有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100KGH2 (EDINETへの外部リンク)
クリングルファーマ株式会社 研究開発活動 (2020年9月期)
国内臨床パイプラインごとの研究開発活動は以下のとおりになります。なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません
(ア)脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施し、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ました。第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果を踏まえて、KP-100は2019年9月に患者数が少ない希少疾病に対して臨床的に治療薬となる可能性が高く、その開発に係る計画が妥当であること等を条件とする希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より受けました。また、第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaに論文発表されております。
本事業年度は、第Ⅰ/Ⅱ相試験で得られたPOC(プルーフ・オブ・コンセプト:研究開発中である新薬候補物質の有用性・効果が、ヒトに投与することによって認められること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に治験計画届書を提出しました。その後、同年7月より第Ⅲ相試験を開始しております。
(イ)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相臨床試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続しております。当社は、当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当該期間においても、日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社よりCRO等治験費用の填補を継続しました。また、患者組入れを継続し、組入れた患者への投与を継続中であります。
(ウ)声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当該期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
以上の結果、当事業年度の研究開発費の総額は489,508千円であります。
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