株式会社ダイセル 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)

当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
(1) 経営成績
売上高
売上高は4,438億円と、前連結会計年度に比し300億円(7.2%)の増収となりました。
これは、販売数量の増加や為替レート変動の影響によるものであります。
なお、米ドルに対する円の為替レートの変動によって、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比し226億円増加したと試算されます。
主な増収要因は、①セルロース事業部門が、たばこフィルター用トウの海外向け販売が好調に推移したことや、販売価格の是正、為替の影響などにより、前連結会計年度比31億円の増収となったこと、②有機合成事業部門が、販売数量の増加や、販売価格の是正、為替の影響などにより、前連結会計年度比84億円の増収となったこと、③合成樹脂事業部門が、ポリプラスチックス株式会社グループが事業を行っているエンジニアリングプラスチックの自動車分野や電子デバイス分野などへの販売が増加したことや、為替の影響などにより、前連結会計年度比155億円の増収となったこと、④火工品事業部門が、自動車エアバッグ用インフレータの販売数量は伸びなかったものの、為替の影響などにより、前連結会計年度比35億円の増収となったことなどであります。
売上総利益
売上総利益は1,161億円と、前連結会計年度に比し186億円(19.0%)増加し、売上高に対する売上総利益の割合は26.2%と、前連結会計年度に比し2.6ポイント上昇いたしました。
これは、販売数量の増加、為替の影響などによるものであります。
販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は648億円と、前連結会計年度に比し52億円(8.7%)増加いたしました。
これは、主に販売数量の増加に伴う販売直接費の増加や為替の影響などによるものであり、売上高に対する販売費及び一般管理費の割合は14.6%と、前連結会計年度に比し0.2ポイント上昇いたしました。
営業利益
営業利益は513億円と、前連結会計年度に比し134億円(35.3%)の増益となりました。
売上高に対する営業利益の割合は11.6%と、前連結会計年度に比し2.4ポイント上昇いたしました。
なお、米ドルに対する円の為替レートの変動によって、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比し64億円増加したと試算されます。
主な増益要因は、①セルロース事業部門が、販売価格の是正や為替の影響などにより、前連結会計年度比66億円の増益となったこと、②有機合成事業部門が、販売数量の増加や販売価格の是正などにより、前連結会計年度比34億円の増益となったこと、③合成樹脂事業部門が、販売数量の増加や為替の影響などにより、前連結会計年度比49億円の増益となったことなどであります。
営業外損益
営業外損益は38億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し2億円改善いたしました。
これは、主に持分法による投資利益の改善によるものであります。
経常利益
経常利益は551億円と、前連結会計年度に比し136億円(32.9%)の増益となりました。
売上高経常利益率は12.4%と、前連結会計年度に比し2.4ポイント上昇いたしました。
また、総資産経常利益率(ROA)は10.2%と前連結会計年度に比し1.7ポイント上昇いたしました。
特別損益
特別利益は10億円を計上いたしました。これは、補助金収入5億円、固定資産処分益4億円などによるものであります。
特別損失は31億円を計上いたしました。これは、固定資産除却損25億円、固定資産圧縮損5億円などによるものであります。
税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は529億円と、前連結会計年度に比し121億円(29.7%)の増益となりました。
法人税等
税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は31.8%と、前連結会計年度に比し4.5ポイント低下いたしました。
少数株主利益
少数株主利益は48億円と、前連結会計年度に比し17億円(53.2%)増加いたしました。
当期純利益
当期純利益は313億円と、前連結会計年度に比し84億円(36.8%)の増益となりました。
また、自己資本利益率(ROE)は10.5%と前連結会計年度に比し1.5ポイント上昇いたしました。
(2) 資産、負債及び純資産の状況
資産
総資産は5,653億円と、前連結会計年度末に比し555億円(10.9%)増加いたしました。
これは、現金及び預金、たな卸資産の増加及び投資有価証券の時価評価額の増加などにより、増加したものであります。
負債
負債は2,092億円と、前連結会計年度末に比し49億円(2.3%)減少いたしました。
これは、繰延税金負債の増加がありましたが、社債の償還、長期借入金の返済などにより、減少したものであります。
純資産
純資産は3,562億円となりました。
純資産から少数株主持分を引いた自己資本は3,242億円となり、自己資本比率は57.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。