有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10027CU
三菱重工業株式会社 研究開発活動 (2014年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループ(当社及び連結子会社)は、ドメイン、研究所間の密接な連携により、エネルギー・環境の分野をはじめとして各製品の競争力強化や今後の事業拡大につながる研究開発を強力に推進している。
各セグメント別の主な研究開発の状況及び費用は次のとおりであり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、当社グループ共通の技術基盤強化等に資する費用74億47百万円を含め、総額で1,385億40百万円である。なお、この中には受託研究等の費用739億18百万円が含まれている。
(1) エネルギー・環境
エネルギーの安定的かつ効率的な供給や環境の保全を図り、また安全性を向上させる技術の開発を推進し、天然ガス・原子力等のクリーン燃料及び再生エネルギーの利用技術、分散型電源システム、高効率発電システム等、エネルギー供給に係る市場ニーズに対応した付加価値の高い製品の研究開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・世界最大級の出力と世界最高水準の熱効率を誇り、低炭素社会の実現に資する「タービン入口温度1,600℃級J形ガスタービン」の開発
・J形ガスタービンに空気冷却式燃焼器を採用することで、起動時間短縮等の高い運用性を実現する「JAC形ガスタービン」の開発
・豊富な運転・技術実績のあるF形ガスタービンにJ形ガスタービン技術を適用することで、低炭素社会に貢献し、更に再生エネルギーの増加やスマートグリッド普及で予想される電力負荷変動にも対応可能な「701F5形ガスタービン」の開発
・経済産業省主導のプロジェクトである次世代型「タービン入口温度1,700℃級ガスタービン」の要素技術の開発
・国内外で商用化が期待されている発電出力500~600MW級の「石炭ガス化複合発電(IGCC)プラント」に関する信頼性・経済性を更に向上させ、また、これまで利用されなかった低品位炭(亜瀝青炭、褐炭等)を有効に活用する技術の開発
・世界最大級の可変速油圧ドライブを搭載した「7MW級大型洋上風車」の開発
・環境規制対応や熱効率向上のソリューションとして推進中の舶用機械・エンジンの複合製品群プロジェクト(MEET)を構成する、①世界最高水準の低燃費エンジン「UEC-Eco」、②環境規制に配慮したガス焚エンジン、③NOx、SOx低減技術としての排気ガス再循環、選択還元脱硝及びスクラバー、④低負荷域でのエンジン性能を改善する過給機、⑤最適燃料を選択できるシェールガス輸送船向けタービン・ディーゼルハイブリッド再熱舶用推進蒸気タービン「UST」の開発
・固体酸化物形燃料電池とガスタービンを複合した次世代の高効率型発電システムである「燃料電池複合発電システム」の開発
・原子力プラントについての、①安全性向上に関する技術の開発、②経済産業省公募プロジェクトへの参画による東京電力福島第一原子力発電所等の事故対応に関する技術の開発、③既設プラントの廃止措置に関する技術の開発
・地球温暖化防止を目指し、石炭焚火力発電所用ボイラの排出ガスからCO2を回収する技術の開発
・環境に対する負荷の大きい工業排水に関する安定処理技術と高回収率水再生技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は500億28百万円である。
(2) 交通・輸送
省エネルギー、環境負荷低減、信頼性、快適性に優れた、船舶、交通システム、民間航空機等の最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・LNGを燃料とする船舶に使われる「高圧LNG燃料供給システム」の開発
・国土交通省が主導する「浮体式洋上風力発電施設の安全性に関する研究開発」に関し、台風が襲来する過酷な日本の洋上環境においても安全に稼動できる大型洋上風車浮体の開発
・新規の操舵機構となる「ステアリングボギー方式」、車両に伝わる振動を軽減する案内輪緩衝機構等の新技術を盛り込んだ新交通システム向け台車の開発(新型ゆりかもめ車両(7300系)へも採用)
・世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた最新鋭リージョナルジェット機「MRJ」の開発
・チタン合金の高速切削・熱間成形加工技術、レーザ加工高速化等の民間航空機に用いられる革新的な製造技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は117億48百万円である。
(3) 防衛・宇宙
日本のリーディングカンパニーとして、長年にわたり防衛・宇宙機器開発で培った技術を駆使して、最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・将来国産戦闘機の技術の獲得を目指し、従来飛行できなかった機動を含む高い運動性及びレーダに探知され難い特性を兼ね備えた超音速小型航空機である先進技術実証機の試作
・海上配備型弾道ミサイル防衛(BMD)用の能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発
・新型基幹ロケットのコスト低減・信頼性向上に資する制御技術及び製造技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は478億76百万円である。
(4) 機械・設備システム
鉄鋼、自動車、物流等の各産業向けの基礎設備及び社会インフラ等を提供するために、市場・需要の多様化に対応した製品固有の研究開発に取り組むとともに、個別製品の最新かつ高度な先進技術を各製品に幅広く適用する取組みを行っている。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・定格出力1,000kWクラスで最高水準の発電効率及び総合効率の達成とメンテナンスコストの低減によりランニングコスト改善を実現する、高効率ガスコージェネレーションシステムの東京ガス株式会社との共同開発
・インバータ制御による発電の高品質化や、負荷に応じた回転数制御による低燃費化・低騒音化を実現する、業界初2.2kVA防音型プロパンガス専用ポータブルエンジン発電機「MGC2200G(MEGASEG)」の開発
・エンジンの低燃費化を実現する、低騒音高効率軸受、高効率タービン及び高効率コンプレッサを搭載した高性能ターボの開発
・ターボ冷凍機と周辺装置を一括制御し、冷却水の台数・変流・温度制御機能を搭載した熱源総合制御システム「エネコンダクタ」の開発
・高性能ツインロータリー圧縮機と新型DCファンモータを搭載し、窓・外壁に近い室内空間に対応する空調機の開発
・切削工具と加工対象物の干渉を防ぐ逃がし動作機構を数値制御(NC)化し加工対応の幅を広げることにより、ヘリカルギヤ(はすば歯車)や二段ヘリカルギヤ等の多様な歯車の歯切り加工を実現するギヤシェーパ「ST40A」の開発
・販売累計実績1,000台を超える門型五面加工機「MVR」をベースに、主軸回転時の熱変位を抑える内部冷却主軸や外気温の変化による機械本体の熱変形を抑えるサーモスタビライザーコラムといった高精度加工対応技術を採用するほか、加工能力・NC性能等の機械性能を全面的に向上させた「MVR-Eχシリーズ」の開発
・ユニバーサルデザインを採用し機械式立体駐車場の事故防止や使い勝手向上を実現する支援ツール「スマートパーキングシステム」の開発
当セグメントに係る研究開発費は200億71百万円である。
(5) その他
次世代の社会インフラであるITS(高度道路交通システム)分野において、交通の更なる安全性向上と渋滞緩和等の快適な交通環境の実現に向け、市場ニーズに対応した研究開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・IDタグを利用した廉価型課金システムの開発
・安全運転支援やグリーンウェーブ走行支援等の光ビーコンを用いたサービスの開発
・統合制御システム、充電設備及び電気自動車(EV)を組み合わせた地域・施設系エネルギーマネジメントシステム等のスマートコミュニティ関連技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は13億67百万円である。
各セグメント別の主な研究開発の状況及び費用は次のとおりであり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、当社グループ共通の技術基盤強化等に資する費用74億47百万円を含め、総額で1,385億40百万円である。なお、この中には受託研究等の費用739億18百万円が含まれている。
(1) エネルギー・環境
エネルギーの安定的かつ効率的な供給や環境の保全を図り、また安全性を向上させる技術の開発を推進し、天然ガス・原子力等のクリーン燃料及び再生エネルギーの利用技術、分散型電源システム、高効率発電システム等、エネルギー供給に係る市場ニーズに対応した付加価値の高い製品の研究開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・世界最大級の出力と世界最高水準の熱効率を誇り、低炭素社会の実現に資する「タービン入口温度1,600℃級J形ガスタービン」の開発
・J形ガスタービンに空気冷却式燃焼器を採用することで、起動時間短縮等の高い運用性を実現する「JAC形ガスタービン」の開発
・豊富な運転・技術実績のあるF形ガスタービンにJ形ガスタービン技術を適用することで、低炭素社会に貢献し、更に再生エネルギーの増加やスマートグリッド普及で予想される電力負荷変動にも対応可能な「701F5形ガスタービン」の開発
・経済産業省主導のプロジェクトである次世代型「タービン入口温度1,700℃級ガスタービン」の要素技術の開発
・国内外で商用化が期待されている発電出力500~600MW級の「石炭ガス化複合発電(IGCC)プラント」に関する信頼性・経済性を更に向上させ、また、これまで利用されなかった低品位炭(亜瀝青炭、褐炭等)を有効に活用する技術の開発
・世界最大級の可変速油圧ドライブを搭載した「7MW級大型洋上風車」の開発
・環境規制対応や熱効率向上のソリューションとして推進中の舶用機械・エンジンの複合製品群プロジェクト(MEET)を構成する、①世界最高水準の低燃費エンジン「UEC-Eco」、②環境規制に配慮したガス焚エンジン、③NOx、SOx低減技術としての排気ガス再循環、選択還元脱硝及びスクラバー、④低負荷域でのエンジン性能を改善する過給機、⑤最適燃料を選択できるシェールガス輸送船向けタービン・ディーゼルハイブリッド再熱舶用推進蒸気タービン「UST」の開発
・固体酸化物形燃料電池とガスタービンを複合した次世代の高効率型発電システムである「燃料電池複合発電システム」の開発
・原子力プラントについての、①安全性向上に関する技術の開発、②経済産業省公募プロジェクトへの参画による東京電力福島第一原子力発電所等の事故対応に関する技術の開発、③既設プラントの廃止措置に関する技術の開発
・地球温暖化防止を目指し、石炭焚火力発電所用ボイラの排出ガスからCO2を回収する技術の開発
・環境に対する負荷の大きい工業排水に関する安定処理技術と高回収率水再生技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は500億28百万円である。
(2) 交通・輸送
省エネルギー、環境負荷低減、信頼性、快適性に優れた、船舶、交通システム、民間航空機等の最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・LNGを燃料とする船舶に使われる「高圧LNG燃料供給システム」の開発
・国土交通省が主導する「浮体式洋上風力発電施設の安全性に関する研究開発」に関し、台風が襲来する過酷な日本の洋上環境においても安全に稼動できる大型洋上風車浮体の開発
・新規の操舵機構となる「ステアリングボギー方式」、車両に伝わる振動を軽減する案内輪緩衝機構等の新技術を盛り込んだ新交通システム向け台車の開発(新型ゆりかもめ車両(7300系)へも採用)
・世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた最新鋭リージョナルジェット機「MRJ」の開発
・チタン合金の高速切削・熱間成形加工技術、レーザ加工高速化等の民間航空機に用いられる革新的な製造技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は117億48百万円である。
(3) 防衛・宇宙
日本のリーディングカンパニーとして、長年にわたり防衛・宇宙機器開発で培った技術を駆使して、最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・将来国産戦闘機の技術の獲得を目指し、従来飛行できなかった機動を含む高い運動性及びレーダに探知され難い特性を兼ね備えた超音速小型航空機である先進技術実証機の試作
・海上配備型弾道ミサイル防衛(BMD)用の能力向上型迎撃ミサイルの日米共同開発
・新型基幹ロケットのコスト低減・信頼性向上に資する制御技術及び製造技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は478億76百万円である。
(4) 機械・設備システム
鉄鋼、自動車、物流等の各産業向けの基礎設備及び社会インフラ等を提供するために、市場・需要の多様化に対応した製品固有の研究開発に取り組むとともに、個別製品の最新かつ高度な先進技術を各製品に幅広く適用する取組みを行っている。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・定格出力1,000kWクラスで最高水準の発電効率及び総合効率の達成とメンテナンスコストの低減によりランニングコスト改善を実現する、高効率ガスコージェネレーションシステムの東京ガス株式会社との共同開発
・インバータ制御による発電の高品質化や、負荷に応じた回転数制御による低燃費化・低騒音化を実現する、業界初2.2kVA防音型プロパンガス専用ポータブルエンジン発電機「MGC2200G(MEGASEG)」の開発
・エンジンの低燃費化を実現する、低騒音高効率軸受、高効率タービン及び高効率コンプレッサを搭載した高性能ターボの開発
・ターボ冷凍機と周辺装置を一括制御し、冷却水の台数・変流・温度制御機能を搭載した熱源総合制御システム「エネコンダクタ」の開発
・高性能ツインロータリー圧縮機と新型DCファンモータを搭載し、窓・外壁に近い室内空間に対応する空調機の開発
・切削工具と加工対象物の干渉を防ぐ逃がし動作機構を数値制御(NC)化し加工対応の幅を広げることにより、ヘリカルギヤ(はすば歯車)や二段ヘリカルギヤ等の多様な歯車の歯切り加工を実現するギヤシェーパ「ST40A」の開発
・販売累計実績1,000台を超える門型五面加工機「MVR」をベースに、主軸回転時の熱変位を抑える内部冷却主軸や外気温の変化による機械本体の熱変形を抑えるサーモスタビライザーコラムといった高精度加工対応技術を採用するほか、加工能力・NC性能等の機械性能を全面的に向上させた「MVR-Eχシリーズ」の開発
・ユニバーサルデザインを採用し機械式立体駐車場の事故防止や使い勝手向上を実現する支援ツール「スマートパーキングシステム」の開発
当セグメントに係る研究開発費は200億71百万円である。
(5) その他
次世代の社会インフラであるITS(高度道路交通システム)分野において、交通の更なる安全性向上と渋滞緩和等の快適な交通環境の実現に向け、市場ニーズに対応した研究開発に取り組んでいる。
当セグメントにおける主な研究開発は次のとおりである。
・IDタグを利用した廉価型課金システムの開発
・安全運転支援やグリーンウェーブ走行支援等の光ビーコンを用いたサービスの開発
・統合制御システム、充電設備及び電気自動車(EV)を組み合わせた地域・施設系エネルギーマネジメントシステム等のスマートコミュニティ関連技術の開発
当セグメントに係る研究開発費は13億67百万円である。
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