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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009XUJ

有価証券報告書抜粋 シーシーエス株式会社 研究開発活動 (2016年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは「光を科学し、社会に貢献する」を基本理念に掲げ、積極的な研究開発に努めてまいりました。
当社グループにおける研究開発や商品開発活動は、主として当社技術・研究開発部門が担当しております。技術・研究開発部門は、研究開発とLEDデバイスの商品開発を担う光技術研究所、照明やUV-LED照射器の商品開発を担当する照明技術・商品開発部、照明や照射器を駆動・制御する電源や制御装置の商品開発を担当する制御技術・商品開発部の3組織の構成で、それぞれが密接に協力しながら研究開発や商品開発を進めております。
技術・研究開発スタッフはグループ全体で2016年12月末現在52名にのぼり、これは全社員の約18%に相当いたします。また、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は243百万円となっています。加えて、当社グループは、研究開発における成果等、知的財産の権利化にも積極的に取り組んでおり、当連結会計年度で、特許は5件、意匠は1件を出願いたしました。
当連結会計年度における研究成果は次のとおりであります。

(1)MV(マシンビジョン)事業
MV用照明におきましては、さまざまな検査対象物や検査用カメラに最適のライティングソリューションを提供できるよう、多種多様な照明を商品化してまいりました。昨今のファクトリーオートメーションの進歩や検査用カメラの多様化には著しいものがあり、お客様のニーズは急速に高度化・多様化しています。これらの変化に対応し、長年に渡って蓄積してきた独自の光学技術、制御技術、評価・解析技術を駆使して、卓越した性能の商品や今までになかった機能を備えた商品をお客様に提供しております。

①TH2シリーズ
「TH2シリーズ」は、検査対象物の後方から光を照射する、発光面が大きくフラットな形状の検査用LED照明です。外観形状確認、寸法計測、液体内容量検査、異物検査等での利用を企図し、検査対象物のシルエットの撮像に最適な機能と性能を実現しました。さまざまな検査に対応できるよう、従来の小型・中型タイプに加え、大型タイプ、横長タイプ、撮像用開口タイプの合計4タイプを商品化しております。
大型タイプは、画像処理により検査の自動化が進行している自動車部品や飲料容器などの大型部品や製品の検査に適しています。4種類のサイズをご用意しております。
横長タイプは、食品や菓子などの包装後の噛み込み検査、異物検査などに最適な照明です。横長の形状ですので、ラインセンサカメラでの検査にも適します。
撮像用開口タイプは、検査対象物の後方からではなく、前方から均一に明るく広範囲に光を照射する照明で、ロボットを活用した製造ラインでの利用に適しています。大型タイプと同形状の筐体に検査用カメラのための開口部を設けています。サイズは3種類をご用意いたしました。
「TH2シリーズ」は多彩なタイプ、発光色、サイズによりシリーズ全体で73機種の豊富な商品ラインアップであり、さまざまな検査に対し、最適なライティングソリューションを提供することができます。

②LNLPシリーズ
ラインセンサによる画像処理検査の場合、検査対象物が製造ライン上を高速で流れるため、検査用カメラは、極めて短い露光時間で検査対象物を撮像し、鮮明な画像を得る必要があります。この結果、照明にはできる限り高い照度が要求されます。
当社はすでに高照度のラインセンサ用LED照明をご提供しておりますが、高照度ゆえに発熱量も多く、照明の信頼性確保のために冷却ファンにより放熱する筐体構造を採用していました。しかし、不織布や紙などの製造現場では、発生した粉塵がファンに詰まって照明に悪影響を与える可能性もあり、また光学系フィルム製造などのクリーンルームでは管理された空気の流路を乱す可能性がありますので、ファンのない高照度のラインセンサ用照明が求められていました。
今回開発した「LNLPシリーズ」は、放熱フィンの表面積を大きく取るなど独自の放熱設計により、ファンが不要な自然空冷方式としながら、照度100万ルクスを実現しております。
また、本商品は、発光部分を片側に寄せた筐体形状(特許出願済・意匠登録出願済)とし、発光部分をコンパクト化しています。これにより、微細な凹凸検出に最適なローアングルでの照射の場合、従来よりもさらに浅い角度に本商品を設置し、凹凸のコントラストを高めた精度の高い画像を取得することが可能となっております。

③LNSP2シリーズ
「LNSP2シリーズ」はLNLPシリーズ同様のラインセンサ用LED照明ですが、同シリーズが照度を徹底的に追求した照明なのに対し、本シリーズは照度と軽量・省スペースを高い水準で両立させた照明となっております。検査内容にあわせ、標準タイプとNDF(None-Diffuser)タイプの2タイプをご利用いただけます。標準タイプは、発光面の高均一性と高照度の両立を企図した汎用的な商品で、NDFタイプは、高照度を追求しており、不織布など高い拡散性を持つ検査対象物に適します。
発光面を片側に寄せた筐体形状により、検査用カメラの視野を遮ることなく検査対象物に照明を近づけることができるため、ごく微細な凹凸検出に最適なローアングルでの照射や、陰影を少なくするため検査用カメラに近いハイアングルでの照射など自由度の高い設定が可能であり、検査内容や検査対象物に最適な検査が可能です。
サイズは標準タイプもNDFタイプもともに100mmから1,000mmまでの10種類で、シリーズ全体で20機種の商品ラインナップとなっております。

④電源や制御装置の通信機能強化に向けた取り組み
昨今、IoT、M2M、Industrie4.0など、ICTの活用による革新的な生産性向上や新しいサービス提供の試みが世界的に広まっています。当社としましても、情報ネットワークが張りめぐらされた工場での利用を念頭に、照明、電源、制御装置のインテリジェント化やスマート化に関する研究を進めております。
また、工場内の多種多様な機器が情報ネットワークに接続される場合、通信方式が統一されている必要があり、さまざまな通信規格が提唱されています。このため当社では、工場内情報ネットワークに接続される当社の電源や制御装置を主要な通信規格に対応させるべく、市場動向を調査しながら、技術・商品開発に取り組んでいます。さらに、どのようなデータを工場内機器と共有するとお客様が生産性を向上できるのかといった調査、研究も進めております。

(2)新規事業
①デバイスビジネス
当社は色の再現性がきわめて高い白色LEDデバイスを開発してまいりました。色の再現性を示す平均演色評価数Raは、業界最高水準の98を実現しています。この白色LEDデバイスを社内で開発する照明に提供するとともに、「自然光LED」として販売しています。また、自然光LEDデバイスの研究開発の過程で得た、光スペクトルをコントロールする技術により、特殊な光スペクトルのLEDデバイスもご提供しております。
医療機器用LED光源の分野では、高演色性や特殊スペクトル技術が高く評価され、さまざまな観察や治療の用途に向け、医療機器メーカーと共同で、最適なLEDデバイスの研究開発・商品開発を進めています。また、特殊な光スペクトルが必要とされる分析器用LED光源の分野でも、当社LEDデバイスの採用事例が増えております。
この自然光LEDで培った技術をベースに、紫外LEDデバイスの開発にも取り組んでおり、市販品では得られない機能、性能、品質の紫外LEDデバイスを市場に提供してまいります。
さらに、深紫外LEDデバイス、及びその応用商品の研究開発にも力を入れており、大学や研究機関等との共同研究を進めています。
波長200~350nmの深紫外光は、樹脂硬化、菌やウイルスの殺菌、飲料水や空気の浄化、バイオセンシング、医療・ヘルスケアなど広範囲な分野でその重要性が増しています。現在、深紫外光源としては水銀ランプが使用されていますが、寿命が短く、消費電力も極めて大きいことから、産業利用の範囲が限定的であり、小型・低消費電力である深紫外LEDの実用化が切望されています。加えて、2013年10月に「水銀に関する水俣条約」が採択され、2020年以降は水銀を含む製品の製造や輸出入が制限される見込みです。このような背景から、当社は世界最高出力を目標に、深紫外LEDデバイスの研究開発を積極的に進めるとともに、その応用商品の早期市場投入に向けての研究開発にも取り組んでおります。

②美術館・博物館ビジネス
自然光LEDを搭載した美術館・博物館用LED照明は、平均演色評価数が照明業界で最高水準であり、展示物本来の色を忠実に再現できます。加えて、展示物に与える損傷をきわめて小さくできます。このような美術館・博物館用LED照明は、貴重な展示物の照明にうってつけであり、すでに90を超える美術館、博物館、寺社に導入されております。
また、高演色性や低損傷性の追求だけではなく、明るさや均一性の向上、機器の高機能化や小型化などの研究開発にも積極的に取り組んでいます。さらに、大学や研究機関との共同研究により、展示物の鑑賞に最適な光の研究に取り組むなど、美術館・博物館ビジネスを拡大するための技術開発・商品開発を積極的に進めております。

③メディカルビジネス
医療分野では、観察や治療のために特殊な照明が必要とされます。当社は、自然光LEDデバイス技術とMV用LED照明技術を活用し、特殊なご要望にお応えすることで医療用LED照明を商品化し、研究者や医師の皆様から高い評価をいただいております。昨今の医療の進歩には著しいものがあり、さらなる高機能・高性能の医療用照明が必要とされています。当社は引き続き、さまざまなご要望にお応えしていくことで、メディカルビジネスを拡大させてまいります。


④アグリバイオビジネス
当社は、長年に渡ってLED照明の光の波長や強度、照射時間などが植物の成長や形態形成に及ぼす影響について、膨大な研究成果を蓄積してまいりました。LED照明の効果をさらに追求するため、現在は、光だけではなく、気温や水温、肥料など植物の成長や形態形成に影響を与えるさまざまな環境パラメータを総合的に研究しております。
また、これまでの研究は、主にレタス等の葉物野菜の栽培技術を対象としていましたが、イチゴ等の果菜類の育成や植物の機能性成分の向上といった栽培技術の研究にも取り組み始めました。さらに、植物工場においてLED照明を最も効果的に利用していただくため、これからは、照明を販売するだけではなく、植物栽培の最適条件の提案などコンサルティングも手がけてまいります。

⑤UV (Ultra Violet:紫外線)ビジネス
UV照射器は、樹脂硬化、接着剤硬化、印刷インク硬化、感光などさまざまな工業分野で利用されています。従来は光源として水銀ランプが使われていましたが、環境負荷低減や省電力化などの社会的要請と紫外LEDデバイスの性能向上を追い風に、LED光源への移行が始まっています。また、プリント基板を製作するためのUV露光装置におきましても、同様の理由で光源のLED化が検討されるようになってきました。UV照射器やUV露光装置用光源の市場規模はたいへん大きく、当社が今まで蓄積してきたMV用LED照明技術が活用できるため、積極的に研究開発や商品開発に取り組み、UVビジネスの拡大に注力してまいります。
UV照射器は、さまざまな工業分野で利用されるため、ご要望も多岐に渡ります。当社は、水冷型UV-LED照射器をすでに商品化しておりますが、さらなる高出力化、短波長化、空冷化など、積極的な商品拡充を推進しております。さらに、当社オリジナルの紫外LEDデバイスをUV-LED照射器に搭載することで、高いレベルで機能、性能、品質、価格の最適化をはかり、競合他社との差別化や高付加価値化を進めてまいります。


経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02091] S1009XUJ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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