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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100EC4M

有価証券報告書抜粋 株式会社ファーマフーズ 研究開発活動 (2018年7月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループでは、研究開発を事業展開上の最優先課題として捉えており、総役職員125人中、14名の博士を含めた研究開発スタッフ31名で実施しております(2018年7月31日現在)。当連結会計年度の研究開発費は、研究開発スタッフの人件費を含めて、274,243千円となっております。
組織としては、開発アイテム及びその開発段階によって、担当部毎に研究テーマの分類を行っており、組織的・系統的な研究開発ができる態勢を実践しております。さらに、会社設立当初より、当社グループ内だけでなく国内・海外の研究開発ネットワークを活用した外部協力者との共同研究を進めております。

(1)特許出願等
特許は研究成果を事業化する上で重要な位置を占めること、更には市場独占を果たす上で極めて重要であり、戦略的に優位性を持った特許出願を行っています。

(2)研究補助金
当社グループでは、1999年以降、各省庁や京都府、政府機関系の各種公益団体などより、多数の研究補助金(助成金、委託事業を含む)を受けております。研究補助金により研究開発に対する投資額の一部を補うことは、投資リスクの低減とともに、主催機関・大学その他組織等の第三者判断を経ることで、研究テーマの市場性・社会性を判断する基準としても重要であります。

(3)研究開発事業
当社グループでは、研究開発主導型の企業として、機能性食品素材や化粧品素材を開発・販売しておりますが、その中でも特に鶏卵抗体に主眼を置いた研究開発事業をすすめております。
鶏卵抗体は、医薬や診断薬の方面でもさらなる応用が期待できるため、大学薬学部及び各医薬品メーカー、診断薬メーカーなどと、基礎研究を中心に、今後も共同研究を進めていく予定であります。具体的には、鶏卵抗体の応用範囲の拡大には次の要素が重要であり、それらの拡大・進展により鶏卵抗体のマーケット拡大を目指すものです。

◇抗原となるタンパク質の多様化による鶏卵抗体のマーケット拡大
当社グループでは、食品分野でピロリIgYや化成品分野ではインフルエンザIgYなどを製品化しており、既に国内・海外のメーカーで製品素材として採用されております。鶏卵抗体の特徴として、抗原となるタンパク質を新たに選定することにより、様々なバクテリアやタンパク質等に対する抗体を産生することが可能となります。

◇機能性食品や化成品以外への用途拡大
当社グループの鶏卵抗体は、既にヨーグルト、サプリメントといった一般食品の素材や、空気清浄機用フィルターの原料等に利用されておりますが、抗原となるタンパク質の多様化により、食品分野や化成品分野での応用拡大とともに、それら以外の分野となる化粧品、検査薬・診断薬、医療食・医薬品・メディカルデバイス製品等でも応用されるように検討を行い、従来は製品コストや技術的な課題等から利用が困難であった分野へも進出を図ります。(図2参照)

[図2]
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当社グループでは、今後事業化が期待される次の研究テーマについて重点的に研究開発を進めており、セグメント別の研究開発活動の状況および研究開発費の金額は、次のとおりであります。

① 機能性素材事業
1)鶏卵抗体
・歯周病バイオフィルム抗体
歯周病は日本の成人の約8割が罹患する国民病であり、歯の喪失の直接的原因となるだけでなく生活習慣病等の全身性疾患との強い関連が明らかとなっております。当社グループでは、基幹技術である鶏卵抗体を用い、歯周病菌の病巣となるバイオフィルムの形成を抑止するオーラルケア素材の開発を実施しております。

・抗ピロリ菌鶏卵抗体
当社グループでは、従来から、株式会社ゲン・コーポレーション(現 株式会社イーダブルニュートリション・ジャパン)と共同でピロリ菌が分泌するウレアーゼに対する鶏卵抗体を製造・販売しております。
ピロリ菌に関して、既に抗生物質による除菌療法がありますが、抗生物質に対する耐性菌の増加による除菌成功率の低下や再燃・再感染が問題となっています。そこで当社グループは、ウレアーゼに加えてピロリ菌の生体膜へ広範に結合し、胃壁への接着を阻害するとともに、ピロリ菌を凝集化させて排出を促す新たな鶏卵抗体の実用化に着手いたしました。
現在、実用化に向けたヒト試験を計画しており、抗生物質やプロバイオティクス製品との組合せによる除菌成功率の向上や、再燃・再感染の抑止に有効なピロリ菌対策素材として育成いたします。

2)HAS-Ⅱ(ハス・ツー)
高齢化が進む我が国では、加齢による運動器機能不全(ロコモティブシンドローム)が国民病となり、変形性膝関節症や骨粗鬆症の総患者数は4,700万人に上ると推計されています。特に変形性膝関節症は、軟骨の摩耗や骨棘による強い痛みを伴い、日常生活において大きな障害となります。対症療法としてヒアルロン酸の関節内注入、抗炎症剤や鎮痛剤等の投与が行われていますが、根本的な治療法は確立されていないことが現状です。
治療への不安から、膝関節に関連した機能性食品素材へのニーズは非常に高く、卵黄由来の独自成分「iHA」を商品化した後もなお、大手食品メーカー各社より、さらに有効な新素材が待望されていました。
今般、これまで未利用部位とされてきた鶏足の抽出物から得られたペプチド成分に優れたヒアルロン酸産生促進作用を見出し、HAS-Ⅱ(Hyaluronic Acid Synthesizing compound-Ⅱ)として実用化いたしました。軟骨損傷モデルを用いた動物試験の結果、HAS-Ⅱの摂取によって軟骨創傷部の治癒が促進されることが見出され、関節障害の予防・治療剤として特許出願を行いました。
現在、膝の痛みを自覚する高年期の男女を対象としたヒト試験を実施しており、論文化や学会発表等による認知度の拡大を図るとともに、ヒアルロン酸を主力素材とした肌対策サプリメントや美容ドリンクへの波及に向けた応用研究を推進いたします。

3)HGP(エイチ・ジー・ピー)
当社グループでは、卵黄由来の育毛活性成分の探索研究から、発毛促進作用を示す生理活性ペプチドHGP(Hair Growth Peptide)の単離・同定に成功し、特許出願を行いました。HGPは育毛モデル動物への経口摂取試験において発毛促進作用が見出され、薄毛に悩む壮年女性を対象としたパイロット試験により、太く丈夫な硬毛頻度の増加や脱毛予防効果が見出されました。現在、実用化に向けた最終段階として、大規模なヒト試験の実施と詳細な作用機序の解明に着手しております。
また、HGPは、ヒトの毛髪成長の司令塔として機能する毛乳頭細胞を活性化し、発毛を促す成長因子の分泌を増加させることから、外用育毛剤としての有効性を兼備した希少な新規育毛素材として大手製薬企業との共同研究を目指してまいります。
頭髪の減少は心理的ストレスを伴い、加齢に伴う男女共通の“悩みの種”として、より効果的な予防や治療への関心が急速に高まっています。HGPは当社単独での産業財産化が可能であり、経口剤・外用剤の両面から毛髪ケアを実現する次世代の育毛活性成分として、自社開発のみならずライセンシング収益を見据えた多角的な事業化を目指してまいります。
当セグメントにおける研究開発費は、163,598千円であります。

② 通信販売事業
通信販売事業において、当社グループが販売しております「タマゴサミン」は、当社独自の成分であるヒアルロン酸産生成分「iHA(アイハ)」を配合することで、他社との差別化を図り、主力商品となっております。 「タマゴサミン」に代表されるように、当社グループの優位性は、確かな研究力を基礎とした商品開発力であり、研究により獲得したエビデンスが非常に重要であると考えております。
このように確かなエビデンスを備えた、第2の主力商品の開発が必要不可欠であり、研究開発素材である「モリンガ」「GABA」「HGP」等を配合した新規商品の開発を目指します。
当セグメントにおける研究開発費は、10,769千円であります。

③ バイオメディカル事業
1)ニワトリ抗体創薬事業
2013年9月に吸収合併した株式会社広島バイオメディカルより、基盤技術及び創薬シーズの継承を行い、創薬事業への展開を進めております。
抗体医薬開発の上流から下流までの網羅的な開発基盤の構築に成功し、これら網羅的な開発基盤技術を、ALAgene(アラジン)技術(Avian Lead Antibody GENE technology)と命名しました。
本技術は、ニワトリ細胞を用いた抗原調製から始まり、免疫動物にニワトリを用いることで、従来の抗体作製方法では実現できなかった抗体を創出し、ヒト化を行うことで臨床応用を可能とする技術です。
本ALAgene技術を活用し、現在、主に二つのパイプライン(関節リウマチ及び転移性悪性腫瘍)について開発を進めております。
事業モデルとして、非臨床試験までは自社で開発を進め、臨床試験以降の開発・製造・販売は提携する製薬企業にて行います。
本特許を非臨床試験終了時に提携する製薬企業に実施許諾することにより、ライセンス収入を得るモデルになります。

2)たまご由来ペプチド創薬事業
当社グループは、卵黄由来の骨代謝改善ペプチドの有効成分の単離・同定に成功し、この生理活性物質をリプロタイトと称し、骨粗鬆症を標的とした医薬品候補物質として創薬研究に着手しております。
骨粗鬆症は、骨密度の低下や骨組織の構造異常を特徴とし、骨の脆弱化から骨折リスクの増大をまねく疾患です。既存の治療薬の多くは骨密度の低下を抑制するものですが、根本的な骨折リスクの低減には代謝回転の正常化による強固な骨組織の再生が重要とされています。
リプロタイトは、骨形成と骨吸収の両面から骨代謝改善に働きかける希少な薬理作用を示すことが期待されており、そのような医療ニーズに応える次世代のペプチド医薬品として実用化を目指します。
当セグメントにおける研究開発費は、99,875千円であります。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02484] S100EC4M)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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