運用資産の多様化
当行の資金運用面では、上記個人向けローンに加えて、各種資産の証券化ノウハウ、当行及び楽天グループが保有するデータ等を活用して、自ら運用資産を創出し、運用収益を拡大しています。具体的には、企業の保有する金銭債権や不動産等を当行独自で証券化のアレンジを行い、当行の子会社である楽天信託株式会社で信託受託して証券化による倒産隔離を実現し、証券化された資産を当行が投資家として購入することにより、お客さまにワンストップの証券化サービスを提供しています。当行グループ内で完結するワンストップの証券化サービスは、スピード、コスト面において競争力があると自負しており、楽天カード株式会社のクレジットカード債権や楽天モバイル株式会社の通信料債権及び端末割賦債権の金銭債権等を証券化するのみならず、楽天グループ外の企業が保有する各種資産の証券化も幅広く手掛けており、当行の運用資産の多様化に大きく寄与しているものと考えています。また、この証券化による運用資産の創出の一環として、太陽光発電プロジェクト等の事業リスクの証券化にも取り組んでおり、当行の運用の拡大に貢献しています。今後も、当行の有する証券化ノウハウと、当行及び楽天グループが保有するデータを活用して、魅力的なリスク・リターンプロファイルを有する当行固有又は楽天グループ独自の資産を中心に運用資産を積極的に積み増し、当行の収益力をさらに向上させることを目指しています。
ハ.法人融資への取組
当行は、法人のお客さまの資金決済・運用・借入ニーズに対して適切なソリューションを提案することを通じたお客さまとの総合取引を推進しており、その中で法人のお客さまの運転資金及び設備資金の資金需要に対する融資も手掛けています。今後、法人のお客さまの銀行サービスのデジタル化が進展し、当行の知名度アップにより幅広い法人のお客さまに当行の法人サービスが認知されることにより、当行の法人融資が、中期的に当行の運用資産の柱の1つに成長することを期待し、その実現に向けて取り組んでいます。③ システムの自行開発、運用、保守体制
当行は、行員がシステムの開発、運用、保守をコントロールする体制を構築しています。この自行によるシステムの開発、運用、保守体制により、当行は、システムコストにおいて、他行比高い競争力を有していると考えています。また、自行による開発、運用、保守体制により柔軟かつスピード感のあるシステム開発が可能となり、現在のインターネット銀行サービスの競争の主戦場であるスマートフォンアプリにおいて、1つのアプリでほぼ全てのサービスを、わかり易く、使い易いユーザーインターフェースで提供することを実現していると自負しています。また、技術革新の早いインターネット業界においては、常に最先端の技術に対する情報収集が必要であり、世界的にインターネット事業を展開する楽天グループに属する当行は、楽天グループのインターネットに関するテクノロジーを享受できる立場にあり、この点も当行の優位性に繋がっていると考えています。当行が楽天グループに属していることは、楽天グループで蓄積されたAIの活用ノウハウを享受できるという面でも当行の競争力を高めていると考えています。当行及び楽天グループが保有するデータとAIを有効活用することにより、当行の各種サービスの潜在顧客を特定し、顧客毎にサービスを利用する可能性が最も高いタイミングでサービスの提案を行い、当行の収益向上を実現していると考えています。また、ローンの審査モデルの構築や審査精度向上にもAIを活用し、貸倒コストをコントロールしつつローン収益を拡大しています。併せて、AIを業務の効率化目的にも積極活用しており、当行の低コスト運営を継続的に強化しています。さらに、当行の顧客に対する広告ビジネスにおいても、AIの有効活用により、精度の高いターゲティングが可能であり、広告のクライアントのニーズに的確に応えることができると考えていることから、今後、広告ビジネスを強化していく方針です。
④ 強固な顧客基盤を有する楽天エコシステムとのシナジーの追求
当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2023年3月現在)の強固な顧客基盤を活用して、今後も継続的に新規顧客の獲得を目指していきます。楽天会員は、楽天のサービスに対するロイヤルティが高く、その信頼の上に当行の銀行サービスが位置付けられることにより、短期間で大量の新規顧客獲得を実現してきました。2022年度における新規口座開設の約65%が楽天グループ経由での申込となっており、顧客獲得コストの抑制に寄与していると認識しています。また、楽天グループのサービスと組み合わせた銀行サービスをお客さまに提供することにより、他の銀行にはない価値をお客さまに提供しており、この価値がお客さまの当行及び楽天グループへのロイヤルティをさらに高める効果をもたらしていると考えています。さらには、当行は、お客さまの当行サービスの利用や預金残高に基づきお客さまに楽天ポイントを付与する顧客優遇プログラム「ハッピープログラム」も提供しています。楽天ポイントは、当行の振込手数料に充当できるほか、楽天グループが提供する様々なサービスの利用代金の支払いや、コンビニ等のリアル店舗での支払いにも利用できるため、「ハッピープログラム」は、お客さまのリテンションに大きく寄与していると考えています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03621] S100QZUI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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