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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100O9BA (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 大和ハウス工業株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループでは、「人・街・暮らしの価値共創グループ」として、社会に役立つ価値の創造を目指し、官公庁、国内外の大学、異業種企業とも密接に連携を図りながら、基礎・応用研究から新技術・新商品開発、これらの新技術の建築物や街づくりへの活用・検証まで多岐にわたる研究開発活動を行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は9,503百万円となっております。
当連結会計年度の主な活動は次のとおりです。

(1) 戸建住宅事業、賃貸住宅事業、マンション事業、住宅ストック事業

・都市部の富裕層向けに、当社最高級戸建商品「Wood Residence MARE-希-(マレ)」を発売いたしました。木造と鉄筋コンクリート造を組み合わせた混構造を採用することで、傾斜地や高低差のある敷地形状を活かした提案が可能です。柱なしで最大9mまでの大開口、最大10mの大空間、最大3.5m(※1)の天井高を実現しております。併せて、日本の気候や風土に適し、高い強度を備えた国産ヒノキを梁や柱等の構造用集成材として採用しております。外壁の仕上げ材にも新たに防耐火認定を取得し、化粧木板や天然石、大判タイル、陶板外壁等、上質な素材の提案を可能といたしました。
※1.構造階高4m時の水平天井における高さ。
・建設中の分譲マンション「プレミストタワー新さっぽろ」は、省エネルギー性能に優れた住まいとして「2019年度超高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」(※2)に当社で初めて採択されるとともに、BELS(※3)による最高等級を取得いたしました。二重サッシや Low-E 複層ガラスなどで建物の基本性能を向上させ、パネルヒーターや熱交換形換気機器「ロスナイセントラル換気システム」(※4)などを採用することで、一般的な共同住宅(※5)に比べ、一次エネルギー消費量を約27%削減いたします。
※2.地域ごとに設定された断熱性能基準をクリアし、かつ6階以上の賃貸住宅やマンションで、同一規模の一般的な共同住宅と比べてエネルギー消費量を20%以上削減する「ZEH-M Oriented」に認定。
※3. 建築物省エネルギー性能表示制度のことで、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度。
※4. 室外の空気を室内に取り込み、室内の汚れた空気を室外へ排出するシステム。また、熱交換器が外気を室温に近づけて給気し、室外への排気の際も温度を下げて排気するため、冷暖房中の室内の快適さを損なわずに換気可能。あわせて、少ない風量で効果的に換気し、「ロスナイエレメント」が防音材の役目を果たし、室外の音を軽減する。ただし、キッチンのレンジフードは除く。
※5.国土交通省が公布した「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」で定める基準建物。
・当社とパナソニック株式会社、株式会社アスカネットは、当社が神奈川県で開発中の分譲マンション「プレミスト津田山」のサロンエントランス(※6)において、空中で操作できるインターホン「空中タッチインターホン」の共同実証実験を開始いたしました。集合住宅における空中タッチディスプレイを活用した本実験は、業界初(※7)の取組みです。今後は、店舗やオフィスビルなど大型施設における導入の可能性も検討し、実用化を目指してまいります。
※6.「プレミスト津田山」への導入予定はなし。
※7.3社調べ。(2022年1月12日現在)

・大和ライフネクスト株式会社 (以下「大和ライフネクスト」)と株式会社理経は、横浜市との3者連携協定による「次世代型マンション防災コンテンツの共同研究開発」において、マンション居住者様向けVR(バーチャルリアリティ)消防訓練「マンション防災 マンボウ(manbow)」(※8)のサービスを共同で開発し、大和ライフネクストが管理を受託するマンション管理組合様向け(※9)に提供を開始いたしました。試験的に開催したVR消防訓練においては、これまでの集合型消防訓練に比べ、参加率が5倍という結果が得られました。近年のマンション居住者様の防災知識の向上や消防訓練への参加率低下、及び感染リスクに対する課題解決策として、より多くの方々に気軽に消防訓練に参加いただくことを可能にいたしました。
※8.「VR消防訓練」「マンション防災 マンボウ(manbow)」は、商標出願中。
※9.サービス開始時点では、大和ライフネクストが管理を受託するマンション管理組合を想定しており、今後は広く一般の皆様にもサービス提供をする予定。
・当社は、現場監督の業務効率向上を図るため、戸建住宅の全工事現場(※10)でWebカメラを導入いたしました。工事現場に設置されたWebカメラから、工事状況や資材の運搬状況のデータを収集し、複数の工事現場を遠隔管理できるシステム「スマートコントロールセンター」(全国12ヶ所の事業所に設置)で一元管理を行うことにより、工事現場監督は、現地に行かなくとも、タブレット端末やモニターなどを通じて、作業員との円滑なコミュニケーション体制の構築が可能となります。これまでに戸建住宅約3,400棟(※11)の工事現場において試験運用し、現場監督の業務効率が約15%向上し、長時間労働の抑制につながることを確認いたしました。
※10.工事現場の状況により設置できない場合を除く。
※11.2020年10月~2021年4月は約300現場、2021年5月~2021年12月は約3,100現場(全戸に対して設置率約60%)。
なお、当事業に係る研究開発費は4,175百万円です。


(2) 商業施設事業、事業施設事業、その他の事業

・日本最大級のアトランティックサーモンの閉鎖循環型陸上養殖施設を、静岡県の工業団地「D-Project Industry 富士小山Ⅰ」において着工いたしました。当施設は、断熱効果の高い外壁パネルを採用し、屋根を断熱シート防水仕様にすることで断熱性能を高め、水槽温度と室内の空気温度を近づけることで、水温の変化が生じにくいよう配慮いたしました。また、室内の陽圧管理(※12)により、埃や害虫の侵入を防ぎます。閉鎖循環型陸上養殖は、場所を選ばず建設でき、餌・水質を含めた生育環境等を管理することで、餌や排せつ物による環境負荷を軽減いたします。今後も国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」や食料自給率の向上等に寄与するため、陸上養殖施設を含む食品関連施設の誘致を積極的に提案いたします。
※12.建屋内の気圧を外部より高く保つことで埃等が入り込みにくくする。
・当社と株式会社フジタ(以下、フジタ)、十一屋工業株式会社は、3社の知見を集結し、角形鋼管柱の施工現場用溶接ロボットシステム「SWAN®(スワン)」を開発いたしました。「SWAN®」は、溶接技能者の角形鋼管柱継手(※13)における溶接効率を最大2倍まで向上できるロボットシステムです。市販の汎用6軸多関節型ロボットアーム(※14)を組み込んだことで、溶接技能者の作業を再現いたします。建設現場(当社2現場、フジタ1現場)でも、良好な溶接品質を確認できました。今後、当社グループ施工現場での実用化に向けて、事務所ビル、商業施設、物流施設、ホテルなど大型建築物の施工現場に導入してまいります。
※13.正方形や長方形の中空鋼材を繋げ合わせる作業のこと。
※14.株式会社ダイヘン製。
・フジタ、国立大学法人広島大学、東広島市の3者は、地方創生の新たな産官学連携モデルを目指して、東広島市及び周辺地域において、学術研究面、人材育成面、産官学連携面等で政府が提唱するSociety5.0やスマートシティの実現に関する「包括的な連携推進に関する協定」を締結いたしました。フジタは、これまで培った「街づくり」の実績とノウハウ、防災・環境等のICT技術、デジタルによる街のシミュレーション技術等を提供することで、安全と安心を支え、多様な人々が共に暮らし、誰もが健康で生活をエンジョイできるスマートシティの実現を目指します。

・フジタは、株式会社センシンロボティクスと共同で、「遠隔臨場(※15)ドローンシステム」と「全自動ドローンシステム」を開発いたしました。「遠隔臨場ドローンシステム」は、ドローンを遠隔地からWebブラウザでリモート操作でき、カメラの映像情報等を高画質・4G LTEにより複数拠点で同時共有できるシステムです。「全自動ドローンシステム」は、建設現場において国内初(※16)となる目視外補助者無し飛行(レベル3)(※17)を可能としたもので、ドローン飛行の操縦者・補助者の100%の省人化、現場の出来高測量と安全巡視業務の時短による50%の効率化、及び自動写真測量で出来高測量業務の時間を従来の1/4に短縮いたしました。
※15.ウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用し、映像と音声を用いて現場に行かずとも離れた場所から確認・立会を行うこと。
※16.2021年7月12日発表時点。日本国内の建設現場において。フジタ調べ。
※17.無人地帯で補助者なしで飛行できるレベル。現場内はドローン飛行を認知している者のみで、無人地帯として認定される。
・当社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、「NTT Com」)は、当社が開発したマルチテナント型物流施設(※18)「DPL新富士Ⅱ」(静岡県)において、NTT Comの温度や湿度等の環境データを取得可能な2つのセンサーとIoTプラットフォーム「Things Cloud®」(※19)を活用し、熱中症やインフルエンザの発症リスクをリアルタイムに見える化する「倉庫環境監視IoTソリューション」の運用を開始いたしました。コロナ禍でのマスク着用に伴う体温の上昇により、リスクの高まる恐れが指摘されている熱中症やインフルエンザの発生リスクを見える化することで、テナント企業がより安全・安心に利用できる物流施設の実現を目指します。両社は、本ソリューションの継続的な改善に取組むとともに、当社が今後開発する施設への導入を推進し、物流施設のさらなる高付加価値化、維持運用メンテナンスの省力化を進める予定です。
※18. 複数のテナント企業が入居できる物流施設。
※19.NTT Comが提供するIoTプラットフォームの名称。デバイス接続からデータ収集、可視化、分析、管理等IoTの導入に必要な機能・プロセスを、ノンプログラミングで簡単・短期間に実現できる機能やテンプレートを提供。
・経済産業省資源エネルギー庁公募事業である2021年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」(※20)において、当社とイオングローバルSCM株式会社、花王株式会社、株式会社日立物流、株式会社豊田自動織機の5社の共同事業(物流施設でのAIを搭載した自動運転フォークリフトなどを活用し、トラック運行と連携させる提案)が、採択されました(※21)。5社は、当該技術を活用して、荷役や物流の効率化や省エネ化に取組みます。
※20. 新技術を用いたサプライチェーン全体の輸送効率化推進事業、トラック輸送の省エネ化推進事業及びビッグデータを活用した効率的かつ適切な自動車整備による使用過程車の省エネ性能維持推進事業。
※21. 2021年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」の応募は、大和ハウス工業株式会社、イオングローバルSCM株式会社、花王株式会社、株式会社日立物流の4社。
・大和リース株式会社は、大型システム建築商品ダイワスペースに、柱間隔が最大33mとなる「ダイワスペースWS(※22)(ダブルエス)」を開発し、販売を開始いたしました。中柱のない大空間の実現で、広いスペースが必要な物流倉庫・工場や体育館・室内練習場に適した商品です。
※22.WSは「Wide Span(ワイドスパン)」の略称。

・当社の研修施設「大和ハウスグループ みらい価値共創センター」は、建物・ランドスケープの環境性能や、利用者の健康・快適性、生物多様性等SDGsに関する取組みが高く評価され、米国のGreen Business Certification Inc.TM(GBCI社)による3つの国際的な環境認証「LEED®」(環境関連)、「WELL®」(健康関連)、「SITES®」(ランドスケープ関連)(※23)を日本で初めて同時取得いたしました。国内認証の「BELS」(省エネルギー)や「JHEP」(生物多様性)と合わせて5つの認証を取得したことになります。本施設は同規模の一般建築と比較して、一次エネルギー消費量を63%削減できる省エネルギー性能を備えているだけでなく、利用者の心身の健康増進や快適性の向上、生態系の再生等SDGsの達成につながる様々な取組みを設計に採用いたしました。構造体に奈良県産の集成材を座屈拘束材に用いた「木鋼ハイブリッドブレース」や同じく奈良県産の集成材を耐火被覆に用いた「木鉄ハイブリッド耐火柱」(※24)を採用したことなどが評価され、「ウッドデザイン賞2021」(※25)を受賞いたしました。
※23.LEED、SITES、WELL及び関連ロゴは、それぞれU.S. Green Building Council®、Green Business Certification Inc.TM、International WELL Building InstituteTMが商標を所有し、許可を得て使用しております。
※24. 日本製鉄株式会社が開発した1時間耐火構造柱。
※25. 特定非営利活動法人活木活木森ネットワーク、公益社団法人国土緑化推進機構、株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所で構成される「ウッドデザイン賞運営事務局」が主催の林野庁の補助事業。
なお、当事業に係る研究開発費は5,327百万円です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00048] S100O9BA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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