有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IBOW
 オンコリスバイオファーマ株式会社 研究開発活動 (2019年12月期)
オンコリスバイオファーマ株式会社 研究開発活動 (2019年12月期)
当社の当事業年度における研究開発費は、医薬品事業385,563千円、検査事業130,276千円、両セグメント共通46,854千円、合計562,694千円となりました。
なお、当事業年度における研究開発活動の状況は以下の通りです。
(1) 研究開発体制について
2019年12月31日現在、研究開発部門は13名在籍しており、これは総従業員数の41.9%に当たります。(2) 研究開発並びにビジネス活動について
当社は、以下のプロジェクトを中心に研究開発並びにビジネス活動を進めました。① 医薬品事業
1)がんのウイルス療法テロメライシンⓇ(OBP-301)に関する活動当社はビジネス面において、2019年4月8日に中外製薬とテロメライシンに関する独占的ライセンス契約及び資本提携契約を締結しました。本契約により、日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンスと、中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬へ付与しました。今後、テロメライシンの臨床試験において一定の効果が確認され、中外製薬が独占的オプション権を行使した場合には、本ライセンス総額は500億円以上になります。さらに、テロメライシンの上市後は、売上額に応じた販売ロイヤリティを、ライセンス契約総額とは別に受領します。
本契約の契約一時金として2019年4月に5.5億円を受領しました。更に、2019年12月に第1回マイルストーンを達成し、追加で5億円が売上高に計上されています。
またビジネス活動に加え、現在、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)は、i)放射線併用食道がんPhase1企業治験、ii)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の固形がんPhase1医師主導治験、iii)抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験、iv)肝細胞がんPhase1企業治験の4つの臨床試験が同時に進行しています。また、新たに米国で放射線化学療法を併用した食道がんPhase1臨床試験や抗PD-1抗体と放射線療法を併用した頭頸部がんPhase2臨床試験を開始するための準備が進められています。更に、乳がんを対象とした非臨床試験も進行しています。
上記i)の「放射線併用食道がんPhase1企業治験」に先行して岡山大学で実施された「放射線併用医師主導臨床研究」は、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者様を対象に、テロメライシンの放射線治療併用における安全性及び有効性の評価を既に完了し、2018年7月に神戸で開催された日本臨床腫瘍学会で、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学の藤原俊義教授グループにより「テロメライシンを投与した部位での治療効果は13例中8例でCR (Complete Response:完全奏効)であり、重篤な有害事象は認められなかった。」と発表されました。また、2019年4月に米国アトランタで開催されたアメリカ癌学会(AACR:American Association for Cancer Research)でも、同内容についてプレナリーセッションで討議がなされました。
一方、上記i)の「放射線併用食道がんPhase1企業治験」は、効果安全性評価委員会により2019年9月にPhase1企業治験での安全性の評価が完了しました。今後開始される食道がんに対する放射線を併用したPhase2臨床試験は、ライセンス先である中外製薬がコスト負担して臨床開発が進みます。
また、2019年4月には、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。これにより、PMDAへの承認申請前相談が可能となり優先的な取り扱いを受けることができるようになりました。
上記ii)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用して食道がんを中心に開発を進めている「各種固形がん抗PD-1抗体併用Phase1医師主導治験」は2017年12月に投与が開始され、既にPhase1aの投与が完了し、Phase1bに移行しています。この中間成績は、2019年3月に米国アトランタで開催されたAACRや2019年11月開催の日本バイオセラピィ学会で発表され、テロメライシンの抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用における安全性が示されました。また、一次評価としての予備的な有効性評価では、9例中3例で全身での部分寛解(PR)が得られたと報告されました。
上記iii)の米国コーネル大学での「抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の胃がん・胃食道接合部がんPhase2医師主導治験」においては、2019年5月に第1例目の投与が開始されました。最大37例に投与が行われる予定で、テロメライシンと抗PD-1抗体ペムブロリズマブを併用した際の有効性及び安全性の評価を行います。また、本治験の実施計画は、2019年6月に米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of Clinical Oncology)で発表されました。
上記iv)の肝細胞がんPhase1企業治験においては、国立釜山大学(韓国)と国立台湾大学(台湾)を治験実施施設として単回・反復投与を含めPhase1の最終段階が進行しています。
また、米国で放射線化学療法を併用した食道がんPhase1臨床試験や抗PD-1抗体と放射線療法を併用した頭頸部がんPhase2臨床試験を開始するための準備が進められています。更に、乳がんを対象とした非臨床試験が進行しています。
当社が中国・香港・マカオでのテロメライシンの研究・開発・製造・販売権を付与したハンルイ社は、テロメライシンのGMP製造を確立し、2019年10月にPre-INDを実施するなど中国政府(NMPA: National Medical Products Administration)への治験申請に向けた準備を行っています。
2)次世代テロメライシン(OBP-702)に関する活動
腫瘍溶解遺伝子治療OBP-702は、がん抑制遺伝子p53による「遺伝子治療」とテロメライシン(OBP-301)の「腫瘍溶解機能」を組み合わせた2つの抗腫瘍効果を持つウイルスです。当社はOBP-702を、中外製薬やハンルイ社に導出済みのテロメライシンに続く「次世代テロメライシン」として位置付けています。また、岡山大学藤原教授の研究グループは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の助成を受けてOBP-702の非臨床試験を進め、2019年3月に米国アトランタで開催されたAACRや2019年11月開催の日本バイオセラピィ学会にて複数の非臨床試験結果が報告されました。当社は岡山大学から委託を受けて、OBP-702の製造法並びに品質試験法の開発検討を進めています。今後、研究開発を促進させ、2022年までに臨床試験開始を目指します。
3)その他の医薬品事業に関する活動
2009年にアステラス製薬株式会社から導入したヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤OBP-801は、2015年5月に他の治療法に抵抗性を示す進行性固形がん患者を対象としたPhase1臨床試験の投与を米国で開始しました。しかし、コホート3の段階で用量制限毒性(DLT:Dose Limiting Toxicity)が発生し、現在新規患者様の組入れを一時中断し、他の薬剤との併用など別プロトコルでの再スタートの可能性について検討しています。また、OBP-801の新規適応領域である眼科領域への適応については、2018年7月に京都府立医科大学の眼科研究グループと特許出願を行っており、共同研究を進めています。今後、眼科領域内のターゲットとする疾患を検討していく方針です。
新規抗HIV剤OBP-601(センサブジン)は、現在の抗HIV薬市場の状況に鑑み開発優先順位を下げて開発パートナーを模索していますが、依然としてHIVマーケットが過飽和状態であり新規ライセンスの可能性は非常に低下しています。今後、新規ライセンス契約の締結が不可能と判断した場合には、Yale大学へOBP-601の権利を返還し、当社経営資源を有効に活用するために、パイプラインの選択と集中を進めていきます。
B型肝炎ウイルス(HBV)に対する抗ウイルス薬プロジェクトであるOBP-AI-004は、新規化合物の創出に向けて鹿児島大学の抗ウイルス薬研究グループと共同研究を進めていきます。
医薬品事業における臨床試験の状況は以下の通りです。
| 開発コード | 商標又は名称 | 適応疾患 | 開発地域 | 開発ステージ | 
| OBP-301 | テロメライシンⓇ (がんのウイルス療法) | 食道がん 放射線併用 | 日本 | Phase2 (準備中) | 
| 食道がん (固形がん) 抗PD-1抗体併用 | 日本 | Phase1 | ||
| 食道がん 放射線 並びに化学療法併用 | 米国 | Phase1 (準備中) | ||
| 胃がん・ 胃食道接合部がん 抗PD-1抗体併用 | 米国 | Phase2 | ||
| 頭頸部がん 抗PD-1抗体 並びに放射線併用 | 米国 | Phase2 (準備中) | ||
| 肝細胞がん | 韓国・台湾 | Phase1 | ||
| OBP-801 | HDAC阻害剤 | 各種固形がん | 米国 | Phase1 | 
| OBP-601 | センサブシン(抗HIV剤) | HIV感染症 | 欧米他 | Phase2b(終了) | 
② 検査事業
がん検査薬テロメスキャンは、順天堂大学と血中循環がん細胞(CTC: Circulating Tumor Cells)の肺がん領域での臨床応用の検討を継続していきます。北米エリアの権利を許諾したLiquid Biotech USA, Inc.(米国)では、米国の大学や研究機関との共同研究を進めています。今後もがん細胞を検出する液体生検(Liquid Biopsy)へのテロメスキャンの活用を事業会社や大学・研究機関へ積極的に提案し、日本・中国・欧州での新規ライセンス契約やがん検査薬テロメスキャン販売の拡大を目指していきます。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E30058] S100IBOW)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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