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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R8T5 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 トーア再保険株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

有価証券報告書に記載しております事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主要なリスクに係る管理体制・枠組みは以下のとおりです。
なお、本項において記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)主要なリスクの管理体制・枠組み
当社グループでは、戦略目標を達成するうえでリスクを統合的に管理することを通じ、持続的に企業価値を向上させることを目的として、エンタープライズ・リスク・マネジメント(以下「ERM」)態勢を整備し、これをベースとした経営を行っております。

① ERMに関する基本方針
当社グループは、ERMに対する認識や態勢整備に関する基本方針を取締役会において次のとおり定め、ERM規程に明文化し、グループ内に浸透させております。
a 事業環境の変化およびリスクの多様化・複雑化に伴い、ERMが経営戦略の遂行のうえで重要であることを認識し、ERMを経営上の重要課題のひとつと位置づける。
b 再保険会社として、ERMを戦略策定および事業運営に活用し、適切なリスクの選好、把握、評価およびコントロールを行うことにより、健全性と収益性の維持・向上を図る。
c 事業環境、リスクの状況およびリスク管理手法などの変化に応じたERM態勢の高度化に継続的に取り組む。


② リスク管理体制
取締役会において決定したERMに関する基本方針のもと、持続的な企業価値向上のためのプロセスであるERMに関する規程および個別リスクごとの管理規程を同じく取締役会において定めております。そのうえで、リスク管理に係る重要事項に関しては、取締役会等において審議・決定するとともに、リスクの状況についてリスク管理部門から取締役会等へ定期的に報告することにより、取締役会等が組織全体および個別のリスクを的確に把握できる体制を整備しております。
さらに、全社的・リスク横断的な視点からのリスク管理の実施を目的としてERM委員会を設置し、重要なリスク管理に係る事項はERM委員会における確認がなされたうえで、取締役会等へ付議を行う体制としております。
以上のリスク管理体制に対しては、監査部門が独立した立場からその有効性について検証・評価を行っております。




③ 統合リスク管理
各リスクを統合的・包括的に捉えた管理(資産負債の総合的管理を含む)を推進するため、リスク管理統括部門を設置しております。リスク管理統括部門は、再保険引受リスクおよび資産運用リスク等を統合したリスク量を確率論的手法により計測し、中長期的な観点も踏まえた資本十分性やリスク・リターンの評価・確認を行っております。さらに、ストレステストとして、再保険会社としての経営に重大な影響を及ぼす可能性のある大規模な地震の発生や大幅な株価の下落などのシナリオに基づき、通常の予測を超えるリスクが顕在化した場合の影響を分析・評価し、資本十分性や事業継続性の検証に活用しております。
また、定期的な管理として、当社グループ全体のリスクプロファイルを把握するため、エマージングリスクを含むリスクの網羅的な特定を行い、発生頻度と影響度の観点から分類することにより、その重要性を評価しております。

④ リスクの網羅的把握のための態勢(リスクレジスター)
当社グループは、リスクプロファイルを的確に把握するため、定期的(原則として年1回)にリスクの洗い出しを行い、認識されたリスクを発生頻度および影響度により定量的・定性的に評価し、その結果をリスクレジスターとして一覧化しております。
リスクレジスターは、取締役会に報告され、リスクの網羅的な把握、主要なリスクとそれらのリスク量の確認等に役立てております。

⑤ ERMに基づく事業運営(リスクアペタイトフレームワーク)
当社グループでは、グループの資本・リスク・リターンを適切に管理することを通じ、健全性を確保しつつ収益性の向上を図るためのERMの枠組みとして、リスクアペタイトフレームワークを整備しております。




リスクアペタイトフレームワークでは、まず、グループ全体および事業別のリスクテイクの方針をリスクアペタイトステートメントとして明示し、この方針のもとにグループ全体および拠点・事業別の事業計画(資本配賦に基づくリスク・リターン計画を含む)を策定します。この計画に基づいて、事業を遂行するとともに、定期的にその結果である業績について評価・分析(資本配賦に基づくリスク・リターン評価・分析を含む)を行います。また、こうした業績の評価・分析の内容はその後の方針や計画の策定において反映されます。当社グループでは、こうしたサイクルを繰り返すことによって、高い健全性を維持しつつ継続的に収益性の向上を実現していくことをめざしております。

(2)主要なリスク
個別に管理すべき主要なリスクについては、再保険引受リスク、資産運用リスク、オペレーショナルリスク、海外拠点リスク、責任準備金及び支払備金の積立リスクに区分し、各リスクに適切に対応すべく、それぞれ個別リスク管理部門を設置しています。個別リスク管理部門は、リスクの特定、評価、モニタリングおよびコントロールといった基本プロセスを通して、営業部門を含む関連部門との連携のもとで各リスクの特性に応じた管理を実行しております。

① 損害再保険引受リスク
当社グループは、再保険専門会社として国内および海外において損害再保険の引受を行っており、当社グループの業績は保険事故の発生率ならびに損傷率の変動等による影響を受けます。
損害再保険の引受において最も重視するリスクは、巨大地震や台風をはじめとした自然災害リスクや大規模な財物損害に係るリスクまたはこうしたリスクの集積です。
このようなリスクに対しては、地理的あるいは引受種目上のポートフォリオ分散を図るとともに、各種リスク管理指標を踏まえた適切な引受・保有限度額を定め、大規模な資本の毀損や損益のボラティリティを抑制しつつ正味利益の極大化を図るべく、出再保険を設定することにより一部のリスク移転を実施し、リスクアペタイトステートメントで設定されたリスクリミットも踏まえて保有をコントロールしております。
また、出再保険金の回収を確実に遂行するため、出再先は原則として一定の保険金支払い能力を有する再保険会社とすること、および一再保険者(各再保険者が一つのグループに属する場合は一再保険者とみなす)あたりの出再集積額を一定基準以下とすること等を定めた出再セキュリティ管理基準を策定しております。当該基準に基づき、再保険先の信用状態や出再集積額等の適宜モニタリングを行っております。
リスク量に関しては、リスクカテゴリー別に定められたリスクリミットとの比較が行われ、モニタリング結果に基づく経営判断(出再の見直し等の対処もしくはリスクの許容の判断等)が随時行われております。

② 生命再保険引受リスク
当社グループは、再保険専門会社として国内および海外において生命再保険の引受を行っており、当社グループの業績は保険事故の発生率ならびに損傷率の変動等による影響を受けます。
生命再保険の引受に伴い保有する主なリスクファクターは、死亡リスク、第三分野リスクおよび解約・失効リスク等であり、特に保険期間が長期に及ぶ契約が主となる点で損害再保険とは性格を異にしております。
そのため、生命再保険では、保険期間の長期性等の生命再保険特有のリスクを踏まえ、経済価値ベースでリスクとリターンを計測し引受を行っており、引受後は、死亡リスクと第三分野リスク間に働く分散効果を踏まえたうえで、リスク量を定期的にモニタリングし、リスクカテゴリー別に定められたリスクリミットを踏まえてコントロールしております。
これに加えまして、損害再保険と同様、単年度における損益の変動を踏まえたリスク管理も行っております。具体的には、単年度損益に大きな影響を与えることが想定されるリスクを特定し、同リスクごとに引受・保有限度額を定めており、必要に応じて出再を通じたリスク移転を行うことでリスクをコントロールしております。
なお、生命再保険引受リスクにおきましても、損害再保険引受リスクと同様に、出再セキュリティ管理基準に基づき、再保険先の信用状態や出再保険集積額等適宜モニタリングを行っております。

③ 資産運用リスク
資産運用は、主に国内・海外で発行される投資適格の債券や株式を中心とした有価証券投資により行っております。従いまして、国内外の金利、為替レート、株価および与信先の信用状況等が変動した場合には、当社グループの財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対しては、リスク分散を踏まえたポートフォリオ構築を図るとともに、ロスカットルールを含むリミット管理を実施しております。また、債券運用においては、負債特性(デュレーション、通貨等)を考慮し、負債見合いでのデュレーション調整、または外貨建て資産・負債のマッチングを意識したポートフォリオを構築することにより、為替リスク等の軽減を図っております。
リスク量に関しては、リスクカテゴリー別に定められたリスクリミットとの比較が行われ、モニタリング結果に基づく経営判断(エクスポージャーの削減等の対処もしくはリスクの許容の判断等)が随時行われております。

④ オペレーショナルリスク
オペレーショナルリスクのうち事務リスクおよびシステムリスクにつきましては、リスク事象を特定したうえでその顕在化を未然に防止するための基準・マニュアルを整備するとともに、事務ミスやシステムエラーが発生した場合は原因を究明し再発防止策を講じることにより、リスクの軽減を図っております。
流動性リスクにつきましては、将来キャッシュ・フローの推定に基づく資金繰り・投融資計画の策定および管理を行っております。また、大規模災害の発生と資産の価値・流動性の低下の双方を考慮したシナリオテストを行い流動性確保の状況を検証することなどにより、リスクの軽減を図っております。
その他の当社事業運営に伴うリスクにつきましても、定期的にリスクの洗い出しを行ったうえで管理体制を整備し、リスクの軽減を図っております。

⑤ 海外拠点リスク
当社グループは、本社のほか、海外子会社および海外支店を通じて米国、欧州、およびアジア等の各地域において活動を行っております。
海外子会社、海外支店を含む海外拠点につきましては、その経営方針の妥当性と事業運営の適切性を管理・検証することにより、海外拠点を含めたグループ全体の健全性の維持と収益性の向上を図っております。
主要リスクを、海外拠点の事業運営が円滑に行われないことにより損失を被るリスク(事業運営リスク)、海外拠点の業績悪化によりグループ全体の健全性が悪化するリスク(事業成績リスク)と定め、これらにつきましては、本社へのレポーティングガイドラインの整備、経営関連書類その他経営諸指標の継続的なモニターのほか、海外拠点において資本充実度に係る現地規制がある場合にはその管理のためのルール(アラームポイントの設定等を含む)を定め、そのルールに基づき管理を行うことでリスクの軽減を図っております。




⑥ 責任準備金及び支払備金の積立リスク
責任準備金及び支払備金につきましては、関連法令等に則り策定した方針(計算方法、積立方法および積立水準に関する基本的な方針)に基づき積立を行うこととしております。また、過年度の積立実績傾向に照らす等の方法に基づき、計算結果が正当であることを分析・検証することにより、積立不足等のリスクの軽減を図っております。なお、責任準備金及び支払備金の計算結果については、保険計理人による分析・検証が実施されております。

⑦ 上記以外のリスク
a) 保険業界の状況および再保険マーケットの変動に伴うリスク
当社グループの業務、財政状態および業績は、国内および海外の経済情勢のほか、保険業界の状況および再保険マーケットの変動の影響を受けます。再保険マーケットの変動につきましては、例えば、マーケットにおいて再保険料率が低下した場合、再保険を引き受ける際の収入保険料の減少あるいはその他の条件の緩和につながる可能性があります。また、再保険料率が上昇した場合、当社が保有する再保険リスクの全部または一部を他の再保険会社に転嫁するための再保険カバーの購入が困難になるなどの影響が生じるおそれがあります。また、元受損害率の大幅な上昇等保険業界の状況が著しく悪化、もしくは再保険マーケットが著しく変動した場合には、当社グループの財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対しては、マーケット動向およびリスクカテゴリーごとのリスク量を踏まえたうえで、適宜、リスクの保有・出再スキームの見直しを実施しております。

b) 情報漏えいに関するリスク
当社グループは、保険事業における契約者情報をはじめとする多数の顧客情報および様々な内部情報を保有しております。こうした情報に関しては、何らかの原因により情報漏えい事故が発生した場合、社会的信用や顧客からの信頼失墜、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対しては、情報関連規程の整備および役職員に対する情報セキュリティに係る訓練の実施などにより、リスクの軽減を図っております。

c) 規制変更のリスク
当社グループは、事業を営む各地の規制に従って業務を遂行しております。従いまして、将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政およびその他の政策の変更ならびにそれらによって発生する事態が、当社グループの財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対しては、現地当局の法令情報や改正案などを確認し必要な対応を行うことで、リスクの軽減を図っております。

d) サステナビリティリスク
当社グループにおいては、サステナビリティに係る重要なリスクとして、気候変動リスクを次のとおり認識しております。

・損害再保険ビジネスにおける台風・洪水などの自然災害の頻度の高まりや規模の拡大により、想定を超える多額の再保険金支払いが発生するリスク
・生命再保険ビジネスにおける平均気温上昇に伴う熱中症や感染症の増加により、死亡・医療に関して想定を超える多額の再保険金支払いが発生するリスク


・損害再保険ビジネスにおける化石燃料関連事業のリスク引受、法規制への対応の遅れが原因でレピュテーション低下を招来し、企業価値の毀損や事業運営への支障が生じるリスク
・資産運用に関して、投資先企業が気候変動に関わる法規制の強化や市場・社会環境の変化等に適切に対応することができないことが原因で、投資先企業の企業価値が低下するリスク

気候変動リスクについては、当社グループが管理する再保険リスクに重大な影響を及ぼす要因であると捉え、ERMに統合した管理を行っています。特に、物理的リスクは、当社グループの主要ポートフォリオを構成している自然災害ビジネスと密接な関わり合いがあることから、リスク管理の強化・高度化を図っております。
なお、台風等の自然災害に関する再保険引受リスクについては、出再保険の活用や異常危険準備金の積立等を通じて大規模自然災害発生時のリスクをコントロールすることで、顧客への安定的な再保険の提供に努めております。

e) その他のリスク
当社グループにおいては、上記リスクのほか、今般のような新型コロナウイルス感染症の流行や、パンデミックリスク、大規模災害の発生、ヒューマンリスク、外部の者による不正、システム障害、法令違反あるいは従業員による不正行為等により、通常業務に支障が生じ、もしくは社会的信用が低下し、当社グループの財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、上記リスク等が顕在化することによって派生的に、信用格付業者による当社グループの格付の引下、顧客の喪失、風評被害、事業継続に対する支障、会計上の臨時的損失発生等の事態が生じ、当社グループの財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記のリスクに対しては、BCP対応、従業員の教育、システムセキュリティの強化、コンプライアンス態勢の整備等により、リスクの軽減を図っております。
また、地政学的リスクに関し、2022年2月に開始されたロシア軍のウクライナ侵攻については、当社グループは両当事国に拠点を有しておらず、再保険引受リスクおよび資産運用リスクのエクスポージャーも非常に限定的で、現時点でウクライナ情勢が直接的に当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性は低いと考えております。しかしながら、当該紛争のみならず東アジア地域を含め、軍事的・経済的対立の長期化がもたらす世界経済への影響が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があることを認識し、地政学的リスク全般について留意してまいります。

f) エマージングリスク
エマージングリスクは、現時点において認知していないリスクまたは発生の可能性が極めて低いリスクまたは影響が軽微であるリスクのうち、環境の変化により重要なリスクとなる可能性があるリスクです。当社グループは、その時点のリスクポートフォリオに基づき、これまで顕在化していない新しい事象を含めたリスクの洗い出しを行ったうえで、発生可能性と損失度合いに基づく評価あるいはシナリオ分析等を用いた影響度の評価を行っております。また、当該評価結果に基づき、必要に応じて追加的な対応策を検討し実施することとしております。
現時点で特定したエマージングリスクは以下のとおりであり、定期的にモニタリングを行っております。
a. 大規模停電
b. 高度先進技術の進歩に付随するリスク
c. 自動運転車リスク

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03842] S100R8T5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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