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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CGGV

有価証券報告書抜粋 キユーピー株式会社 研究開発活動 (2017年11月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」を大切に、世界の人々の食生活と健康に貢献するために、適正価格で食品をお客様に提供するという姿勢のもと、「調味料」、「タマゴ」、「サラダ・惣菜」、「加工食品」および「ファインケミカル」の各事業に関する研究開発に取り組んでいます。

研究開発は、主として当社研究開発本部、および生産技術部、国内連結子会社ではアヲハタ株式会社、株式会社カナエフーズ、デリア食品株式会社、キユーピー醸造株式会社、コープ食品株式会社、株式会社サラダクラブなど、海外連結子会社ではHENNINGSEN FOODS, INC.、北京丘比食品有限公司、杭州丘比食品有限公司、KEWPIE(THAILAND)CO.,LTD.、KEWPIE MALAYSIA SDN.BHD.、KEWPIE VIETNAM CO.,LTD.およびPT. KEWPIE INDONESIAなどの各研究開発部門が連携、協力して行っています。
特に当社研究開発本部は、グループの研究開発の中核として、オリジナリティのある技術や原料素材を創出し、技術から生まれる感動をお客様に商品として提供し、食を通じて世界のお客様のライフスタイルを革新できるよう、研究開発を行っております。
当社研究開発本部は、グループの新たな挑戦で飛躍的成長を実現するために、グループオフィスの中で「ものづくりと新価値づくり」の役割を担う仙川キユーポートを活用して、研究開発におけるグループシナジーの発揮と付加価値創出力を強化しています。社外との連携においては、国内外の研究機関とのオープンイノベーションに積極的に取り組み、価値の高い研究開発を加速しています。
これらの研究開発と並行して生産技術部門では、これまで築き上げた豊富な独自技術を活用して、研究部門の開発商品を品質第一で具現化するための設備開発を行っております。また、独創的な現場IT技術を駆使して、グループの生産効率向上や品質保証体制を高める生産環境の実現、標準化されたシステム開発を行っています。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、40億58百万円です。
また、報告セグメントにおける研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。



(1)調味料、タマゴ、サラダ・惣菜、加工食品、ファインケミカル
当連結会計年度において、研究開発活動の中で創出した研究成果は、29件学会で発表し、23件論文に投稿し掲載されました。以下の表には代表的な発表を示します。


タイトル学会共同研究先
Comparison of the physicochemical properties between enzymatic and alkaline hydrolysates of eggshell membrane2017 IFT Annual Meeting & Food Expo
EFFECTS OF INGESTION OF EGG WHITE PEPTIDES ON MUSCLE FATIGUE AMONG MIDDLE-AGED MARATHON RUNNERS IN ENDURANCE TRAINING40th National Strength and Conditioning Association北海道教育大学 他
品種の異なるジャガイモを貯蔵したことによる芋のなめらかさの変化の違い日本食品科学工学会 第64回大会
栽培方法(植物工場と露地)の違いがリーフレタスの商品特性に及ぼす影響日本食品科学工学会 第64回大会
31P NMRを用いた冷凍変性卵黄の構造解析日本食品科学工学会 第64回大会東京農工大学
高機能乾燥卵白のゲル化特性と食品への応用日本食品科学工学会 第64回大会東京農業大学
シスチンによる卵白からの硫化水素発生抑制日本食品科学工学会 第64回大会東京農工大学
卵黄プラズマの電解処理による物性機能改変日本食品科学工学会 第64回大会東京農工大学
鶏ムネ肉の物性とおいしさに及ぼすマヨネーズ配合の影響
Effects of mayonnaise on the physical properties and the taste of chicken breast
日本調理科学会 2017年度大会
マヨネーズを使った食欲不振時にも食べやすい調理工夫
Easy cooking idea even when anorexia using mayonnaise
日本調理科学会 2017年度大会
The effect of additional consumption of one egg per day on serum lipids and antioxidant parameters in healthy and moderately hypercholesterolemic malesICN 21th(第21回国際栄養学会議)お茶の水女子大学
東京大学
加熱変性リゾチーム配合アルコール製剤の様々な試験方法を用いた活性の検証第113回日本食品微生物学会
学術講演会
東京海洋大学




タイトル掲載雑誌共同研究先
Co-aggreagtion of ovalbumin and lysozymeFood Hydrocolloids筑波大学
Dietary egg-white protein increases body protein mass and reduces body fat mass through an acceleration of hepatic β-oxidation in ratsBritish Journal of Nutrition
2017 Sep;118(6):423-430
九州大学
Maintaining good miRNAs in the body keeps the doctor away?: Perspectives on the relationship between food-derived natural products and microRNAs in relation to exosomes/extracellular vesicles.Molecular Nutrition and Food Research
2017 Jun 8.
国立がん研究センター
Observations using Phosphorus-31 Nuclear Magnetic Resonance (31P NMR) of Structural Changes in Freeze-Thawed Hen Egg YolkFood Chemistry
Volume 244, 1 April 2018, Pages 169-176
東京農工大学





主力基幹商品である家庭用マヨネーズカテゴリーにおいては、健康訴求の商品である「キユーピーライト」のリニューアルに取り組みました。食品の基本機能であるおいしさを徹底的に研き、さらにカロリーカット率を80%に高めることで他社との差別化を行いました。長年のタマゴの研究から新たに開発した卵香味油を加え、卵のコクとうま味を増強しおいしさと機能性の両立を図りました。また、「キユーピーマヨネーズ」と同様に賞味期間を製造後10か月から12か月に延長し、食品廃棄ロスの問題にも着目してお客様の使い易さをさらに向上させる商品力を研きました。
ドレッシングでは、新しいサラダスタイルとして進めているパワーサラダを提案するアイテムの拡充を行いました。メニュー訴求型のアイテムとして家庭の食宅で簡単に韓国風サラダを楽しむことができる「チョレギサラダドレッシング」の開発や、幅広い食材と野菜を相性良く楽しめるドレッシングとして、「レモンドレッシング」、「玉ねぎと白ぶどうドレッシング」、「にんじんとオレンジドレッシング」の3品を「緑キャップ」シリーズとして新たに開発しました。これはキユーピー醸造株式会社の独自技術を使用した果実酢(フルーツビネガー)と果汁の組み合わせで、野菜の風味を引き立てる仕立てを開発しパワーサラダのメニュー提案の幅を拡大しました。
フードサービス市場においてもパワーサラダを拡大するアイテムとして、「すりおろしにんじんドレッシング」を開発し彩りあるサラダの提案につなげました。この商品は日本食糧新聞社の第21回業務用加工食品ヒット賞(洋食部門)を受賞し流通業界からも評価していただきました。
またドレッシング以外でのサラダ用調味料として「フルーツビネガー」シリーズ3品を開発しました。味の決め手となる各種の醸造酢は、キユーピー醸造株式会社で製造した独自の特徴ある原料を活用し他社との差別化を図りました。
具だくさん調味料の潮流より、今まで蓄積した具だくさん調味料の技術を応用し刻み野菜をたっぷり加えた、さまざまな料理に使える調味料「テーブルビネガー」シリーズ3品を開発しました。肉や魚料理などの主菜にも合う香辛料や果汁、醸造酢を使いドレッシングとは異なるカテゴリーの商品となりました。
さらに、健康訴求の面から「ノンオイルドレッシング」シリーズのリニューアルを行いました。幅広いお客様に楽しんでいただけるように、塩味を控えめに仕立てました。味づくりの技術として香りに着目しノンオイルであっても満足感のある風味を演出する技術開発を進め商品化につなげました。

連結子会社であるキユーピー醸造株式会社では、芳醇な香りと濃厚な味を特長とする「芳醇モルトビネガー」および「芳醇赤ワインビネガー」を発売し、洋風酢の価値を引き出す商品開発を進めています。
業務用商品として、「SUSHI’s ジュレ」、たまご加工品の食感を改良する調味液「VINEGG」を発売しました。また、業務用の惣菜向け調味料として「レモンあんかけのたれ」を発売しました。



家庭用市場においては、「キユーピーのたまご」ブランド「つぶしておいしいたまごのサラダ」のおいしさを研き上げてリニューアルを行い、シリーズの売上伸長に寄与しました。新商品では、独自の半熟卵の技術を活かした「ふわとろたまごのオムレツ」を全国に販売網を拡げ、また「シェフのスクランブルエッグ」を新たに開発して首都圏で試験販売を実施しました。
フードサービス市場においては、新たに開発した製法によって手作りのたまごサラダの風味を再現した、「キユーピーのサラダ」ブランド「たまごサラダ」を発売し、リテールベーカリーなどで人手不足に課題をお持ちのお客様から好評を得ています。
さらに色の白い卵素材「ピュアホワイト」を活かした商品開発を行い、即食できる商品として「スノーマン」ブランド「とろっと名人ひらけオムレツ(ホワイト)」を、得意先で調理やデザートにお使いいただく素材商品として「ピュアホワイト(調理用)」、「冷やしてかためるホワイトプリンベース」を発売しました。卵が白いことの珍しさや、シェフが卵の黄色に邪魔されずにメニューをデザインできることから、料飲業態のお客様から好評をいただき、イースターイベントの目玉としても使っていただきました。
タマゴ素材の商品開発としては、パティシエの声から生まれた卵「エグロワイヤル」を活かして、主に加工メーカー、惣菜ベンダーの個別の要望にお応えした商品開発を行うとともに、原料の品質安定に取り組み、物量増加に寄与しました。
一昨年に新発売した液全卵製品「エクセルエッグSP」を市場での検証を通じて改良を行い、品質的に殺菌液卵が使えなかったお客様のご要望にお応えすることができました。
また、かつ丼、お好み焼きなどの量販店惣菜に使用されている殻付卵の代替えや、使い易さなど個別のご要望にお応えしたツインパック液卵の開発に力を入れ、売上伸長に寄与しました。



サラダ・惣菜では当社研究開発本部、連結子会社であるデリア食品株式会社および株式会社サラダクラブなどと密接に連携し、安全でおいしいサラダ・惣菜を提供する加工技術を研き、伸張する市場に向けて商品開発を行っています。
惣菜では、新たな販売チャネル(宅配、事業所)に対応した商品と、健康を意識される方に向けたアマニ油や乳酸菌などを使用した惣菜のアイテム拡大を図り、売上の増加に貢献しました。
パッケージサラダ(カット野菜)では、お客様の需要に沿った容量(ファミリーサイズ)を拡充し、カテゴリー全体の売上を牽引しました。
また、カロリーや糖質が気になる健康志向の方に向けて、新しい野菜の食べ方として、麺状に人参や大根をカットした「ベジヌードル」に取り組み、好評をいただいております。
業務用のLLサラダでは、「キユーピーのサラダ」ブランドとして「大地のはぐくみごぼうのサラダ」など4アイテムにおいて、程良い酸味の芳醇白ぶどう酢と素材の風味を活かした商品としてリニューアル発売しました。



加工食品の商品開発は、グループ各社の研究開発部門と当社研究開発本部が密接に連携し、それぞれの強みを活かしながら短中長期の研究開発テーマに取り組んでいます。
当社研究開発本部は、介護食や育児食、病態食などの特殊技術を要する商品やNB商品の開発、新たな技術や素材の開発を伴う中長期的商品開発、あるいは次世代を担う新カテゴリーの創出などを主たる役割としています。
主な開発品は、家庭用では茹でたパスタにあえるだけでおいしく召し上がれるための独自製法と新素材を採用した、「あえるパスタソース」シリーズに新商品を投入しました。また、人気の「3分クッキングスープの素」シリーズにも新たな味を追加し、さまざまなメニューにてお楽しみいただけるようにしました。さらに、「ビストロクイック」シリーズや「鍋パスタ」シリーズはより一層おいしく、しかもお手軽にお楽しみいただけるようにパッケージや調理方法を工夫したリニューアルを実施しました。育児食では、お客様の需要にお応えするために生産拠点を2つに増やし、また商品群のスクラップ&ビルドを実施することで収益力を高めました。
業務用では素材と風味にこだわった「ビシソワーズ」を発売しました。また独自素材や調理技術により外食チェーンやCVS業態向け調理ソースを提案し、採用に至っております。また、病院・介護施設向け商品では、流動食や大腸内視鏡検査食のリニューアルを始め、商品アイテムの統廃合を行いました。

また、昨年被災した日本罐詰株式会社の復興に向けた取り組みと、長年ご愛顧くださったお客様のご要望にお応えできる商品開発にも注力しました。
グループ会社においては、独自原料や製造設備を活用したフルーツや豆類、長芋、ごぼう、バジルなどの農産加工品、パスタソースや調理ソース、スープなどの調理食品、国産鶏やアンチョビなどを加工した商品などを開発しております。


ファインケミカルでは、ヒアルロン酸、タマゴ成分、独自の機能性素材の可能性を最大限に引き出す研究と商品開発を進めています。
ヒアルロン酸では、皮膚のコラーゲンサイクルに働きかける化粧用高機能ヒアルロン酸「HAbooster」を発売しました。また台湾当局に申請していた発酵ヒアルロン酸の食品用途での使用許可がおりたため、新たに台湾で食品分野の市場開拓を開始しました。
タマゴ成分に関しては化粧品用原料として従来から販売していた加水分解卵殻膜の製法を大きく見直し、海外向けに「PEPTEM」の販売を開始しました。
ノロウイルスの不活性化効果がある、卵白由来の加熱変性リゾチームを配合したアルコール製剤を昨年販売し、さらにアルコール製剤以外への使用範囲を広げるため、粉末タイプ加熱変性リゾチーム製剤の開発を進め、ユーザーへの紹介を開始しました。
また、マヨネーズの原料であるお酢を生産する酢酸菌が持つアルコール分解酵素に注目し、世界で初めて酢酸菌酵素を活用した飲酒ケア食品(商品名「よいとき」)のコストダウンを進め、よりお求めやすい価格に改定し、販売を開始しました。


海外の商品開発では、調味料分野においてエリアごとにお客様のニーズに合わせた商品開発を推進しており、アメリカではごまドレッシングの大容量(30オンス)を発売し、ヨーロッパではマヨネーズの新容器を採用した350g入りを発売しました。また中国では現地の嗜好に合わせた新しい味のドレッシングとして、海鮮ドレッシング・レモンドレッシングを発売しました。
加工食品分野では中国で白桃ジャムや紫芋サラダを新製品で発売した他、業務用のタマゴ加工品分野において中国とタイでスクランブルエッグを、インドネシアで厚焼卵の販売を開始しました。



(2)共通、物流システム
該当事項はありません。



経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00464] S100CGGV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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