株式会社まんだらけ 業績等の概要 (2017年9月期)

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府・日銀による各種政策を背景として、企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、個人消費の持ち直しにインバウンド需要などが加わり、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中国やアジア新興国等の景気停滞懸念など、不安定な世界経済情勢もあり、先行きは不透明な状況にあります。
当社が属する中古商品業界におきましては、国内における雇用・所得環境の改善は見られながら今後の動向に対する不安感が拭えない消費者の節約志向は依然、強固であって、生活防衛意識に基づく中古商品全般への需要は維持されております。また海外における日本のまんが、アニメーションという優れたコンテンツに対する関心と評価の高まりは、本物志向に基づいた中古商品の需要を喚起し、活発な市場は拡大しております。中古商品業界にあっては、新たな事業者の参入意欲も旺盛であり、業者間の競争激化などから、厳しい事業環境が続いております。
このような事業環境のもと、当社はこれまでの方針を継承し、新たな市場を求めて最新の商品からマニアックな希少品まで、幅広い品揃えの充実を推進してまいりました。買い取りの強化告知などで当社が取り扱う商品に対する世間の関心を集め、発掘に至りました多種多様な商品は店頭及びweb上で紹介し、コレクターのみならず一般のお客様の、さらなる潜在的ニーズを掘り起こす営業活動を展開してまいりました。
当社は基幹のPOSシステムに蓄積されたデータを用いて、買い取り実績のある商品は仕入から販売、保管の状況を的確に把握、需要の変化や在庫状況に応じ適正な価値判断をすることで、仕入を促進しております。新規取り扱いの商品では、主にマスタデータ登録後の仕入動向に基づいた確度の高い販売可能性を追求し、他社に先行してその魅力を伝え、市場の育成を図っております。当社は「適正価格で買い取る」という基本方針の徹底によって多数の良質な商品を買い取り、多様な品揃えの展開で、お客様の満足度を高めてまいりました。
販売面におきましては、まんだらけSAHRA(サーラ)を主力とするweb通信販売によって販路は大きく拡大しており、国内外を問わず幅広いお客様からの注文を受け、売上高は拡大しております。店頭販売も、訪日外国人旅行者のご来店の増加と、これに伴います消費税輸出免税対応による売上高の伸びが見られております。
その他、既存の各店舗における店頭のリニューアルを随時に行い、5月には中野店をはじめとする全店舗の参加をもって中野サンプラザを主会場に大規模販売イベントの「大まん祭」を開催、新規のお客様をはじめ多数のご来場があり、今後のご来店定着化に向けて来年以降もまた、定例5月に「大まん祭」を開催してまいります。
これらの営業展開によりまして、当事業年度の売上高は9,583百万円(対前年同期比4.4%増)となり、経常利益は690百万円(対前年同期比11.9%増)に、当期純利益は410百万円(対前年同期比13.3%増)となりました。

(2) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比較して111百万円減少し、当事業年度末残高は553百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローは以下のとおりであります。

1 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前当期純利益が690百万円と前年同期に比べ73百万円(11.9%)の増益となり、支出におけるたな卸資産の増加が290百万円ありましたことにより、400百万円と前年同期と比べ29百万円(8.0%)の収入の増加となりました。

2 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、主にSAHRA(サーラ)の設備増強に伴う有形固定資産の取得による支出があったため△280百万円と、前年同期と比べ30百万円(12.0%)の支出の増加となりました。

3 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出が長期借入れによる収入を上回ったことによって△231百万円となり、前年同期と比べ268百万円(前年同期比は37百万円の収入)の支出の増加となりました。