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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100AKJN

有価証券報告書抜粋 クラリオン株式会社 研究開発活動 (2017年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


当社グループは、高度情報化社会に向けたIVIに加えて、安全かつ安心して暮らせるクルマ社会の実現に向け、車載カメラを軸としたセンシング技術の研究開発を行っております。
研究開発活動は、主として日本で行っており、費用として認識された研究開発活動による支出は、主として要素技術開発や各セグメントにまたがる複合領域に投資しているため各セグメントには区分しておりません。なお、当連結会計年度における当該費用の総額は173億38百万円(前連結会計年度比11.1%減)であります。
当連結会計年度の研究開発の主な成果は、以下のとおりであります。
(通常の量産品の開発、改良等に係る活動について記載しております。)

(1) コックピット向け統合HMIの開発
運転の自動化、自動車の知能化に伴い、自動車と人間の関わり方が変化します。また、IT業界と車業界の連携、クラウドサービスの拡大、ADASの普及といった事業環境の変化が進展します。このため、自動車と人間の橋渡しを担う車載情報システムのHMIにも変化が求められます。当社は、ICTを活用したIVIとセーフティアンドインフォメーションの融合により、この変化に対応します。変化への対応の原動力となるのは、OEM向け事業で培った高いHMIソフトウェア・ハードウェア開発力、オーディオ製品を支えている音響技術、開発と連携してすばらしいユーザ体験を実現するデザイン力、市販製品事業でのアプリケーション・サービス開発の経験、五感を活かし人と車が協調する次世代HMIの研究開発力です。当社は、こうしたコア技術に支えられた車室(コックピット)内の機器を連携し、統合されたHMIにより高い顧客価値を提供していきます。

(2) 自動車向けのクラウド型テレマティクスサービス「Smart Access」の拡充
当社は、日立グループの協力を得て立ち上げ運用する独自の自動車向けクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access」の拡充を継続して行い、IT技術と当社が持つ車載情報機器技術とを融合させることにより、お客様の課題の解決のための最先端製品と最先端サービスを提供し続ける「車両情報システムソリューションプロバイダー」をめざしております。
車載情報機器にとって、コンシューマーデバイス(PCやスマートフォン)やITサービス(WebやSNS等)との連携は欠かせない機能となっています。当社は、2013年度にGoogleの音声認識技術と検索技術を活用し、当社独自開発の雑音抑圧技術、発話区間検知技術、発話トピック分類技術を組み合わせたクラウド型ITサービス「Intelligent VOICE」を提供、2014年度には車載情報機器の音声操作対応および対応言語の拡大を図り、北米と欧州に対応、2015年度には音声によるメール送信、車載機内の楽曲検索、目的地周辺の観光地のお知らせ通知など機能拡張を図りました。2016年には日立グループで開発したセキュアーなプログラム更新機能に対応、Googleのオートコンプリート技術やストリートビュー画像などを活用した機能開発を行いました。カーメーカーに対して、次世代インフォテイメントシステムと位置付けたサービスとしてSmart Accessのプラットフォーム基盤の提供を2014年度より開始しております。
今後も当社は、つながる機能「Smart Access」を通し、進化するITサービスを車に提供し続ける事でユーザーの利便性を向上させ、より快適、より安全なカーライフのサポートに貢献するための開発を推進してまいります。

(3) セーフティアンドインフォメーション事業における技術/商品開発

画像認識を応用した運転支援技術の開発領域では、駐車枠検知とMOD機能を実現した駐車支援SurroundEye(2010年)でスタートし、高速走行時のLDWとBSW(2012年)、ステアリング操作を自動化したIPA(2013年末)、車線検知によるLKS機能連携(2013年)などを実現、技術/商品開発領域を拡充しつつビジネス規模も拡大してきました。
当社はこれらの画像認識や制御連携技術に加え、単体カメラを使った高度な物体検知技術や、映像信号のデジタル伝送による高精細SurroundEye画像を用いた精度向上型の認識技術を追加して、自動駐車システムの実用化に取組んできました。有望なポテンシャル顧客にシステム評価を依頼、自動車開発の視点で指摘された内容を改善することで、2016年度は本格的な量産開発を進めることができました。また、さらに高度なシステム要求があることを見越し、経路誘導技術のブラッシュアップやセンサーフュージョン、周辺検知距離の拡大、通信システムとの融合に取組み、日立オートモティブシステムズ㈱と共同で2017年のCES(Consumer Electronics Show)にドライバーが車外で操作するリモート自動駐車を出展しました。また継続してSurroundEyeは業務用車両でも採用が始まり、グローバルな商品展開を進めています。
自動駐車の延長上にあって2020年前後に商品化されると言われる自動運転に関しては、高精度な位置検出機器であるMPU及び新たな画像認識技術や車載通信技術分野で日立グループと連携してこの分野に進出することを狙っています。

車載通信技術の分野では、乗車前のエアコン制御など利便性への応用だけでなくロシア市場でのエマージェンシーコール実現といった安心・安全も目的としたTCUモジュールの本格生産と納入が、2015年秋から始まりました。さらに将来の交通環境下では車両間あるいは車両と道路インフラ間で通信して安全情報を提供する機能も計画されており、車両側でこれを実現するC2Xプラットフォームの開発を日立グループと連携して進めています。
2016年度は欧州規格対応プラットフォーム試作機を開発しております。

(4) 多様化する車室内音響技術の取り組み
当社は、厳しい車載環境でも最良のサウンドを実現するため、独自の音響処理技術「Intelligent Tune」の開発に力を入れております。これまでに圧縮オーディオの音質、重低音の再生能力、ボーカルの音像定位、サラウンド感やビート感などを制御する様々な音響信号処理技術を製品に搭載してまいりました。2016年4月発売のフルデジタルサウンドシステムにおいては、従来とは異なる残響感や音色を制御する音響機能を新たに搭載しました。
現在は高音質化を目指すだけではなく、これまでに培ったスピーカー設計や音響信号処理のノウハウを活用し、車両のシートやヘッドレスト内部に搭載したスピーカーや振動子を用いた音響システムの開発にも取り組んでいます。これにより、運転者に対する音声や振動によるアラート情報・ガイダンス情報等のスムーズな伝達が可能となります。
今後も音質やユーザーの利便性を向上する新しい音響技術の開発を進めるとともに、車を取り巻く環境やニーズの変化、多様な聴取者の嗜好への対応、安心・安全の分野への音響技術の活用を推進してまいります。

(5) フルデジタルスピーカー
デジタル音源の持つ情報を圧倒的な省電力で余すことなく再生し、スピーカー駆動までの完全デジタル化を実現する、フルデジタルサウンドの市場導入とブランド・商品プロモーションを加速しております。2016年末に、光デジタル入力やハイレゾ再生にも対応したハイエンドヘッドフォンを発売。新たな市場における音響技術の可能性を模索し、車載向け製品群との共同プロモーションを推進することで、フルデジタルサウンドの認知度を飛躍的に向上することができました。また、車載ハイエンド市場においては、新たなラインナップ拡充に向けてマーケットリサーチを目的に、ミッドレンジスピーカーを当社デモカーに搭載しプロモーションを実施。市場ニーズと関心度の高さを再認識することが出来ました。
今後は、車載向けのフルデジタルサウンドの製品ラインナップを拡充すると共に、高出力化による新たな市場への参入も視野に入れた開発を推進してまいります。

注 ・IVI … In-Vehicle Infotainment System(車載インフォテイメントシステム)
・HMI … Human-Machine Interface(人間と機械との間で伝達を行うインターフェースの総称)
・ADAS … Advanced Driver Assistance System(先進運転支援システム)
・ICT … Information and Communication Technology(情報通信技術)
・ECU … Electronic Control Unit(電子制御ユニット)
・MOD … Moving Object Detection(移動物体検知機能)
・SurroundEye … 全周囲俯瞰モニターシステムのクラリオン登録商標
・LDW … Lane Departure Warning(車線逸脱警報)
・BSW … Blind Spot Warning(後側方接近警報)
・IPA … Intelligent Parking Assist(高度駐車支援(自動操舵型))
・LKS … Lane Keep Assist System(自動車線維持システム)
・MPU … Map Positioning Unit(高精度ロケーター(自車位置検出))
・TCU … Telematics Communication Unit(移動体用通信端末)
・C2X … Car to X(車車間/路車間通信)
・音像定位 … 人間が知覚する空間的な音の位置

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01814] S100AKJN)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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