有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100D2JB
株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス 事業の内容 (2018年2月期)
当社グループは、当社、連結子会社13社および非連結子会社1社により構成されております。
当社は、食品の製造および販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、持株会社として、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、子会社に対し、営業、製造、仕入物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援および統括をおこなっております。当社の統括により、各子会社の“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合う仕組み「中小企業支援プラットフォーム」を構築しております。
(1)当社設立の背景
a.中小食品企業を取り巻く状況
日本食は世界的にも極めて高い評価を受け注目されている分野であると同時に、国内の食品産業は1990年代から一貫して事業所数、雇用者数、GDPの面から最大の業種であり、日本が誇る基幹産業であります。この産業は、その企業数の99%を中小企業が担っており、それぞれが優れた商品や技術力を持っております。
しかしながら、少子高齢化等により国内の市場規模は縮小し続けており、一部の中小食品企業にとっては、単独での生き残りが難しい経営環境が続いております。そのため、多くの企業が事業継続をあきらめて廃業や事業停止を選択する状況となっております。
b.中小企業の事業承継の状況
経営者の平均引退年齢は70歳前後(※1)となる中、経営者の平均年齢は59.5歳(※2)に達し、今後10年間で約50%の経営者が平均引退年齢を迎えることが予想されます。そうした中、国内企業の3分の2にあたる66.5%(※3)が後継者不在となっており、事業承継の準備をおこなっている企業は、社長が60歳代でも約40%(※4)にとどまるなど、事業承継の準備が進んでいない状況にあります。
(※1)中小企業庁「中小企業白書」(2013年版)、(※2)㈱帝国データバンク「全国社長年齢分析(2018年)」、(※3)㈱帝国データバンク「2017年後継者問題に関する企業の実態調査」、(※4)中小企業庁「中小企業白書」(2014年版)
c.中小食品企業における事業承継の受け皿の状況
中小食品企業における事業承継ニーズが高まる一方で、受け皿となる会社や組織が少ないのが現状です。中小食品企業は大企業が受け皿となるには規模が小さいことが多く、投資ファンドは、単独での高い成長と数年以内の売却を主な目的としていることから成熟市場にある中小食品企業は投資対象になりにくく、事業承継の担い手が圧倒的に不足する原因となっております。
d.当社グループのビジネスモデルについて
このような全国の中小食品企業が抱える事業承継問題に対応して、当社グループでは、当社が構築する「中小企業支援プラットフォーム」により事業の受け皿となることで、この問題を解決してまいります。
また、受け入れた中小食品企業の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウ等を伸ばしつつ、人材・資金不足、販路拡大といった様々な課題を解決して、さらなる業績の拡大を図ります。
「中小企業支援プラットフォーム」は、当社が食品の製造・販売に特化して取り組んできた実績とノウハウの蓄積により構築してきたものであります。これは、食品業界全般の企業に対し汎用的に用いることができるものと考えております。
なお、当社は、グループ化した子会社の売却を目的としていないため、中長期的な視点から子会社の持続的な成長の実現に向けた取り組みをおこなっております。このため、事業規模が小さく成長に時間がかかる企業や、成長のための経営資源が不足しているような企業などを含め、幅広い中小企業の受け皿になっております。
(2)当社および当社グループ各社の事業における位置づけおよびセグメント区分
a.株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスについて
当社は持株会社として、当社グループ全体の戦略の立案・実行、経営管理をおこなうほか、機能別に配置した統括責任者がグループのリソースを活用することで子会社の支援および統括をおこなっております。
b.事業子会社について
子会社の事業の種別に応じて「製造事業セグメント」と「販売事業セグメント」に分かれております。
(a)製造事業セグメント
それぞれの会社が独自の商品を開発、製造し、卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等へ販売をおこなっております。
(注)1.2018年2月期に楽陽食品㈱において製造されたチルドシウマイの販売量となります。
2.㈱桜顔酒造の杜氏である猪川栄四郎が、岩手県がおこなう2012年度岩手県卓越技能者表彰を受賞しております。
(b)販売事業セグメント
販売機能と企画機能を強みとしており、消費者のニーズを捉えた商品を企画開発し、主に業務用チャネルへの販売をおこなっております。また、独自の調達ルートや販売ルートを活用することで、当社グループ各社への原材料の供給や当社グループ各社の商品の販売を行い、販路拡大の役割も担っております。
(3)当社グループの中小企業活性化ビジネスの特徴
a.事業承継の受け皿としての当社の強み
当社は、支援・活性化をおこなう中小企業を原則完全子会社化しており、短期的な視点でなく中長期的な視点に基づいてグループ一体となり経営をおこなっております。これにより事業の継続を望む中小企業の株主や経営者は安心して会社を任せることができ、従業員も安心して働くことができるシステムを構築しております。
また、当社は創業以来、中小の食品関連企業に特化し13社の子会社化と、その後の再成長を図るための取り組みをおこなってきた経験等により、食品業界の市場環境や商習慣、中小食品企業特有のリスク等を熟知することとなり、数ある中小企業の中から強みを持つ企業を選ぶ目利き力を磨き、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見を蓄積してまいりました。
さらに、都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等の幅広いネットワークを構築しており、中小食品企業のM&A情報を得る体制を構築しております。
b.中小企業支援プラットフォーム
「中小企業支援プラットフォーム」は、中小企業が本来持っている“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合うことを目的とし、各子会社がおこなう業務(営業、製造、仕入物流、商品開発、品質管理、経営管理など)を、当社の統括責任者が会社の壁を超えて横断的に統括し、有機的に結び付けるシステムであります。
機能別に子会社を横断的に管理するため、当社内に設けた部署に所属する統括責任者のもと、各子会社が持つ販路、生産管理手法、商品開発ノウハウなどを共有し、子会社各社での相互活用や、経営管理の効率化、グループ信用力を活用した資金調達により当社グループ全体で成長を実現しております。
(a)販路の拡大
中小食品企業の販売の現場では、魅力ある商品を製造している企業であっても、規模の制約から全国への販路の拡大が十分とは言い難い場合があります。
当社の営業統括責任者は、グループ各社が持つ日本全国の様々なチャネルや販売先を把握し、グループ内で取引先の共有や紹介、クロスセル(既存販売先へのグループ商品の販売)および営業管理・支援をおこなうことで、各社の新規販売先の開拓を実現しております。また、従来、個社では取組むことができなかった大型のプライベートブランド商品の製造も受注しております。
(b)製造の効率化
中小食品企業の製造の現場では、既存の設備を使い従来の製造手法で製造を続けているため、生産効率が必ずしも高くないことが多く見られます。
当社の製造統括責任者は、国内にある16カ所すべての製造拠点を把握し、多様な生産管理ノウハウを蓄積しているため、従来の取組みとは異なる発想で、各製造拠点の効率化・合理化をおこなっております。また、当社資金を活用した設備投資により、生産効率の向上とコストダウンを実現しております。さらに、原価計算を正確におこなうことで、商品別、取引先別に取引の適正性を把握し、的確な意思決定をおこなえる仕組みを構築しております。
(c)新規商品の開発
中小食品企業の開発の現場では、商品開発の専門的なノウハウを持った人材は費用対効果の面で採用することが難しい状況にあります。
当社では商品開発の専門者を統括責任者とし、グループ各社の商品開発を行う際に消費者調査等をもとに顧客ニーズを捉えた商品を開発しております。また、販売促進に関する企画や大手量販店のプライベートブランド商品の開発もおこなっております。
(d)品質管理体制の強化
中小食品企業の品質管理の現場では、昨今の異物混入等の品質関連の問題を受けて、品質管理への負担が経営の圧迫要因の1つとなっていることがあります。
当社の品質管理統括責任者は、当社グループの品質管理に関する業務を統括し、各製造拠点や仕入先の品質管理体制を強化しております。また、食品関連の法規制に対する法令順守の体制を構築し、安心・安全な食品を提供しております。
(e)経営管理の充実
中小食品企業の経営管理の現場では、経営管理に多くの人員を割くことができないため、経営状況を正確かつ迅速にとらえることができず、的確な意思決定ができないことや重大なリスクを見過していることがあります。
当社の統括本部および経営企画室は、子会社の経営状況を迅速かつ正確に把握し、対策を検討、実行することで、経営の意思決定スピードを上げ、強固な経営管理体制を構築しております。
(f)資金調達および資金力
中小食品企業の資金調達の現場では、資金調達に奔走し本来の営業活動や製造活動に注力できないことや、資金不足により設備投資や人材の採用・育成など長期的な成長に必要な投資ができなくなっていることがあります。
当社グループは、キャッシュマネジメントシステムの導入によりグループ内の資金を効率的に活用することで、グループ各社の資金繰りに関する業務負担が無くなっております。また、資金不足の解消により、中長期的な成長に向けた設備投資や人材採用や育成が可能となります。
(g)人材の確保
中小食品企業の人材採用の現場では、知名度や安定性に欠けるため優秀な人材を採用することが難しいことがあります。
当社グループは、グループ全体の規模と知名度を生かすことで、業界内外から優秀な人材の採用をおこなうことができます。また、子会社化の中から企業経営や生産管理等の経験を持つスペシャリストを統括責任者として昇格させることで、グループ内のモチベーションを上げ、優秀な人材の確保をおこなっております。
(h)プラットフォームの拡張性
中小企業支援プラットフォームは、現在の13社体制においても有効に機能し効果をあげておりますが、今後さらに子会社が増加することにより、新たな強みとなるノウハウが加わりグループの経営資源もさらに蓄積されてまいります。それにより、既存の子会社にとっても業績拡大の機会や生産効率化ノウハウの獲得などのシナジーが生じることとなります。子会社の増加は、新たな企業の支援という意味だけでなくプラットフォームの強化となり、既存の子会社にとっても新たな経営リソースとして作用するものと考えております。
c.地域の活性化
当社では、子会社の株式会社桜顔酒造(岩手県)、白石興産株式会社(宮城県)、株式会社オーブン(愛媛県)、栄川酒造株式会社(福島県)、株式会社ヤマニ野口水産(北海道)に代表されるように、地方の中小食品企業の事業承継を積極的に検討してまいりました。当社の中小企業支援プラットフォームを活用することで、これまで地域を限定して販売されていた魅力ある商品を全国(および一部海外)に展開することや、当社の資金を活用して新たな設備投資をおこなうことができます。これにより、地方の中小食品企業の再成長と地方経済の活性化を促しております。
なお、当社は、有価証券の取引等の規則に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当社は、食品の製造および販売をおこなう中小企業の支援・活性化を目的とし、持株会社として、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、子会社に対し、営業、製造、仕入物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援および統括をおこなっております。当社の統括により、各子会社の“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合う仕組み「中小企業支援プラットフォーム」を構築しております。
(1)当社設立の背景
a.中小食品企業を取り巻く状況
日本食は世界的にも極めて高い評価を受け注目されている分野であると同時に、国内の食品産業は1990年代から一貫して事業所数、雇用者数、GDPの面から最大の業種であり、日本が誇る基幹産業であります。この産業は、その企業数の99%を中小企業が担っており、それぞれが優れた商品や技術力を持っております。
しかしながら、少子高齢化等により国内の市場規模は縮小し続けており、一部の中小食品企業にとっては、単独での生き残りが難しい経営環境が続いております。そのため、多くの企業が事業継続をあきらめて廃業や事業停止を選択する状況となっております。
b.中小企業の事業承継の状況
経営者の平均引退年齢は70歳前後(※1)となる中、経営者の平均年齢は59.5歳(※2)に達し、今後10年間で約50%の経営者が平均引退年齢を迎えることが予想されます。そうした中、国内企業の3分の2にあたる66.5%(※3)が後継者不在となっており、事業承継の準備をおこなっている企業は、社長が60歳代でも約40%(※4)にとどまるなど、事業承継の準備が進んでいない状況にあります。
(※1)中小企業庁「中小企業白書」(2013年版)、(※2)㈱帝国データバンク「全国社長年齢分析(2018年)」、(※3)㈱帝国データバンク「2017年後継者問題に関する企業の実態調査」、(※4)中小企業庁「中小企業白書」(2014年版)
c.中小食品企業における事業承継の受け皿の状況
中小食品企業における事業承継ニーズが高まる一方で、受け皿となる会社や組織が少ないのが現状です。中小食品企業は大企業が受け皿となるには規模が小さいことが多く、投資ファンドは、単独での高い成長と数年以内の売却を主な目的としていることから成熟市場にある中小食品企業は投資対象になりにくく、事業承継の担い手が圧倒的に不足する原因となっております。
d.当社グループのビジネスモデルについて
このような全国の中小食品企業が抱える事業承継問題に対応して、当社グループでは、当社が構築する「中小企業支援プラットフォーム」により事業の受け皿となることで、この問題を解決してまいります。
また、受け入れた中小食品企業の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウ等を伸ばしつつ、人材・資金不足、販路拡大といった様々な課題を解決して、さらなる業績の拡大を図ります。
「中小企業支援プラットフォーム」は、当社が食品の製造・販売に特化して取り組んできた実績とノウハウの蓄積により構築してきたものであります。これは、食品業界全般の企業に対し汎用的に用いることができるものと考えております。
なお、当社は、グループ化した子会社の売却を目的としていないため、中長期的な視点から子会社の持続的な成長の実現に向けた取り組みをおこなっております。このため、事業規模が小さく成長に時間がかかる企業や、成長のための経営資源が不足しているような企業などを含め、幅広い中小企業の受け皿になっております。
(2)当社および当社グループ各社の事業における位置づけおよびセグメント区分
a.株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングスについて
当社は持株会社として、当社グループ全体の戦略の立案・実行、経営管理をおこなうほか、機能別に配置した統括責任者がグループのリソースを活用することで子会社の支援および統括をおこなっております。
b.事業子会社について
子会社の事業の種別に応じて「製造事業セグメント」と「販売事業セグメント」に分かれております。
(a)製造事業セグメント
それぞれの会社が独自の商品を開発、製造し、卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア等へ販売をおこなっております。
名称 | 事業内容と特徴 | 販売先 |
楽陽食品㈱ (東京都足立区) | 国内5カ所の工場において、チルドシウマイおよびチルド餃子を製造販売しております。チルドシウマイの生産量は国内トップシェアを誇り、主力商品である「チルドシウマイ」は年間約3,130万パック(注1)販売しております。 | 主に、大手スーパーとの直接取引や、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー量販店、ドラッグストア、生活協同組合等へ販売しております。 |
㈱オーブン (愛媛県四国中央市) | 供給量が限られた広島県産カキを調達する独自のルートをもち、かきフライを主力商品として、鶏なんこつのから揚げやささみフライ等を製造販売しております。 | 主に、大手食品商社を経由して、日本全国のスーパー量販店、生活協同組合等へ販売しております。 |
白石興産㈱ (宮城県白石市) | 創業130年、宮城県白石市特産の白石温麺を主力商品とし、伝統的な製法により製造される乾麺等の製造販売をおこなっております。 | 主に、大手食品商社を経由して、東北地区、関東地区のスーパー量販店、ドラッグストア、生活協同組合等へ販売しております。 |
㈱ダイショウ (埼玉県比企郡ときがわ町) | ピーナッツバターのパイオニアであり、独自の製法により作られる「ピーナッツバタークリーミー」は1985年の販売開始以来、30年以上続くロングセラー商品です。 | 主に、大手食品商社を経由して、主に関東地方のスーパー量販店、ドラッグストアへ販売しております。 |
㈱桜顔酒造 (岩手県盛岡市) | 1973年岩手県の地場の酒蔵10社が集まり設立。岩手県卓越技能者表彰(注2)を受賞した杜氏が造る日本酒は、フルーティな味わいであります。 | 主に、酒卸問屋等を経由して、岩手県内のスーパー、飲食店、ドラッグストアおよび首都圏の百貨店等へ販売しております。 |
㈱雄北水産 (神奈川県足柄上郡大井町) | 船上で捕獲直後にマイナス50度からマイナス60度で瞬間冷凍される船凍品のマグロ等を使用したねぎとろ、まぐろ切り落としを製造販売しております。 | 主に、水産卸売市場を経由して、主に関東地方と東北地方のスーパー量販店へ販売しております。 |
純和食品㈱ (埼玉県熊谷市) | 埼玉県HACCPを取得するなど、万全な生産管理体制を構築しており、ゼリーの製造においては新興企業ながら、大手GMSに評価されるなど、その技術力と商品力には定評があります。 | 主に、大手GMS等のPB向け商品を販売するほか、スーパー量販店へは自社開発したNB商品を販売しております。 |
栄川酒造㈱ (福島県耶麻郡磐梯町) | 1869年会津若松にて創業。「日本名水百選指定磐梯西山麓湧水群」の清らかな名水を仕込水に、澄みきった自然環境の中で、人の五感を最大限に生かした伝統的手造りを継承しながら口当たり柔らかな飲み飽きしない清酒を醸造しております。 | 主に、酒卸問屋等を経由して、福島県内のスーパー、飲食店、ドラッグストアおよび首都圏の飲食店等へ販売しております。 |
㈱エスケーフーズ (埼玉県大里郡寄居町) | チルド・冷凍とんかつ等の製造販売を主力としており、お客様ニーズに対応する製品を生産しております。また、直接仕入れ、直接販売をおこなうなど、商社機能を有するメーカーでもあります。 | 主に、商社等を介さず、直接大手スーパー等へ製商品を販売しております。 |
名称 | 事業内容と特徴 | 販売先 |
㈱ヤマニ野口水産 (北海道留萌市) | 半世紀にわたり、北海道特産品である鮭とばやにしん等を熟練工によって独自の製法により製造販売しております。 | 主に、地場卸問屋等を経由して、北海道内のスーパー、コンビニエンスストアおよび道の駅等へ販売しております。 |
JSTT SINGAPORE PTE. LTD. (シンガポール) | シンガポールにおいて、空輸で運ばれた新鮮な日本産の魚介類等を使用し、寿司、巻物、おにぎり等の製造販売をおこなっております。 | 主に、シンガポールで最大のスーパーマーケットチェーンであるCold Storageの各店舗において、商品の販売をおこなっております。 |
(注)1.2018年2月期に楽陽食品㈱において製造されたチルドシウマイの販売量となります。
2.㈱桜顔酒造の杜氏である猪川栄四郎が、岩手県がおこなう2012年度岩手県卓越技能者表彰を受賞しております。
(b)販売事業セグメント
販売機能と企画機能を強みとしており、消費者のニーズを捉えた商品を企画開発し、主に業務用チャネルへの販売をおこなっております。また、独自の調達ルートや販売ルートを活用することで、当社グループ各社への原材料の供給や当社グループ各社の商品の販売を行い、販路拡大の役割も担っております。
名称 | 事業内容と特徴 | 販売先 |
㈱ヨシムラ・フード (埼玉県越谷市) | 業務用食材の企画・販売を主とし、自社で物流機能を持たず、販売先へ直送するビジネスモデルを構築しております。 | 外食産業、スーパー惣菜、産業給食、コンビニエンスストアベンダー、医療福祉関係、学校給食など、多種多様な販路を有しております。 |
㈱ジョイ・ダイニング・プロダクツ (埼玉県越谷市) | 冷凍食品の企画・販売をおこなっております。日本全国の生活協同組合に直接口座を有しており、それを活用してグループ商品の販売もおこなっております。 | 主に、全国の生活協同組合や宅配業者に対して販売しております。 |
(3)当社グループの中小企業活性化ビジネスの特徴
a.事業承継の受け皿としての当社の強み
当社は、支援・活性化をおこなう中小企業を原則完全子会社化しており、短期的な視点でなく中長期的な視点に基づいてグループ一体となり経営をおこなっております。これにより事業の継続を望む中小企業の株主や経営者は安心して会社を任せることができ、従業員も安心して働くことができるシステムを構築しております。
また、当社は創業以来、中小の食品関連企業に特化し13社の子会社化と、その後の再成長を図るための取り組みをおこなってきた経験等により、食品業界の市場環境や商習慣、中小食品企業特有のリスク等を熟知することとなり、数ある中小企業の中から強みを持つ企業を選ぶ目利き力を磨き、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見を蓄積してまいりました。
さらに、都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等の幅広いネットワークを構築しており、中小食品企業のM&A情報を得る体制を構築しております。
b.中小企業支援プラットフォーム
「中小企業支援プラットフォーム」は、中小企業が本来持っている“強み”を伸ばし、“弱み”を補い合うことを目的とし、各子会社がおこなう業務(営業、製造、仕入物流、商品開発、品質管理、経営管理など)を、当社の統括責任者が会社の壁を超えて横断的に統括し、有機的に結び付けるシステムであります。
機能別に子会社を横断的に管理するため、当社内に設けた部署に所属する統括責任者のもと、各子会社が持つ販路、生産管理手法、商品開発ノウハウなどを共有し、子会社各社での相互活用や、経営管理の効率化、グループ信用力を活用した資金調達により当社グループ全体で成長を実現しております。
(a)販路の拡大
中小食品企業の販売の現場では、魅力ある商品を製造している企業であっても、規模の制約から全国への販路の拡大が十分とは言い難い場合があります。
当社の営業統括責任者は、グループ各社が持つ日本全国の様々なチャネルや販売先を把握し、グループ内で取引先の共有や紹介、クロスセル(既存販売先へのグループ商品の販売)および営業管理・支援をおこなうことで、各社の新規販売先の開拓を実現しております。また、従来、個社では取組むことができなかった大型のプライベートブランド商品の製造も受注しております。
(b)製造の効率化
中小食品企業の製造の現場では、既存の設備を使い従来の製造手法で製造を続けているため、生産効率が必ずしも高くないことが多く見られます。
当社の製造統括責任者は、国内にある16カ所すべての製造拠点を把握し、多様な生産管理ノウハウを蓄積しているため、従来の取組みとは異なる発想で、各製造拠点の効率化・合理化をおこなっております。また、当社資金を活用した設備投資により、生産効率の向上とコストダウンを実現しております。さらに、原価計算を正確におこなうことで、商品別、取引先別に取引の適正性を把握し、的確な意思決定をおこなえる仕組みを構築しております。
(c)新規商品の開発
中小食品企業の開発の現場では、商品開発の専門的なノウハウを持った人材は費用対効果の面で採用することが難しい状況にあります。
当社では商品開発の専門者を統括責任者とし、グループ各社の商品開発を行う際に消費者調査等をもとに顧客ニーズを捉えた商品を開発しております。また、販売促進に関する企画や大手量販店のプライベートブランド商品の開発もおこなっております。
(d)品質管理体制の強化
中小食品企業の品質管理の現場では、昨今の異物混入等の品質関連の問題を受けて、品質管理への負担が経営の圧迫要因の1つとなっていることがあります。
当社の品質管理統括責任者は、当社グループの品質管理に関する業務を統括し、各製造拠点や仕入先の品質管理体制を強化しております。また、食品関連の法規制に対する法令順守の体制を構築し、安心・安全な食品を提供しております。
(e)経営管理の充実
中小食品企業の経営管理の現場では、経営管理に多くの人員を割くことができないため、経営状況を正確かつ迅速にとらえることができず、的確な意思決定ができないことや重大なリスクを見過していることがあります。
当社の統括本部および経営企画室は、子会社の経営状況を迅速かつ正確に把握し、対策を検討、実行することで、経営の意思決定スピードを上げ、強固な経営管理体制を構築しております。
(f)資金調達および資金力
中小食品企業の資金調達の現場では、資金調達に奔走し本来の営業活動や製造活動に注力できないことや、資金不足により設備投資や人材の採用・育成など長期的な成長に必要な投資ができなくなっていることがあります。
当社グループは、キャッシュマネジメントシステムの導入によりグループ内の資金を効率的に活用することで、グループ各社の資金繰りに関する業務負担が無くなっております。また、資金不足の解消により、中長期的な成長に向けた設備投資や人材採用や育成が可能となります。
(g)人材の確保
中小食品企業の人材採用の現場では、知名度や安定性に欠けるため優秀な人材を採用することが難しいことがあります。
当社グループは、グループ全体の規模と知名度を生かすことで、業界内外から優秀な人材の採用をおこなうことができます。また、子会社化の中から企業経営や生産管理等の経験を持つスペシャリストを統括責任者として昇格させることで、グループ内のモチベーションを上げ、優秀な人材の確保をおこなっております。
(h)プラットフォームの拡張性
中小企業支援プラットフォームは、現在の13社体制においても有効に機能し効果をあげておりますが、今後さらに子会社が増加することにより、新たな強みとなるノウハウが加わりグループの経営資源もさらに蓄積されてまいります。それにより、既存の子会社にとっても業績拡大の機会や生産効率化ノウハウの獲得などのシナジーが生じることとなります。子会社の増加は、新たな企業の支援という意味だけでなくプラットフォームの強化となり、既存の子会社にとっても新たな経営リソースとして作用するものと考えております。
c.地域の活性化
当社では、子会社の株式会社桜顔酒造(岩手県)、白石興産株式会社(宮城県)、株式会社オーブン(愛媛県)、栄川酒造株式会社(福島県)、株式会社ヤマニ野口水産(北海道)に代表されるように、地方の中小食品企業の事業承継を積極的に検討してまいりました。当社の中小企業支援プラットフォームを活用することで、これまで地域を限定して販売されていた魅力ある商品を全国(および一部海外)に展開することや、当社の資金を活用して新たな設備投資をおこなうことができます。これにより、地方の中小食品企業の再成長と地方経済の活性化を促しております。
なお、当社は、有価証券の取引等の規則に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
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