株式会社福邦銀行 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2017年3月期)

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。

1.当連結会計年度の財政状態の分析

(1) 預金・譲渡性預金

預金等は、定期性預金を中心に個人預金及び公金預金が減少したこと等により、前期末比60億52百万円減少して期末残高は4,234億11百万円となりました。

(2) 貸出金

貸出金は、消費者ローンが増加したものの、事業性融資が減少したことにより、前期末比180億20百万円減少して、期末残高は3,018億70百万円となりました。

(3) 有価証券

有価証券は前期末比68億36百万円増加して、期末残高は1,241億50百万円となりました。

(4) 純資産勘定

純資産勘定は、純利益の積上げ等により株主資本が増加したものの、その他有価証券評価差額金の減少によりその他の包括利益が減少したことにより、前期末比3億29百万円減少して期末残高は205億86百万円となりました。

(5) 自己資本比率

自己資本比率は、バーゼルⅢ国内基準にて算出を行い、8.58%となりました。

2.当連結会計年度の経営成績の分析

(1) 連結粗利益(資金運用収支+役務取引等収支+その他業務収支)

連結粗利益は、60億42百万円となり前年度比9億29百万円の減益となりました。

① 資金運用収支

資金調達費用が預金利息の減少等により前年度比1億17百万円の減少となったものの、資金運用収益が貸出金利息が利回り低下の影響により減少したことに加え有価証券利息配当金が減少したことにより、前年度比7億67百万円減少した影響により、資金運用収支は60億63百万円となり前年度比6億50百万円の減益となりました。

② 役務取引等収支

役務取引等収益が融資関係手数料が増加したものの、預かり資産手数料の減少により前年度比2百万円減少となったものの、役務取引等費用はローン支払保険料の配当による戻入が増加した影響により前年度比29百万円減少したことにより、役務取引等収支は2億37百万円となり前年度比27百万円の増益となりました。

③ その他業務収支

債券関係損益が、売却損の増加により前年度比2億51百万円減少したことに加え、外国為替売買損益も減少したことから、その他業務収支は△2億59百万円となり前年度比3億6百万円の減益となりました。

(2) 営業経費

営業経費は、物件費がシステム関係委託料の増加及び税金が事業税の増加によりそれぞれ増加したものの、人件費が当行グループ人員の減少等により前年度比63百万円減少したことにより、前年度比25百万円減少して57億36百万円となりました。

(3) 貸倒償却引当費用

貸倒償却引当費用は、取引先の業況回復等による影響により、引き続き貸倒引当金戻入益が発生し費用は僅少に推移したことから、前年度比9百万円増加して21百万円となりました。

(4) 経常利益

以上の結果、経常利益は、前年度比4億44百万円減益の10億14百万円となりました。

(5) 特別損益

減損損失が前年度比増加した影響により、前年度比39百万円悪化して△98百万円となりました。

(6) 法人税等調整額

将来見積り課税所得を見直し、繰延税金資産を取崩した結果、法人税等調整額は1億67百万円費用が増加し1億35百万円となりました。

(7) 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億31百万円となり、前年度比5億97百万円の減益となりました。

3.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 営業活動によるキャッシュ・フロー

ものの、預金が60億52百万円減少し流出したものの、貸出金が180億20百万円の減少及びコールローンが30億円の減少により流入となったことを主因に、営業活動によるキャッシュ・フローは106億60百万円の収入(前年度比102億72百万円の増加)となりました。

(2) 投資活動によるキャッシュ・フロー

有価証券の売却・償還により703億20百万円の収入となったものの、有価証券の取得に伴い798億6百万円の流出が発生したことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは102億77百万円の支出(前年度比96億39百万円減少)となりました。

(3) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは2億39百万円の支出(前年度比3百万円増加)となりました。

(4) 現金及び現金同等物の期末残高

以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度比1億44百万円増加して、171億9百万円となりました。