有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AM8S
堺化学工業株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動については、当社の研究開発本部が研究・開発各部門を統括し、経営戦略本部と連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内に設置した中央研究所は中長期的なテーマの研究開発を、事業部やグループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市のための研究開発を行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,909百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(化学)
(1) 機能性無機材料・ナノ材料
中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公設研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種蛍光体、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料等の開発に取り組んでおり、パイロットスケールでその商品価値を確認の後、順次事業部へ技術移管しております。
蛍光体は、化粧品用に赤、緑、青の3色ラインアップを化粧品産業技術展などの展示会で発表し、市場開拓に注力しております。また避難誘導表示板等に用いる長時間発光の蓄光体や、太陽電池用の波長変換材料の開発も進めております。応力発光体は、様々な形状の成型物の検査用途などの実用化を目指しております。
燃料電池は水素エネルギー社会での成長が期待されており、当社グループの粉体合成技術、触媒技術を活かせる分野として材料開発に取り組んでおります。
無機材料事業部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発に取り組んでおります。その他にも高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカ、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に注力しております。
電子材料事業部では、電子材料用途向けにチタン酸バリウム、エネルギー用途向けに燃料電池材料の開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。燃料電池材料に関しては、粉体合成技術を活かした酸化物材料を中心に、民生用のみならず、今後の市場拡大が期待される業務用・産業用向けにもサンプルワークを進めております。
機能材料部では、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。加えて、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力しております。
(2) 触媒
中央研究所では、固体高分子型燃料電池用の電極材料開発に注力しております。環境・エネルギー・化学プロセスを重要な注力分野と決め、触媒事業の拡大を図るべく開発に取り組んでおります。
触媒事業部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。
(3) 有機化成品
イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、医薬中間体、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおります。
新規開発したチオール変性マレイミド樹脂は、中央研究所及びSC有機化学㈱は共同でサンプルワークに注力しております。高い耐熱性と柔軟な屈曲性を有する特徴があり、耐熱接着剤用途など市場開拓を進めております。
(4) 機能性インキ・各種分散体
レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、光学用高屈折分散体の開発にも取り組んでおります。
また、各種樹脂・エラストマー等に高漆黒性や高輝度性等の機能性を付加するマスターバッチや入浴剤・化粧品などのトイレタリー分野の要求も増えてきており、開発に一層注力しております。
(5) 樹脂添加剤
樹脂添加剤事業部では、Sakai Chemical(Vietnam)Co.,Ltd.をグローバル展開の拠点とし、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術を応用した特徴のあるハイドロタルサイトを応用した塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。
(6) 道路標示材の開発
大崎工業㈱では、視覚障害者用誘導標示材「点字シート」の増販を目指し、従来タイプよりも設置作業工程が少なく、また防滑効果をより高めた新タイプの「一体型点字シート」の開発に注力しております。また、路面標示用溶着塗料においてスクールゾーンや自転車レーン用のカラー材の拡販にも取り組んでおります。
以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,659百万円であります。
(医療)
カイゲンファーマ㈱では、既存主力製品のX線検査造影剤関連製品の改良検討を行うとともに、医療機器やヘルスケア領域の新製品開発に取り組んでおります。
医療機器分野では、近年増加している内視鏡下での消化管疾患治療を補助する医療機器について、2019年中の発売をめざし国内で臨床試験(治験)を開始いたしました。これ以外にも、従来から注力している内視鏡関連の医療用製品の新規開発を継続的に行っております。
ヘルスケア分野では、従来からのOTC医薬品、健康食品だけでなく、機能性表示食品を含む各種サプリメントの開発にも積極的に取り組んでおります。
なお、医療事業に係る研究開発費用は249百万円であります。
(その他)
特記すべき事項はありません。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,909百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(化学)
(1) 機能性無機材料・ナノ材料
中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公設研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種蛍光体、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料等の開発に取り組んでおり、パイロットスケールでその商品価値を確認の後、順次事業部へ技術移管しております。
蛍光体は、化粧品用に赤、緑、青の3色ラインアップを化粧品産業技術展などの展示会で発表し、市場開拓に注力しております。また避難誘導表示板等に用いる長時間発光の蓄光体や、太陽電池用の波長変換材料の開発も進めております。応力発光体は、様々な形状の成型物の検査用途などの実用化を目指しております。
燃料電池は水素エネルギー社会での成長が期待されており、当社グループの粉体合成技術、触媒技術を活かせる分野として材料開発に取り組んでおります。
無機材料事業部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発に取り組んでおります。その他にも高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカ、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に注力しております。
電子材料事業部では、電子材料用途向けにチタン酸バリウム、エネルギー用途向けに燃料電池材料の開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。燃料電池材料に関しては、粉体合成技術を活かした酸化物材料を中心に、民生用のみならず、今後の市場拡大が期待される業務用・産業用向けにもサンプルワークを進めております。
機能材料部では、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。加えて、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力しております。
(2) 触媒
中央研究所では、固体高分子型燃料電池用の電極材料開発に注力しております。環境・エネルギー・化学プロセスを重要な注力分野と決め、触媒事業の拡大を図るべく開発に取り組んでおります。
触媒事業部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。
(3) 有機化成品
イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、医薬中間体、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおります。
新規開発したチオール変性マレイミド樹脂は、中央研究所及びSC有機化学㈱は共同でサンプルワークに注力しております。高い耐熱性と柔軟な屈曲性を有する特徴があり、耐熱接着剤用途など市場開拓を進めております。
(4) 機能性インキ・各種分散体
レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、光学用高屈折分散体の開発にも取り組んでおります。
また、各種樹脂・エラストマー等に高漆黒性や高輝度性等の機能性を付加するマスターバッチや入浴剤・化粧品などのトイレタリー分野の要求も増えてきており、開発に一層注力しております。
(5) 樹脂添加剤
樹脂添加剤事業部では、Sakai Chemical(Vietnam)Co.,Ltd.をグローバル展開の拠点とし、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術を応用した特徴のあるハイドロタルサイトを応用した塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。
(6) 道路標示材の開発
大崎工業㈱では、視覚障害者用誘導標示材「点字シート」の増販を目指し、従来タイプよりも設置作業工程が少なく、また防滑効果をより高めた新タイプの「一体型点字シート」の開発に注力しております。また、路面標示用溶着塗料においてスクールゾーンや自転車レーン用のカラー材の拡販にも取り組んでおります。
以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,659百万円であります。
(医療)
カイゲンファーマ㈱では、既存主力製品のX線検査造影剤関連製品の改良検討を行うとともに、医療機器やヘルスケア領域の新製品開発に取り組んでおります。
医療機器分野では、近年増加している内視鏡下での消化管疾患治療を補助する医療機器について、2019年中の発売をめざし国内で臨床試験(治験)を開始いたしました。これ以外にも、従来から注力している内視鏡関連の医療用製品の新規開発を継続的に行っております。
ヘルスケア分野では、従来からのOTC医薬品、健康食品だけでなく、機能性表示食品を含む各種サプリメントの開発にも積極的に取り組んでおります。
なお、医療事業に係る研究開発費用は249百万円であります。
(その他)
特記すべき事項はありません。
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