山一電機株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)

当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動内容、開発成果は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,341,551千円であります。

[テストソリューション事業]
半導体の試験分野のうち、バーンインソケット市場においては、QFP用ソケットで新たにVAバージョンやグランド強化品を開発投入いたしました。さらに、スマートフォンやタブレットなどに搭載されるメモリ用のソケットも各ユーザーの要求を満足させるべく、多種類を開発投入いたしました。また、自動車関連用各種センサ向けに様々なソケットを開発投入いたしました。これらはユーザーの様々な要求に積極的に提案を行った製品群であり、電気的性能、機械的性能、価格など様々な面で、半導体の歩留まり向上を含めユーザーのトータルコスト低減に寄与いたしました。
テストソケット市場においては、現在市場が大きく伸びている各種センサの分野に着目して開発を進めております。映像、自動車関連、ジャイロ等、多用途のセンサの普及に伴い、極小ピッチから同軸構造や極短の高周波用まで、様々なプローブピンを開発投入しております。また、この分野のテストソケットにつきましても、バーンインソケットで培った設計製造技術により、ハンドラー用からオープントップタイプ等、ユーザー要求に対応した様々な形態のソケットを開発し提供しております。
なお、テストソリューション事業の研究開発費は407,028千円であります。

[コネクタソリューション事業]
当社グループが得意とする高精度メカ技術、高信頼接触技術、高速伝送技術、フレキシブル基板技術を核に、当事業が注力する通信市場、自動車関連機器市場、産業機器市場の重点3市場での差異化新製品の開発を進めております。
通信市場分野においては、基幹系通信機器に用いられる100Gbpsの超高速伝送対応のCFP、CFP2及びCFP4コネクタの開発で他社に先行した製品化を実現してまいりました。また、スマートフォンの普及によりますます増大する情報通信トラフィック量に応えるため、通信インフラ系向け新製品開発により、お客様のニーズに対応した品種拡充を進めております。
自動車関連機器市場分野においては、カーナビゲーション自体のデジタル化が進んでおり、外部のインターフェイスでは同軸、HDMI、FAKRA、HSD、ロック付高速伝送コネクタ、内部では先行開発しておりましたデジタル化に対応したインフォテイメント用カードエッジコネクタ及び高速伝送BtoB等、高速伝送系のコネクタの開発を推進しております。走行安全等に用いられる自動車関連用カードコネクタは信頼性に関しての要求が高く、振動、異物に強い高信頼性カードコネクタの開発を展開しております。
産業機器市場分野においては、半導体検査装置用コネクタを開発しており、さらに、高速、耐熱、耐久挿抜に対応した製品の拡充を展開してまいります。また、操作性、超耐熱、大電流等、市場要求に対応した新製品の開発も進めてまいります。
YFLEX事業においては、高速伝送対応のフレキシブル配線板(YFLEX)を開発しており、コネクタとマッチングさせたコラボレーション製品の開発を加速させております。また、ケーブル用途の高屈曲FPCや基板用途の高透明FPCにより、アミューズメント関連事業を拡大するとともに、開発した超薄型化多層基板を高速伝送や高周波モジュール製品に展開することにより通信関連事業への参入拡大を進めてまいります。
なお、コネクタソリューション事業の研究開発費は823,650千円であります。

[光関連事業]
光通信市場においては、モバイル環境の充実、スマートフォンの急激な普及に伴いクラウドサービスが拡大し、データセンタ等における情報処理量や通信トラフィックは今後も増大が予測されております。当社グループの光関連事業では40Gbps/100Gbps伝送用光トランシーバに搭載される光学フィルタブロック(Optical Filter Block)の大幅な小型化・低コスト化を目指し新製品開発・市場投入を積極的に展開しております。また、医療・分析機器関連では励起・蛍光を用いた観察システム・光度計に搭載される多層膜フィルタの高性能化にも注力し、競争力強化を進めております。モジュール・デバイス関連製品では、競合メーカーが対応していない波長帯の量子ドットレーザやモジュール等の研究開発を進めております。
なお、光関連事業の研究開発費は110,873千円であります。