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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CGSJ

有価証券報告書抜粋 株式会社マネーフォワード 事業の内容 (2017年11月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」というビジョンを掲げ、プラットフォームサービス事業を展開しております。

当社グループのミッションの追求並びにビジョンを達成するために、当社グループは、BtoC領域としてお金の管理を容易にする自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の提供を行うPFM(注1)サービス、BtoB領域として、法人・個人事業主の生産性向上や経営力向上を可能にする『MFクラウド会計・確定申告・請求書・給与・消込・マイナンバー・経費』といったクラウド型バックオフィス向けサービス、並びに資金調達をより迅速かつ容易に可能とする『MFクラウドファイナンス』をあわせたMFクラウドサービスの2サービスを展開しており、当社グループでは両サービスを合わせてプラットフォームサービス事業と定義付けております。

当社グループは、創業以来、常にユーザーと向き合い、ユーザーの課題解決を目指すイノベーティブなサービスづくりに取り組んでまいりました。また、社会に約束する行動指針(MF Value)として、以下の「User Focus」「Technology Driven」「Fairness」の三つを掲げております。

● User Focus
私たちは、いかなる制約があったとしても、常にユーザーを見つめ続け、本質的な課題を理解し、ユーザーの想像を超えたソリューションを提供します。
● Technology Driven
私たちは、テクノロジーこそが世界を大きく変えることができると信じています。テクノロジーを追求し、それをサービスとして社会へ提供していくことで、イノベーションを起こし続けます。
● Fairness
私たちは、ユーザー、社員、株主、社会などのすべてのステークホルダーに対してフェアであること、オープンであることを誓います。

上記の行動指針でも示しているとおり、当社グループは、「ユーザー中心主義」に基づき、テクノロジーによって世の中の非効率を解消するとともに、優れたユーザー体験を提供することで、お金や経営に関する自律的な意思決定を支援し、ユーザーの人生や経営を少しでも前向きに進めるために貢献することを目指しております。

当社グループを取り巻く事業環境としては、1世帯当たり平均所得金額が1994年をピークに緩やかに下降(厚生労働省発表の2014年版「国民生活基礎調査の概況」による)している一方、消費者物価指数は政策的な背景もあり近年緩やかに上昇(総務省統計局2015年12月25日公表「消費者物価指数(CPI)結果」による)し始めております。さらには、確定拠出年金制度、NISA導入、GPIF改革といった諸政策の後押しもあり、個人の金融資産に対する自己責任での管理・運用への意識は着実に高まりつつあると認識しております。

一方で、企業活動に目を向けると、国内の人口減少、特に生産年齢人口の減少という構造的なトレンドが避けられない中、今後ますます労働力確保が難しくなってくることが見込まれております。そういった状況の中で、特に日本の経済活動を支える中小企業の生産性向上、具体的にはバックオフィス業務の省力化は急務の課題と認識しております。

このような環境の下、当社グループは、2012年12月に自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の提供を開始いたしました。さらに、『マネーフォワード』の開発で培ったアカウントアグリゲーション(注2)技術を活用し、2013年11月には、『マネーフォワード For BUSINESS』(現『MFクラウド会計・確定申告』)のサービス提供を開始し、以降MFクラウドシリーズのラインアップを順次拡充して、個人のお金のプラットフォームサービス事業に加え、企業のバックオフィス向けのプラットフォームサービス事業を確立するに至っております。

当社グループが提供するPFMサービス、MFクラウドサービスの2つのサービス領域は、昨今において「Fintech市場(注3)」と呼ばれており、矢野経済研究所「2017FinTech市場の実態と展望」によれば、国内Fintech市場規模は年率約60%で成長し、2015年度の48億円から2021年度には808億円に達すると見込まれております。

また、金融庁や経済産業省におけるFintech市場に関連した政策の推進、各金融機関・大手システムインテグレーターのFintechに対応する動きの活発化、Fintech企業における大型の資金調達事例の増加など、今後も大きな成長が見込まれる市場として注目を集めております。長期的には、金融機関等が従来から提供している資産管理、投資・運用、決済、レンディング等のサービスをFintech企業が将来的に補完もしくは一部代替しうる市場と考えられております。

さらに、MFクラウドサービスは、SaaS(注4)と呼ばれる提供形態のサービスとなります。SaaS市場はこれまで大きな成長を果たしてきておりますが、今後も引き続き成長が見込まれる市場として世界的にも注目を集めております。
当社グループは、個人、法人いずれのユーザーに対しても、お金の課題を解決するため、金融リテラシーの向上、生産性の向上をサポートすべく、積極的な啓蒙活動を行っており、結果としてFintech市場拡大の促進に努めております。具体的には、個人向けのお金に関するセミナー「お金のEXPO」の開催、クラウド化が進む中小企業経営やFintechによる変革を紹介・推進する「MFクラウドExpo」の開催、中小企業のITツールの活用を促進する一般社団法人Business IT推進協会の設立・運営、地方自治体や商工会議所と共同で中小企業の活性化を通じた地域の雇用創出や地域経済の拡大を目指す「MFクラウド地方創生プロジェクト」の立案・推進、学校法人向けの金融リテラシー向上プロジェクト「18歳からのマネーフォワード」等に取り組んでおります。

また、当社グループは、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー、カスタマーサポート、営業等が一体となって機能開発・UI/UXの改善を継続的かつ迅速に繰り返し、優れたユーザー体験を提供することを最重視しております。他サービスとの差別化を実現するコアテクノロジーとして、金融機関とのAPI連携(注5)並びに「アカウントアグリゲーション」技術、家計簿の自動分類や会計帳簿の勘定科目提案機能等に利用される、ビッグデータを自律的にユーザーに応じて最適な形で整理・分類する人工知能による機械学習技術、サービスの安全な運営を可能にするセキュリティ技術の開発に努めております。

これらの結果、自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』は利用者数550万人(2017年9月末現在)に達しており、MFクラウドシリーズではサービス利用を顧問先に促進するMFクラウド公認メンバー(注6)数が2,700(2017年10月末現在)に至るまで成長しております。いずれの領域においても複数の競合企業が存在しておりますが、当社グループは両領域においてリーディングプレイヤーとして、着実な成長を遂げております。

また、地域展開といたしましては、東京本社に加え、現在札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、福岡と6つの支店を展開し、全国的なネットワークを構築しておりますが、これに加え、全国の金融機関、各種サービス提供事業者、会計事務所、地方自治体、商工会議所等の多様な事業パートナーとのアライアンスも広範囲で提携を進めており、Win-Winとなる協業を全国的に加速させていく所存です。

当社グループが現在提供するPFMサービス、MFクラウドサービスの具体的なサービス内容は次のとおりです。


自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』を中核に、各種サービスを通して個人のお金に関する悩み・課題を解決することを目的に運営しております。スマートフォンの普及を背景に、ユーザーの家計や資産などお金の情報を可視化するとともに一元管理することで、理想の家計や資産状況に向けた改善案を提示しております。

『マネーフォワード』では、当社グループが独自で保有する「アカウントアグリゲーション」技術を活用し、複数の金融機関等にある口座の残高や入出金の履歴などのデータを集約・分類して表示させることができます。それによって、『マネーフォワード』の利用者は、銀行、クレジットカード、証券、保険、年金、ポイントなど、個人のお金に関する情報を一元管理することが可能になります。さらには、お金の動きをアラートしてくれる「MY通知」や、家計資産サポート、家計診断機能により、理想の家計や支出バランスを追求することが可能となります。また、お金に関する有用な情報を提供するくらしの経済メディア『MONEY PLUS』も提供しており、「お金」にまつわる情報の提供からデータの管理までを一気通貫で提供しております。

『マネーフォワード』は、お金に関するスマートフォンアプリを軸とした自動家計簿・資産管理サービスとして国内最大規模の550万人の利用者を有しております(2017年9月末現在)。PFMサービスは、国内1,700兆円と言われる巨大な個人資産が運用、相続、不動産、保険等のかたちで今後大きく動いていくうえでの出発点になると考えられ、当社グループは金融機関や会計事務所等の様々なパートナーと連携することで、『マネーフォワード』の顧客基盤を活用した、お金に関する課題を解決するソリューションの提供も行っていく予定です。

『マネーフォワード』は、いわゆるフリーミアムモデル型(注7)のサービスであり、ユーザーは複数の口座残高の一括管理や、取引履歴を食費や光熱費等のカテゴリに自動で分類・グラフ化を行うなどの基本的な機能を無料で使うことができます。その上で、プレミアムユーザーとして月額約500円の有料課金を行うと、詳細分析機能、金融関連サービス11件以上の連携、1年以上前の過去データの蓄積機能、将来シミュレーション機能、家計診断による節約ポイントの把握などの上位機能の利用が可能となります。
収益構造としましては、前述のプレミアムユーザーへの有料課金に加え、当社グループが運営するくらしの経済メディア『MONEY PLUS』と連携した広告の販売、金融機関や事業会社等を顧客とするBtoBtoC事業等を収益の中心としております。

BtoBtoC事業としては、アカウントアグリゲーションを活用した『マネーフォワード』APIの提供(現在ではヤフー株式会社、関西電力株式会社等に提供)、金融機関利用者向けの自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワードfor○○の提供(現在では、住新SBIネット銀行等14の金融機関と共同でサービスを提供)の他、2017年6月より金融機関利用者向けの通帳アプリ『かんたん通帳』の提供を新たに開始し、現在は群馬銀行、東邦銀行の利用者向けに提供を行っており、今後も拡大を予定しております。
以上より、PFMサービスにおける収入を整理すると下記のようになります。
(単位:千円)
サービス収入概要当連結会計年度
(自 2016年12月1日
至 2017年11月30日)
PFMプレミアム課金収入■ 自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』におけるプレミアム会員に対する月額課金モデル534,267
メディア/広告収入■ 『マネーフォワード』、くらしの経済メディア『MONEY PLUS』内における広告出稿に伴う広告掲載料370,872
■ 『マネーフォワード』会員向けのイベント/セミナーの開催に伴う運営収入
BtoBtoC事業収入■ 『マネーフォワードfor◯◯』の開発に伴う初期開発料及び保守・運用料478,432
■ 通帳アプリ等金融機関向けFintechサービスの開発
■ アカウントアグリゲーションAPIの提供に伴う初期開発料及び保守・運用料


MFクラウドシリーズは、テクノロジーの力を活用して中小企業の経営及びバックオフィス業務を大幅に効率化、さらに経営状況をリアルタイムで把握することにより、経営のPDCAサイクルを加速化し、経営状況を改善することを目的に提供されているクラウド型ERP(注8)のサービスプラットフォームです。クラウドコンピューティングの普及を背景に、SaaSとして、企業の経営情報の見える化、バックオフィス業務の生産性向上、さらには金融機関とのシームレスなデータ連携による融資手続の簡略化などのサービスを提供しております。上述のようにSaaS市場は、今後も大きな成長が見込まれる市場として注目を集めており、当該市場において当社グループは広くサービスを提供しております。

当社グループは、2013年11月に『マネーフォワード For BUSINESS 』(現『MFクラウド会計・確定申告』)の提供を開始いたしました。その後、ユーザーのニーズを踏まえて企業のバックオフィス業務を大幅に改善するための新たなサービスを提供するため事業領域を拡大し、現在では『MFクラウド請求書』『MFクラウド給与』『MFクラウド消込』『MFクラウドマイナンバー』『MFクラウド経費』を含め、サービス間のシームレスなデータ連携を実現することで、包括的な法人・個人事業主向けクラウド型ERPのサービスプラットフォームを提供しており、法人・個人事業主における大幅な生産性の向上の実現を目指しております。
また、自社サービスの提供に加え、あらゆるクラウドサービスとAPIで連携していくことで、ユーザー体験の向上を図っております。

MFクラウドサービスの収益構造としては、主に収益がストック型で逓増する月額課金モデルであり、サービスやプランによって異なる価格帯にて提供しております。販売経路としてはウェブサイトでの販売に加え、当社営業人員による会計事務所や事業者への販売、量販店での販売、商工会議所を含む代理店経由での販売を行っております。
また、他業種を含む他社とのアライアンス事業にも積極的に取り組んでおり、MFクラウドサービスのOEMまたは代理提供(ヤマト運輸株式会社、株式会社エス・エム・エス、株式会社USEN、アスクル株式会社等。)を実施しております。また、各種クラウドサービスを利用しているユーザーがMFクラウドのデータを活用することで、必要な時に必要な資金を迅速に調達することが可能となる新しい仕組みである『MFクラウドファイナンス』(審査、資金提供は提携先金融機関が実行)等のサービスも提供しております。
以上より、MFクラウドサービスにおける収入を整理すると下記のようになります。
(単位:千円)
サービス収入概要当連結会計年度
(自 2016年12月1日
至 2017年11月30日)
MFクラウドMFクラウドシリーズ
販売収入
■ 『MFクラウド会計・確定申告』『MFクラウド請求書』『MFクラウド給与』『MFクラウドマイナンバー』『MFクラウド経費』等のMFクラウドシリーズの会計事務所、事業会社等への販売1,302,435
■ ウェブサイト、自社営業人員、量販店、代理店等のチャネルを通じての販売
アライアンス事業収入■ 不動産、運輸、電力等の、自社顧客向けにクラウドサービスを提供する他業種へのMFクラウドシリーズのOEMまたは代理提供205,078
■ 資金調達サービス『MFクラウドファイナンス』の運営
上記のとおり、当社グループの事業は、有料ユーザーからの月額利用料が主な収入源となっており、有料ユーザー数の増大を図ることで売上高が継続的かつ安定的に拡大していくいわゆるストック型のビジネスモデルが中心になっております。

以上記載の通り、BtoC、BtoBいずれにおいてもユーザー基盤を有し、国内トップクラスのシェアを誇る当社グループのポジショニングは非常にユニークであり、個人・法人双方のユーザーのお金に関するデータプラットフォームとなっております。これからは個人や中小企業・個人事業主が自ら保有するデータとAIを活用することで、既存の事業領域にとらわれることなく、ユーザー中心主義に基づき、ユーザーのお金に関する最善の意思決定や経営判断が可能になる利便性の高いサービスの開発に努めてまいります。

(注1)PFM
「Personal Financial Management」の略称であり、個人の金融資産管理、家計管理をサポートするサービスをいいます。
(注2)アカウントアグリゲーション
ユーザーが保有する、銀行、証券、クレジットカードなど複数の金融機関の口座の残高や入出金履歴といった情報を取得・集約する技術をいいます。
(注3)Fintech市場
矢野経済研究所「2017FinTech市場の実態と展望」によれば、国内のFintech市場は融資(ソーシャルレンディング)、クラウドファンディング、投資・運用サービス、ペイメント・決済、ブロックチェーン、企業会計、家計簿・経費精算アプリ、金融機関向けセキュリティサービスの8つの領域を含みます。市場規模は、金融機関やSIer(システムインテグレーター)を含まない、Fintechベンチャー企業の売上高ベースで算出されています。
(注4)SaaS
「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウエア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態を指します。一般的に初期導入コストを低く抑えた月額課金のビジネスモデルとなります。
(注5)金融機関とのAPI連携
当社は、金融機関によるAPI連携開始の第一弾パートナーとして選ばれており、2017年11月30日現在における連携先は下表のとおりとなります。なお、参照系APIは、金融機関の残高や入出金履歴などを外部サービス内で閲覧できるAPIをいい、更新系APIは、外部サービス内から振込などの更新を可能とするAPIをいいます。
開始時期個人口座/法人口座別金融機関名API種別
2016年3月個人・法人住信SBIネット銀行株式会社参照系
2016年4月個人株式会社静岡銀行参照系
2016年6月個人株式会社群馬銀行参照系
2016年10月法人株式会社みずほ銀行参照系
2017年1月法人株式会社セブン銀行参照系
2017年2月個人・法人株式会社愛知銀行参照系
2017年3月法人住信SBIネット銀行株式会社更新系
2017年3月法人株式会社みずほ銀行更新系
2017年3月法人株式会社三井住友銀行参照系・更新系
2017年4月法人株式会社みなと銀行参照系
2017年7月個人株式会社三井住友銀行参照系
2017年8月個人株式会社ジャパンネット銀行参照系
2017年11月法人株式会社セブン銀行更新系
(注6)MFクラウド公認メンバー
当社グループのクラウドサービスを熟知している、または今後その意向を有している会計事務所・社会保険労務士事務所向け制度。具体的には、新規顧問先の開拓支援、公認メンバー向け料金プランの提供、専用コールセンターの提供などを行います。
(注7)フリーミアムモデル型
基本的なサービスはすべて無料で提供し、一部の機能を有料で提供するビジネスモデルをいいます。
(注8)ERP
「Enterprise Resources Planning」の略称であり、情報の一元管理による企業経営の最適化・効率化を担う、基幹系情報システムを指します。

[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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沿革関係会社の状況


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